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就業規則について!義務や作成方法・注意点などを弁護士が解説

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  • 就業規則について!義務や作成方法・注意点などを弁護士が解説
    • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
    • この記事を書いた弁護士

      西川 暢春(にしかわ のぶはる)

      咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
    • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で300社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

    企業の規律を明確にし、職場で起こる問題行動にも正しく対応するための基本となるのが、「就業規則」です。

    就業規則とは、賃金や労働時間、解雇や懲戒処分の事由、服務規律の内容など、就業にあたり従業員が守るべき規律を定めるものです。合理的な労働条件を定めた就業規則が従業員に周知されている場合、その就業規則は従業員の個別の同意がなくても、雇用契約の内容になります(労働契約法第7条)。そして、就業規則は、多数の従業員の労働条件を統一的に定めるという点において、雇用契約書とは異なる機能をもつものです。

    就業規則の作成は、常時10人以上の従業員を使用する事業場がある会社においては法律上の義務とされています。労働基準法第89条において「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と定められており、違反には30万円以下の罰金が科されます。

    労務トラブルを未然に防ぐようなきちんとした就業規則を作成するためには、実際に「労務トラブルの対応」や「会社側の労働審判の対応」、「労働裁判の現場」を数多く経験している労働問題に強い弁護士に相談し作成することがベストです。

    ところが、これまでは弁護士が就業規則を作るケースは少なく、そのために、就業規則が労務トラブルや労働審判、労働裁判の現場で役に立たない内容になっていることがよくありました。

    これではせっかく就業規則を作成していても機能せず、以下の例のように労務トラブルや裁判で、解決のために多額の金銭を会社側が支払わなければならない結果につながったり、従業員の問題行動に対応できず会社に多大な損害を発生させることになります。

     

    就業規則の不備により発生する会社の損害の例

    • (1)就業規則自体が法律に違反しているとして、損害賠償を請求されるケース
    • (2)懲戒に関する規定の不備により、従業員に対する懲戒解雇が不当解雇となり、裁判所で多額の金銭支払いを命じられるケース
    • (3)機密保持に関する規定の不備により、従業員が会社の情報を持ち出しても適切な対応ができないケース
    • (4)固定残業代に関する規定の不備により、多額の残業代の支払いを命じられるケース
    • (5)就業規則の不利益変更の効力が認められず、多額の金銭支払いを命じられるケース

     

    このような背景から、筆者が代表を務める「咲くやこの花法律事務所」でも、弁護士による就業規則の作成に関する相談件数が増え続けており、今後は、就業規則の作成や変更を労働問題に強い弁護士に依頼する企業が増加していくものと思われます。

    今回は、これまで多くの労働問題のトラブルを解決してきた、「咲くやこの花法律事務所」の経験を踏まえ、就業規則を実際に労働問題のトラブルの解決に役立つ内容にするために、絶対におさえておきたい就業規則の作成ポイントについて徹底解説していきたいと思います。

     

    ▶【参考情報】労務分野に関する「咲くやこの花法律事務所の解決実績」は、こちらをご覧ください。

     

    ▼就業規則について今スグ相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

    【お問い合わせについて】

    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

     

     

    1,就業規則とは?

    就業規則とは?

    労働問題や労務トラブルの解決に役立つ絶対におさえておきたい正社員用の就業規則の作成方法についてご説明する前に、「就業規則とは何か」ということと、「就業規則の作成義務」についてご説明しておきたいと思います。

     

    (1)就業規則とは何か?

    まず、「就業規則とは何か」ということですが、就業規則とは、職場の従業員を対象として、集団的に、労働条件と会社の規律を定めた規則をいいます。

    特に「集団的に」というところが重要なポイントですが、この点は後で解説します。

    なお、「就業規則」という表題の規則だけが就業規則に該当するのではなく、「賃金規程」や「退職金規程」についても、労働条件と会社の規律を定めた規則であるため、法律上は「就業規則」に該当します。

    では、「就業規則は何のために作るものでしょうか?」

    就業規則の作成の目的を確認しておきましょう。

     

    (2)就業規則制定の目的について

    就業規則を制定する目的は、職場の規律意識を高め、従業員全員が一致団結できる組織をつくることや、従業員間の賃金や処遇の公平を実現することにあります。

    企業経営を成功させるためには、従業員全員の心を1つにまとめて、目標に向かって進む組織をつくることが必要不可欠です。そして、従業員全員が一致団結するためには、企業の規律を明確にし、規律違反の問題行動を放置せず、正しく対応していくことが必要です。

    また、「賃金、就業時間、休日、休憩」などの労働条件に関するルールを統一的に定め、従業員間の賃金や処遇の公平を実現することも、職場の一体性を高めるために不可欠です。

    就業規則には、職場の一体性を高め、一致団結する組織をつくるために、「労働条件に関する統一的なルール」と、「会社の規律」を定める役割があります。

     

    2,就業規則の作成義務について

    次に、「就業規則の作成義務」について、ご説明したいと思います。

     

    労働基準法では、常時10人以上の従業員を使用する企業に、就業規則の作成を義務付けています。

     

    作成義務の違反には「30万円以下」の罰金が科されます。

    この「常時10人以上」という人数は、「事業所ごとにカウント」します。

    また、パート社員やアルバイトなど非正社員も含めてカウントします。ただし、業務委託の社員や派遣労働者、繁忙期のみ勤務する臨時社員は人数に含まれません。

    常時10人以上の従業員がいない事業所については就業規則の作成義務がありません。しかし、就業規則は、企業の規律を明確にし、規律違反の問題行動を放置せず、正しく対応することにより、従業員全員が一致団結できる組織をつくるためのものです。

    そして、従業員の一致団結や規律の明確化が必要なことは、10人未満の事業所でも同じです。法律上の義務はありませんが、10人未満の事業所においても就業規則を作成しておくことがベストです。

     

    3,就業規則の効力

    就業規則の効力については、労働契約法に条文が設けられています。

    その中で、企業が合理的な労働条件を就業規則に定めて、その就業規則を従業員に周知した場合、就業規則の内容は、企業と従業員の間の労働契約の内容となることが定められています。

    一方、企業において、各従業員と個別に取り交わす雇用契約書の内容も、もちろん、企業と従業員の間の労働契約の内容となります。

     

    では、企業においては、各従業員と個別に取り交わす雇用契約書とは別に、就業規則を定める意味はどこにあるのでしょうか?

    「雇用契約書」と「就業規則」の違いについて確認しておきましょう。

     

    (1)雇用契約書と就業規則の違いについて

     

    1,雇用契約書について

     

    ・作成の目的:

    会社と個々の従業員の個別の労働条件を明確にし、労働条件をめぐるトラブルを未然に防ぐ

     

    ・作成手続:

    会社が各従業員と個別に取り交わすもので、個別に従業員による署名捺印が必要

     

    ▶参考情報:雇用契約書の作成について:

    雇用契約書については、上記の通り、従業員との個別の労働条件を明確にし、労働問題をめぐるトラブルを未然に防ぐ役割を担います。

    そのため、雇用契約書も正しく作成されていなければ、就業規則と同じく労働問題が発生した際に、現場で役に立たなくなります。

    このような状況を回避するためにも、「雇用契約書の作成」についても弁護士が解説する以下の重要なポイントを必ずチェックしておいてください。

     

    「雇用契約書を作成する際に必ずおさえておきたいポイントを弁護士が解説」はこちらをご覧下さい。

     

    2,就業規則

     

    ・作成の目的:

    集団を対象とした規則を定めることで、職場の規律意識を高め、従業員全員が一致団結できる組織をつくる。

     

    ・作成手続:

    事業所ごとに「従業員代表から意見を聞く手続」と「全従業員への周知」が必要だが、従業員ごとの個別の署名捺印は不要。

     

    このように、就業規則の作成は、従業員が一致団結できる組織を作ることが目的であり、「集団」を対象とする点が、雇用契約書との大きな違いです。

    作成の手続も、雇用契約書が各従業員と個別に取り交わすものであるのに対して、就業規則は事業所ごとに作成するもので従業員の個別の署名捺印は必要ありません。

    雇用契約書も就業規則もどちらも労働契約の内容となるものですが、雇用契約書が個別の従業員と会社の間のものであるのに対し、就業規則は「集団」を対象とするものであることをおさえておきましょう。

     

    (2)雇用契約書と就業規則の優先関係

    雇用契約書と就業規則が食い違うときは、雇用契約書のほうが従業員にとって有利な項目については雇用契約書が適用され、就業規則の方が従業員にとって有利な項目については就業規則が適用されるというルールが設けられています(労働契約法第7条但書、労働契約法第12条)。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    前述の雇用契約書と就業規則の優先関係から、例えば、就業規則で試用期間を2か月と定めているのに、雇用契約書で試用期間を1年と定めた場合、2か月を超える試用期間の定めは無効であり、試用期間は2か月であると判断した事例があります(光洋精工解雇事件 徳島地方裁判所判決昭和45年3月31日)。

    就業規則を作成する際は、雇用契約書との整合性にも注意することが必要です。

     

    4,正しい就業規則の作り方について

    正しい就業規則の作り方について

    それでは、以下では、労働問題トラブルの解決に役立つ「正しい就業規則の作成方法」について詳しくご説明していきたいと思います。

    就業規則の作成方法について、絶対におさえておきたいポイントは、以下の15点です。

     

    • 作成方法1:就業規則の記載事項
    • 作成方法2:就業規則作成の際の基本的な注意点
    • 作成方法3:就業規則の適用の範囲に関する規定の作成方法
    • 作成方法4:休職に関する規定の作成方法
    • 作成方法5:始業時刻、終業時刻に関する規定の作成方法
    • 作成方法6:休憩に関する規定の作成方法
    • 作成方法7:有給休暇に関する規定の作成方法
    • 作成方法8:副業に関する規定の作成方法
    • 作成方法9:就業規則違反の場合の懲戒に関する規定の作成方法
    • 作成方法10:退職に関する規定の作成方法
    • 作成方法11:固定残業代に関する規定の作成方法
    • 作成方法12:テレワーク・在宅勤務に関する規定の作成方法
    • 作成方法13:退職後の競業避止義務に関する規定の作成方法
    • 作成方法14:退職金に関する規定の作成方法
    • 作成方法15:モデル就業規則の利用や雛形(ひな形)利用の際の注意点

     

    それでは、次項以下で、順番に詳しく解説していきます。

     

    作成方法1:
    就業規則の記載事項

    まず、最初に、就業規則の作成方法のポイントの1つ目として、「就業規則の記載事項」について見ていきましょう。

    就業規則の記載事項には、大きく分けて以下の3つがあります。

     

    1.絶対的必要記載事項

    就業規則に必ず記載しなければならない記載事項

     

    2.相対的必要記載事項

    制度を設ける場合は必ず就業規則に記載をしなければならない記載事項

     

    3.任意的記載事項

    就業規則に記載するかどうかが自由である記載事項

     

    そして、このうち、「1.絶対的必要記載事項」と「2.相対的必要記載事項」については法律上記載事項が決められています(労働基準法第89条)。

    具体的な記載事項については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

     

     

    「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」、「任意的記載事項」の3つの組み合わせで就業規則が構成されることを、就業規則の作成方法の1つ目のポイントとしておさえておきましょう。

     

    作成方法2:
    基本的な注意点

    次に、就業規則の作成方法のポイントの2つ目として、「就業規則作成の際の基本的な注意点」を見ていきましょう。

    就業規則の作成の際の基本的な注意点として以下の2点をおさえておきましょう。

     

    • 注意点1:法律に違反した就業規則は無効になる
    • 注意点2:就業規則も判例による制約を受ける

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    注意点1:
    法律に違反した就業規則は無効になる

    労働基準法92条1項により、法律に違反した就業規則はその部分が無効になることが定められています。

     

    ▶参考情報:労働基準法92条1項の内容についてご紹介

     

    ●労働基準法第92条1項

    就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

     

    では、「法律に違反した就業規則」とは実際にはどのようなものでしょうか?

