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民法改正!不動産取引の変更点と土地建物売買契約書の見直し方法

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  • 民法改正に対応した不動産取引の変更点と土地建物売買契約書の見直し方法

    民法改正について、不動産取引実務や土地建物売買契約書をどのように変更していけばよいかわからず悩んでいませんか。

    民法改正の内容は多岐にわたりますが、不動産取引についておさえておかなければならない重要な変更点は5つに絞ることができます。

    その中でも、特に、今回の民法改正により、土地建物に瑕疵があった場合の売主の責任が拡大される内容になっていることには注意が必要です。従来の土地建物売買契約書をそのまま使用していたのでは、民法改正後は売主が思わぬ責任を負う危険があります。

    今回は、民法改正による「不動産取引の変更点5つ」とそれに伴う「契約書の見直し方法」を具体例もあげてわかりやすく解説します。

    記事を読んで不動産取引に関する民法改正対応の悩みを早めに解決しておきましょう。

     

    ▼民法改正における不動産取引の対応について今スグ相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

     

    この記事を読めばわかること

    ●民法改正による不動産取引の変更点について
    ●民法改正による土地建物売買契約書の見直しについての基本的な考え方
    ●ポイント1:瑕疵担保責任から契約不適合責任に名称が変更
    ●ポイント2:買主が知っていた瑕疵も責任の対象になる
    ●ポイント3:瑕疵があった場合に買主は修補請求や代金減額請求が可能になる
    ●ポイント4:売主が瑕疵を知って売った場合などは売主の責任期間が延長になる
    ●ポイント5:手付に関する契約条項の書き方の見直しが必要
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    1,民法改正による不動産取引の変更点5つ

    不動産取引の変更点

    まず、最初に、今回の民法改正による「不動産取引の変更点」について整理しておきます。

    民法改正による不動産取引の変更点の一覧表

    民法改正による不動産取引の変更点

     

    これらの改正のうち、「ポイント1」から「ポイント4」は瑕疵担保責任に関する改正です。

    不動産に瑕疵があった場合の買主の権利として「代金減額請求」や「修補請求」が新たに追加され、また、売主責任の期間も場合によっては「5年」になるなど、基本的には買主の権利が強化された方向性になっています。

    最後の「ポイント5」は手付に関する改正ですが、これは契約書の表記を修正する必要があるだけで、改正前の実務からの変更はありません。

     

    2,民法改正による土地建物売買契約書の見直しについての基本的な考え方

    民法改正による土地建物売買契約書の見直しについての基本的な考え方

    次に、個別の改正内容に関するご説明に入る前に、民法改正による「土地建物売買契約書の見直し」についての基本的な考え方をご説明しておきたいと思います。

    今回、民法改正によって実質的な変更があったのは、「瑕疵担保責任」の部分です。

    改正前の瑕疵担保責任のルールは、民法改正により「契約不適合責任という新しいルールに変更」になりました。

    そして、民法改正による新しい契約不適合責任のルールへの対応の基本的な考え方として以下の点をおさえておいてください。

    民法改正による新しい契約不適合責任のルールへの対応の基本的な考え方

    (1)新しいルールが不都合な場合、土地建物売買契約書でルールの修正が可能。

    (2)「(1)」の例外として、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買の瑕疵担保責任については、契約書による修正が不可のため、改正民法の新しいルールが適用される。

     

    以下で順番に見ていきましょう。

    (1)新しいルールが不都合な場合、土地建物売買契約書でルールの修正が可能。

    民法改正への対応の基本的な考え方として、まず、重要なことは、これらの改正の内容は基本的に「任意規定」であるということです。

    法律の規定には、強行規定と任意規定があります。

    そして、任意規定については、契約書にその項目について記載がない場合は任意規定の条文を適用するが、契約書にその項目についての記載がある場合は契約書の記載を優先することが原則的なルールです。

    そのため、改正民法施行後は、改正民法による新しい契約不適合責任のルールを適用すると不都合が生じる場面では、不動産売買契約書において、改正民法とは別の記載をすることにより、改正民法のルールの適用を排除することが可能です。

