建設会社から債権回収のご相談を受けて、既に時効が完成していた工事代金について、一部回収に成功した事例

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債権回収の解決実績

建設会社から債権回収のご相談を受けて、既に時効が完成していた工事代金について、一部回収に成功した事例

事件分野: 債権回収 担当弁護士: 池内 康裕

事件の概要

本件は、外構工事を行った建設会社から外構工事代金の回収のご相談をお受けしたケースです。建設会社からご相談を受けた際には、既に時効が完成しており回収が難しいと思われる工事代金について、一部「約4割」を回収した事例です。

 

今回の解決実績の目次

●問題の解決結果
●問題解決における争点
●担当弁護士の見解
●解決結果におけるまとめ

 

問題の解決結果

時効が完成した工事代金の「約4割」を回収することできました。

 

問題解決における争点

本件の問題点は、「回収すべき外構工事代金について既に時効期間が経過していた」という点です。
工事代金について時効期間が経過してしまった経緯は、以下の通りです。

工事代金について時効期間が経過してしまった経緯について

経緯1:
相談者は、施主の依頼で新築住宅の外構工事をしました。住宅の新築工事は別の会社が担当していました。

経緯2:
施主は、別の会社が施工した住宅の新築工事代金が高すぎるという理由で、相談者が施工した外構工事の請負代金の支払いまで拒否しました。

経緯3:
相談者は外構工事代金の支払いを受けられないまま放置してしまい、ご相談いただいたときには、工事が完了して3年が経過してしまっていました。

民法第170条2号により、請負代金は工事が完了してから3年間で時効にかかります。
このような経緯から、外構工事代金が時効にかかってしまっているという点が、本件の最大の問題点となりました。

 

担当弁護士の見解

時効が完成した債権も、相手方(債務者)に時効が完成していると主張をされなければ消滅しません。

そして本件で相手方は、「時効が完成している」という主張を、まだしていませんでした。
このような場合、必ずしも時効で権利が消えているとあきらめる必要はありません。

工夫が必要なのは、「債権回収の方法」です。

本件では施主は、住宅の新築工事の請負人との間で数千万円の請負代金が未払いとなり裁判所で調停手続を進めていました。

そしてこの調停手続では、和解の方向で話し合いが進んでおり、あと数ヶ月以内に解決する可能性が高いことが判明しました。施主にとってみれば、住宅の新築工事の代金の紛争が解決しそうなのに、外構工事の代金の紛争が継続するのは避けたいところであると推測されます。

そうすると、たとえ時効にかかっていても、あえて施主が時効の主張をしない可能性があります。そこでこの調停に相談者も事実上参加し、新築工事代金の紛争と一緒に外構工事代金の紛争もまとめて解決するという方法を選択しました。

相談者が調停に参加したところ、裁判所での話し合いの結果、時効期間経過の点も考慮して、施主が外構工事代金の4割を支払うという条件で示談が成立しました。

 

解決結果におけるまとめ

工事の請負代金の時効は3年間です。
本件のように施主に支払いを拒否されて、対応方法がわからずに悩んでいるまま、3年がたつと時効が完成してしまいます。

参考

工事の請負代金以外にも、例えば商品の売買代金は2年で、運送代金は1年で時効が完成してします。このように権利の種類によって、時効の期間が異なるので、まずは時効期間が経過しないように十分注意しなければなりません。

 

そして時効で権利を失わないようにするためには、時効が完成する前に、債務者に書面で債務残高を承認してもらうか一部でも弁済してもらうなどの対応が必要です。債務者が書面で債務残高を承認したり、一部でも弁済をした場合、その時点で時効は中断し、時効期間の計算は振り出しに戻るのです。

しかし、このような対応ができずに、時効期間が経過したからといって必ずしも債権回収をあきらめる必要はありません。

相手方が時効を主張しなければ、権利は消滅しません。今回は、未払いの債権と関連する紛争が第三者との間で調停が継続しているという事情がありました。そこで、この機会を利用して、調停に事実上、利害関係人として参加し、裁判所で話し合って解決することができました。

このように時効期間が経過してしまった債権についても弁護士に相談し、事情に応じてベストな対応をすることにより、債権回収に成功するケースがあります。

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