賃貸不動産で起こる家賃滞納トラブルの解決方法!家賃滞納者を最速で退去させるポイントを弁護士が解説

賃貸の強制退去

賃貸不動産の賃貸管理サービスにもっとも多いトラブルが、「家賃滞納の問題」です。

マンションやアパート、借家などにおいて、家賃の滞納が「3ケ月・4か月・それ以上・・・」と、溜まりだすと家賃支払の督促を行っても支払われる見込みがなくなってくるケースがほとんどです。

そのような時は、「最短で家賃滞納者を退去させ、新しい入居者を一刻も早く募集する」ことが大切です。

今回は、賃貸管理サービスで、「家賃滞納者を最速で退去させるための4つのポイント!」について不動産トラブルに強い弁護士がご説明していきたいと思います。

 

今回の記事で書かれている要点(目次)

1,今回の記事を読めばわかる要点

●ポイント1:家賃滞納トラブルが発生した際に最初に必要なのは、「内容証明」
●ポイント2:「万が一」に備える!内容証明と並行して準備しておくべき重要な書類について
●ポイント3:弁護士が教える!面倒な裁判をせずに退去してもらうための交渉の流れ
●ポイント4:裁判になってしまった際、強制執行までを最短で進めるための方法
●【補足】強制執行(強制退去)の手続きの注意点
●家賃滞納トラブルを賃貸トラブルに強い弁護士に相談するメリット
●咲くやこの花法律事務所の弁護士なら家賃滞納トラブルについて、「こんなサポートができます!」

 

2,ポイント1:
家賃滞納トラブルが発生した際に最初に必要なのは、「内容証明」

家賃の支払いを行ってくれない滞納者には、いち早く退去してもらうのが、今回のいちばんの目的になります。

その中で、まず最初に「内容証明郵便」を送って、「賃貸借契約を解除する」ことが重要ポイントとなります。内容証明郵便を最初に行う理由としては、以下の通り、契約が正しい手続きで解除されていることが、家賃滞納者の退去を求める大前提になるためです。

賃貸契約の解除をするためには、一定の期限を定めて家賃の督促を行い、その支払いが実行されなければ賃貸契約を解除するという内容の通知をしなければならないというのが、正式な「法律のルール」で決められています。

内容証明郵便に明記しておかなければいけない重要なポイントチェック!

1,滞納家賃の金額
2,滞納家賃の支払期限日
3,振込先の情報
4,家賃の支払期限日までに支払わなければ、改めて通知をすることなく賃貸契約を解除することを明記

 

参考:内容証明の正しい書き方のサンプル画像

内容証明サンプル

以下より「内容証明郵便」フォーマットをダウンロードしていただけます。

▶参考:内容証明郵便」フォーマットのダウンロードはこちら

 

上記に加え、以下のようなポイントを補足でご説明いたします。
見落としがないようにご注意して下さい。

ポイント1:
支払期限日は、内容証明郵便発送の1週間程度後に設定するのがよいと考えます。


ポイント2:
家賃滞納額が多額で、1週間程度では支払えないことがわかっていても、
支払期限日を1週間以上先に設定するべきではありません。

ポイント3:
内容証明郵便は弁護士から送り、振込先も弁護士事務所や法律事務所の
預かり口座を指定することが効果的です。

ポイント4:
内容証明郵便を滞納者が受け取らない場合にそなえて、普通郵便でも同じ内容の文書を送り、
そのことを内容証明郵便に記載しておくと、その後の流れがスムーズになります。

 

このように「内容証明郵便」も送るタイミングや送る内容にそれぞれポイントがあります。
また送った内容証明郵便の控えは必ず保管し、支払期限までに滞納者より支払いがあるかのチェックをしましょう。

 

3,ポイント2:
「万が一」に備える!内容証明と並行して準備する重要な書類について

次に内容証明郵便を送ったら、さらに「万が一」に備えた準備も同時に進めておくことが、最速で退去してもらうためのリスク対策となります。

滞納家賃の支払期限日が来るまでの間に、「予期せぬ問題」が発生した時に「すぐに裁判を起こせる準備」も整えておきましょう。

裁判を起こすために必要な重要書類は、以下の通りです。

家賃滞納トラブルの裁判に必要な重要書類の一覧

・賃貸借契約書(※契約書を作成していない場合は不要です。)
・賃貸している不動産の固定資産評価証明書
・弁護士に依頼するための委任状
・家主が法人の場合は,代表事項証明書
・発送した内容証明郵便の控え
・内容証明郵便の配達記録証明書

