土壌汚染のリスクに対応する不動産売買契約書の作り方
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土壌汚染のリスクに対応する不動産売買契約書の作り方

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  • 2012年12月04日

    不動産売買のリスクとして土壌汚染のリスクがあります。

    つまり、買主の立場からみれば、土地を買った後に土壌汚染が発覚した場合に、その汚染を除去する費用の負担を売主に請求することになりますが、これが認められるかという問題が出てきます。

     土壌汚染の除去費用を売主に負担させるためには不動産売買契約の条項がポイントになります。

     

     

    今回は、土地を売った後で汚染が発見された場合に備え、土地の買主として売買契約の条項をどのように定めておくべきかというお話をさせていただきます。

     

    この点で参考になるのが東京地方裁判所で平成23年7月11日に下された判決の事案です。

     この事案は、味噌や醤油の醸造・販売会社が、味噌工場の敷地を約41億円で不動産業者に売却したところ、購入の3か月後に環境基準を上回るヒ素がこの土地に含まれていることが発覚したというものです。

     

    汚染の除去のために必要な費用は2億円近い金額となり、買主である不動産業者は、これらの費用を売主に請求する裁判を起こしました。

     

    しかし、この請求は認められず、汚染の除去費用は結局買主である不動産業者の負担となりました。

     

    なぜ認められなかったかというと、この土地売買の売買契約書には、次の規定がありました。

     

     

    第10条

    第2項

    土地汚染調査の結果、環境省の環境基準および自治体に指導基準があるときにはその基準を上回る土壌汚染があった場合は、買主は汚染の範囲およびかかる費用を売主に明示し、売主は土壌改良もしくは除去の費用を買主に支払うものとし、買主は自ら土壌改良もしくは除去をおこなうものとする。

     

     

     

    この条文に出てくる、環境省の環境基準については、下記のURLにおいても公開されており、参照することができます。

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

    http://www.env.go.jp/kijun/

     

     

    そして、この環境基準では、「汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所については、環境基準を適用しない。」と明記されています。

     

    東京地方裁判所は、今回発見されたヒ素は温泉水などの自然的原因によるものだと判断し、そうである以上そもそも環境省の環境基準の適用外であって、契約書10条2項にある「環境省の環境基準を上回る土壌汚染があった場合」にはあたらないから、買主は売主に対して除去費用を請求することはできないと判断しました。

     

     

    この事例から学ぶべきことはどういったことでしょうか?

     土地の買主としては、土壌汚染の原因が自然的原因によるものかそうでないかはさておき、どちらの場合でもあっても、汚染除去費用は売主に負担してもらいたいと考えるのが通常です。

     

    上記の判例を踏まえれば、そのためには、不動産の買主としては「もともと自然にあった汚染についても、売主は汚染の除去費用を負担する義務を負う」ということを契約書で明確にしておくべきです。

     

    そうでなければ、購入した不動産について土壌汚染が発覚した場合も、その原因が自然的原因によるものであると判断されてしまうと、汚染の除去費用を売主に請求できないことになってしまいますので注意が必要です。

     

    土壌汚染の除去費用は高額になることが多く、トラブルも増えていますので、リスクを踏まえた契約書の作成をお勧めします。

     

     

    不動産売買契約書の条項を定めるに当たってお困りのことがある場合は、ぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。

     

     

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