残業代の請求リスクから会社を守る方法―雇用契約書での営業手当の記載方法
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残業代の請求リスクから会社を守る方法―雇用契約書での営業手当の記載方法

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  • 2011年01月14日

    退職した従業員が残業代の不払いを訴えて労働基準監督署に駆け込むケースが増えています。

    また、残業代不払い分を裁判で請求するケースも激増しています。
    残業代請求を専門に扱う弁護士や司法書士も増えており、
    いずれ残業代請求については一大ブームが来るのではないかと思われます。

    咲くやこの花法律事務所では、中小企業の実情も十分考慮した上で、
    このような残業代のリスクから会社を守る方法をクライアントに提案しています。
    残業代の請求については請求されてから慌てて対応するのではなく、
    事前に十分な対策をとっておくことが必要です。

    今回ご紹介するのは営業マンの残業代についてです。

    「営業マンについては残業代を払う必要がない」と考えておられる社長様が多くいらっしゃいます。

    実際、ご相談でも
    「営業マンには営業手当を支払っているから、残業代は払わなくてもいいはずだ。」
    という声をよくお聞きします。

    しかし、残念ながら法律はそうはなっていません。

    営業マンが残業代の支払いを求めて労働基準監督署にかけこんだり、裁判で請求をおこしたりすれば、
    多額の残業代支払いを命じられるリスクがあります。
    法律上残業代は2年分までさかのぼって請求することができるのです。

    これについての対策は2つあります。

    今回の記事ではそのうち1つの方法をご紹介します。

    それは、「営業手当」が「営業マンの残業代」にあたることを明確に規定する方法です。

    たとえば、雇用契約書に単に「営業手当 3万円」などと書くのではなく、
    「営業手当 3万円(○時間分の時間外手当として)」などと書いておくことにより、
    営業手当が残業代の性質をもつことを明確にすることができます。

    単純なことですが、これによって削減できる残業代は相当な額になります。

    たとえば・・・
    基本給30万円に営業手当3万円を加えて毎月33万円を営業マンに支給している会社で
    営業マンの所定労働時間数を月200時間と仮定した場合、

    上記のような対策をとれば、
    1人の営業マンについて年間で少なくとも約40万円の残業代を合法的に節減ができます。

    たとえば営業マンが10人いる会社であれば、年間400万円の残業代の削減になるのです。

    単に雇用契約書の表記の方法を変えるだけで、
    残業代リスクが減らせるのですからやらない手はありません。

    次回は営業マンの残業代リスクを削減するためのもう一つ方法についてご紹介します。

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    西川 暢春 代表弁護士
    西川 暢春(にしかわ のぶはる)
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