今回は、労働組合と交渉を行うときのポイントについて、具体的な中身のお話をします。
労働組合との交渉に限らず、交渉を行うときに最も大切なことは、
「ゴールをどこに設定するか」
ということです。
経営者の皆様が普段されているビジネスの交渉では、取引を成立させることが目的なのですから、取引相手の納得・了解がゴールとされます。
ここから、労働組合との交渉でも、組合の納得・了解を得ることが交渉のゴールであると考えがちですが、そうではありません。
会社は労働組合と取引をするわけではないですから、組合の納得・了解を得ることがゴールではないのです。
労働組合との交渉のゴールは、はっきり言ってしまえば、
「組合にあきらめさせること」
です。
そもそも、
会社には、労働組合との交渉のテーブルについて、誠実に交渉する義務はあるものの、労働組合に対して譲歩する義務や、組合との間で合意を成立させる義務はありません。
ですから、会社としては、組合と交渉するときには、
「この線を超えては絶対に譲れない!!」
というポイント、
例えば、労働組合が金銭を請求してきている場合であれば、
「この金額を超えては絶対に支払わない!!」
という金額を、
最初から具体的に決めておいて、それを超える請求を組合にあきらめさせることが、労働組合との交渉のゴール
となるわけです。
そして、自身をもって交渉にのぞむためにも、
仮に組合との交渉が裁判になった場合に裁判所でどのような判断が予想されるのかについて弁護士に相談してから、交渉にのぞむことが必要です。
弁護士に相談して裁判所でどのような判断が予想されるかも見据えた上で会社側としての解決ラインを決め、
それ以上の要求は絶対に認めない
という態度を組合に示すことが大切です。
そのことによって、組合に不当な請求をあきらめさせることができるのです。
そのほかにも組合と話をする上で注意する点がいくつかあります。
(1)まず、人間関係的なところで話をこじれさせてはいけません。
感情的になってしまうと、まとまる話もまとまらなくなってしまいます。
組合の人に対しては、対等公平にあいさつをし、丁寧な受け答えを心がけることが大切です。
組合側が厄介なことを言ってきているからといって、横柄な態度をとっていては、組合側も感情的になり、話し合いにならなくなります。
このように組合の人に対しては丁寧な対応をしつつも対等・公平な立場であることを示し、会社として応ずることのできない要求に対しては、
「NO!!」
という意思を明確にするべきです。
(2)次に、組合側が、
「要求をのまないのならば、裁判所に訴える。」
と言ってきた場合の対応です。
この場合は、裁判には手間も時間もお金もかかるし、仮に裁判をしたとしても組合側が要求しているようなお金はとれないことをしっかりと伝えるべきです。
組合側としても、もちろん弁護士とは提携しているものの、裁判は費用や時間がかかり、裁判をおこすためのハードルは低くはありません。
また、経営者側が裁判になった場合のことも見越して適切な提案をしているのであれば、組合側としても裁判をすることのメリットはありません。自身をもって交渉しましょう。
(3)組合が、社長の経営判断に口を出してきた場合には、
「最終的な経営判断を行うのは社長だ」
ということを明確に伝えるべきです。
組合も、経営判断については口出しにくい部分であるため、会社からはっきりと言われてしまえば、それ以上口出しはしてこない場合が多いです。
(4)会社が組合の要求をのまないことから、組合側が大声を出して騒ぎ出した場合には、
「冷静なお話ができないようでしたら、お引き取りください」
と、相手が冷静に交渉を行わないのであればこちらに交渉を続ける意思がないことをはっきりと伝え、それでも相手が退席しない場合には、こちらが退席してしまいましょう。
いざというときにいつでも退席できるように、会社側の人間は、できるだけ入口近くの席に座っておくべきです。
このように、労働組合と交渉をするときには、できるだけ丁寧な対応をこころがけつつも、
「NO!!」
という意思を明確に伝え、
組合の要求をあきらめさせることが大切です。
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