 

これらの書類を内容証明郵便の発送後、すぐに準備しておくことが、最速で確実に家賃滞納者を退去させるひとつの重要ポイントになります。

 

4,ポイント3:
弁護士が教える!面倒な裁判をせずに退去してもらうための交渉の流れ

内容証明郵便と裁判に必要な重要書類の手配が完了したら、次の段階に入ります。

内容証明郵便に記載した支払期限日までに滞納家賃の支払いがなければ、賃貸借契約は解除されたことになります。

「この時点で、契約は解除されます。」

但し、ここからが重要なポイントになります。

契約が解除できたら、すぐに家賃滞納者に対して裁判を起こすのではなく、できれば「面倒な裁判をせずに交渉で退去してもらうこと」を目指しましょう。裁判をすると確実に退去させることができますが、費用や解決までに期間がかかるなどのデメリットも発生してしまうためです。

面倒な裁判をせずに退去してもらうための交渉の流れとは?

交渉の流れとしては、

・退去期限日を決めて、退去を求める通知を文書で発送。
・電話あるいは、面談によって退去期限日までの退去に向けての交渉。

 

この2つを同時並行で進めることになります。

この段階では、「滞納家賃の話し合い」よりも「退去の交渉を優先する」ことが重要です。

退去の交渉を優先する理由は、滞納家賃の支払いの交渉にこだわると、家賃滞納者の退去が遅れることがあります。そして、退去が遅れると、新しい賃借人を募集することができません。そのため、滞納家賃は、退去後に分割で回収することにして、まずは退去期限日までに退去させることを優先しましょう。

また、ここでも「見落としてはいけない注意点」がありますので、チェックしておきましょう。

家賃滞納者が、「滞納家賃を分割で支払うから、賃貸を続けさせてほしい。」などと言ってくることも多いです。しかし、今まで何度も支払いの督促をしたのにも関わらず、対応してもらえなかったのですから、このような要望には応じない方針で考えたほうがよいでしょう。もし検討するにしても、十分慎重に検討しなければなりません。

【まとめ】交渉では、以下の情報を家賃滞納者に伝えて退去を求めましょう。

・退去期限までに出なければ、裁判になる。
・裁判になれば家主側の弁護士の費用なども家賃滞納者の負担となる。
・連帯保証人も裁判で被告に加えることになる。

 

上記を伝達しておいて、退去期限日までの退去が、家賃滞納者にも一番メリットになることを理解してもらうことが、交渉を進めるポイントになります。

 

5,ポイント4:
裁判になってしまった際、強制執行までを最短で進めるための方法

ここでは、「ポイント3」までの交渉による解決ができなかった場合、裁判になっても強制執行までを最短で進めるための方法を弁護士がご説明したいと思います。

家賃滞納者が、退去期限日までに退去しなければ、躊躇せずに裁判に進みましょう。

この場合、早くスムーズに裁判を進めるためには、以下のポイントが重要です。

裁判をスムーズに進めるためのポイント

・早く正確な訴状を書いて裁判所に提出する。
・裁判所には第1回の期日を可能な限り早く設定してもらうお願いをする。
・家賃滞納者が訴状を受け取らない可能性があるので、その際の対策を考えておく。

 

▶参考:家賃滞納者が訴状を受け取らない時の対応策とは?

裁判所に訴状を提出すると、裁判所が家賃滞納者にその訴状を送ってくれます。

この訴状は、通常の場合、家賃滞納者に「手渡しで」届けられます。家賃滞納者が居留守を使って出てこなかったり、長期間不在などの理由で、「手渡し」で訴状を届けることができない場合、以下のいずれかの対応が必要です。

1,休日送達

平日に訴状を送っても仕事などで訴状を受け取らない場合は、休日に裁判所から再度訴状を送ってもらうことができます。

2,就業場所における送達

勤務先(就業場所)がわかる場合は、裁判所から勤務先に訴状を送ってもらうことができます。

3,付郵便による送達

家賃滞納者が家にいるのに、居留守を使って訴状を受け取らない場合は、裁判所に書留郵便で訴状を送ってもらうことができます。この場合、家賃滞納者が書留郵便を受け取らなくても、訴状は届いたのと同じ扱いになります。

