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Webサイト・ホームページ制作に素材サイトの画像を利用する際の著作権の注意点【賠償請求のケース有り】

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  • 素材サイトの写真を利用する際の注意
    自社のWebサイトやWebメディアの運用に、画像やイラストの素材ダウンロードサイトからダウンロードした素材を利用されている会社も多いと思います。

    画像やイラストの素材ダウンロードサイトからダウンロードした素材の著作権の確認は大丈夫でしょうか?

    画像やイラストの素材ダウンロードサイトの素材の利用については、「フリーサイトから入手したものだとしても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべき」とした裁判所の判決が出ており、著作権の確認に注意が必要です(東京地方裁判所平成27年4月15日判決)。

    今回は、この判決も踏まえて、Webサイトに素材ダウンロードサイトからダウンロードした画像やイラストなどを利用する際の注意点についてご説明したいと思います。

     

    今回の記事で書かれている要点(目次)

    ●Webサイト制作に素材サイトの画像を利用する際の重要な注意点!
    ●ダウンロードした画像やイラスト素材について利用前に確認しておくべきポイント!
    ●万一の著作権トラブルに備えて準備しておくべき事柄とは?

     

    Webサイト制作に素材サイトの画像を利用する際の重要な注意点!

    Webサイト制作に画像やイラストの素材ダウンロードサイトの素材を利用する際は、以下の2点に注意が必要です。

    画像やイラストの素材ダウンロードサイトの素材を利用する場合の注意点

    注意点1:
    ダウンロードした素材が他人の著作権を侵害していて、著作権トラブルになるリスクがある。

    注意点2:
    ダウンロードした素材が著作権を侵害していた場合は、利用者が賠償責任を負う可能性がある。

    以下で順番に注意点について詳しくご説明したいと思います。

    注意点1:
    ダウンロードした素材が他人の著作権を侵害していて、著作権トラブルになるリスクがある。

    この点は、素材ダウンロードサイトでダウンロードできる素材が、そもそもどのようにして制作されたものなのかを考えるとよく理解できます。一般には、素材ダウンロードサイトでダウンロードできる素材には以下の3種類が考えられます。

    画像やイラストの素材ダウンロードサイトでダウンロードできる素材の種類

    (1)ダウンロードサイトの運営会社が自社で制作した素材。
    (2)ダウンロードサイトの運営会社が制作会社に報酬を支払って制作させた素材。
    (3)制作会社や写真家が作成して素材ダウンロードサイトにアップロードした素材を、ダウンロードサイトの運営会社が委託を受けて代理販売あるいは無償提供している素材。

    このうち、特に「(3)」の制作会社や写真家が作成して画像やイラストの素材ダウンロードサイトにアップロードした素材は、各素材についてダウンロードサイトの運営会社が1つずつ著作権の確認を行っているわけではありません。

    そのため、著作権についての意識が低い投稿者が、「第三者のウェブサイトに掲載されている画像やイラスト」あるいは「別のダウンロードサイトからダウンロードした画像やイラスト」を無断でアップロードしてしまうリスクがあることが否定できません。このように、写真やイラストの素材ダウンロードサイトにはその仕組み上、著作権侵害の素材が混じり込むリスクがあることをまずおさえておく必要があります。

    注意点2:
    ダウンロードした画像やイラスト素材が著作権を侵害していた場合は、利用者が賠償責任を負う可能性がある。

    もし、画像やイラストのダウンロードサイトからダウンロードした素材が著作権を侵害していた場合、その素材を使用していたWebサイトの運営者が著作権侵害の責任を問われることになります。

    具体的には、著作権者から「素材の使用の中止」と、「過去の使用についての損害賠償」を請求されます。利用者が著作権侵害を知らずにダウンロードした写真やイラスト素材であっても、著作権者から賠償請求を受けたり訴訟を起こされたりするのは、ダウンロードサイトの運営会社ではなく、Webサイトを運営している利用者自身です。このように、画像やイラストの素材ダウンロードサイトの素材を利用する際の注意点として、「ダウンロードした素材が他人の著作権を侵害していた場合は、利用者が著作権侵害の損害賠償責任を負担するリスクがある」という点をおさえておきましょう。

     

    ダウンロードした画像やイラスト素材について利用前に確認しておくべきポイント!

