今回は、警備業で義務付けられている新任教育についてお話します。
行政処分によって警備業の経営が続けられなくなった場合に、事業譲渡や合併で当座をしのぐということはよくあります。
事業譲渡や合併の後は、警備員は新しく別の会社で警備業務にあたることになります。
このような中で、警備会社の合併や事業譲渡のときに、新任教育が必要かという質問をよく受けます。
これについては全国警備業協会編集の「警備業法の解説」につぎのように、解説されています。
「警備会社の合併、分割等があった場合において、従前から警備業務に従事していた警備員を新たに使用することとなる警備業者が、改めて新任教育を行う必要があるか否かについては、
原則として新任教育を要するが、当該警備員に教育を行っていた警備業者の事業の実態と当該警備員を新たに使用することとなる警備業者の事業の実態とに同一性が認められるきに限っては、改めて新任教育を行う必要はない。」
この基準からすれば行政処分への対応として、警備業の許可のある新しい会社に事業を移転するようなケースでは、
新任教育は必要です。
これに対して、警備業を行っていた会社の子会社である警備会社が行政処分を受けたことから、子会社を親会社に吸収合併する処理をするようなケースでは、事業の実態が特に変更になるわけではありません。
このような場合は、新任教育は不要と考えて問題ありません。
ただし、いずれの場合でも、
警備契約書や警備員名簿の作成は当然必要であり、細心の注意を払って取り組む必要があります。
また、教育に関しては、
教育実施簿に指導教育責任者が教育したと記載しているのに、実際はビデオ教育にして指導教育責任者は別の用事で社外に出ていたというようなケースで、教育義務違反を理由とする行政処分を科されるケースがおこっています。
警備業では厳格な行政処分が多い中、
警備業の経営者としては、法律通りの指導教育を徹底することが、会社を長く発展させるための最低条件となります。
最近の教育義務違反の事例のほとんどんは、経営者が知らないうちに警備員の教育がおろそかになっていた、あるいは会社が大きくなって細部まで目が届かなくなっていたというパターンです。
多くの営業所支店を持つ場合、指導教育責任者への管理がおろそかになりがちですが、そのようなことにならないように経営者として細心の注意を払う必要があります。
当事務所では警備業者からの日頃のご相談を受け付けております。
また、警備業の行政処分の際の都道府県警察への対応業務を専門的に行っております。
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