4,公示送達

家賃滞納者が行方不明の場合は、「公示送達」という制度を利用します。

この制度を使うと、裁判所の掲示板に「訴状を取りに来るように」という内容の掲示をしてもらうことができます。
そして、掲示した日から2週間経過すれば、家賃滞納者が訴状を受け取らなくても、訴状は届いたのと同じ扱いになります。

 

このように、最終的には家賃滞納者が訴状を受け取らない場合でも訴訟を進めることはできますが、最短で訴訟を進めるためには、家賃滞納者が訴状を受け取らないときに、「どのような対応が必要か?」を事前に弁護士を含め検討しておくことが必要です。

上記のようなポイントを注意しながら裁判をスムーズに進め、裁判に勝訴すると立ち退きを命じる判決が出ます。

これをもとに次は、「強制執行(強制退去)」という手続きに移ります。

これは家賃滞納者が立ち退かなくても、強制的に退去させることのできる手続きです。なお、訴状で、「仮執行宣言」を求めていれば、判決が確定する前に強制執行をすることができます。

この場合、以下の書類が必要ですので、判決が出る前から、書類の準備しておきましょう。

強制執行(強制退去)に必要な書類について

1,強制執行の申立書
2,送達証明書     
3,家賃滞納者が法人のときは資格証明書        
4,委任状 

 

以上のような流れで、最速で強制執行を行うことが可能になります。

 

6,【補足】強制執行(強制退去)の手続きの注意点

強制執行は、裁判所の執行官に家賃を滞納している部屋に行ってもらい、家賃滞納者を追い出して鍵を取り換えてしまう手続きです。

強制執行の日は家主か、家主の代理人が立ち会わなければなりません。強制執行の日まで家賃滞納者が部屋で生活を続けている場合は、家賃滞納者から抵抗されることもありますが、ゆるぎなく確実に実行することが必要です。

ここでは、強制執行についての注意点」を記載しておきたいと思います。

強制執行の際の注意点について

注意点1:裁判所との連携

強制執行の当日の流れをスムーズにするために、裁判所の執行官との連携が必要です。
部屋の使用状況や入居者の家族構成、予想される家具類の量などを事前に執行官に報告しておきましょう。

注意点2:執行業者の手配

強制執行で部屋に入室する際には、原則として部屋の合鍵は使わず、開錠業者に開錠してもらう方法で入室します。
また、マンションの中に家具類が残っているときは、部屋の外に運びださなければなりません。そして、強制執行が終わった後は鍵の交換が必要になります。これらの仕事については専門の執行業者に依頼するのがスムーズです。事前に、執行業者を手配しておきましょう。

注意点3:家具類の処理

マンションの中に家具類が残っているときは、家具類の処理方法について考えておく必要があります。
立ち退きの判決が出ているといっても、家具類は家賃滞納者の所有物ですので勝手に廃棄することはできません。
そこで、基本的には「動産差押」の手続きで、家具類を競売にかけてしまうことにより処理します。「競売」といっても、実際には買い取る人は普通はいませんので、家主が二束三文で買い取った形にして、滞納家賃と相殺する処理をします。その後は、家具類を廃棄することができます。

注意点4:保管場所の準備

大量の家具類が残されていたり、高価品が残っていた場合は、最長で1か月間、家主の責任で保管しなければならなくなることがあります。

このような場合は、どこで保管するかを考えておかなければなりません。そして、保管場所を事前に裁判所に報告しておくことも必要です。

強制執行をしたマンションの部屋で家具類を保管することもできますが、そうなると保管中は、その部屋を賃貸に出せなくなり、リフォームなどもできません。そのため、別の保管場所を準備するのがベストです。1か月間保管して家賃滞納者が家具類を引き取りに来なければ家主が家具類を買い取って、処分します。買い取り代金は滞納家賃と相殺します。

注意点5:強制執行後の注意点

強制執行が終わっても、戸締りが不十分であれば、再度、家賃滞納者に入られてしまうことがあります。
こうなるともう一度裁判からやり直さなければならなくなりますので、強制執行後は戸締りを確実にするようにしてください。

 

このように、強制執行が決定した後も多くの注意点があります。見落とすと裁判のやり直しなどのリスクもありますので、しっかり把握しておくようにしましょう。

 

7,まとめ

家賃滞納者を最速で退去させるための流れについてご説明しましたが、最後に整理しますと、最速で退去を実現するためには、以下の流れを確実に行っていく必要がございます。

1,内容証明
2,交渉
3,裁判
4,強制執行

また、実際に家賃滞納者を退去させなければならない経験をすると、今回ご説明した以外の問題点なども多く遭遇し、予想しないトラブルも発生することも多々あります。

複雑な流れになりそうな場合は、早めに不動産と債権回収に強い弁護士に相談することも最速の解決手段のひとつになりますので、覚えておきましょう。

 

