うつ病で復職見込みのない従業員を解雇する場合の注意点について

企業法務に強い弁護士に今すぐ相談 受付時間 9:00 〜 19:00(平日)
閉じる
労務問題について

うつ病で復職見込みのない従業員を解雇する場合の注意点について

2012年03月30日

従業員のうつ病やメンタルヘルスの問題に関するご相談が増えています。

 

従業員がうつ病になったときには、

まずは、従業員を休職させて無理をさせずに見守り、回復を待つという姿勢が必要です。

 

ただ、うつ病は治療しても必ず回復して仕事ができるようになるとは限りません。

 

休職期間中は従業員に給料を支払う必要はありませんが、社会保険料は休職期間中も負担する必要があり、会社としていつまでも回復の見込みのない従業員を抱えておくことはできません。

その場合は、従業員を説得して、退職願にサインしてもらい、退職してもらわなければなりません。

 このことは以前このブログ(http://kigyobengo.com/blog/labor/799をご参照下さい)でも書きました。

 

 

は、従業員のうつ病が長引いていて、仕事に復帰できる見込みがなさそうなのに、従業員が退職届にサインしてくれない場合はどうなるのでしょうか?

 

 

 

この場合は、その従業員を解雇するしか方法がないことになります。

 

 

ただ、性急な解雇は不当解雇とされる恐れがありますので、従業員を解雇しなければならない際も、解雇は慎重に行うべきです。

 

 

つ病で休業が長引いてしまっている従業員を解雇するときに重要なことは、

必ず、その従業員の主治医と連絡をとって、主治医の意見を聴くべきだということです。

 

 

 

この連絡は、電話で済ませず、できれば、人事部長などの労務管理の責任者、休業している従業員本人、従業員の主治医の三者面談を行い、主治医の意見を聴くべきです。

 

ここでの主治医の意見が、

「復職は不可能」または「復職の見込みは不明」

というものであったならば、聞き取った内容をメモし、

いつ、誰から、どのような説明を受けたか、

ということを、しっかりと記録に残しておくべきです

 

 

もちろん、「復職は不可能である」ということについて、医師の意見書をもらえれば、それにこしたことはありません。

医師の意見を求める際には、性急に復職についての意見を得ようとするのではなく、何度も医師と面談して、医師との信頼関係を作り、医師としてのできるだけ正確な判断を聴き取る必要があります。

 

 

 

従業員を継続して診察している医師の意見が、

「この従業員は、仕事に復帰することはできない」

または

「仕事に復帰することができるかどうかわからない」

というものであったならば、

会社に仕事を提供する義務を負っている従業員を解雇することは、正当な解雇であるといえます。

 

 

万が一、あとから外部の労働組合などがやってきて「不当解雇だ!!」と言ってきたとしても、会社が医師の意見を記録した書面や医師の意見書を見せれば、不当解雇ということが難しいことが、組合側にもわかるはずです。

 

 

 

実際の裁判例でも、うつ病を発症した、私立中高一貫校の国語教師の休職後の解雇について、学校側が、人事担当者である教頭に、主治医に連絡をとらせることなく国語教師を解雇したことを理由として、解雇が不当なものとされた例があります。

 

この例では、解雇された国語教師は、うつ病で約1年間休職した後、いったんは復職したものの、やはりうつ病による欠勤が目立ったために、解雇されました。

 

 

裁判所は、学校側がこの国語教師を解雇するに当たって、学校側の校医の意見は聞いたものの、この国語教師の主治医とまったく連絡をとろうとしていなかったという点を指摘して、学校は国語教師が復職できるかどうかについて、十分に検討を行っていないのであるから、解雇は不当である としています。

 この裁判例でも、学校側が、教頭、主治医、解雇された国語教師を交えての三者面談を行い、主治医から、復職の見込みについての意見を聴いた上で解雇していれば、解雇が不当とはされなかった可能性が高いです。

 この裁判例では、学校側は、国語教師の復職可能性を判断するに当たって、学校側の校医の意見を聞いていました。

 

それでも、解雇は不当とされたのです。

 

このため、会社の場合でも、会社の指定医の意見を聴くだけでは足りず、やはり従業員の主治医の意見を聴く必要があります。

 

このように、うつ病で休業中の従業員を解雇するに当たって、主治医の意見を聴くかどうかということは、決定的に重要なポイントなのです。

▼ この記事を読んでいただいた方にお勧めの記事はこちらです。▼

○ 従業員のうつ病と休職制度 http://kigyobengo.com/blog/labor/799

○ 入社希望者の病歴について採用時に尋ねることの問題点 http://kigyobengo.com/blog/1889

○ 従業員を解雇した後の会社側の手続きについて http://kigyobengo.com/blog/2129

○ 労働問題でお困りの方はこちら http://roumubengo.com/

○ ご相談はこちらから http://kigyobengo.com/contact

○ ブログの一覧はこちらから http://kigyobengo.com/blog

 

 

 

ご相談はhttp://kigyobengo.com/contactから気軽にお申し込みください。

顧問契約をご希望の経営者の方の面談を随時行っておりますので、http://kigyobengo.com/adviser.htmlからお申し込みください。

なお、このブログの内容はメールマガジンによる配信も行っております。

http://kigyobengo.com/mailmagazinにメールマガジン登録フォームを設けておりますので、ぜひご登録をお願いいたします。

 

 

顧問実績140社 以上!企業法務に特に強い弁護士が揃う 顧問弁護士サービス

企業法務の取扱い分野一覧

お問い合わせ状況

昨日のお問い合わせ件数6
今月のお問い合わせ件数78

企業法務に強い弁護士紹介

西川 暢春 代表弁護士
西川 暢春(にしかわ のぶはる)
大阪弁護士会、近畿税理士会/
東京大学法学部卒
小田 学洋 弁護士
小田 学洋(おだ たかひろ)
大阪弁護士会/広島大学工学部工学研究科
池内 康裕 弁護士
池内 康裕(いけうち やすひろ)
大阪弁護士会/大阪府立大学総合科学部
片山 琢也 弁護士
片山 琢也(かたやま たくや)
大阪弁護士会/京都大学法学部
堀野 健一 弁護士
堀野 健一(ほりの けんいち)
大阪弁護士会/大阪大学
荒武 宏明 弁護士
荒武 宏明(あらたけ ひろあき)
大阪弁護士会/大阪大学文学部
米田 光晴 弁護士
米田 光晴(よねだ みつはる)
大阪弁護士会/関西学院大学法学部
渕山 剛行 弁護士
渕山 剛行(ふちやま よしゆき)
大阪弁護士会/大阪大学法学部法学科
弁護士紹介一覧へ

メディア掲載情報

「わかりやすい・説明親切な対応・迅速なレスポンス」を徹底している弁護士として、フジサンケイビジネスアイに掲載されました。
弁護士法人咲くやこの花法律事務所 YouTube
大阪弁護士会
企業法務のお役立ち情報 咲くや企業法務.NET