うつ病から復職した従業員の症状が再発した場合の対応を弁護士が解説
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うつ病から復職した従業員の症状が再発した場合の対応を弁護士が解説

2013年11月05日

うつ病などの精神疾患から復職した従業員の症状が再発してしまった場合、会社としてはどのように対応するべきなのでしょうか。

 

これに関して参考になるのが、東京地方裁判所の平成23年3月25日判決「国・川崎北労基署長事件」です。

この事件で、会社は、プログラムの開発やシステムの保守・管理を主な事業としており、従業員の一人が、月100時間以上の残業が5ヶ月くらい続いた後、うつ病を発症しました。

会社は、このうつ病を発症した従業員を休職させ、その後産業医の意見を聴いて復職させたところ、症状が再発し、処方薬の過剰摂取でこの従業員が死亡したという事件です。

 

 

裁判所は、うつ病の発症、その後の再発と死亡は会社の業務に起因するものであるとして、労災であると判断しました。

会社にとっては厳しい判断ですが、この事件の教訓としては、以下の点があげられます。

 

 

① 月100時間を超える残業が続いており、その結果、うつ病を発症したのは会社の業務が原因と判断されてしまった。

② 復職後しばらくは残業を控えさせていたが、復職後3ヶ月あまりで残業が45時間を超える状態に戻してしまった。

③ その後、再度うつ病の兆候があらわれたのに、そのまま業務を続けさせた。

 

 

という3点があげられます。

 

そもそも、この従業員が、この会社に勤務していなければうつ病を発症していなかったのかについては、誰にもわかりません。

無職の人でもうつ病にはなりますから、もしかすると、会社に勤務していなくてもうつ病になっていたかもしれません。

 

しかし、現在の裁判所では、月80時間以上の残業が続いている従業員がうつ病を発症した場合、それは会社の業務が原因であり、労災であると判断する傾向にあります。

会社としてはこの点を踏まえ、残業の時間を把握した上で、残業が多すぎる場合は、人を増やすあるいは業務を効率化するなどして、残業を減らす対応が必要になります。

 

 

また、本件では、復職後に残業が45時間を超える状態に戻してしまったということが指摘されています。

厚生労働省の基準では残業が45時間を超えると業務とうつ病発祥の関連性が認められやすくなります。一度うつ病を発症したのであれば、残業は45時間以内に調整することが必要です。

 

 

さらに、復職後にうつ病を再発した場合は、ただちに休職させる必要があります。

決して仕事を続けさせていけません。

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