8,家賃滞納トラブルを賃貸トラブルに強い弁護士に相談するメリット

家賃滞納トラブルについてできるだけ早い段階で弁護士にご相談いただくことが効果的です。
以下では、家賃滞納トラブルを賃貸トラブルに強い弁護士に相談するメリットをみていきましょう。

メリット1:
裁判前の解決可能性が高まる。

裁判前の交渉段階で弁護士に依頼し、弁護士が入居者と直接交渉することにより、交渉での退去や家賃回収の可能性が高まります。裁判前に解決ができれば、裁判にかかるコストや時間を節約することができ、大きなメリットがあります。

メリット2:
正しい手続きにより迅速な退去や家賃回収が実現できる。

裁判前の内容証明郵便などの手続きに誤りがあると、裁判の際に、再度手続のやり直しが必要になることがあり、その結果、滞納者の退去が遅れて、損害が拡大することがあります。

裁判前から弁護士が正確に手続きを行うことで、裁判になった場合も、迅速に退去や家賃回収を実現することができます。

参考:「家賃滞納時の賃料回収方法」について

家賃滞納トラブルでは、今回の記事でご紹介してきたテーマ「家賃滞納者を最速で退去させるポイント」と合わせて、「賃料回収の正しい方法」をおさえておく必要があります。そのため、以下の「家賃滞納時の賃料回収方法を徹底解説!賃貸物件所有者、管理会社は必読です」の記事も同時に確認しておきましょう。

▶:「家賃滞納時の賃料回収方法を徹底解説!賃貸物件所有者、管理会社は必読です」の記事はこちら

 

メリット3:
強制執行もスムーズに進めることができる。

個人で行うことが困難な裁判後の強制執行、強制退去も、手続に精通した弁護士が行うことにより、スムーズに迅速に進めることができます。

家賃滞納トラブルはできるかぎり早く不良入居者との問題を解決し、新しく良い入居者をいれることが重要です。賃貸トラブルに強い弁護士に依頼して、早期に問題を解決することが、結果的には、家賃滞納によるオーナーの負担を最小にすることにつながります。

 

9,咲くやこの花法律事務所の弁護士なら家賃滞納トラブルについて、「こんなサポートができます!」

最後に咲くやこの花法律事務所の弁護士において、家賃滞納トラブルについて相談者に行っているサポート内容をご説明いたします。

咲くやこの花法律事務所におけるサポート内容は以下の通りです。

咲くやこの花法律事務所の賃貸トラブルに強い弁護士のサポート内容

(1)相談

咲くやこの花法律事務所では、家賃滞納問題について賃貸不動産のオーナーあるいは管理会社の担当者からのご相談を常時承っています。家賃滞納問題に精通した弁護士が「家賃の回収」と「入居者の退去」についてどのような道筋で解決すればよいかを、具体的な事情に即してご説明します。

(2)家賃滞納者との交渉

咲くやこの花法律事務所では、家賃滞納問題についての滞納者との交渉についても常時ご依頼をお受けしています。ご依頼いただいた場合、家賃滞納者に対する内容証明郵便の作成と発送、その後の交渉を弁護士が行い、弁護士が、依頼者に代わって家賃滞納者と話をして、「家賃の回収」と「入居者の退去」を実現します。

(3)家賃滞納者に対する裁判

交渉でも解決しない場合は、弁護士が裁判により、できるかぎり早く勝訴判決を得られるように訴訟進行します。

(4)家賃滞納者に対する強制執行

訴訟によっても、家賃滞納者が退去しないときは、強制執行により、家賃滞納者の退去を強制的に実現します。また、訴訟によっても、家賃滞納者が、滞納家賃の支払いをしないときも、強制執行によって、滞納家賃を強制的に回収します。

 

家賃滞納問題は、滞納がたまればたまるほど、回収も退去も困難になって泥沼化します。家賃滞納が始まった段階で、早めに「咲くやこの花法律事務所」の弁護士にご相談ください。

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11.家賃滞納トラブルに関連する他のお役立ち記事

家賃滞納時の賃料回収方法を徹底解説!賃貸物件所有者、管理会社は必読です

 

 

記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2017年4月28日

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