    例えば、最近問題になったケースとして、「前年に3か月以上の育児休暇を取得した従業員については翌年度に昇給させない内容の就業規則の規定」が法律に違反しているとして、無効と判断され、就業規則を定めた医療法人が従業員に対する賠償を命じられた例があります。

    この事件では、育児休暇を取得した従業員については翌年度に昇給させない内容の就業規則の規定は、育児介護休業法第10条で「従業員が育児休業をしたことを理由とする不利益な取り扱い」を禁止していることに違反しているとして無効と判断されました(平成27年12月16日最高裁判所判決)。

    この判決の詳細は、以下の「育休取得トラブルの裁判例」でご紹介していますので、ご参照ください。

     

     

    この裁判例でもわかるように、法律に違反する就業規則は労務トラブルのもととなり、労働裁判が起こるきっかけにもなりかねません。

    就業規則作成の際は、多岐にわたる労務関連の法律に違反した内容になっていないかどうか、細心の注意を払うことが必要です。

     

    注意点2:
    就業規則も判例による制約を受ける

    では、法律に反しない限り、会社のルールが就業規則で自由に決めることができるかというとそうではありません。

    労働契約法は、就業規則が従業員との雇用契約の内容になるためには、就業規則で定められた労働条件に「合理性」がなければならないとしています(労働契約法第7条)。そのため、就業規則も判例による制約を受けることになります。

    例えば、以下のような事例があります。

     

    事例1:兼業関係

    就業規則で無許可での兼業を懲戒解雇理由として定めていても、兼業による本業への支障の程度が明確でない場合は懲戒解雇の理由とはならないとした事例(東京高等裁判所判決平成31年3月28日)

     

    事例2:配置転換関係

    就業規則に職種の変更を命じることができることを定めていた医療法人が事務職員をナースヘルパー職に配置転換した事例について、そのような就業規則の規定があっても、業務の系統を異にする職種への異動を一方的に命じることはできないとされた事例(東京高等裁判所平成10年12月10日)

     

    事例3:有給休暇関係

    就業規則に「有給休暇は原則として3日前に提出」と定めていた会社において、退職間際の有給休暇を2日前に申請したため取得を認めなかったことは、そのような就業規則の規定があったとしても、違法であるとされた事例(京都地方裁判所判決平成24年7月13日)

     

    事例4:固定残業代関係

    賃金規程で固定残業代を定めても、「月45時間を超える固定残業代の制度は無効」と判断された事例(東京高等裁判所判決平成26年11月26日)

     

    このように、就業規則は法律はもちろん、判例による制約も受けるため、就業規則を適切に制定するためには、労働判例に精通した弁護士に相談することがベストです。

     

     

    それでは、就業規則の作成の際の基本的な注意点として、以上述べたポイントをおさえていただいたうえで、以下では実際の「就業規則の条文の作成方法について」見ていきたいと思います。

    就業規則で規定するべき条文は多岐にわたりますが、以下では、下記の12項目をピックアップして、就業規則の条文を作成する際の基本的な注意点をご説明したいと思います。

     

    就業規則で規定するべき条文「12項目の注意点について」
    • 就業規則の適用の範囲に関する規定
    • 休職に関する規定
    • 始業時刻、終業時刻に関する規定
    • 休憩に関する規定
    • 有給休暇に関する規定
    • 副業に関する規定
    • 就業規則違反の場合の懲戒に関する規定
    • 退職に関する規定
    • 固定残業代に関する規定
    • テレワーク・在宅勤務に関する規定
    • 退職後の競業避止義務に関する規定
    • 退職金に関する規定

     

    それでは、次項以下で12項目の注意点について順番に詳しく解説していきます。

     

    作成方法3:
    「就業規則の適用の範囲に関する規定」の作成方法

    就業規則の条文の作成に関し、まず最初に問題になるのが、「就業規則の適用範囲に関する規定」の作成方法です。

    就業規則の適用範囲に関する規定は、「どの範囲の従業員にその就業規則を適用するか」を定める規定です。

    この点について、厚生労働省が作成して公表している「モデル就業規則」の規定例は以下の通りとなっています。

     

    ▶参考情報:就業規則の適用範囲に関するモデル就業規則の規定例

    (適用範囲)

    第〇条 この規則は、〇〇株式会社の労働者に適用する。
    2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
    3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。

     

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    以上が厚生労働省モデル就業規則の規定例ですが、これには以下の問題点があります。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    「厚生労働省モデル就業規則の問題点について解説」

     

    上記の規定例では、パートタイム労働者(パート社員)について、この就業規則が適用されるのかどうか、不明確な部分が残り、適切ではありません。

    条文を読むと、最初に「この規則は、〇〇株式会社の労働者に適用する。」とあることから、一見、パート社員も含めた全従業員に適用されるかのようにも読めますが、2項では「パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。」とされています。

    また、厚生労働省によるモデル就業規則の解説には、「本規則は、主として通常の労働者への適用を想定して作成しています。」と書かれています。これでは、パート社員にこの就業規則が適用されるのかが不明確です。

    就業規則の適用範囲は不明確な点が残らないように明確に定めておくことが必要です。

     

    では、具体的にどのように就業規則の適用範囲に関する就業規則の規定を作成すればよいのでしょうか?

    まず、就業規則の適用範囲に関する規定の仕方には、大きく分けて以下のパターンがあることをおさえておきましょう。

     

    • パターン1:「就業規則は正社員にのみ適用する」と定めるケース
    • パターン2:「就業規則は全社員に適用する」と定めたうえで、「契約社員やパート社員について別途規程を設けたときは、そちらを優先する」とするケース

     

    それぞれのパターンについて注意点がありますので以下で整理しておきたいと思います。

     

    パターン1:
    「就業規則は正社員にのみ適用する」と定めるケース

    例えば以下のように規定するケースです。

     

    ▶参考情報:「就業規則は正社員にのみ適用する」と規定するケース

    第〇条

    1 この就業規則の適用となる従業員は、第〇条の定める手続きにより採用された正社員をいう。
    2 期間雇用者、パートタイマー、定年後再雇用者、その他の特殊雇用形態者の就業規則は別に定める。

     

    このケースでは、契約社員やパートタイマー用の規程を別途作らなければ、契約社員やパートタイマーに適用される就業規則がなくなってしまうということが注意点です。

     

    パターン2:
    「就業規則は全社員に適用する」と定めたうえで、「契約社員やパートタイマーについて別途規程を設けたときは、そちらを優先する」とするケース

    例えば以下のように規定するケースです。

     

    ▶参考情報:「就業規則は全社員に適用する」と定めたうえで、「契約社員やパートタイマーについて別途規程を設けたときは、そちらを優先する」と規定するケース

    第〇条
    この就業規則は、すべての従業員に適用する。

    ただし、期間雇用者、パートタイマー、定年後再雇用者、その他の特殊雇用形態者について、特別の規則を定めたときは、それを優先して適用する。

     

    このケースでは、契約社員やパートタイマー用の規程を別途作らなければ、契約社員やパートタイマーにも正社員と同じ就業規則が適用されることになることが注意点です。

    例えば、正社員には賞与を支給しているがパート社員には支給していないという場合でも、就業規則に賞与の支給を記載していて、かつ別途パートタイマー用の就業規則を作っていなければ、パート社員にも賞与を支給する必要がでてきますので注意が必要です。

     

    就業規則の適用範囲に関する規定の仕方は、「パターン1」、「パターン2」のどちらのパターンでも問題はありませんが、それぞれのパターンの注意点をおさえておくことが必要です。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    就業規則はあくまで労働者と企業の関係を規律するものであるため、業務委託のスタッフや従業員の地位を有しない役員に対して就業規則を適用することはできません。

    ただし、役員であっても、取締役としての地位に就きつつ、従業員として就業する使用人兼務取締役については、就業規則の適用対象とすることが可能です(広島地方裁判所平成5年昭和5月17日判決)。

     

    作成方法4:
    「休職に関する規定」の作成方法

    続いて、「休職に関する就業規則の規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    「休職に関する就業規則の規定」の作成方法については、以下の2つのポイントをおさえておきましょう。

     

    • ポイント1:休職事由の定め方のポイント
    • ポイント2:休職期間の定め方のポイント

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    ポイント1:
    休職事由の定め方のポイント

    休職事由の定め方のポイントとしておさえておきたい点が、「欠勤が一定期間続いた場合に休職にする」という休職事由の定め方は避けたほうがよいという点です。

    例えば、厚生労働省のモデル就業規則では、休職事由について以下の条文例が掲載されています。

     

    ▶参考情報:休職事由に関する厚生労働省モデル就業規則の規定例

    第〇条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。

    1,業務外の傷病による欠勤が〇か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき
    2,前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき

     

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    この「1,業務外の傷病による欠勤が〇か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき」でわかるように、厚生労働省のモデル就業規則は「欠勤が一定期間続いた場合に休職する」という定め方になっています。

    しかし、このような規定の仕方には、以下のような3つの問題点があります。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    「厚生労働省モデル就業規則の問題点について解説」

     

    問題点1:

    欠勤が一定期間以上続くことが休職事由になっているため、「短期間欠勤しては出勤し、またしばらくして欠勤するというようなケース」で、休職させることができるか、疑義が生じる。

     

    問題点2:

    休職前の欠勤期間については、就業規則の休職に関する規定が適用されないため、従業員に対する診断書の提出要請や休職中の定期的な報告義務などを定める休職に関する規定の適用がされなくなるおそれがある。

     

    問題点3:

    結局のところ、「最初の欠勤期間 + 休職期間」が、事実上休める期間となり、会社の想定を超えて、休める期間が長くなりすぎる恐れがある。

     

    このような問題点があることから、「欠勤が続いた場合に休職にする」という定め方は避けていただくことをおすすめします。

     

    具体的には以下のような条文例をおすすめします。

     

    ▶参考情報:就業規則の休職事由に関する条文例

    第〇条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。

    1,精神的疾患あるいは身体の疾患により、通常の労務の提供ができず、その回復に期間を要すると見込まれるとき
    2,前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき

     

    この条文例「1,精神的疾患あるいは身体の疾患により、通常の労務の提供ができず、その回復に期間を要すると見込まれるとき」のように、病気による休職については、欠勤が一定期間継続したという事情がなくても、通常どおり仕事ができなくなったときは休職に入る内容にしておくことをおすすめします。