    前述したような著作権侵害トラブルのリスクを少しでも減らすために、画像やイラストの素材ダウンロードサイトを利用する際は、ダウンロードした素材について以下の2点を必ず確認しておきましょう。

    ダウンロードした画像やイラスト素材について必ず確認しておくべきポイント!

    ポイント1:ダウンロードサイトの利用規約を確認する。
    ポイント2:素材について、著作権の帰属を確認する。

    以下で順番に上記のポイントについて詳しくご説明したいと思います。

    ポイント1:ダウンロードサイトの利用規約を確認する。

    前述のとおり、ダウンロードした画像やイラスト素材が第三者の著作権を侵害していた場合、利用者自身が著作権者から、賠償請求等を受けることになります。

    そして、その場合、利用者としては画像やイラストのダウンロードサイトの運営会社に対して自分が負担した金額を請求することが考えられます。このような場合に、画像やイラストのダウンロードサイト運営者が利用者が支出した賠償額等を負担してくれるのかどうかについては、ダウンロードサイトの利用規約で定められていることが通常ですので、ダウンロードした素材を利用するかどうかを決める前に、あらかじめ利用規約を確認しておくことをお薦めします。

    たとえば、ダウンロードサイトの「PIXTA(ピクスタ)」の利用規約には、以下のとおり記載があります。

    ●「PIXTA(ピクスタ)」利用規約の引用●

    『当社は、本サービス上のコンテンツ、付随するタグ表記、タイトル又は情報(コンテンツに係る著作権、肖像権、パブリシティ権その他財産権の表示を含む)の正確性及び完全性を保証することはできません。本サービス上にコンテンツ及び情報を提供する場合、及び本サービス上のコンテンツを購入し使用する場合、ユーザー、会員、及びクリエイター会員はいずれも、本規約を遵守し、自己の責任において行うものとします。 』

    これは、要するに、「もし、ダウンロードした素材で著作権トラブルになっても、PIXTA(ピクスタ)は責任はとらない」ということを意味しています。このような場合は、画像やイラストのダウンロードサイトの運営者に賠償金の負担を求めることは難しいですので、その点を理解したうえで素材を利用する必要があります。

    ポイント2:素材について、著作権の帰属を確認する。

    冒頭であげた(東京地方裁判所平成27年4月15日判決)は、「フリーサイトから入手したものだとしても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべき」と判示しています。

    そのため、ダウンロードした画像やイラストの素材を利用する前に、その素材が第三者の著作権を侵害していないかどうかを調べる必要があります。しかし、これについては、確実な著作権の確認の手段は、実際上、存在しません。それでも、ダウンロードした画像やイラスト素材を画像検索で検索してみて、ダウンロードサイト以外の別の場所にアップされていないかどうかを確認することにより一定の目星をつけることはできます。

    例えば、画像検索の結果、オリジナルと思われる画像を掲載したWebサイトを見つけたときは、そのWebサイトに掲載されていた画像を、第三者が無断で素材ダウンロードサイトにアップロードした可能性もあると考えられます。

    また、画像やイラストの無料ダウンロードサイトからダウンロードした素材が、別の有料ダウンロードサイトにも掲載されていることを発見した時は、第三者が有料ダウンロードサイトからダウンロードした素材を、無断で無料ダウンロードサイトにアップロードした可能性があると考えられます。このような場合には、著作権を侵害している可能性があると考え、その素材の利用を控えることが賢明です。また、ダウンロードした画像やイラスト素材について、作成者の表記がされているかも確認しましょう。作成者が表記されていない素材については利用を控えることが賢明です。

    このように、ダウンロードした画像やイラストの素材についての確認のポイントとして、「利用規約を確認すること」と、「素材について別のWebサイトにもアップロードされていないか確認してみること」、「作成者の表記を確認すること」が、重要なポイントになりますのでおさえておきましょう。

     

    万一の著作権トラブルに備えて準備しておくべき事柄とは?

