弁護士が勧める、裁判になっても会社を守れる社宅規定の作り方
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弁護士が勧める、裁判になっても会社を守れる社宅規定の作り方

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  • 2014年06月12日

    会社が大きくなり、本社以外に支店ができるようになると、支店に転勤になる従業員の家賃補助を検討される会社も多いようです。

     

    この家賃補助をする場合ですが、方法としては2つのパターンがあります。

     

     

    1つは、従業員に対して、住宅手当を支給する方法です。この方法は従業員にお金を支給して、住居自体は自分で借りてもらいます。

     

    もう1つは、会社名義で支店の近くにマンションを借り、社宅とした上で従業員に貸す方法です。この方法ではお金を支給するのではなく、住居自体を支給することになります。

     

    この住宅手当方式と社宅方式はどちらがよいのでしょうか。

    税務の面で言えば、社宅方式の方がすぐれています。

    なぜなら、住宅手当方式をとると、住宅手当として支給した賃金についても従業員側で所得税がかかりますし、会社としても住宅手当を支給することで社会保険料の負担が増えるからです。

     

     

    しかし、弁護士としてお勧めしたいのは、社宅方式ではなく住宅手当方式です。

    というのは、社宅方式をとると、会社と、その社宅を会社から借りている従業員との間で、万一労務上のトラブルになったときに大変やっかいなことになるケースが多いからです。

     

     

    特に大変なのは、会社が社宅を借りている従業員を解雇しなければならなくなった場合です。

    従業員から不当解雇であるという主張が出てくるとその従業員は社宅からの退去も拒否するケースが多く、社宅と解雇の両方がトラブルになってしまいます。

    この結果、会社はトラブルの決着がつくまで社員を退去させることができず、社宅の賃料を会社で払い続けるということになりかねないのです。

     

     

    そして、退去させることができたとしても、今度は原状回復費用のことでトラブルになります。

    こういったことから、税務面でのデメリットを踏まえても、社宅を会社で借りてそれを従業員に貸すという社宅方式ではなく、住宅手当を支給してマンション自体は従業員に借りてもらうという住宅手当方式がお勧めです。

    もし、税務面のメリットを考えて社宅方式を採用される場合は、そのデメリットも十分に踏まえる必要があります。

     

     

    トラブルにならないためには、社宅規定を作り、その中で社宅への入居期間や、入居資格、退去時の原状回復等についてきちんと定めておく必要があります。万一、社宅に住む従業員とトラブルになっても、そのトラブルが社宅のことにまでは及ばないように、社宅規定に工夫をこらす必要があります。

    社宅規定がだめだと、トラブルになった時に会社のダメージは大きくなります。

    弁護士に相談しておいたらよかった、社宅規定を変更しておけばよかったということにならないためにも、 就業規則や社宅規定の整備でお困りの企業様はぜひご相談ください。弁護士が経営者の立場にたってご相談をお受けします。

    ▼ この記事を読んでいただいた方にお勧めの記事はこちらです。 ▼

    ○ 従業員を解雇した後の会社側の手続について https://kigyobengo.com/blog/2129

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    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:416ページ
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