     

    ポイント2:
    休職期間の定め方のポイント

    休職期間の定め方のポイントとしておさえておきたい点は、「会社の事情に応じた適切な期間を設定する」という点です。

    そもそも、休職期間については、法律上のルールはなく、会社が自由に決めることができます。そのため、会社の事情に応じた適切な期間を就業規則で規定することが可能です。

    実際の規定例でも、例えば以下のようなケースがあります。

     

    • ケース1:3か月程度の比較的短期間を休職期間として定めるケース
    • ケース2:1年6か月や2年といった比較的長期間を休職期間として定めるケース

     

    それぞれのケースのメリットとデメリットは以下の通りです。

     

    ケース1:
    3か月程度の比較的短期間を休職期間として定めるケース

     

    ・メリットについての解説

    1,休職期間中も会社は社会保険料の会社負担分を負担することになりますが、その負担が短期間で済む。
    2,休職期間が比較的短いため、従業員が出勤しないことによる会社業務への影響を比較的軽微にとどめることができる。

     

    ・デメリットについての解説

    1,休職期間が短いため、十分に病気が治っていないのに無理に復職しようとするトラブルが発生しやすい。
    2,休職期間が短いため、休職から復帰できずに、退職となるケースが増えてしまう。

     

    ケース2:
    1年6か月や2年といった比較的長期間を休職期間として定めるケース

     

    ・メリットについての解説

    1,休職期間が長いため、従業員が安心して治療でき、復職につながりやすい。

     

    ・デメリットについての解説

    1,休職期間中の社会保険料の負担が長期間になる。
    2,休職期間が長いため、従業員が出勤しないことによる会社業務への影響が大きくなる。

     

    このような「メリット」と「デメリット」を踏まえたうえで、自社にあった休職期間を設定することが適切です。

    従業員の休職期間中は、その従業員が担当していた仕事を、他の従業員がカバーしたり、派遣社員や契約社員に期間限定で担当させるなどして対応することになります。

    このような点を考慮すると、マンパワーに余裕がなく、また、派遣社員や契約社員の確保も難しいようなケースでは、従業員が長期に休職すると業務のカバーが難しくなることを踏まえて、比較的短期間の休職期間を定めざるを得ないでしょう。

    一方で、休職期間中の業務のカバーや代替人員の確保が比較的容易であり、従業員が病気の時期も乗り越えて勤務を継続できる環境をつくることを優先するならば、長期間の休職期間を認めるべきでしょう。

     

    以上、休職に関する就業規則の規定の作成方法について、「休職事由の定め方のポイント」と、「休職期間の定め方のポイント」をおさえておきましょう。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    従業員の休職は、給与の支払いや休職が長引いた場合の対応をめぐって、会社と従業員のトラブルが起こりやすい場面の1つです。

    就業規則の作成にあたっては、実際の休職の場面で会社としてどのように対応する必要があるのかを把握しておくことも重要です。

    休職については以下で解説していますので、あわせてご参照ください。

     

    ・参考情報:うつ病で休職する従業員への対応方法!会社がおさえておくべき5つのポイント

    ・参考情報:怖い休職トラブル!休職期間満了を理由に従業員を退職扱いや解雇する際の注意点

     

    作成方法5:
    「始業時刻、終業時刻に関する規定」の作成方法

    続いて、「始業時刻、終業時刻に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    作成方法1の「就業規則の記載事項」の項目でご説明した通り、「始業時刻、終業時刻は就業規則の絶対的必要記載事項」です。

    就業規則に記載する始業時刻、終業時刻に関する規定については、以下のポイントを必ずおさえておきましょう。

     

    • ポイント1:所定労働時間は原則として「1日8時間、週40時間」までの範囲で定めなければならない
    • ポイント2:始業時刻や終業時刻は柔軟に変更できるようにしておく
    • ポイント3:専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制の採用を予定する場合はその旨を就業規則に規定する

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    ポイント1:
    所定労働時間は原則として「1日8時間、週40時間」までの範囲で定めなければならない

    始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を差し引いた時間が、「所定労働時間」です。

    労働基準法第32条により、従業員の「所定労働時間」は原則として「1日8時間、週40時間」までの範囲で定めなければならないと決められています。

    所定労働時間を超えて従業員に仕事に従事させることも可能ですが、その場合、所定労働時間を超える就業時間は、「残業」になります。そして、従業員を残業させる場合は、「36協定の締結」と「残業代の支払い」が必要になります。

    以上が所定労働時間に関する基本的なルールです。

    残業に関して36協定の締結については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

     

     

    このように、就業規則において始業時刻と終業時刻を定めるにあたっては、「所定労働時間」が「1日8時間、週40時間」までになるように定める必要があり、この点が、始業時刻、終業時刻を定める際の最も基本的な注意点になりますのでおさえておきましょう。

    なお、「1日8時間、週40時間」までが原則ですが、従業員が10名未満の事業所で、「商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業」のいずれかの業種に該当する場合は、特例として、「1日8時間、週44時間」までとされています。

    所定労働時間について詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にご覧ください。

     

     

    ポイント2:
    始業時刻や終業時刻は柔軟に変更できるようにしておく

    正社員の雇用では長期の雇用継続を前提に、変化に柔軟に対応できるようにしておくことが必要です。

    そのためには、始業時刻や終業時刻について柔軟に変更できるようにするための規定を必ず設けておきましょう。

    例えば以下のような規定例となります。

     

    ▶参考情報:始業時刻や終業時刻について柔軟に変更できるようにするための規定例

    ●条文例

    第〇条

    始業・就業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。

    – 始業・終業時刻

    始業 午前 時 分
    終業 午後 時 分

    – 休憩時間

    時 分から 時 分まで

    ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合、前日までに従業員に通知する。

     

    このように始業時刻や終業時刻については、変化に柔軟に対応できるようにしておくことが重要なポイントなのでおさえておきましょう。

     

    ポイント3:
    専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制の採用を予定する場合はその旨を就業規則に規定する

    「ポイント1」でご説明した通り、「1日8時間、週40時間」が原則ですが、変則的な労働時間制として、「専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制」などの制度が労働基準法で認められています。

    これらの制度を採用する予定があるときは、その制度について就業規則に記載が必要です。

    以下で各制度の概要と就業規則における規定例をご説明します。

     

    「専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制」の制度の概要と採用する際の規定例について

     

    1,専門業務型裁量労働制

    専門性の高い業務として定められた「19種類」の業務に従事する従業員について、実労働時間にかかわらず、あらかじめ労使協定で決めた時間を労働時間とみなす制度です。

     

     

    例えば、労使協定で「1日8時間労働したものとみなす」という内容で合意していれば、実労働時間にかかわらず、1日8時間就業したとみなされ、残業代を発生させないこともできます。

    専門業務型裁量労働制の就業規則における規定例は以下の通りです。

     

    ▶参考:専門業務型裁量労働制の就業規則における規定例

    第〇条

    従業員代表と専門型裁量労働制に関する労使協定を締結した場合、当該協定の適用を受ける従業員について、みなし労働時間制を適用する。

     

    2,変形労働時間制

    「ポイント1」でご説明した通り、「各日8時間、各週40時間」の範囲内で所定労働時間を定めることが原則です。

    変形労働時間制はこの原則を修正して、労使協定の締結などを要件として、1ヶ月あるいは1年などあらかじめ定めた一定期間の間に平均して週40時間以内であれば、1日8時間を超える所定労働時間や1週40時間を超える所定労働時間を定めることができる制度です。

    例えば「業務の閑散期については所定労働時間を1日7時間とする代わりに、繁忙期については1日9時間とする」などの調整が可能になります。

    変形労働時間制の就業規則における規定例は以下の通りです。

     

    ▶参考:変形労働時間制の就業規則における規定例

    第〇条

    1.従業員代表と1年単位の変形労働時間制に関する労使協定を締結した場合、当該協定の適用を受ける従業員について、所定労働時間は対象期間を平均して1週間当たり40時間とする。

    2.前項の労使協定の適用を受ける従業員については、1日の始業・就業の時刻、休憩時間を労使協定で定める。

     

    3,フレックスタイム制

    始業時刻、終業時刻を一定のルールのもと、従業員の自由な決定にゆだねる制度です。各従業員のライフスタイルにあわせて働き方が可能になることがメリットです。

    フレックスタイム制の就業規則における規定例は以下の通りです。

     

    ▶参考:フレックスタイム制の就業規則における規定例

    第〇条

    1.従業員代表とフレックスタイム制に関する労使協定を締結した場合は、当該協定の適用を受ける従業員については、始業・終業時刻をその従業員の決定に委ねるものとする。

    2.フレックスタイム制を適用する従業員の1ヶ月の総労働時間は下記時間を超えないものとする。

    ・暦日数が31日の月は177.1時間
    ・暦日数が30日の月は171.4時間
    ・暦日数が29日の月は165.7時間
    ・暦日数が28日の月は160時間

    3.フレックスタイム制を適用する従業員のフレキシブルタイム及びコアタイムは第1項の労使協定で定める。

     

    以上、「所定労働時間を原則として1日8時間、週40時間までの範囲で定めること」、「始業時刻・終業時刻を柔軟に変更できるようにしておくこと」、「専門業務型裁量労働制等の採用を予定する場合はその旨を就業規則に規定すること」が、始業時刻、終業時刻に関する規定の作成のポイントになりますので、おさえておきましょう。

    また、参考情報として以下の情報もご覧いただければと思います。

     

    ▶参考情報:「専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制」のメリット、デメリットについて

    「専門業務型裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制」のメリット、デメリットについては、以下の関連記事の「ポイント2:どの労働時間制を採用するかを検討する。」の項目で詳しく記載していますのであわせて参照してください。

     

    ・参照:雇用契約書(正社員)作成について!書き方や注意点を弁護士がチェック

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    専門業務型裁量労働制や変形労働時間制については、会社としてはこれらの労働時間制度を採用しているつもりで運用していても、いざ、裁判となれば、規定や運用の不備を指摘され、裁判所でこれらの制度の適用を認めてもらえず、その結果、会社が未払い残業代の支払いを命じられるというケースが後を絶ちません。

    たとえば、会社がシステムエンジニアを対象として適用していた専門業務型裁量労働制について従業員に裁量性が乏しかったという理由で適用を否定された事例(京都地方裁判所判決平成23年10月31日 エーディーディー割増賃金請求事件)、変形労働時間制についてシフト表の作成方法に誤りがあり適用を否定された事例(長崎地方裁判所令和3年2月26日)などがあります。

    これらの労働時間制度を採用する場合は、規定や運用に不備がないように、必ず、弁護士のチェックをうけておくことが必要です。

     

    作成方法6:
    「休憩に関する規定」の作成方法

    続いて、「休憩に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    作成方法1の「就業規則の記載事項」でご説明した通り、就業規則には必ず休憩時間の記載が必要です。

    具体的には以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

     

    • ポイント1:休憩時間に関する法律上のルールを守る
    • ポイント2:休憩時間については、休憩開始時刻と休憩終了時刻をできる限り明記する
    • ポイント3:休憩の時刻が従業員によって異なるときは、原則として、労使協定が必要になる

