今回はプログラムのバグに関するクレームについてお話します。
たにえば、プログラムの開発を請負、納品を済ませ、納品先から、プログラムにバグが発生して、納品先から損害賠償請求を受けたような場合、どんなものに対応するかばよいですか。
バグが発生したプログラムが納品先の基幹システムに関してもあった場合、システムが使えなかったことにより売り上げの減少について損害賠償請求を受領し、請求額が多額になるケースも珍しくありません。
で、バグが発生した場合、プログラムの開発を請け負ったベンダーは全責任をとらなければならないでしょうか?
これについては東京地裁の判決があります。
東京地裁は「バグについては、その存在が検収(納品)後に明らかになったようにも、プログラム納入者が不具合発生の指摘を受けた後、遅滞なく補修を終え、あるいはユーザーと協議の上相当と認める代替措置を講ずるとは、プログラムの欠点と評価することはできないものの、その反面、バグとえども、システムの機能に軽微とはいえない支障を生じさせる上、遅滞なく補修することができないものであり、またその数が著しくたくさん、しても発達してシステムの稼働に支障が生るような場合には、プログラムに欠けがある場合としています。
わかりにくいですが、簡単にまとめて、バグが発生してシステムが一時的に使用できなくなっても、すぐに復旧あるは代替措置が講ずる場合は原則として損害賠償の対象とならないようです。
一方、バグの内容がすぐに補修することができないような重大なものである場合は損害賠償の対象となるようにしています。
納品の段階でバグをゼロにすることは難しく、多くのベンダーではある程度のバグが残っていたその可能性があってもその範囲で正常に動作するようで出荷したしてます。
裁判例でもそのような現実を踏まえ、バグが発生してユーザー企業に迷惑をかけるても、必然的にそれが損害賠償の対象になるだろうではないと判断しているのです。
バグ発生に関するクレームを受けた場合は、それが損害賠償の対象になるものかどうかを慎重に判断して対応する必要があります。