従業員が犯罪行為で逮捕されたような場合、経営者としてはどう対応すべきでしょうか??
今回は飲酒運転により逮捕された場合を例にお話ししたいと思います。
自分のところの従業員が飲酒運転で逮捕されたら、「もうそんなやつはやめさせたい」「解雇してしまえ」と思われる経営者の方もおられると思います。
飲酒運転に対する社会的な非難の高まりを考えるとそういう感情は十分理解できますし、ほかの従業員に対して示しがつかないという気持ちもあると思います。
しかし、もし、飲酒運転を理由に従業員を解雇して、従業員が不当解雇だと言って会社を訴えてきたらどうなるのでしょうか。
実は、そういうケースではほとんどの裁判所が、「解雇の処分は重すぎるから、不当で無効」と判断しています。
最高裁判所の判決でもタクシー運転手が非番の時に酒気帯び運転をしたことを理由に会社がこの運転手を解雇したケースで、「解雇は不当」で無効としたものがあります。
解雇が無効ということになると、従業員を復職させなければなりません。
しかも、解雇から復職までの間給料を払ってなかったはずですが、これについても支払を命じられます。
ですので、飲酒運転で逮捕されたとしても、解雇することは簡単にはできません。
では、どうすればいいでしょうか。
まずは、解雇するのではなく、その従業員を説得して、退職願を出してやめてもらう努力をするべきです。
解雇するか、従業員に退職願を出してやめてもらうかで、会社が負担するリスクが大きく変わってきます。
特に、逮捕されてすぐの段階では、本人も反省していますので、退職願をもらいやすいでしょう。
どうしても退職願をもらえず、解雇することもできますが、不当解雇といって訴えられたら負けるかもしれないということは必ず考えておかなければなりません。
このように従業員が犯罪行為で逮捕された場合も対応を誤ると会社は思いもしないリスクをかかえることになります。
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著者:弁護士 西川 暢春
発売日:2021年10月19日
出版社:株式会社日本法令
ページ数:416ページ
価格:3,080円