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    ポイント1:
    休憩時間に関する法律上のルールを守る

    休憩時間については、労働基準法第34条1項により、以下の通り定められています。

     

    • 1,1日の所定労働時間6時間以内の場合:休憩不要
    • 2,1日の所定労働時間6時間を超えて8時間までの場合:休憩45分以上
    • 3,1日の所定労働時間8時間を超える場合:休憩1時間以上

     

    このように、1日の所定労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも「45分」、8時間を超える場合においては少なくとも「1時間」の休憩を与えることが法律上義務付けられています。

    上記のルールを守って、休憩時間を定めることが1つ目のポイントとなります。

     

    ポイント2:
    休憩時間については、休憩開始時刻と休憩終了時刻をできる限り明記する

    休憩時間については、「1時間」あるいは「45分」といった「時間のみ」を就業規則に記載し、休憩開始時刻や休憩終了時刻を明記しなくても法律違反になりません。

    しかし、未払い残業代をめぐるトラブルの発生を避けるためには、できる限り、休憩開始時刻や休憩終了時刻を就業規則に明記しておくことをおすすめします。

    これは従業員や退職者から会社に「未払い残業代を請求されるトラブル」の中で、従業員から「休憩時間中も休憩がとれず仕事をしていた」という主張が出てくることがよくあるためです。

    休憩開始時刻や休憩終了時刻が明確に定まっていなければ、会社においていつからいつまで休憩をとらせていたかを主張することができなくなり、従業員からの「休憩がとれていなかった」という主張に対する反論が難しくなることがありますので注意が必要です。

     

    ポイント3:
    休憩の時刻が従業員によって異なるときは、原則として、労使協定が必要になる

    休憩時間については原則として全従業員に一斉に与えなければならないというルールがあります。

    これは労働基準法第34条2項に定められているルールで、「休憩時間の一斉付与の原則」と呼ばれます。

     

    ▶参考情報:労働基準法第34条2項の内容についてご紹介

    ●労働基準法第34条2項

    前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。

     

    このように休憩は一斉にとることが原則とされていますが、いかなる場合でも一斉に休憩をとらせなければならないとすれば、業務に支障が生じることがあります。そこで、法律上、事業所の従業員代表者との間で「一斉休憩の適用除外の労使協定」を締結した場合は、従業員の休憩を交代制にしたり、個々の従業員ごとに異なる休憩開始時刻を定めることが可能です。

    また、「運送、物品販売、金融、映画、電気通信、病院、飲食業」など一部の特定の業種については、そもそも休憩時間の一斉付与の原則が適用されず、休憩を一斉に付与しなくてもよいとされています。

    この休憩時間の一斉付与の原則にも注意しておきましょう。

    なお、始業時刻、終業時刻、休憩時間に関するモデル就業規則の規定例は以下の通りとなっていますので、参照してください。

     

    ▶参考情報:始業時刻、終業時刻、休憩時間に関する厚生労働省モデル就業規則の規定例

    (労働時間及び休憩時間)

    第〇条 労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。

    2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。

    ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。

    この場合、前日までに労働者に通知する。

    就業規則の休憩時間について

    (以下、省略)

     

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    以上、休憩時間については、「休憩時間に関する法律上のルールを守る」、「休憩開始時刻と休憩終了時刻を明記する」、「休憩時間が従業員によって異なるときは労使協定が必要になる」という3点をおさえておきましょう。

     

    作成方法7:
    「有給休暇に関する規定」の作成方法

    続いて、「有給休暇に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    有給休暇については労働基準法第39条で、法律上与えなければならない日数が定められています。

    企業は、従業員から請求があれば、法律上定められた日まで有給休暇を与えなければなりません。

    具体的な有給休暇に関する付与される要件と日数については、下記「有給休暇に関するモデル就業規則の規定例について」でご紹介していますので、そちらを参照してください。

    上記を確認した上で、有給休暇に関する就業規則の規程の作成方法としておさえておきたいのは、以下の3つのポイントです。

     

    • ポイント1:有給休暇の申請方法を就業規則で明確にする
    • ポイント2:有給休暇の申請期限を就業規則に明記する
    • ポイント3:パート、アルバイトについては別途規定を設ける必要がある

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    ポイント1:
    有給休暇の申請方法を就業規則で明確にする

    有給休暇の取得については、就業規則で申請書の提出を義務付けておくことをおすすめします。

    申請書を残しておかないと、退職の際に有給消化をする際などに、有給休暇の残日数をめぐってトラブルになることがあります。

    申請書を提出させて保存しておくことで、過去の有給取得日数が明確にわかるようにしておきましょう。

     

    ポイント2:
    有給休暇の申請期限を就業規則に明記する

    有給休暇の取得については、申請期限を就業規則に明記しておくことをおすすめします。

    例えば、「取得日の3日前までに申請する」等と定めるとよいです。

    有給休暇に申請期限を定めておかないと、急な有給休暇取得により業務に支障が生じたり、同じ部署の複数の従業員の有給休暇取得日が重なり出勤する従業員の負担が過大になるなどの不都合が生じることになりかねないからです。

    但し、申請期限を就業規則に定めた場合でも、急な病気やけがなど事前申請が困難な理由による有給休暇は当日の申請であっても認めなければなりません。

     

    ポイント3:
    パート、アルバイトについては別途規定を設ける必要がある

    パート社員の有給休暇については、労働基準法第39条3項により、出勤日数に比例して、正社員より少ない日数の有給休暇が法律上認められています。

    そのため、パート社員の有給休暇については、正社員とは別に規定を設ける必要があります。

    なお、パート社員とは、法律上、正社員よりも所定労働時間が少ない社員を言い、「アルバイト」などと呼ばれている場合であっても、正社員より所定労働日数が少ない場合は法律上はパート社員に該当します。

    有給休暇に関する厚生労働省のモデル就業規則の規定は以下の通りです。

     

    ▶参考情報:有給休暇に関するモデル就業規則の規定例について

    第〇条 採用日から6か月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の年次有給休暇を与える。その後1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、下の表のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。

     

    正社員の有給休暇の日数について

    2 前項の規定にかかわらず、週所定労働時間30時間未満であり、かつ、週所定労働日数が4日以下(週以外の期間によって所定労働日数を定める労働者については年間所定労働日数が216日以下)の労働者に対しては、下の表のとおり所定労働日数及び勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。

     

    パート社員・アルバイトの有給休暇の日数について

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    この厚生労働省のモデル就業規則の規定例は、パートタイマーについて別途の規程を設けているという点で前述の「ポイント3」はクリアされていますが、「ポイント1」、「ポイント2」でご説明した有給休暇の申請方法、申請期限については触れられておらず、この点については改善が必要です。

    なお有給休暇の規定については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

     

     

    作成方法8:
    「副業に関する規定」の作成方法

    続いて、就業規則の「副業に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    副業については、以前は、厚生労働省のモデル就業規則においても、会社の許可なく副業することを認めない内容の規定が設けられていました。

    しかし、この点は、最近の副業に対する制限緩和の流れを踏まえて変更され、現在の厚生労働省のモデル就業規則は、副業は原則として可としたうえで、副業により企業秘密の漏洩の恐れがある場合や、副業により本業への労務提供に支障が生じる場合などに限り、禁止するという内容とされています。

    このことからもわかるように副業に関する就業規則の規定については、以下の2つのパターンが考えられます。

     

    • パターン1:原則として副業は禁止し、会社が許可した場合にのみ副業を認めるパターン
    • パターン2:原則として副業を自由とし、競業他社での副業など例外的な場合についてのみ禁止するパターン

     

    「パターン2」については、従業員の自由な働き方につながる側面がありますが、一方で、従業員が本業に集中しなくなったり、副業先で自社の情報が漏えいするリスクが生じたりすることを考えておかなければなりません。

    また、いずれの制度を採用するにしても、本業に支障を生じさせない程度の副業を会社が禁止することはできないことに注意が必要です。

    運送会社が休日の飲食店での2時間のアルバイトの副業申請を不許可にした事案では、会社が副業を不許可にしたことは違法であるとして30万円の損害賠償を命じられています(京都地方裁判所判決平成24年7月13日 マンナ運輸事件)。

     

    1,モデル就業規則の問題点

    現在の厚生労働省のモデル就業規則の規定例は次のように、「他の会社等の業務」への従事について、一定の場合に会社が禁止または制限できるという内容になっています。

     

    ▶参考情報:副業に関するモデル就業規則の規定例について

    (副業・兼業)

    第〇条  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

    2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。

    ① 労務提供上の支障がある場合
    ② 企業秘密が漏洩する場合
    ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
    ④ 競業により、企業の利益を害する場合

     

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    しかし、この厚生労働省モデル就業規則の規定では、例えば、他社に雇用されるのではなく、従業員自身が自営業者として副業を行う場合も、同様の禁止や制限の対象となりうるということが明確とは言い難いという問題点があります。

    そのため、従業員が自社と競合する業務を自営業として副業ではじめたという場合、この規定で禁止や制限の対象とすることができるのか、疑問の余地があります。

    例えば以下のように規定して自営業としての副業についても禁止や制限の対象となりうることを明確にしておくべきでしょう。

     

    ▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の規定例について

    第〇条  労働者は、法人その他の団体の役員に就任し、又は他に雇用され、若しくは自ら営利を目的とする業務を行うときは、事前に会社にその内容を報告し、許可を受けなければならない。

    2 会社は、当該労働者が前項の業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。

    ① 労務提供上の支障がある場合
    ② 企業秘密が漏洩する場合
    ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
    ④ 競業により、企業の利益を害する場合

    3 従業員は、副業の内容や就業時間について、会社から報告を求められたときはすみやかに報告しなければならず、また、副業の内容や就業時間が変更されたときも、すみやかにその旨を報告しなければならない。

     

    このように他社に雇用されることによる副業だけでなく、自営業者としての副業にも、その内容に応じて禁止や制限の措置を課せるようにしておくことが必要です。

    なお、無許可の副業、兼業が発覚した場合の解雇の注意点については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

     

     

    作成方法9:
    「就業規則違反の場合の懲戒に関する規定」の作成方法

    続いて、「就業規則違反の場合の懲戒に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    「就業規則違反の場合の懲戒に関する規定」の作成方法については以下の4つのポイントをおさえておきましょう。

     

    • ポイント1:懲戒事由に該当しない場合は懲戒できないことに注意する
    • ポイント2:セクハラ、パワハラ、マタハラ、パタハラが懲戒事由に含まれているかを確認
    • ポイント3:懲戒委員会の設置などの手続を定めることは避ける
    • ポイント4:懲戒処分を公表する場合は公表の規定を設ける

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    ポイント1:
    懲戒事由に該当しない場合は懲戒できないことに注意する

    従業員に対する懲戒は、就業規則に記載された懲戒事由に該当する場合にしかできないことが原則です。

    判例上も、「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種類及び事由を定めておくことを要する。」とされています(最高裁判所判決平成15年10月10日 フジ興産懲戒解雇事件)。

