最近従業員の引き抜き行為についてのご相談が増えています。
特に問題になるのは、
①退職した従業員が起業して、前職の他の従業員に対して転職を働きかける場合、あるいは
②退職した従業員が同業他社に転職して、前職の他の従業員に対して転職を働きかける場合です。
このような引き抜き行為については事前に従業員から競業他社に就職しないとか競業の事業を起こさないという誓約書を従業員からもらっておくことにより、ある程度予防することができます。
では、実際に退職した元従業員による引き抜き行為が始まってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
引き抜き行為の際には、会社の従業員に対して、「会社の経営状態がよくない」など会社の経営について悲観的な見通しを口にしたり、場合によっては虚偽の情報を告げたりしながら、勧誘がされる場合がほとんどです。
このような引き抜きを放っておくと、会社の士気がどんどん下がっていってしまいます。
さらに、従業員を引き抜くのと一緒にその従業員が担当していた顧客まで横取りしようというケースもあります。
この場合、顧客の信頼にもかかわってきます。
そのため、早めの対処が大切です。
引き抜き行為に気づいたら、勧誘を受けた従業員に対する聞き取り調査をすみやかに実施しなければなりません。そして、できるかぎり早い段階で内容証明郵便等で引き抜き行為を行う元従業員等に警告することになります。
調査にあたってのポイントは、
① 誰が引き抜き行為を行っているのか?1人で行っているのか、何人かで行っているのか?
② 従業員に転職を勧誘するにあたってどのような勧誘フレーズを使っているのか?会社の評判を下げるような
虚偽の事実を告げて勧誘を行っていないか?
③ 何人の従業員に転職の勧誘がされたのか?
④ 引き抜き行為が行われたのはいつからいつまでか?
引き抜きが行われたのは、その者が在職中か。それとも退職した後か。
引き抜き行為について、裁判所は「単なる転職の勧誘の範囲を超えて社会的相当性を逸脱した方法で従業員を引き抜いた場合、…引き抜き行為によって同業他社に生じた損害を賠償する義務があるというべきである。」としています。
さきほどあげた4つのポイントは、損害賠償請求についての判断基準にもあてはまる重要なポイントです。
引き抜き行為に対しては、早めの対処をうつことで、会社の損害を最小限に食い止めることが必要なのです。
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