先日、クレーム解決を弁護士に頼むメリットとして、5つの項目をあげてお話ししました。
の5点があります。
という話でした。
今回は、このうち、④の「訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる」について書きたいと思います。
クレームが訴訟になることはごくまれです。しかし訴訟になったときの対応も考慮に入れてクレームへの対応をすることは重要です。
当事務所でよくご相談を受ける事例の1つが、自社のホームページ上で公開しているコンテンツについて、 他社(以下、「A社」といいます)のコンテンツを模倣したものであり、A社の著作権を侵害しているというクレームを受けるケースです。
著作権侵害による損害賠償請求では、賠償額が年々多額化しており、万一の訴訟の場合を踏まえた対応が必要です。
著作権侵害のケースで、訴訟で問題となるポイントは、
の2点です。
問題となるコンテンツが自社で作成したものではなく、他社に外注して制作させていたような場合は、 まず、①の点について、外注先に聞き取り調査をする必要があります。
外注先がA社のコンテンツを参考に制作したのか、それとも参考にしたわけではないがたまたま似てしまったのか、は重要なポイントです。
次に、②の点ですが、これはA社のコンテンツと自社のコンテンツを比較して、似ているかどうかを検討する必要があります。
A社のコンテンツを自社で把握できていない場合は、A社から取り寄せる必要があります。
この場合の「似ているかどうか」の判断はかなり専門的な判断になり、弁護士に相談する必要があります。
その上で、著作権侵害に当たる可能性がある場合は、ただちに自社ホームページに掲載されているコンテンツを削除する必要があります。
また、外注先がA社のコンテンツを参考にコンテンツを制作していたが、そのことを自社では知らなかったという場合、 その旨の「確認書」を外注先から取り付けておく必要があります。そのことによって、万一の裁判の際に、 「自社はA社から警告を受ける以前は著作権侵害について知らなかったし、警告を受けてすぐにコンテンツを削除した」と主張して、 損害賠償責任を免れることができます。
弁護士にクレーム対応を依頼することで、クレームに対応しながら、万一裁判になった場合に備えて、 裁判で問題となるポイントを調査し、必要な証拠を確保することができるのです。