この本を読むことで、問題社員トラブルを円満退職で解決する方法がわかります。
本書で記載した方法を実践することで、手強い問題社員トラブルも、9割がた円満退職で解決することができます。
問題社員を解雇することの問題点を解説したうえで、話し合いにより、問題社員との合意による退職で解決すべきことを説明しています。
咲くやこの花法律事務所で弁護士が実際に問題社員と話し合いをしてきた経験をもとに、問題社員の心理面も踏まえて、問題社員から退職の合意を得るためには、3つの条件を満たす必要があることを示し、合意をとりつけるまでの道筋を理論的に解説しました。
そのうえで、能力不足、業務命令に従わない、パワハラ、セクハラをするなど問題社員のパターンごとに具体的にどうすすめればよいかを、咲くやこの花法律事務所の実践例も紹介しながら解説した書籍です。また、問題社員との話し合いにあたって気を付けることややってはならないこと、会社として事前に整備しておかなければならないことについても解説しています。
私は、職業的に今までも「問題社員への対応」に関する弁護士主催のセミナーや書籍などに触れる機会が有りましたがその多くが、「解雇が有効と認められるのはどいう場合か」を解説するものでした。本書についてはそれらとは全く別物で非常に具体的かつ実務的な内容になっていると感じています。
「基礎編」では円満退職に関する考え方、「実践編」では具体的な事例に基づく解決手法、「整備編」では会社の正しい労務管理のあり方などについて分かれて掲載されている為、読み進めていくうちに勝手に頭の中が体系立てて整理されていきます。更に、取り上げられている事例の数も多く参考にしやすい点、事例のあとに裁判例や具体的な対応方法を明示して解決に向けた解説をしてくれている構成が非常に読み易く感じました。
「基礎編」の第1章「合意による退職を実現するために重要になる3つの要素」についてですが、通常は金銭面や合意書の内容についてのみ言及する書籍などが多い中、本書では重要な要素として「自己認識のゆがみを修正させる努力」について経営者側の立場で詳細に解説されています。本書の事例解説でも、度々でてくるワードです。これについて私は今までほとんど意識をした事が有りませんでしたが本書を読んでこの重要性に初めて気付かされました。
そして、一番興味深かったのが「実践編」にでてくる、クリニックの退職勧奨事例の「退職勧奨を拒否する職員」の部分です。これは、私が日常業務をおこなう中で対応に一番苦慮するケースです。ここでも「自己認識のゆがみを修正させる」という言葉がでてきます。やはり、円満退職において重要な要素である事が分かります。そして一般的な書籍などでは、ほとんど解説されない問題社員に対しての具体的かつ実務的な指導方法、金銭面の提示方法、退職届の記載方法などについても非常に詳細に解説されており驚きました。
本書にて惜しみなく紹介されている内容は、著者のこれまでの圧倒的な経験と実績を物語っているのでしょう。その為、本書は明日から実践できる具体的かつ実務的な知識が身につく他に類を見ないものに仕上がっているのだと感じています。
解雇が不当解雇になると「多額の金銭の支払い」「雇用の継続」といった会社経営を揺るがす事態に陥ってしまいます。解雇などを考える前に本書を参考にし「整備編」を実践するだけでも大きなリスク回避になるであろうと感じています。
一般的に経営者として、問題社員対応の様々な事例に数多く(自社で起こった問題以上に)触れる機会は限定的であり、実際当事者となった時には解決の知識もノウハウもない為、どう対応していいか分からない。問題社員対応にあたって、経営側が常識的な対応だと思っていることと、実際の裁判による判例に乖離があることが、本書を通じてよく理解できた。
世間の経営者勉強会や、業界仲間との話題においても、実際にあった問題社員対応のことは、中でもトップクラスの関心事である。つまりそれだけ経営にあたって重要な事項であり、一歩間違えば会社の屋台骨を揺るがす事態になりかねない問題といえる。今まで、社内で起こった問題社員への対応策については、個別の案件を通じて場当たり的に対応することが多かった中、豊富な具体例を挙げながら、体系立ててその問題点と解決方法を示してくれる本書は、まさに経営者必読の労務対応バイブルだといえる。
臭いものに蓋型の安易な解雇は、社員にとっても会社にとっても目指すところではない。まずは会社にとって貢献してくれる人材を育てる、というスタンスでしっかりと社員と向き合う、というステップを得ることがいかに大事かと実感した。そこには経営者の覚悟と、周囲の社員の協力、多大な労力が必要とされるが、個人の人生がかかっている問題である以上、円満退職に向けては避けて通れない道だと感じた。明らかに問題社員であると認識される場合においても、そのステップを経ないと、会社にとってマイナスの結果にしかなりえない、ということも良く分かった。毅然と対応しなければならないことは勿論だが、円満解決に向かう具体的なノウハウを知っているのと知らないのとでは、天と地ほどの差があることも実感できた。
社会保険労務士の先生方や、企業内の人事担当者、問題社員の対応に悩む管理職、経営者層、問題社員について解雇は難しいという話を聴き対応をあきらめてしまっている方、その他職場内の問題社員への対応に悩むすべての方におすすめの書籍です。
価格:2,800円(定価3,080円)
私は、問題社員の対応に困っておられる経営者や管理職に解雇以外の正しい解決策を知ってほしいという気持ちで、出版を決断しました。
日本では、解雇に十分な理由と証拠が必要とされ、たとえ問題社員であっても安易に解雇することはできません。解雇トラブルが裁判になると、十分な証拠のない解雇は裁判所で無効とされ、会社は多額の金銭の支払いをしたうえで、解雇した問題社員を復職させることを命じられることになります。
このような事情から、会社が問題社員を解雇することについて弁護士に相談しても、裁判になった場合のリスクが大きいことを理由に解雇を思いとどまるように弁護士から説得されることが多いのが実情です。
しかし、それでは、経営者や上司、同僚は、問題社員の対応にずっと苦しみ続けます。経営者や管理職が問題社員への対応に悩んだ挙句、仕事ができなくなり、企業自体が立ち行かなくなってしまったり、優秀な従業員が職場内の問題社員の対応に悩んで退職してしまったりすることになります。
この問題を解決するため、私は企業にとってリスクの高い「解雇」による解決ではなく、問題社員と話し合いをしたうえで円満に退職してもらう方法をとってきました。
そんな中、問題社員トラブルに関する書籍は、解雇に関する判例分析を中心に、どのような場合に解雇が裁判所で有効と認められるのかということを解説するものがほとんどでした。
会社の紛争コストを最小化するという観点からは、多くの問題社員トラブルのケースで、解雇よりも合意による退職を実現することが望ましいことは明らかです。
しかし、合意による退職の実現は、会社がどのように取り組めばよいのかを体系立てて解説した書籍はほとんどありませんでした。
本書では私が所属する咲くやこの花法律事務所の経験を踏まえ、問題社員のタイプ別の円満解決の方法について、具体的な実践エピソードを多数盛り込みながら解説します。
本書にて惜しみなく紹介されている内容は、著者のこれまでの圧倒的な経験と実績を物語っているのでしょう。その為、本書は明日から実践できる具体的かつ実務的な知識が身につく他に類を見ないものに仕上がっているのだと感じています。
業界仲間との話題においても、問題社員対応のことは、トップクラスの関心事。円満解決に向かう具体的なノウハウを知っているのと知らないのとでは、天と地ほどの差があることも実感できた。