システム開発の要件定義と仕様決定
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IT・著作権について

システム開発の要件定義と仕様決定

2012年04月12日

前回のブログでは、Webサイト制作、システム開発、ゲーム開発を受託する場合の契約書作成のポイントとして、

著作権の帰属を明らかにしておかねばならない

というお話をさせていただきました。

 

 

今回は、システム開発などを受託するときには、

必ず、開発するシステム等の要件定義を十分に行い、制作するシステムの仕様を明確にしておかねばならない

というお話をさせていただきます。

 

 

 

ユーザーがベンダーに対してシステム開発を委託するのは、今行っている業務をより便利にしたり自動化することが目的であることが多いです。

 

また、Webサイト制作、ゲーム開発の委託についても、当然、ユーザーの側で、

「こういうWebサイトを作ってほしい」

こういうゲームを作ってほしい」

という要望があって、委託してくるわけです。

 

 

ですので、ベンダー側が開発するシステムなどが実装すべき機能や満たすべき性能などを明確にしていく作業、いわゆる「要件定義」は、基本的にはユーザー側が責任を持って行わねばならない作業になります。

 

 

ただ、そうは言うものの、ユーザーとベンダーでは、ソフトウェアに関する専門的能力に大きな開きがあり、ユーザーは、ベンダー側の専門能力に期待して開発委託を行っているのですから、ベンダーはユーザーの行うこの要件定義の作業を十分に支援しなければなりません。

 

 

 

ユーザー側はえてして、

「システム開発の専門家にお任せしておけば大丈夫だ」

というスタンスで、ベンダー側に開発を丸投げしがちです。

 

 

ベンダーの側としても、ユーザー側から細かいことを言われるよりも丸投げしてもらった方が、仕事がやりやすいことからも、積極的にユーザー側に関与を求めることしない傾向にあります。

 

 しかし、これでは、システムが完成した後、ユーザーの側から、

「我々の求めていたシステムと違う!」

などというクレームがついて、トラブルが生じる危険性があります。

 

 

また、ユーザーから自分たちが考えていたシステムとは違うと主張されて、次々と修正や機能の追加を求められ、いつまでたっても代金を払ってもらえないということにもなりかねません。

 

 

 

この点、契約書できちんと仕様が決まっていれば、ユーザーがあとから機能の追加を言ってきても、それは「当初の費用の見積もりに入っていないから別料金で対応します」とか「すでに契約書で定められた仕様どおり完成していますから契約書で決められた料金をお支払いください」という対応ができるようになります。

 

 

ですので、トラブルを避け、またきちんと代金を回収するためにも、契約時に、ユーザー側とベンダー側が協力し合って、要件定義の作業を十分に行わなければならないのです。

 

 

ユーザーと協力して要件定義の作業を行うに当たって、ベンダーとして気を付けるべきことは、

まず、「開発するシステムによってできることとできないこと」を、ユーザーにしっかりと説明することです。

 

特に、中小企業向けのシステムは、開発費用節約の面から、既存のパッケージソフトウェアやベンダーがもともと持っていたシステムに手を加えて制作される場合が多いと思います。

 

 

その場合には特に、ユーザー企業の業務運営を完全にシステムに反映させることが出来るわけではないですので、「開発されるシステムによってできないこと」をしっかりとユーザーに説明し、決まった仕様を要件定義書の形で文書に残しておくことが必要です。

 

また、システム等の開発に当たっては、契約締結前に、ベンダーからユーザーに対して提案書でもって各種の提案をされていることと思います。

その提案書の内容についても、システム等の仕様を決めるものとして、契約書に添付し、かつ契約書で引用して、契約の中身に入れておくべきです。

もちろん、提案書はあくまで営業段階で出されるものですので、最終的な仕様決定の段階である要件定義の仕様が優先されるべきです。

 

ですので、契約条項に、次のような規定を入れて、要件定義書、および提案書の内容を、開発するシステムの仕様とするように、定めておくべきです。

 

 

 

第○条

本件契約に基づいて乙が開発すべきシステムの仕様は、本契約書添付の要件定義書及び提案書記載のとおりとする。但し、要件定義書と提案書の記載に異なる点がある場合には、要件定義書の記載を優先するものとする。

 

 

 

そのほか要件定義に大変な労力がかかる場合には、要件定義のためのサポート業務、ユーザーとの打ち合わせ業務だけをまず費用を決めて頼んでもらい、その結果を踏まえて開発の費用を決めて開発の契約をするというように2段階の契約にする方法もあります。

経済産業省や業界団体が作成しているモデル契約書はこのような方式を採用しています。

 

どちらの方法をとるかは、開発の規模にもよりますが、どちらにしても「何を開発すれば代金がもらえるのか」について契約書で明確に定めておくことは、システム開発でトラブルを起こさないための最重要ポイントといえます。

 

 

 

 

 

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