    そのため、懲戒事由は網羅的に抜けのないように規定することが重要です。

    また、懲戒事由を定める就業規則の条文の最後に、「その他就業規則に違反し又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき。」という懲戒事由を必ず入れて、懲戒事由の漏れを防いでおくことを忘れないようにしましょう。

    後述の「懲戒事由に関するモデル就業規則の規定例」でも「1項⑧」にこの点が入っていますので参考にしてください。

     

    ポイント2:
    セクハラ、パワハラ、マタハラ、パタハラが懲戒事由に含まれているかを確認

    セクハラ、マタハラ、パタハラ、パワハラについては就業規則の懲戒に関する規定で懲戒事由に入れておくことをおすすめします。

     

    1,セクハラについて

    まず、セクハラについては、男女雇用機会均等法に基づき厚生労働省が定めた指針により、「セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること」が義務付けられています。

    その一環として、セクハラ行為を懲戒処分の対象とすることを就業規則に明記しておくことが必要です。

    なお、「セクハラに関する懲戒処分について」は下記で詳しく解説していますので参照してください。

     

     

    2,マタハラ、パタハラについて

    マタハラ、パタハラについては、平成29年1月に施行された男女雇用機会均等法の改正にともない厚生労働省が定めた指針により、「就業規則等においてマタハラ・パタハラについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられました。

    そのため、マタハラ・パタハラについても懲戒処分の対象とすることを就業規則に明記しておくことが必要です。

    また参考情報として、「マタハラ、パタハラの定義や就業規則への記載方法について」は、以下の記事の「ポイント6」の項目で、解説していますので、ご参照ください。

     

     

    3,パワハラについて

    パワハラについては、令和2年6月に施行された労働施策総合推進法の改正にともない厚生労働省が定めた指針により、「就業規則等においてパワハラについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられました。

    そのため、パワハラについても懲戒処分の対象とすることを就業規則に明記しておくことが必要です。

    参考情報として、「パワハラに関する懲戒処分について」は以下の記事でも解説していますので、ご参照ください。

     

     

    以上、「セクハラ、マタハラ、パタハラ、パワハラ」についても懲戒事由に入れておくべきことをおさえておきましょう。

     

    ポイント3:
    懲戒委員会の設置などの手続を定めることは避ける

    就業規則によっては、懲戒の際に、「懲戒委員会を設置して審議すること」などの手続きを定めているケースもありますが、これは避けたほうが良いです。

    就業規則で、懲戒について「懲戒委員会を設置して審議すること」などの手続きを定めることについては以下の2つのデメリットがあります。

     

    就業規則で懲戒委員会での審議の手続を定めることの2つのデメリットとは?

     

    デメリット1:

    懲戒委員会での審議などの手続を就業規則に定めてしまうと、懲戒の際に、委員会の構成の検討や委員会の開催に手間取り、迅速な懲戒処分ができないことになりかねません。

     

    デメリット2:

    懲戒委員会での審議などの手続を就業規則に定めてしまうと、万が一、懲戒委員会での審議をしないで懲戒処分をしてしまった場合に問題が生じます。

     

    例えば、従業員を懲戒解雇した場合に、後日、懲戒解雇が不当だとして従業員から裁判を起こされることがあります。

    この場合に、懲戒委員会での審議などの手続を就業規則に定めていると、懲戒解雇の理由自体は正当なものであっても、「就業規則で懲戒委員会での審議が義務付けられているのに、懲戒委員会で審議されていない」ことを理由に、裁判所で不当解雇であると判断されてしまう危険があります。

    懲戒処分の設置などの手続きは法律上求められているものではありません。もちろん、懲戒は従業員にとって重大な不利益を与えるケースもあるので、思い違いや事実誤認がないように慎重に検討して行うべきであり、社長の独断で決めるべきではありません。

    しかし、慎重に検討するためには、懲戒を行う前に労務管理に精通している顧問弁護士に相談したり、社内で幹部の意見を聴いてから決定するなどすれば足り、「懲戒委員会の設置」などの形で就業規則に記載することは上記2点のデメリットが大きく避けるべきです。

     

    ポイント4:
    懲戒処分を公表する場合は公表の規定を設ける

    従業員に懲戒処分をした場合に、それを社内で公表することを予定している場合は、懲戒処分の公表についても就業規則に規定を設けておくことをおすすめします。

    懲戒処分の社内公表については、処分を公表された従業員から名誉棄損であるとして訴訟を起こされる事例があり、その場合に、裁判所は、公表について就業規則で規定が設けられていたかどうかを、公表が適法かどうかの判断要素の1つとしているからです。

    懲戒処分の公表については以下で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

     

     

    懲戒事由に関する厚生労働省のモデル就業規則について

     

    最後に、懲戒事由に関する厚生労働省のモデル就業規則の規定例をご紹介すると、以下の通りです。

     

    ▶参考情報:懲戒事由に関するモデル就業規則の規定例について

    (懲戒の事由)

    第〇条 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。

    ① 正当な理由なく無断欠勤が●日以上に及ぶとき。
    ② 正当な理由なくしばしば欠勤、遅刻、早退をしたとき。
    ③ 過失により会社に損害を与えたとき。
    ④ 素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき。
    ⑤ 性的な言動により、他の労働者に不快な思いをさせ、又は職場の環境を悪くしたとき。
    ⑥ 性的な関心を示し、又は性的な行為をしかけることにより、他の労働者の業務に支障を与えたとき。
    ⑦ 第●条、第●条、第●条に違反したとき。
    ⑧ その他この規則に違反し又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき。

     

    2 労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。

    ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第●条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。

    ① 重要な経歴を詐称して雇用されたとき。
    ② 正当な理由なく無断欠勤が●日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき。
    ③ 正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、●回にわたって注意を受けても改めなかったとき。
    ④ 正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき。
    ⑤ 故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき。
    ⑥ 会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)。
    ⑦ 素行不良で著しく社内の秩序又は風紀を乱したとき。
    ⑧ 数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないとき。
    ⑨ 職責を利用して交際を強要し、又は性的な関係を強要したとき。
    ⑩ 第●条に違反し、その情状が悪質と認められるとき。
    ⑪ 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき。
    ⑫ 職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め若しくは供応を受けたとき。
    ⑬ 私生活上の非違行為や会社に対する正当な理由のない誹謗中傷等であって、会社の名誉信用を損ない、業務に重大な悪影響を及ぼす行為をしたとき。
    ⑭ 正当な理由なく会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき。
    ⑮ その他前各号に準ずる不適切な行為があったとき。

     

    ・出典:厚生労働省ホームページより

     

    この厚生労働省のモデル就業規則の規定例では、「ポイント2」でご説明した、「セクハラ、パワハラ、マタハラ、パタハラ」のうち、セクハラについては、「1項⑤・⑥」、「2項⑨」で懲戒事由として挙げられていますが、マタハラ、パタハラ、パワハラについては規定が抜けており、改善が必要です。

    なお、合わせて確認しておきたいのが「懲戒処分の制度について」です。懲戒処分の基本的なルールや種類については、下記の記事で詳しく解説していますので必ずおさえておいてください。

     

     

    また、就業規則違反については、実際に違反が発覚した際の対応方法について以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧下さい。

     

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    就業規則に懲戒事由を記載するときは、不必要な文言により懲戒事由を絞り込むべきではありません。

    例えば、懲戒解雇事由として、「再三の懲戒にもかかわらず改心の情がないとき」などと定めた事例では、「再三」は「一、二回に止まらず何回も」という意味合いの強い用語であるとしたうえで、過去に2回懲戒処分を受けただけではこれに該当しないとして、懲戒解雇を無効とした裁判例も存在します(東京高等裁判所判決平成11年7月19日)。

    「再三の懲戒にもかかわらず改心の情がないとき」とせずに「懲戒にもかかわらず改心の情がないとき」としておくべきです。

     

    作成方法10:
    退職に関する規定の作成方法

    続いて、「退職に関する規定」の作成方法について見ていきたいと思います。

    退職については、退職する際は一定の期間をおいてあらかじめ申し出るべきことや、退職前は後任者への引継ぎを済ませるべきことなどを就業規則に記載することが通常であると思います。

    会社としては、退職申出から退職日までできるだけ長い期間をとりたいということが多いと思いますが、 退職者の退職の自由との関係で、退職までの期間を会社が自由に定めることができるわけではないことに注意が必要です。

    現在の、民法第627条1項(※1)では、正社員が退職する際は退職の申し出をしてから2週間経過すれば、雇用契約が終了すると定められていますので、就業規則もこの点を踏まえて作成することが必要です。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    横浜地方裁判所判決平成29年3月30日は、就業規則に、自己都合で退職するときは90日前までに退職願を提出すると定めていた事案について、就業規則の内容にかかわらず、退職願を提出後、民法所定の期間が経過した後は雇用契約は終了する、つまり、退職になると判断しています。

     

    作成方法11:
    固定残業代制度に関する規定の作成方法

    固定残業代を支給している会社では、就業規則あるいは賃金規程において固定残業代に関する規定を正しく作成することが非常に重要です。

    特に以下の点に注意してください。

     

    • ポイント1:固定残業代が、割増賃金の支払いの趣旨で支給されるものであることを明確に規定する。
    • ポイント2:固定残業代を上回る割増賃金が発生した時は、超過分を支払うことを明確に規定する。
    • ポイント3:固定残業代が時間外割増賃金の支払いにのみ充てられるのか、それとも、深夜割増賃金や休日割増賃金にも充当されるのかを明確に規定する。

     

    定残業代導入時の注意点や就業規則でのポイントについては以下で解説していますのでご参照下さい。

     

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    固定残業代については、就業規則の記載の不備や制度設計の不備、運用上の問題などを理由に、裁判所が残業代の支払いであると認めずに、企業に残業代の支払いを命じる裁判例が相次いでいます。

    正しく制度設計し、正しく運用するために、必ず弁護士にご相談ください。

     

    作成方法12:
    テレワーク・在宅勤務に関する規定の作成方法

    従業員にテレワークを認める場合や、従業員にテレワークを命じることがある場合は、就業規則にテレワークに関する規定を設けるか、あるいは就業規則の本則とは別にテレワーク就業規則を作成することが通常です。

    テレワークについては、会社としてテレワークを廃止して出社を求めても、従業員がテレワーク就業を主張し、出社を拒否するといったトラブルが増えています。

    テレワークを認める条件や認める期間についての規定を就業規則に設けて、テレワークが権利化しないようにしておくことが必要です。

    また、テレワーク中の労働時間の管理方法、テレワーク中の業務上の情報の取り扱い、テレワークにかかる費用の負担についてもトラブルが多いところなので、就業規則でルールを明確にしておくことが重要です。

    テレワークや在宅勤務に関する就業規則の重要ポイントについては以下の記事で解説していますのでご参照ください。

     

     

    作成方法13:
    退職後の競業避止義務に関する規定の作成方法

    退職後の競合他社への転職や競業での独立を制限する内容の規定を就業規則に盛り込むことも可能です。

    ただし、退職後の競業避止義務について定めた就業規則は、退職者の職業選択の自由との関連で、裁判所で効力が制限されることが多くなっています。

    そのため、最近の裁判例の状況を十分に把握したうえで、退職後何年くらいの期間にわたり競業を禁止するのかという「期間」の点と、どの地域での競業を禁止するのかという「地域」の点を合理的な内容に設定することが重要です。

