みなさん、「下請かけこみ寺」という制度をご存じでしょうか?
これは、中小企業間の下請取引トラブルのために設けられた制度で、財団法人全国中小企業取引振興協会というところが、中小企業庁から委託を受けて行っています。
要するに、下請取引のトラブルを「裁判をしないで、早く解決したい」という要望にこたえるためのものです。
そもそも企業間のトラブルには裁判での解決が難しいものが多くあります。
たとえば
「納品後に発注先から代金の値引きを求められ、発注時の代金での支払いに応じてもらえない」
「仕事をもらう見返りに、発注先から物品を購入するように求められ困っている」
「製品に問題がないのに、問題があるとして納品を受け取ってもらえない」
「発注時にきちんと値段が決まっておらず、納品後にこれまでの慣例による値段を請求したら、応じてもらえず困っている」
「原価割れする価格で発注され、協力しなければ、今後の発注はないといわれている」
等のトラブルです。
「下請かけこみ寺」の制度は、このようなトラブルについて、企業間で話をしても解決に至らない場合に、第三者の弁護士が間に入って話を聞き、解決を目指す制度です。
裁判と違ってスピードが重視されており、3ヶ月以内の解決を目指す制度設計がされています。
特に最初からきちんと価格が決まっていたと言い難い場合には、話し合いで支払代金を決めていく必要があり、裁判所での解決にはなじまないでしょう。
このような場合に、「下請かけこみ寺」の制度を使って、迅速な解決を目指すことができます。
下請け取引の値引きや納品のトラブル、支払時期のトラブルでお悩みの方は、泣き寝入りをしないで、顧問弁護士にご相談いただくか、当事務所にご相談ください。