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同一労働同一賃金とは?企業側で必要な対応について解説【2020年施行】

同一労働同一賃金とは?企業側で必要な対応も解説!
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
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    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

こんにちは。弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。

同一労働同一賃金を定めた「働き方改革関連法案」が成立し、2020年4月から施行されています(ただし、中小企業への適用は2021年4月から)。

これに伴い、多くの会社で同一労働同一賃金ルールにのっとった賃金制度の見直し、就業規則や賃金規程の改定が必要になります。

 

 

現在も、企業が契約社員や嘱託社員などから、正社員との待遇格差についての損害賠償を請求され、敗訴するケースが増えています。

このような待遇格差についての損害賠償請求トラブルを避けるためにも、就業規則や賃金規程を改定して同一労働同一賃金ルールに対応しておきましょう。

今回は、同一労働同一賃金についてわかりやすくご説明したうえで、具体的な就業規則や賃金規程の見直し方法についてもご説明します。

 

※この記事は、令和2年10月13日の「メトロコマース事件」、「大阪医科薬科大学事件」最高裁判決、10月15日の「日本郵便事件」最高裁判決を踏まえた10月15日時点の最新情報です。

 

「弁護士 西川暢春からのお知らせ」

咲くやこの花法律事務所では、同一労働同一賃金ルールへの対応に伴う手当の廃止や、就業規則・賃金規程改定についてのご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

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▶【関連動画】西川弁護士が「同一労働同一賃金」について詳しく解説中!

1,同一労働同一賃金について企業側で必要な対応の解説【令和2年10月判決を踏まえた最新版】

 

2,「同一労働同一賃金」扶養手当や病気休暇の格差に関する令和2年10月15日 最高裁判決の判断を弁護士が解説!

 

3,「同一労働同一賃金」退職金、賞与に関する令和2年10月13日 最高裁判決の判断を弁護士が解説!

 

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1,同一労働同一賃金とは?

「同一労働同一賃金」とは、パート社員、契約社員、派遣社員について、正社員と比較して不合理な待遇差を設けることを禁止するルールです。正社員と非正規社員の間で、業務の内容や責任の程度、人事異動の範囲などに差がある場合は、その差に応じて合理的な範囲の待遇差を設けることは許されます。この「同一労働同一賃金」の考え方は、もともとは国際労働機関で発展した考え方で、英語では「Equal pay for equal work」と呼ばれます。

 

▶参考情報:国際労働機関ホームページで公開されている以下のガイドブックも参考にご覧ください。

国際労働機関「同一価値労働同一報酬のためのガイドブック」(pdf)

 

今回の法改正で導入されるのはいわばその日本版ともいえるでしょう。

具体的には以下の内容です。

 

ルール1:

正社員と仕事の内容や配置転換の範囲、仕事内容の変更の範囲が同じパート社員、契約社員、派遣社員について、正社員と比較して差別的な賃金とすることが禁止されます。

 

ルール2:

正社員と仕事の内容や配置転換の範囲、仕事内容の変更の範囲が違うパート社員、契約社員、派遣社員については、正社員と異なる待遇とすることも許されますが、正社員と比較して不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

 

【参考】海外での同一労働同一賃金

EUでは、同一労働同一賃金原則は、性別や人種などの個人の意思や努力によって変えることのできない属性等を理由とする賃金差別を禁止する原則として位置付けられています。

その中で、1990年代に、パート社員や契約社員について、雇用条件に関し、客観的理由に基づき正当化できる場合を除き、非正社員であるという理由のみにより、不利な取扱いをしてはならないとする法規制が設けられました。

これに対し、米国では、同一労働同一賃金を直接定める法規制はありません。

日本の同一労働同一賃金ルールは、EUと経緯は異なるものの、内容としてはEUでの同一労働同一賃金ルールに類似するものといえます。

 

2,同一労働同一賃金の目的

同一労働同一賃金ルールが今回定められた目的は、「正社員と非正社員の間の不合理な待遇差を解消することにより、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できること」を目指す点にあります。

日本では正社員と非正社員の賃金差が大きく、この実態を踏まえて導入されたルールといえるでしょう。

 

3,同一労働同一賃金のメリット・デメリット

企業の立場から見た同一労働同一賃金ルールのメリットとデメリットについては以下のことがいえます。

 

(1)メリットについて

 

メリット1:
非正社員の待遇への納得感を高めることができる

同一労働同一賃金のルールの導入により、非正社員の待遇が向上し、非正社員の納得感を高まるというメリットが考えられます。

非正社員に正社員と同等の賃金を支給するケースでは、非正社員に対し、正社員と同等の責任感を求めていくことになるでしょう。

 

メリット2:
キャリアアップしたい非正社員にも活躍の場を与えられる

正社員と同様の仕事をする非正社員については、正社員と同等の人事考課、昇給の対象とし、また、正社員と同等の教育訓練の機会を与えてキャリアアップをさせていくことになります。

非正社員自身がキャリアアップを望む場合は、非正社員に対する丁寧なマネジメントによってその能力を引き出し、活躍の場を与えていくことができるでしょう。

 

(2)デメリットについて

 

デメリット1:
人件費負担が大きくなる可能性がある

同一労働同一賃金のルールは、非正社員の賃金を上げる方向に働きます。そのため、企業としては人件費の負担が大きくなる可能性があります。

人件費の負担増を避けるため、システム化、IT化に取り組み、単純作業を減らそうとする企業も増えると予想されます。

 

