横領の疑いがある従業員に対して、弁護士が調査を行って横領行為を認めさせ、退職させた解決事例
労務・労働問題の解決実績

横領の疑いがある従業員に対して、弁護士が調査を行って横領行為を認めさせ、退職させた解決事例

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    • 弁護士  堀野 健一
    • 咲くやこの花法律事務所  弁護士  堀野 健一

      出身地:大阪府岸和田市。出身大学:大阪大学。主な取扱い分野は、「労務・労働紛争の解決(従業員の解雇トラブルや従業員に対する退職勧奨、従業員からの残業代や未払賃金の請求)、不動産紛争の解決(不法占拠者に対する明渡の交渉・裁判・強制執行、賃料の回収、土地の境界の特定など)、システム開発紛争の解決、クレームの解決、就業規則・雇用契約書のチェック、顧問弁護士業務など」です。

    事件の概要

    本件の依頼者は、「プラスチック廃材の処分、廃材の加工業」を営む会社です。

    従業員は、会社が引き受けるはずであったプラスチック廃材の処分を、会社に無断で個人的に引き受け、処分費用を横領していました。

    会社としては、この従業員を解雇するか、又は退職してもらいたいという意向でしたが、横領に関する明確な証拠がありませんでした。

    そのため、横領の有無の調査と、退職勧奨について弁護士に依頼したのが本件の事件です。

     

    今回の解決実績の目次

    ●問題の解決結果
    ●問題解決における争点
    ●担当弁護士の見解
    ●解決結果におけるまとめ

     

    問題の解決結果

    弁護士が従業員と面談して横領を認めさせました。
    そして、あわせて退職勧奨を行って、退職合意書を作成したのち、この従業員を退職させました。

    上記のように問題を起こした従業員とトラブルになることなく、スムーズに問題解決ができました。

     

    問題解決における争点

    本件では、「横領の事実があったか否か」が争点になることが予想されました。

    今回の場合には、客観的な証拠(従業員の横領行為を撮影した動画など)がありませんでした。
    そのため、証拠がないまま解雇すると、不当解雇として会社が敗訴する危険がありました。

    そこで、弁護士がこの従業員と面談して事情聴取をし、横領の事実の有無について調査することになりました。

     

    担当弁護士の見解

    従業員との面談は、会社社長と弁護士の両名で行うことにしました。

    横領が疑われるケースでは、従業員に、事前に「面談するので予定を空けておくように」と伝えて面談を予告すると、警戒されて、面談に応じない可能性があります。そのため、面談にあたっては、従業員に予告をすることなく、「ちょっと話がある。」と声をかけて呼び、いきなり話を始めることにしました。その上で、弁護士から、従業員に対して、横領の事実の有無について細かく確認していきました。

    従業員は、最初は横領の事実を否定していましたが、従業員の言い分には矛盾点があり、それを指摘する弁護士の追及により、最終的には横領を認めました。

    面談で横領を認めた場合であっても、この従業員が後日に横領したことを否認する可能性があります。そのため、その場で、横領の事実を認める内容の書面を従業員に作成させることが重要です。

    そこで、面談の場で、従業員に横領の事実を認める「始末書」を作成させました。
    (従業員は印鑑を持っていなかったので、拇印で作成してもらいました。)。

    この面談は、「これから会社として処遇をどうするか考える」ということで終わりにして、別の日に再度、従業員との面談を行うこととしました。面談後、弁護士と社長との間で打ち合わせを行い、この従業員に対して退職を勧奨し退職してもらうという方針に決まりました。

    再度の面談では、方針通り、弁護士から退職を勧奨しました。弁護士による退職勧奨の結果、従業員は、退職勧奨に応じて、退職することになりました。

    従業員が退職勧奨に応じて退職したケースでも、従業員が後日、「退職勧奨されたこと」を「解雇された」と曲げて主張して、不当解雇であるとして請求や裁判をしてくる可能性があります。このような請求や裁判を防ぐためには、必ず、「合意のうえで退職し、会社に対して今後何らの請求もしない」旨の書面を従業員に作成してもらうことが重要です。

    そこで、その場で、弁護士が事前に準備した「退職合意書」に従業員に署名捺印させました。
    なお、従業員との面談は、裁判で退職等が争われた場合に備えて、録音をしました。

     

    解決結果におけるまとめ

    横領した従業員に対する処分を考えるにあたっては、まず、「横領の事実を確定させること」が必要です。

    横領の事実を確定させるにあたっては、客観的な証拠があれば最も良いですが、そのような証拠は無い場合が多いです。
    その場合には、従業員の言い分を丁寧に聴き取り、従業員の言い分の矛盾点を指摘して真実を追求することが重要になります。
    また、従業員の言い分を証拠とするためには、面談の内容を録音することが有効です。

    面談にあたっては、「横領をしたのかどうか」、「横領の場所」、「方法」など、ポイントとなる点について聴取していきます。

    面談において横領の事実を認めたのであれば、その場で「始末書」等の書面を取っておくと有効です。
    また、面談において横領の事実を認めない場合でも、すぐに面談を終えるのではなく、従業員の言い分を十分に聞き取って録音、記録しておくことが重要です。

    たとえ横領が強く疑われるケースであっても、十分な証拠を集めないで解雇すると、不当解雇として訴訟を起こされるケースがあります。

    ▶参考:従業員による横領が発覚した時の懲戒解雇に関する注意点

    その場合、横領を会社側が立証できずに敗訴すると、多額の支払いを命じられることになりますので注意が必要です。

     

    従業員の横領に関するお役立ち情報

    ▶参考:従業員の横領・不正防止のための最低限やっておくべきポイント

    ▶参考:従業員に着服、横領された金銭の返還請求の重要ポイント

     

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