    「期間」や「地域」を限定した内容で競業避止義務を設定しなければ、裁判所で効力を認めてもらえない可能性が高いです。

    退職後の競業避止義務については、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご参照ください。

     

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    最近の裁判例では、幹部社員クラスだった退職者については、期間を限定すれば、全国的に競業を禁止することも認められる可能性がありますが、幹部とは言えない一般社員の退職者については、地域、期間の両方を合理的に限定した競業避止義務の条項にしなければ効力が認められない傾向にあり、注意を要します。

     

    作成方法14:
    退職金に関する規定の作成方法

    退職金に関する条項を就業規則や退職金規程に設けることは義務ではありません。

    ただし、会社が退職金について定める場合は、必ず、就業規則あるいは就業規則の一部を構成する退職金規程で定めることが義務づけられています(労働基準法第89条3号の2)。

    退職金については、懲戒解雇された場合は不支給あるいは減額とすることを、就業規則で定めることが多いです。この点については、単に懲戒解雇された場合だけを、退職金の不支給あるいは減額事由として定めると、懲戒解雇に該当する理由はあったものの、会社から促されて退職するなどして実際には懲戒解雇に至らなかった場合は、退職金の不支給や減額が認められないことがありますので注意が必要です(東京地方裁判所判決平成15年9月19日等)。

    このような不都合が生じないように、直前に懲戒事由があって自主退職した場合や、懲戒事由があって会社からの退職勧奨を受けて退職した場合も、退職金が不支給あるいは減額となることを就業規則または退職金規程で定めておくべきです。

    なお、このように就業規則で、退職金の不支給あるいは減額についての条項を設けても、実際に不支給とし、あるいは減額することについては、判例上の制限があることにも注意が必要です。裁判例では、極めて悪質な事例でない限り、不支給とすることはできず、減額にとどめるべきとして、一定程度の退職金の支払いを命じているものも多くなっています。

    懲戒解雇の場合の退職金の不支給については以下の記事で解説していますのであわせてご参照ください。

     

     

    作成方法15:
    モデル就業規則の利用や雛形(ひな形)利用の際の注意点

    次に、「モデル就業規則の利用や雛形(ひな形)利用の際の注意点」についてご説明しておきたいと思います。

     

    1,モデル就業規則の利用の際の注意点について

    まず、モデル就業規則についてですが、厚生労働省が作成した就業規則のひな形が厚生労働省のWebサイトで公開されています。

     

     

    しかし、このモデル就業規則については、これまでのご説明でも触れたとおり、実際の経営の現場に適用にするにおいては不十分な点があり、条文の修正や追加が必要です。

    また、モデル就業規則は、残業代について、労働基準法で支払いが必要とされる額よりも高い残業代を支払う内容になっており、この点も注意が必要です。

     

    2,就業規則の雛形(ひな形)利用の際の注意点について

    次に、インターネット上に掲載されていたり、各種書式集として提供されている就業規則の雛形を利用する際の注意点についてご説明します。

    自社の就業規則を作成する際に何もないところから一から作り上げるというのは現実的ではなく、就業規則の作成の際にはこれらのひな形を利用するのが一般的だと思います。

    「咲くやこの花法律事務所」でもオリジナルの就業規則の雛形を作成し、企業から就業規則の作成のご依頼を受けたときに活用しています。

    しかし、このような雛形を利用する際は、以下の点に注意しておきましょう。

     

    • 注意点1:雛形の内容が自社の実情とかい離し、実行不可能な内容になっていないか、注意する必要がある。
    • 注意点2:雛形に記載されていないが自社において重要な項目についてはオリジナルの条文として盛り込む必要がある。
    • 注意点3:雛形の内容が自社の従業員から概ね納得が得られる内容になっているか確認し、従業員からの納得を得ることが困難な内容は修正を検討する必要がある。
    • 注意点4:雛形の内容が自社の従業員の労働条件の実情を不利益に変更するものになっていないか確認し、不利益に変更する内容については話し合いをして従業員を説得するか、あるいは不利益にならない形に就業規則を修正するのかを検討する必要がある。

     

    就業規則は個々の会社の実情を踏まえたうえで作るべきものであり、決して雛形(ひな形)にある規定を吟味せずにそのまま使用することがないようにしましょう。

    現時点で自社の就業規則に不安がある経営者の方は、労働問題トラブルで大きなリスクを背負わないためにも、早めに労務管理に特に強い咲くやこの花法律事務所の「就業規則作成及びリーガルチェック」のサービスに以下よりお問い合わせ下さい。

     

    5,就業規則がない場合の問題点

    会社に就業規則がない場合、以下の問題点があります。

     

    • 常時10人以上の従業員を使用する企業については30万円以下の罰金が科される
    • 社内の服務規律が明確にならず、労務管理上の支障を生じる
    • 定年制の定めがなくなり、定年退職制度がなくなってしまう
    • 病気休職者への対応の際に、ルールがなく、困難を生じる
    • 成績不良者に対して就業規則に基づく減給を行うことができない
    • 問題社員に対して懲戒解雇その他の懲戒処分を科すことができなくなる

     

    このうち罰金は、就業規則の作成義務がある会社にだけあてはまるものですが、その他の点は10人未満の会社にもあてはまる点です。

    10人未満の会社では法律上、就業規則の作成義務はないものの、就業規則を作成しなければ、労務管理上のデメリットが生じることは、10人以上の会社とかわりません。

    そのため、10人未満の会社でも就業規則は作成しておくことがベストです。

    会社に就業規則がない場合の問題点は以下で詳述していますのでご参照ください。

     

     

    6,就業規則の作成を弁護士が代行する際の料金について

    就業規則の作成を弁護士が代行する際の料金について

    就業規則の作成は弁護士に依頼することが可能です。

    弁護士が作成する際の料金は、弁護士ごとに異なりますが、一般的な就業規則の作成料金はおよそ以下の通りといえるでしょう。

     

    弁護士による一般的な就業規則の作成費用の相場

    • 正社員用就業規則作成費用:「20万円+税~」
    • 契約社員用就業規則、バート社員用就業規則、その他雇用形態ごとの就業規則の作成費用:「10万円+税~」

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」
    就業規則は、会社の内情を十分に踏まえたものを作成することが重要です。弁護士に完全に丸投げするのでは、会社の内情を十分踏まえた就業規則を作成することはできませんので、会社担当者と弁護士が打ち合わせを重ね、協力して作り上げていくというイメージを持っていただくのがよいと思います。

     

    7,就業規則の作成のプロセス(手順)について

    ここまでは、就業規則の意味や作成義務について、また労務トラブルの解決に役立つ就業規則の作成方法についてなど、就業規則における内容面についてご説明してきました。

    以下では、内容面でのご説明を踏まえ、「就業規則の作成のプロセス(手順)」についてご説明します。

    就業規則の作成のプロセス(手順)は以下の通りです。

     

    • (1)原案作成
    • (2)従業員代表者からの意見聴取
    • (3)就業規則の届出
    • (4)就業規則の周知

     

    以下で各プロセスの概略を説明すると次の通りです。

     

    (1)原案作成

    通常は弁護士等の専門家に依頼して、就業規則の原案を作成することになります。

     

    (2)従業員代表者からの意見聴取

    就業規則については従業員代表者からの意見聴取が義務付けられています。

    従業員代表者からの意見聴取結果も踏まえて、従業員と話し合いを持ち、場合によっては就業規則の原案を従業員代表者からの意見を踏まえて修正することも検討しましょう。

    就業規則は会社が一方的に定めることも可能ですが、従業員全員が一致団結できる組織をつくるという就業規則の目的のためには、できるだけ従業員と話し合いを持ち、従業員が納得できる内容にしておくことが必要です。

     

    (3)就業規則の届出

    意見聴取が終わった後に、就業規則を「労働基準監督署」に届け出ます。

     

    (4)就業規則の周知

    作成した就業規則は、従業員に周知することが義務付けられています。

     

    以下では、原案作成後の、「意見聴取」→「届出」→「周知」の各手続について、順にご説明したいと思います。

     

    8,意見書の取得について

    就業規則については、前述の通り、従業員代表者からの意見聴取を行い、意見書を添付して届け出ることが義務づけられています。

    意見書の取得については以下の注意点があります。

     

    • 注意点1:就業規則の意見聴取は事業所ごとに行う
    • 注意点2:従業員代表の選出は民主的に行う
    • 注意点3:管理監督者は従業員代表にはなれない
    • 注意点4:意見書に協力してもらえない場合も届出は可能だが、できる限り話し合いを行う

     

    これらの注意点を含む「就業規則の意見書取得手続き」についての以下の記事で詳しくご説明していますのでご確認ください。

     

     

    9,就業規則の届出について

    就業規則を作成した後は、従業員代表者からの意見聴取手続きを行ったうえで、労働基準監督署に届け出ることになります。

    就業規則の届出の際に注意しておきたいポイントは以下の通りです。

     

    • ポイント1:事業所ごとに管轄の労働基準監督署に届け出ることが原則
    • ポイント2:従業員代表の意見書を添付する
    • ポイント3:就業規則は「2部」提出し、「1部」は受付印をもらったうえで自社で保管する

     

    これら3つのポイントや届出の必要書類、具体的な届出方法などについては、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

     

    10,電子申請について

    就業規則(変更)届は、労働基準監督署の窓口へ行かなくても、インターネットを利用して電子申請をすることが可能です。

    申請は「e-Gov電子申請」を利用して行います。「e-Gov電子申請」は総務省が運営する行政手続きの電子申請窓口です。

    「e-Gov電子申請」の利用にはアカウントの登録、アプリのインストールが必要です。アカウントの登録方法、アプリのインストール方法等については、下記の「e-Gov電子申請」のページをご確認ください。

     

     

    アカウントの登録が完了したら、ログインして申請を行います。

    申請のおおまかな流れは以下のとおりです。

     

    • (1)手続検索から「就業規則(変更)届」を選択する
    • (2)「申請書入力」へ進み、申請者情報・連絡先等を入力する
    • (3)「申請する様式一覧」から「就業規則(変更)届」を選択し、必要事項を入力する(従業員代表の「意見書」も様式一覧から入力ができます)
    • (4)就業規則本体のデータを添付する
    • (5)提出先(管轄の労働基準監督署)を選択し、提出する
    • (6)手続完了

     

    さらに、令和3年4月から電子申請の手続きが簡便化され、電子署名や電子証明書なしで申請が可能になりました。

     

    (1)電子申請における意見書の扱い

    電子申請でも、従業員代表の意見書の提出は必要です。意見書についても電子申請で提出することになります。

    この意見書についても、従業員代表の署名押印が不要になり、記名だけで提出ができるようになりました。意見書は、様式一覧から入力するか、PDF形式のものを添付して提出します。

     

