






また、筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所で会社の労務トラブルに関するご相談をお受けする中でも、「就業規則を正しく整備していればもっと会社の意向に沿った解決ができるのに‥」と悔しく思う例をたくさん見てきました。
もちろん、就業規則だけで全ての訴訟の勝敗が決まるわけではありません。しかし、就業規則の不備が原因で負ける例も少なくないことが現実です。他方で、裁判例や通達、文献を丁寧に調査したうえでよく工夫された規定が就業規則に設けられていた結果、訴訟における会社の主張が認められる例があることも事実です。
要するに、会社のピンチを招く就業規則もあれば、会社のピンチを救う就業規則もあります。
しかし、そのような目的で就業規則にまつわる裁判所の判断を整理して掲載した書籍はなかったように思います。そのようなこともあって、裁判例で示されたルールや裁判例から得られる教訓を理解しないまま、不備のある規定が就業規則におかれることも多いという現実があります。
そこで、本書では、就業規則にまつわる判断をした45の裁判例を取り上げることで、過去の裁判例で示されたルールや裁判例から得られる教訓を就業規則の整備に活かすための書籍を目指しました。
現在は就業規則について多くのひな形があり、その解説書籍もあります。しかし、ひな形をそのまま適用できる例はほとんどなく、会社の実情にあわせた規定の追加や修正が当然必要になります。


就業規則は実務に直結する重要なテーマです。しかし、就業規則に関する判例集は筆者らが知る限り、ありませんでした。そして、本書では、就業規則に関する判例解説という、類書のない分野を扱いつつ、従来型の判例集とは異なる使いやすさにこだわりました。
本書では「万一訴訟になった際にも裁判所に企業が設定したルールを認めてもらえるような就業規則を整備する」「裁判所に不備を指摘されない就業規則を整備する」という観点から、裁判例で問題となった就業規則の定めについて具体的な改善例まで掲載して解説しました。さらに、裁判例から得られる教訓をまとめた「就業規則の整備に活かすべきポイント」や「就業規則のリーガルチェックのポイント」を掲載しています。
本書を読んでいただくと、一見すると標準的な就業規則の規定であっても、その適用や解釈の場面で思わぬ落とし穴があり、その結果、訴訟で会社の主張が認められず、会社が敗訴してしまう事例が多くあることがわかります。本書は単なる判例解説ではなく、裁判例から得られる教訓やチェックポイントを抽出することで、社会保険労務士の先生方や弁護士の先生方、企業の人事労務担当者の方々がすぐに実務で活かしていただける内容に仕上げています。