    今回の民法改正では売主の責任が拡大されていますので、特に自社が売主の立場になる場合や、自社が売主側の仲介をする場合は、売主の責任が過大にならないように、契約書で改正民法のルールを変更することが必要になってきます。

    (2)「(1)」の例外として、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買の瑕疵担保責任については、契約書による修正が不可のため、改正民法の新しいルールが適用される。

    次に、おさえてきたいのは、上記「(1)」でご説明したことには重要な例外があるということです。

    それは、「宅建業法第40条」との関係です。

    宅建業法第40条により、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買については、民法上の瑕疵担保責任のルールを契約書で修正することが原則としてできません。(ただし、瑕疵担保責任の期間を引き渡しから2年間に限定することについては可能)

    この宅建業法第40条のルールは、民法改正後も変わりません。

    そのため、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買については、不動産売買契約書で改正民法のルールを修正することはできず、改正民法の新しいルールがそのまま適用されることになります。

     

    それでは、ここでご説明した基本的な考え方を踏まえたうえで、以下で民法改正の各項目の内容について順番に詳細をご説明していきたいと思います。

     

    3,ポイント1:
    瑕疵担保責任から契約不適合責任に名称が変更

    まず、最初のポイントは、民法改正により、これまでの「瑕疵担保責任」は、「契約不適合責任」という名称に変更されたということです。

    改正民法の「契約不適合」の意味は、これまでの瑕疵担保責任の「瑕疵」の意味と基本的に同じと考えて差し支えありません。

    ただし、不動産売買契約書において、これまで瑕疵担保責任と記載していた点については、用語を変更しておくことが必要になります。

    整理すると以下の表のとおりです。

    不動産売買契約書変更のポイント

    不動産売買契約書変更のポイント

     

    上記の内容を確認して、必ず対応しておきましょう。

     

    4,ポイント2:
    買主が知っていた瑕疵も責任の対象になる

    2つ目のポイントは、改正民法では、「買主が契約時に知っていた瑕疵についても売主の責任の対象となる可能性があるという点」です。

    参考ケースを用いた詳しい解説

    具体例として、中古の家屋とその敷地を売買するケースで、その家屋が隣地に越境している場合を考えてみます。

    ●民法改正前

    この場合に、民法改正前は、売買契約書や重要事項説明書で、隣地への越境の点を記載していれば売主は責任を負うことはありませんでした。これは、改正前の民法570条で「目的物に隠れた瑕疵があったとき」に売主が瑕疵担保責任を負担することになっていましたが、隣地への越境があっても契約時に買主が知っていた時は「隠れた」瑕疵にはあたらないと判断されていたためです。

    ●民法改正後

    しかし、民法改正後の契約不適合責任では、買主が知っていた瑕疵であっても、売主が契約不適合責任を負う可能性があります。

    例えば、越境について隣地の所有者が特に苦情を述べていなかったために、買主としても越境についてあまり気にせずに購入したような場面で、あとで買主が隣地所有者から越境についての対応を求められて費用を負担したようなケースでは、売主も買主から損害賠償請求を受ける可能性があることになります。

    この場合、買主が越境について知っていたことは、売主が実際に損害賠償責任を負うかどうかや、賠償額をいくらにするかの算定において、考慮されることになります。

    不動産売買契約書変更のポイント

    民法改正後の売主側の対応としては、買主が知っていた瑕疵についてまで責任を負わないようにするために、契約書の記載を以下の表のとおり修正することが考えられます。

    不動産売買契約書変更のポイント

     

    自社が不動産の売主の立場にある場合や、売主側で仲介する場合は、買主が知っていた瑕疵については責任を負わなくてよいように契約書の記載で対応しておくことが適切です。

     

    5,ポイント3:
    瑕疵があった場合に買主は修補請求や代金減額請求が可能になる

    3つ目のポイントとなるのは、改正民法では、「不動産に瑕疵があった場合、買主は修補請求(追完請求)や代金減額請求が可能になったという点」です。

    民法改正前は、購入した不動産に瑕疵があった場合、買主がとれる手段は、「契約解除」と「損害賠償の請求」の2つでした。

    そのため、例えば、購入した中古の家屋に雨漏りが見つかった場合に、雨漏りを修理してくれという請求(修補請求)や、自分で雨漏りを修理するからその分家屋の購入代金を減額してくれという請求(代金減額請求)を売主にすることはできませんでした。