    (2)受付印のある控えについて

    電子申請においても、手続き完了後には、受付印が印字された控えをダウンロードすることができます。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    就業規則(変更)届以外にも、36協定届や1年単位の変形労働時間制に関する協定届等も電子申請が可能です。手続きの流れについては、下記の厚生労働省発行のパンフレットもご確認ください。

     

    ▶参考情報:『「36協定届」や「就業規則(変更)届」など労働基準法などの電子申請がさらに便利になりました!』(PDF)

     

    11,就業規則の周知について

    就業規則の周知について

    就業規則は作成後に従業員の過半数代表者から意見を聴いたうえで、労働基準監督署に届け出て、その内容を従業員に周知することが義務付けられています(労働基準法第106条)。

     

    ▶参考:労働基準法第106条の内容についてご紹介

    労働基準法第106条

    使用者は、就業規則を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

     

    周知がされていない就業規則は多くの裁判例で無効とされていることから、就業規則の作成後に正しく周知することは非常に重要です。

    例えば、残業に応じる義務を雇用契約書ではなく就業規則で定めている場合、就業規則を周知していなければ、就業規則の効力が認められず、残業を命じる根拠もないことになりますので、注意が必要です。

     

    (1)就業規則の周知方法

    就業規則の周知方法は労働基準法施行規則第52条の2で定められており、以下のようなものがあります。

     

    • ⅰ 各事業所(支社、営業所、店舗など)の見やすい場所に掲示する
    • ⅱ 書面で従業員全員に交付する
    • ⅲ 電子媒体に記録し、それを常時パソコンのモニター画面等で確認できるようにする

     

    また、判例上は、この労働基準法施行規則の規定とは別に、就業規則の周知について、実質的に「労働者が就業規則を知ろうと思えばいつでも知り得る状態にしておくことが必要である」とされています。

    なお、就業規則を掲示することにより従業員に周知する場合、掲示は事業所ごとに行わなければなりません。本社に行けば就業規則を見ることができるが、支店や支社では見ることができないというのでは、支店や支社の従業員に対して就業規則が周知されていたとはいえませんので、注意してください。

    「就業規則の周知」は、就業規則の効力が認められるために必要な重要なポイントですのでおさえておきましょう。

     

    12,就業規則の閲覧や配布義務について

    従業員が就業規則の閲覧や配布を求めたのに対して、企業がこれを断り、トラブルになることもあります。

    前述の通り、就業規則は実質的に「労働者が就業規則を知ろうと思えばいつでも知り得る状態にしておくことが必要である」とされています。そのため、閲覧を認めなければ、就業規則としての効力が認められない可能性が高いといわなければなりません。

    また、そもそも、就業規則は、就業にあたり従業員が守るべき規律を定めるものなので、従業員の閲覧を認めず、従業員がその内容を知らないというのでは、就業規則の目的を果たすことができません。

    一方、従業員への配布については、特に配布を義務付けた法令もなく、「事業所内の見やすい場所への掲示」など配布以外の方法で周知することも認められているため、会社の義務ではありません。

     

    13,持ち出しやコピーの禁止について

    就業規則原本の持ち出しを会社が認める義務はありませんし、持ち出しがされると他の従業員が閲覧できなくなるため、認めるべきではないでしょう。

    また、従業員からコピーをとりたいという希望が出された場合についても、就業規則のコピーを認めたり、コピーを交付したりすることを義務付ける法令がないため、コピーを認めなくても違法とは言えないと判断した裁判例が多くなっています(東京地方裁判所判決平成20年12月19日等)。

     

    14,就業規則の改定、変更について

    一度作成した就業規則も、事業の内容の変化や、事業環境の変化、就業条件の変化や法改正などがあったときは、改定、変更することが必要です。

    変化があったのに、改定しないまま放置することは、就業規則の内容と、実際の会社内の就業ルールがずれていくことになり、企業の労務管理がどんどん崩れる原因になります。

    企業の労務管理について詳しくは以下の記事を参考にご覧ください。

     

     

    現在、労働関係の法律が頻繁に改正されていることを踏まえると、就業規則も毎年1回は変更が必要になることが通常です。

    就業規則の変更には、変更案について従業員代表の意見を聴取した上で、変更届を労働基準監督署に提出し、変更後の就業規則を社内で周知する手続が必要です。また、労働契約法上、原則として、「労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」(労働契約法第9条)とされている点にも注意が必要です。

    就業規則の変更については、以下で詳しくご説明していますのでご参照ください。

     

     

    15,業種ごとの注意事項

    ここまで、就業規則についてご説明してきましたが、就業規則は、自社の労務環境の実態を正しく反映したものを作成する必要があります。

    以下では、業種ごとの注意点として、特に気を付けるべき点などをご説明します。

     

    (1)病院について

    病院においては、まず、医師の労働時間、残業代の問題をどうするかということを考える必要があります。医師の働き方改革により、医師の残業時間に上限が設けられることが決まっています。また、オンコール待機時間や宿直勤務時間、学会や勉強会の時間などについて、労働時間に該当し、賃金が発生するのかどうかという点がよく訴訟で争われます。

    就業規則の作成にあたっても、これらの点のトラブル防止を意識する必要があります。また、感染防止や医師法上の義務への対応等、病院特有の服務規律を就業規則に盛り込むことも必要です。

    さらに、過去、病院については、育児休業取得者の賃金や育児休業取得をきっかけとする降格について、訴訟が頻発してきました。病院の就業規則は、これらの点を踏まえて、自院にあった就業規則に仕上げていくいことが必要です。

    病院の就業規則については以下の記事で詳しくご説明していますのであわせてご参照ください。

     

     

    (2)美容院について

    美容院においては、雇用だけでなく、業務委託が多く活用されています。就業規則の対象となるのは雇用形態のスタッフのみのため、業務委託スタッフについては業務委託契約書を作成することが必要です。

    また、美容院業界では、独立による顧客引き抜きや、閉店後の練習時間について残業代を請求されるなどのトラブルが頻発しています。このようなトラブルをしっかり予防できるような就業規則を作成する必要があります。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    美容院の閉店後の練習時間について、労働時間に該当せず、賃金の支払いを要しないとした裁判例として東京地方裁判所判決令和2年9月17日があります。ただし、練習時間の運用や労務管理の実情、就業規則の規定の内容によっては、練習時間も労働時間となりますので、注意が必要です。

     

    (3)飲食店について

    飲食店は長時間労働になりやすく、未払い残業代問題も起こりやすい業種です。

    固定残業代制度の導入や、変形労働時間制の利用により、未払い残業代トラブルがおきないように制度設計することが必要です。なお、変形労働時間制のもとでシフトに基づき勤務してもらう場合は、法律上、始業時刻や終業時刻を特定することが求められており、これが不十分だと変形労働時間制の効力が裁判所で認められず、未払い残業代の支払いを命じられます。変形労働時間制を採用する際は、必ず事前に弁護士に相談してください。

    また、従業員が不衛生な動画をSNSで投稿するなどして、店舗経営に重大な損害を与えるバイトテロと呼ばれる事案も発生しています。従業員教育を徹底することはもちろんですが、就業規則でも、無許可での店舗内の動画撮影や写真撮影を禁止し、また、マーケティング担当者以外が店舗についてSNS等での投稿を行うことを禁止するなどの対策をしておきましょう。

     

    (4)農業について

    農業は、繁忙期と閑散期の差が大きく、天候にも左右されることが特徴です。繁忙期は所定労働時間を長く設定し、閑散期は短くする変形労働時間制の採用を検討する必要があります。

    また、天候による休日の振り替えに対応できるように就業規則を整備することも必要です。

     

    (5)建設業について

    建設業では、現場への直行直帰の働き方をする従業員が多いことを念頭においてし、労働時間管理をする仕組み作りをし、就業規則にも反映することが必要です。この点が甘いと、未払い残業代トラブルが起こることになります。

    工事請負業の元配管工らが、いったん会社に集合した後に、資材等を積み込んで現場に向かう場合の現場までの移動時間について、残業代の請求をし、会社が支払いを命じられた事例として、総設事件東京地方裁判所判決 平成20年2月22日があります。

     

    (6)税理士について

    税理士業界では、担当者の独立による顧客引き抜きのトラブルが頻発しています。このようなトラブルをしっかり予防できるような就業規則を作成する必要があります。

    退職者による顧客の引き抜きを防止する就業規則作成のポイントについては、以下で解説していますのでご参照ください。

     

     

    また、労働時間の管理の面では、税理士業務は専門型裁量労働制の対象業務とされていますが、税理士資格のない補助者に対しては、専門型裁量労働制の適用を否定した裁判例があることにも注意が必要です(東京高等裁判所判決平成26年2月27日)。

     

    (7)幼稚園について

    幼稚園は8月や1月は登園日が少なくなる一方で、運動会や生活発表会がある時期は繁忙期となり、残業が増えやすい時期と言えます。こういった繁忙期と閑散期がある場合は、1年単位の変形労働時間制を導入することが検討に値します。

    1年単位の変形労働時間制を導入することで、閑散期の所定労働日を減らすかわりに繁忙期の所定労働日を増やしたり、閑散期の所定労働時間を減らすかわりに繁忙期の所定労働時間を増やすといった調整が可能になり、残業代の削減にもつながります。

     

    (8)運送業について

    運送業では、ドライバーの確保が大きな課題になっています。運送業者間で免許を持った人の奪い合いになり、実際の支給額を多くしないと、ドライバーを確保することができず、事業が成り立たたない傾向にあります。

    あわせて、長時間労働になりやすいため、固定残業代を設定する、歩合給で対応するなどして、ドライバーが望む賃金水準を確保しつつ、未払い残業代トラブルが発生しないように、就業規則、賃金規程で制度設計する必要があります。

    ドライバーの賃金設計については、タクシードライバーの事例ですが、重要な最高裁判例である国際自動車事件の判例を踏まえておくことも重要です。

     

     

    また、配送ドライバーが必要以上に早く出発し、配送先に早く着いて待機していた待機時間が労働時間に該当するかが争われた事案について、会社から必要以上に早く出発しないようにという指導をしていなかったこと等を理由にあげて、待機時間も労働時間に該当し、賃金支払いの対象となると判断した裁判例も存在します(大阪地方裁判所判決 平成29年3月21日)。

    会社において決めた時刻に点呼することはもちろんですが、必要以上に早く出発してはならないことを就業規則に明記することも検討に値します。

    さらに、長距離運送や大型車の配送について、特別な手当を支給しているケースでは、有給休暇取得日もそれらの手当を支払対象とするのかどうか、就業規則や賃金規程で規定しておくことが必要です。

    裁判例の中には、運送ドライバーの車両乗務日に普通車両手当を支給している会社において、たとえ、出勤すれば車両に乗務することがほとんどであるという実態があったとしても、年次有給休暇取得日は車両に乗務していないのだから、年次有給休暇取得日の賃金に普通車両手当分を含めることを要しないとしたものがあります(東京地方裁判所判決 平成29年6月22日)。

     

    16,パート社員用、契約社員用の就業規則について

    パート社員や契約社員については、正社員とは労働条件が異なるため、正社員用就業規則とは別にパート社員用、契約社員用、それぞれの就業規則を作成することが通常です。

    例えば、パート社員や契約社員についての、病気になったときの休職についての扱いや、年次有給休暇の日数、賃金体系などは、パート社員や契約社員と正社員では異なるのが通常ですので、それを反映した就業規則を作成することが必要です。

