従業員の身だしなみを指導するときの注意点
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従業員の身だしなみを指導するときの注意点

2014年06月19日

今回は、従業員の身だしなみの問題について、考えてみたいと思います。

 業種によっては、従業員の身だしなみは、会社のイメージ・信用に関わるもので、会社としてはきちんとしてもらわなければ困るということもあります。特に、顧客と接する業務を担当する従業員であればなおさらです。

 これを書いている西川も自分のことは棚に上げて、従業員の身だしなみは気になるほうです。

 

それでは、従業員の身だしなみを指導する場合に経営者としてはどのような点に注意すべきでしょうか。

 

 

過去の判例を見ると、ひげや男性の長髪について、会社が指導し、その指導に従わない従業員に対して、懲戒、減給、解雇などした場合、従業員がこれに対して裁判を起こしてくるというケースは、決して少なくありません。

 

 

参考になる裁判例として、神戸地方裁判所平成22年3月26日判決を御紹介したいと思います。

 

この判決の事案は、郵便局員が身だしなみを理由にマイナスの人事評価を受け、賃金をカットされたなどとして、郵便局に対して損害賠償を求めた事件です。この郵便局員は男性で、長髪を後頭部で束ね、口ひげ、あごひげを生やしていました。

 郵便局としては、このような男性が窓口業務をすると、郵便局のイメージダウンにつながりかねないので、髪を切りひげをそるように指導するのは正当なことであると主張しました。

 

しかし、この判決では、従業員が勝訴し、郵便局はカットした賃金の支払いなどを命じられました。

 

 

裁判所はその理由として、長髪やひげは個人の自由に委ねられるべきものであること、この男性の身だしなみについて郵便局がこれまで何も指導してこなかったことをあげています。

 

このように裁判所は、企業が従業員にきちんとした身だしなみを求めることについては一定程度理解を示しながらも、汚いひげ、整えられていない髪形以外は、懲戒や減給の対象とすることはできないと判断するのが一般的です。

単に、髪の毛が長いとか、ひげを生やしているという理由で従業員を懲戒したり、減給したりすることは、いざ裁判になるとなかなか正当とは認めてもらえません。

 

 

このような裁判所の判断は疑問に思います。

しかし、実際問題として会社が従業員の身だしなみを理由に給与を下げたり、懲戒したりすることは、いざ裁判になると認められにくいということは踏まえておく必要があります。

 

 

 

また、身だしなみについて指導を怠ると、「この程度の身だしなみは許される」ということが既成事実化されてしまい、裁判所にもそのように判断されてしまうことにも注意する必要があります。

このように、身だしなみの問題は、法律上はなかなかやっかいです。

 

 

まずは、従業員の採用時に、入社後に求められる身だしなみについて、説明し、了解した人にだけ入社してもらうということが必要です。

また、身だしなみに問題のある従業員に対しては、放置せず、問題がある時は、しつこく指導して、ただしていくことが必要です。

会社として、従業員に身だしなみを整えることの重要性を説明し、身だしなみが整っていない従業員にはみんなの前で指導することで、身だしなみを整えることが職場の共通認識としていかなければなりません。

 

このように身だしなみの問題は、入社時の説明、入社後の指導、また就業規則の工夫などで、対応していくことができます。

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