    民法改正により、買主は、購入した不動産に瑕疵(契約不適合)があった場合に、契約不適合責任の内容の1つとして、売主に対して修理の請求ができることになりました。

    これは、「修補請求」あるいは「追完請求」と呼ばれます。

    さらに、売主が修補請求に応じないときは、購入代金を減額してくれという「代金減額請求」をすることもできることになりました。

    不動産売買契約書変更のポイント

    民法改正前は、売主が瑕疵担保責任を負う内容の不動産売買契約書を作成する場面も多かった一方で、売主の瑕疵担保責任を負わない内容の特約を付けた不動産売買契約書を作成することも多くありました。

    民法改正後も、売主が瑕疵担保責任を負わない内容の特約を付けることは可能です。

    さらに、民法改正後は「瑕疵担保責任のうち修補請求には応じるが、損害賠償責任は負担しない」内容の契約や、「瑕疵担保責任のうち代金減額請求には応じるが、損害賠償責任は負担しない」内容の契約なども考えられることになり、瑕疵担保責任に関する契約条項の選択肢が広まったといえます。

    整理すると以下の表のとおりです。

    不動産売買契約書変更のポイント

     

    自社が不動産の売主の立場にある場合や、売主側で仲介する場合は、上記のような規定を入れて対応しておくことで、瑕疵について修理義務は負担するが損害賠償責任は負わない契約とすることが可能です。

     

    6,ポイント4:
    売主が瑕疵を知って売った場合などは売主の責任期間が延長になる

    4つ目のポイントとなるのは、改正民法では、「売主が瑕疵を知っていた場合や瑕疵を知らないことについて売主に重大な過失があった場合は、売主の責任期間が延長されたという点」です。

    まず前提として、不動産に瑕疵があった場合の売主の瑕疵担保責任の期間については、原則として以下の通りです。

    法律による瑕疵担保責任の期間

    ●個人間売買の場合:

    買主が瑕疵を知った時から1年間(民法第566条第1項)

    ●会社間売買の場合:

    引渡しから6か月間(商法526条第2項)

     

    上記の期間については、民法改正後も変更はありません。

    ただし、民法改正により、売主が瑕疵を知っていたかあるいは知らないことについて重大な過失があった場合は、新たに設けられた「民法第566条第1項但書」により、上記の期間制限は適用されないことになりました。

    その結果、売主が瑕疵を知っていたかあるいは知らないことについて重大な過失があった場合の、売主の責任期間は一般的な消滅時効の期間と同じ5年となります。

    例えば、売主が地盤に瑕疵があることについて重大な過失により知らないで土地を売却したようなケースでは、買主は瑕疵を知ったときから、5年間売主の責任を問うことができます。

    不動産売買契約書変更のポイント

    民法改正への対応として、この売主の責任期間を延長する「民法第566条第1項但書」による規定は排除することを契約書に明記することが考えられます。

    そうすることで、「買主が瑕疵を知った時から1年間」という責任期間の制限を、売主が知っていた瑕疵あるいは重大な過失によって知らなかった瑕疵についても適用することができます。

    不動産売買契約書変更のポイント

     

    自社が不動産の売主の立場にある場合や、売主側で仲介する場合は、上記のような規定を入れて対応しておくことで、売買後に瑕疵が見つかり、それに気づかなかったことについて売主に重大な過失があったと判断されたときも、売主の責任が1年間に限定されるようにしておくことをおすすめします。

     

    7,ポイント5:
    手付に関する契約条項の書き方の見直し

    5つ目のポイントとなるのが、「手付に関する契約条項の書き方に見直しが必要になったという点」です。

    これは契約書の表記を修正する必要があるだけで、改正前の実務からの変更はありませんが、見ていきましょう。

    「手付」は、相手方が契約の履行に着手するまでは、売主は手付の倍額の支払い、買主は手付の放棄と引き換えに契約を解除できるという制度です。

    この点は、民法改正でも変更はありませんが、民法改正前は、手付解除ができる期限について、民法の条文上、「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」と記載されていました。(民法557条第1項)

