従業員の過労死と取締役の責任について
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従業員の過労死と取締役の責任について

2013年11月08日

従業員が過労死した場合に取締役はどのような責任を負うのでしょうか。

取締役は通常、自己の管掌する部門を管理職である部下に包括的に任せる場合が多いと思います。

そのような場合に,直属の部下でない社員が過労死した場合についても取締役が責任を負うのでしょうか。

 

 

この点,大阪高判平成23年5月25日「大庄ほか事件」では、入社4ヶ月の居酒屋店員(当時24歳)が心不全で死亡したことについて、この店員の遺族が死亡は過労死であるとして、会社と取締役を訴えた事件です。

裁判所は、過労死であることを認め、会社だけでなく、取締役も会社と連帯して約7860万円の損害賠償の支払義務を負うとしました

 

裁判所は、

「責任感のある誠実な経営者であれば自社の労働者の生命・健康を損なうことがないような体制を構築し、長時間勤務による過重労働を抑制する措置を採る義務があることは自明である」

としています。

 

 

経営者として、残業の問題は単に残業代の支払という金銭の問題ではなく、従業員の健康の問題であることを認識する必要があります。

 

 

現在の裁判所では、月80時間以上の残業が続いている従業員が心臓疾患あるいは脳疾患で死亡した場合、それは長時間の残業が原因であり、過労死であるとして、会社あるいはその取締役に対して損害賠償責任を認める傾向にあります。

会社経営にあたっては、この点を踏まえて、以下の3点に留意する必要があります。

 

 

 

① 法律上、1年に1回の健康診断が義務付けられています。

健康診断の結果は必ず確認し、心臓あるいは脳、血圧に関してなんらかの指摘があった場合は精密検査を受けるように指導しましょう。

 

② 従業員の残業時間についてはタイムカード等で管理し、毎月の残業時間を把握しましょう。

 

③ 残業が月80時間を超えているような場合は、残業を減らすための措置をとる必要があります。

また、健康診断の結果、心臓あるいは脳に関して異常所見が指摘されている従業員の残業については、医師の意見を聴き、より慎重な配慮をすることが必要です。

 

④ 取締役は上記の①から③が社内で実行されるような体勢を整備し、長時間労働を抑制する仕組みを構築することが必要です。

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