    ダウンロードした画像やイラスト素材が、別のWebサイトにアップロードされていないか確認したうえで利用していても、あとで、著作権者があらわれ、著作権侵害が発覚する可能性はゼロではありません。

    そのために、画像やイラストの素材ダウンロードサイトを利用するときは、あとで著作権侵害のトラブルが発生する可能性があることを意識して、以下の点を準備しておくべきです。

    素材ダウンロードサイトを利用する際に、万一の著作権トラブルに備えて準備しておくべきポイント

    ポイント1:
    どのダウンロードサイトからダウンロードしたのか、素材ごとにダウンロードサイトのURLを記録しておく。

    ポイント2:
    素材ごとに、ダウンロードした日付を記録しておく。

    ポイント3:
    素材ごとに、ダウンロードした際の購入金額を記録しておく。

    ポイント4:
    素材ごとに、ダウンロードしたサイト画面のキャプチャーを残しておく。

    これらの点を記録しておかなければ、画像やイラスト素材をWebサイトに利用した後に、第三者の著作権者があらわれて著作権侵害を理由に損害賠償等を請求された場合に、自社で素材をどのような経緯で取得したのが主張できず、敗訴してしまうことになるので注意が必要です。この点については、冒頭であげた(東京地方裁判所平成27年4月15日判決)が参考になりますので、以下でご紹介します。

    東京地方裁判所平成27年4月15日判決のご紹介

    【事件の概要】
    この事件は、画像やイラストの素材ダウンロードサイト大手の「株式会社アマナイメージズ」が、運営するダウンロードサイトに掲載されている画像を、大阪市内の法律事務所のWebサイトに無断で使用されたとして、法律事務所に損害賠償を請求した事件です。

    【裁判所の結論】
    裁判所は、アマナイメージズの主張を認め、被告の法律事務所に対し、著作権侵害に基づく損害賠償を命じました。

    【裁判での被告側の主張内容】
    この事件で被告となった法律事務所は、「画像は、Webサイト上のフリー素材を使用したものだ」と主張しました。そして、第三者が株式会社アマナイメージズのダウンロードサイトからダウンロードした画像素材をフリー素材としてWebサイト上に流出させたために、被告が「フリー素材である」と誤信して使用したのであって、アマナイメージズに著作権がある素材であることを知らずに使用したことについては、被告に過失がないから損害賠償は認められないと主張しました。

    【裁判所の判断内容】
    被告側の主張に対する裁判所判断は以下の通りです。

    裁判所の判断1:
    まず、裁判所は、「Webサイト上のフリー素材を使用した」とする被告の主張を認めませんでした。これは、被告が、どのWebサイトから、いつ、写真を取得したのかについて全く主張ができなかったことが理由と考えられます。

    裁判所の判断2:
    次に、裁判所は、「仮にフリーサイトから入手したものだとしても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきことは、著作権等を侵害する可能性がある以上当然である。」と判断しました。

    このことから、ダウンロードサイトから入手したなど、入手経緯から著作権侵害のリスクがあると判断できる場合は、利用者は、入手した画像やイラスト素材を使用する前にその素材の著作権について調査を行う義務があるとするのが裁判所の考え方であることが理解できます。

    また、素材ダウンロードサイトからダウンロードした画像やイラスト素材を使用する場合には、「ダウンロードサイトのURL、ダウンロードの日付、購入金額、ダウンロード画面のキャプチャー」等を記録しておくことが必要であることがわかります。著作権侵害のトラブルは、Webサイトでの素材の掲載をはじめてから、ずいぶん後になって発生することもあり、このような記録がなければ、著作権侵害を主張された際に、どこで素材を入手したか主張して反論することができません。

    この記録は、画像やイラストの素材ダウンロードサイトの利用においては、必ず行うべき重要なポイントになりますので、おさえておきましょう。

     

    まとめ

    今回は、Webサイト制作に素材ダウンロードサイトの画像やイラスト素材を利用する際の著作権に関する注意点についてご説明しました。

    画像やイラスト素材のダウンロードサイトには、「場合によっては第三者の著作権を侵害している素材が混じっているリスクがあること」、「ダウンロードした画像やイラスト素材について記録、確認しておくべきポイントがあること」について理解していただけたと思います。

    自社のWebサイトやWebメディアに画像やイラストのダウンロードサイトの素材を利用されている会社は、これらのポイントを担当者にお伝えいただき、必要な記録、確認を徹底しておきましょう。

     

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