不動産売買の「現状有姿」売買と瑕疵担保責任について
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不動産売買の「現状有姿」売買と瑕疵担保責任について

2011年02月24日

不動産や中古品の売買ではよく、「現状有姿」という言葉が契約書に使われます。

 

この「現状有姿」という言葉は、どういう意味でしょうか?

 

売買契約書に「現状有姿で引き渡す」などの文言があれば、「瑕疵担保責任が免責される」意味だとの誤解がよくあります。しかし、この2つは全く違う意味ですので、注意が必要です。

では、「現状有姿で引き渡す」とはどういう意味でしょうか。

たとえば、不動産の売買では、契約したときの不動産の状態と、実際に売り主が買い主に不動産を引き渡すときの不動産の状態が異なることがあります。

具体的には、建物の売買契約で、契約締結から建物引き渡しまでの間に、新たな補修箇所が発生したような場合です。

「現状有姿」とは、このように契約締結後引渡までに売買の目的物の状況に変動があった場合でも、売主はその点については責任を負いませんよ、契約締結の際の状況を復元して引き渡す義務はなく、引渡時の状況のままで引き渡す義務があるにすぎませんよという意味であると解釈するのが通常です。

 

これに対して、いわゆる「瑕疵担保責任」というのは、契約の締結の際に既に存在した「瑕疵」について売り主が責任をとるかどうかの問題です。

 

たとえば、建物を購入するときには気づかなかったシロアリ被害が購入後に見つかったというような場合、シロアリ被害が売買契約締結後に発生したのではなく、締結前から存在したと思われるのであれば、それは「契約締結後引渡しまでに目的物の状況に変動があった」という「現状有姿」の問題ではなく、「瑕疵担保責任」の問題なのです。

 

売買目的物に契約締結当時から存在した思わぬ欠陥について、売り主としての責任を回避したいということであれば、「現状有姿で引き渡す」などと書くだけでは足りず、「瑕疵担保責任が免責される」旨を明記することが必要です。


「現状有姿」という文言は、明確な定義もなく、売り主と買い主の間で意味の取り方が違っているというケースが多くあります。

契約書ではたとえば、「契約締結後引き渡しまでの間に目的物に変動が生じても、売り主は引き渡し時の現状のまま引き渡せば足りる」などと記載し、「現状有姿」という文言は使用しないのがベストといえるでしょう。


契約者の間で、契約書の条項の意味の理解に違いがあるという状態は、トラブルにつながりやすいので注意が必要です。


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