    また、パート社員、契約社員の就業規則を作成するときは、「同一労働同一賃金ルール」や「雇止め法理」、「無期転換ルール」など非正社員独自のルールに注意することが重要です。

    「同一労働同一賃金ルール」や「雇止め法理」、「無期転換ルール」などについて詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にご覧ください。

     

     

    またパート社員用就業規則の作成のポイントを以下の記事で解説していますので併せてご参照ください。

     

     

    17,就業規則についてのよくある質問

    以下では就業規則についてのよくある質問についてお答えしていきたいと思います。

     

    (1)保管期間について

    就業規則は、労働基準法第109条により、改訂後も、改訂前の就業規則を5年間保存することが義務づけられています。労働基準法第109条は、「労働関係に関する重要な書類」について5年間保存を義務付けていますが、就業規則もこれに該当します。

    ただし、労働関係の裁判での対応を考えると、5年が経過した後も、保管を続けることがベストです。労働関係の裁判では必ずと言っていいほど、就業規則を証拠提出することになりますが、就業規則の不利益変更などが争点になる場合、改訂前の就業規則についても提出を求められることが多いからです。

     

    (2)社名変更があった場合の対応

    社名変更をした場合でも、就業規則の内容に変更がなければ、特に手続きは必要ありません。次回の就業規則の届出時に新しい社名のものを提出すれば足ります。

    ただし、助成金申請等の関係で、新しい社名の入った就業規則が必要な場合は、就業規則変更届を行い、新しい社名の入った控えを交付してもらう必要があります。

     

    (3)紛失した場合の対応

    一度、労働基準監督署へ提出した就業規則は、たとえ自社のものであっても、基本的には、労働基準監督署から写し(コピー)を交付してもらうことはできません。

    どうしても内容を確認したい場合は、労働基準監督署に閲覧申請を行い、保管されている就業規則を閲覧する方法があります。ただ、年数が古いものは保管されていなかったり、労働基準監督署によっては閲覧を断られるケースもあるようです。

    紛失に備えて、写しを複数作成したり、データで残しておくことが必要です。

     

    (4)置き場所について

    就業規則の置き場所について、特に決まりはありません。

    (1)就業規則の周知方法」でご説明したような、周知方法のうち、「書面で従業員全員に交付する方法」や「電子媒体に記録し、それを常時パソコンのモニター画面等で確認できるようにする方法」で周知している場合は、就業規則の原本をどこに保管していても問題ありません。デスクの引き出し内であったとしても問題ありません。

    これに対し、「各事業所(支社、営業所、店舗など)の見やすい場所に掲示する方法」で就業規則を周知している場合は、「見やすい場所」が置き場所である必要があります。

    例えば、従業員控え室の棚に就業規則をとじたファイルが備えられていた事例では、従業員にそのことが説明されておらず、またファイル背表紙に就業規則であることを示す記載がされていた証拠もなかったとして、就業規則の周知ができていないと判断され、就業規則の効力が否定されています(甲府地方裁判所判決 平成29年3月14日)。

     

    (5)入社前の内定者への開示について

    就業規則を入社前の内定者に開示したり、閲覧させたりすることは、法律上の義務ではありません。

    そのため、閲覧したいという希望があっても、断ることは可能です。しかし、就業規則は自社で就業するうえでの重要なルールですので、内定者が閲覧を希望する場合は、閲覧してもらったうえで、その内容に納得してもらったうえで入社してもらうのがベストであるとはいえるでしょう。

     

    18,就業規則に関する法律

    就業規則については、労働基準法と労働契約法に規定が設けられています。

     

    (1)労働基準法について

    労働基準法は主に就業規則の作成の義務や手続について以下の通り規定しています。

     

    ・労働基準法第89条

    10人以上の会社は就業規則の作成の義務があることと法律上の記載事項について規定

     

    ・労働基準法第90条

    従業員代表からの意見聴取をしなければならないことを規定

     

    ・労働基準法第91条

    就業規則上の懲戒処分として減給処分を定める場合の減給限度額について規定

     

    ・労働基準法第92条

    就業規則は法令や組合との労働協約に反してはならないことを規定

     

    ・労働基準法第106条

    会社は就業規則を周知しなければならないことを規定

     

    労働基準法の条文は以下を参考にご覧ください。

     

     

    (2)労働契約法について

    労働契約法は主に就業規則の効力について規定しています。

     

    ・労働契約法第7条

    合理的な労働条件を就業規則に定めて周知したときは、その就業規則が会社と従業員の労働契約の内容になることを規定

     

    ・労働契約法第9条

    就業規則を従業員に同意なく変更することによって、会社と従業員の間の労働契約の内容を従業員に不利益に変更することはできないという原則を規定

     

    ・労働契約法第10条

    労働契約法第9条の例外として、就業規則の変更によって、会社と従業員の間の労働契約を従業員に不利益に変更することができる場合について規定

     

    ・労働契約法第12条
    就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となることなどについて規定

     

    ・労働契約法第13条

    法令や労働協約に反する就業規則は効力がないことについて規定

     

    労働契約法の条文は以下を参考にご覧ください。

     

     

    19,就業規則の作成に関する相談は労務に強い弁護士へ

    就業規則作成の相談は労働問題に強い弁護士へ

    以上、就業規則の作成についてご説明しました。

    就業規則は作成すればいいというものではなく、従業員の問題行動に正しく対応することができ、かつ、万が一労働問題トラブルが裁判に発展した時にも裁判所で通用する内容であることが必要です。

    また、就業規則の作成プロセスについても、意見聴取、周知の手続を正しく行わなければ、裁判所で効力が否定されます。

    さらに、一度作成した後も、最新の法改正や判例動向、社内の実情の変化にあわせて就業規則の変更を行うことが重要です。

    咲くやこの花法律事務所では、労働問題トラブルの事件、裁判を数多くご依頼いただき、その過程で多くの会社の就業規則を見てきました。

    しかし、残念ながら、労働問題トラブルの際に本当の意味で機能する就業規則を作成されている会社はほとんどみかけません。

    典型的には以下のような問題がある就業規則が多くなっています。

     

    問題のある就業規則の例

    • 社内の実情を踏まえない内容となっており、就業規則が形骸化しているケース。
    • 実際に支給されている賃金と就業規則や賃金規程に記載されている賃金の項目が異なるケース。
    • 最新の法改正や判例動向を踏まえないために、就業規則に効力が認められない条文が含まれているケース。
    • 使用者側の一方的な都合や利益のみが強調されているために裁判所で効力が認められる可能性がないと思われるケース。
    • 理念のみが先行し、規律として機能しない内容になってしまっているケース。
    • 作成後の意見聴取の手続が正しく行われていないケース。
    • 就業規則の周知が不十分で就業規則としての効力が認められないケース。

     

    このような問題のある就業規則では、就業規則がないのとほとんど同じであり、労働問題トラブルに対応できず、会社に大きな損害をもたらす危険すらあります。

    冒頭でご説明した、就業規則の目的である、「職場の規律意識を高め、従業員全員が一致団結できる組織をつくる」ためには、問題行動についても適切に対応でき、かつ、労働問題トラブル、労働裁判が発生した時にも会社が正しく対応することができる規律であることが必要です。

     

    20,咲くやこの花法律事務所の弁護士なら「こんな事サポートができます!」

    咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

    最後に、「咲くやこの花法律事務所」における就業規則に関するサポート内容をご説明しておきたいと思います。

    咲くやこの花法律事務所では、就業規則について以下のサポートを行っています。

     

    • (1)就業規則の作成
    • (2)就業規則のリーガルチェック

     

    順番に見ていきましょう。

     

    (1)就業規則の作成

    「咲くやこの花法律事務所」では、これまで多くの就業規則の作成依頼を承ってきました。

    正社員用就業規則、契約社員用就業規則、パート社員用就業規則、給与規程、育児介護休業規程などのオーソドックスなものはもちろんですが、そのほかにも嘱託社員向け就業規則や「在宅勤務・在宅ワークに関する就業規則」の作成依頼、あるいは「無期転換ルールに対応した就業規則」などや特殊なものも承っています。

    「咲くやこの花法律事務所」の弁護士は、多くの労働問題や労務トラブル、労働裁判を解決してきた実績があり、そのときの経験を生かして、就業規則の内容を実際の労働問題や労務トラブル、労働裁判においても活用できる内容にすることについて、常に改善、研究を行っています。

    このようなことは実際に裁判を担当して解決にあたる弁護士でなければできません。

    「咲くやこの花法律事務所」に就業規則の作成をご依頼いただくことで、自社の就業規則を自社の現実にあったものとし、また、万が一の労務トラブルや労務裁判においても活用することができる内容に整備することができます。

     

    咲くやこの花法律事務所の労務問題に強い弁護士への相談料

    ●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
    ●就業規則の作成費用:20万円+税~

     

    (2)就業規則のリーガルチェック

    「咲くやこの花法律事務所」では、既に就業規則を作成済みの会社のために、弁護士による就業規則の「リーガルチェックサービス」も行っています。

    前述のとおり、残念ながら、労働問題トラブルの際に本当の意味で機能する就業規則を作成されている会社は「ほとんどみかけないのが実情」です。

    咲くやこの花法律事務所」のリーガルチェックを受けていただくことで、自社の就業規則を実際の労働問題や労務トラブルの現場でも機能する内容に仕上げていくことが可能です。

    就業規則作成、変更については、豊富な実績と経験を持ち労働問題に特に強い弁護士が多数所属する「咲くやこの花法律事務所」に、ご相談ください。

     

    咲くやこの花法律事務所の労務問題に強い弁護士への相談料

    • 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
    • 就業規則のリーガルチェック費用:8万円+税~

     

    21,「咲くやこの花法律事務所」へのお問い合わせ方法

    就業規則に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士によるサポート内容については「労働問題に強い弁護士のサポート内容」のページをご覧下さい。

    また、今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

    【お問い合わせについて】

    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

     

    22,就業規則に関するお役立ち情報配信中!(メルマガ&YouTube)

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    23,就業規則に関連する他のお役立ち情報

    就業規則については、自社に応じた正しい内容で記載事項など設計しないと、様々な労務トラブルの場面で不利益な結果につながります。

    何か問題が発生しそうな時にはトラブルに発展させないようにすることや、また、万が一トラブルに発展しても深刻化せず、早期解決が可能になるような就業規則にしておくなど、普段から顧問弁護士による労務管理の整備を必ず行っておきましょう。

    以下では、労働問題や労務管理に強い顧問弁護士サービスについてもご紹介しておきますので参考にご覧ください。

     

    【全国顧問先300社以上】顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら

    【大阪の企業様向け】顧問弁護士サービス(法律顧問の顧問契約)について詳しくはこちら

    顧問弁護士とは?その役割、費用と相場、必要性について解説

     

     

    この記事の本文中で紹介した参考情報

    ※1:参考情報:「民法」の条文

     

    記事作成弁護士:西川 暢春
    記事更新日:2021年08月11日

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