    この規定は、契約を解除しようとする場合に「相手方が既に契約の履行に着手している場合は相手方の損害が大きいので解除できない」という意味ですが、民法の条文上は「当事者の一方が…」と記載されているため、「契約を解除しようとする側が契約の履行に着手している場合も解除できない」と読む余地がありました。

    今回の民法改正ではこの点を整理され、条文上「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」と記載されていた表記が「相手方が契約の履行に着手するまで」と変更されました。

    これにより、契約を解除しようとする側が契約の履行に着手していても手付解除が可能であることが明らかになりました。

    不動産売買契約書変更のポイント

    もし、現在の契約書の手付に関する条項で、「当事者の一方が本契約の履行に着手したときは、手付解除を行うことはできない。」となっているときは、それは改正前の民法の条文の名残りです。

    改正後の民法の条文に対応して、下表のように表記を変更しておきましょう。

    不動産売買契約書変更のポイント

     

    8,まとめ

    今回は、不動産取引の変更点5つと土地建物売買契約書の見直し方法についてご説明しました。

    民法改正により、瑕疵担保責任が契約不適合責任と名称が変更され、内容も買主の権利を拡充する方向で変更されています。売主が過大な負担を負わないためには、土地建物売買契約書の見直しが必要になることをおさえておいてください。

    なお、今回の記事は不動産売買についてご説明しましたが、不動産賃貸借に関する民法改正への対応については以下の記事をご参照ください。

     

     

    9,咲くやこの花法律事務所なら不動産取引について「こんなサポートができます!」

    咲くやこの花法律事務所の利用規約に強い弁護士

    最後に、咲くやこの花法律事務所における不動産取引に関するサポート内容をご説明します。

    (1)不動産取引に関するリスクの判断のご相談

    咲くやこの花法律事務所では、不動産取引に関するリスク判断、その他不動産取引前のご相談を常時承っています。

    咲くやこの花法律事務所では、不動産売買や仲介に関する事業を行われている顧問先からのご相談が多く、不動産取引に関する専門的な知識とノウハウが蓄積しています。

    不動産取引に不安があるときは、ぜひ、取引前に事前のご相談にお越しください。

    (2)土地建物売買契約書や重要事項説明書の作成、リーガルチェックのご相談

    咲くやこの花法律事務所では、土地売買契約書や建物売買契約書、あるいは重要事項説明書の作成やリーガルチェックについてのご相談もお受けしています。

    不動産取引は金額が大きく、トラブルになったときのリスクも大きいです。売買契約書や重要事項説明書の作成やリーガルチェックは不動産取引に強い咲くやこの花法律事務所の弁護士にぜひご相談ください。

     

     

    (3)不動産売買トラブル(土壌汚染や地盤沈下、境界トラブルなど)のご相談

    咲くやこの花法律事務所では、土壌汚染や地中埋設物、地盤沈下や境界トラブルなど不動産売買に関する各種トラブルのご相談も承っております。

    不動産に関する裁判案件の実績も豊富な弁護士が貴社にとってベストな解決策を明示します。

    (4)不動産競売トラブル(占有者の退去など)のご相談

    咲くやこの花法律事務所では、不法占拠者の退去の問題など、不動産競売トラブルに関する各種トラブルのご相談も承っております。競落トラブルに関する裁判案件の実績も豊富な弁護士が貴社にとってベストな解決策を明示します。

    咲くやこの花法律事務所の不動産トラブルに関する解決実績の1例を下記にアップしていますので、あわせてご参照ください。

     

     

    上記でご紹介してきた通り咲くやこの花法律事務所の「不動産に強い弁護士」がそろっています。詳しいサポート内容については以下をご覧下さい。

     

     

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    記事作成弁護士:西川 暢春
    記事作成日:2017年6月27日

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