デメリット2:
人手不足への対応が必要になる

パート社員の中には配偶者の扶養に入ることができる年収の範囲内で仕事をしたいと考えている人もいます。

この場合、同一労働同一賃金のルールにより時給単価があがると、扶養の範囲内で働くことができる時間数が減ることになります。

その結果、パート社員が担当していた仕事について、人手不足が起きる可能性があります。この点についても、システム化、IT化を進めていくことが解決策の1つとなります。

 

4,企業は手当の見直しや賃金規程の改定などの対応が必要

企業は就業規則や賃金規程の改定などの対応が必要

現時点で、正社員と契約社員やパート社員の待遇に格差があり、それが「同一労働同一賃金」のルールに違反すると判断される場合は、企業は契約社員やパート社員の待遇を見直すことが必要です。

具体的な見直しのポイントは以下の通りです。

 

(1)まずは現状を把握する

  • まず、自社に正社員以外にどのような種類の従業員(契約社員、パート社員、嘱託社員など)がいるのか確認することが必要です。
  • 次に、正社員に支給されている賃金項目(各種手当や賞与、退職金など)のうち、正社員以外には支給されていなかったり、計算方法や支給額が異なる賃金項目があるかどうかを確認します。
  • 賃金項目(各種手当や賞与、退職金など)ごとに、正社員とそれ以外の従業員の待遇差がある場合は、その待遇差を合理的に説明できるかを検証し、合理的に説明できない場合は待遇差を解消することが必要です。

 

※待遇差の合理性についての検討方法については、目次5の「待遇の合理性についてはガイドラインと判例を踏まえた検討が必要」で解説します。

 

(2)不合理な待遇差を解消する

不合理な待遇差を解消する方法としては、大きく分けて2つの選択肢があります。

 

1,正社員と非正社員の仕事内容や役割の差を明確にする方法

正社員と非正社員の仕事内容や役割の差を明確にすることで、現在の待遇差を合理的に説明することができるようにする方法です。

具体的には以下の点を検討することになります。

 

  • 非正社員の仕事内容や責任の程度を軽減することで、正社員との区別を明確にする
  • 非正社員と正社員の間で、転勤の範囲や職務内容の変更の範囲の差を明確にする
  • 非正社員の中でも正社員と同様の仕事をしている人は、正社員に登用する

 

2,賃金制度を見直す方法

仕事内容や責任の程度の違いで説明がつかない待遇差があるときは、賃金制度の見直しが必要です。

具体的には以下の点を検討することになります。

 

  • 正社員に支給されているが非正社員には支給されていなかった手当等を非正社員にも支給することを検討する
  • 正社員に支給されているが非正社員には支給されていなかった手当等の廃止を検討する

 

▶【補足】正社員の手当等の廃止について

正社員の手当等の廃止は、慎重な対応が必要です。

特に正社員に不利益が出る場合は、経過措置を設けるなどして生活への打撃を緩和すること、従業員代表や労働組合との話し合いを重ねて理解を求めることが重要です。

 

参考例:

  • 正社員にだけ支給されていた手当を廃止して、正社員の基本給に廃止した手当分を加算する
  • 正社員にだけ支給していた家族手当を廃止して、その原資を正社員数で平均した額を正社員の基本給に加算したうえで、それでも賃金が減る正社員については5年かけて徐々に減らすなどの経過措置を設ける

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

同一労働同一賃金への対応により非正社員の人件費が上がることが心配になるケースもあると思います。しかし、必ずしも非正社員の人件費をあげなくても同一労働同一賃金に対応することは可能です。

例えば、九水運輸商事事件(福岡高裁平成30年9月20日判決)は、通勤手当を正社員に1万円、パート社員には5千円をそれぞれ一律支給していましたが、同一労働同一賃金への対応として、正社員・パート社員にかかわらず通勤手当は一律5千円とする一方、正社員の職能給を増額させることで正社員への総支給額はさがらないように配慮した事例です。

福岡高等裁判所はこのような賃金制度の変更を合法と判断しています。

 

(3)賃金規程、就業規則を改定する

待遇差を解消するのと並行して、賃金規程や就業規則を見直すことが必要です。

具体的には以下の2点を検討しましょう。

 

1,賃金制度の見直しを規程に反映する

例えば、皆勤手当について合理的な理由がないのに契約社員の賃金規程では支給されない内容になっている場合は、契約社員の賃金規程を、契約社員にも皆勤手当を支給する内容に変更することの検討が必要です。

 

2,手当の趣旨を明記する

正社員には支給するが非正社員には支給しない手当を残すときは、賃金規程にその手当の趣旨を明記することで、非正社員に支給しないことの合理性を説明できるようにしておくことが必要です。

例えば、正社員は転勤の対象となるため住宅手当を支給するが、契約社員は転勤の対象とならないため不支給とする場合には、住宅手当が「転勤による住宅費の負担を補填する手当」であることを賃金規程に記載しておきましょう。

正社員と非正社員の待遇差の適法性が争われた過去の裁判では、手当の趣旨についての会社と従業員側で主張が食い違い、会社の主張が認められなかったことが原因で会社が敗訴したものもあります。

このような敗訴リスクを回避するためには、手当の趣旨を賃金規程に明記しておくことが効果的です。

 

なお、厚生労働省からも「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」が公表されていますので、あわせてご参照ください。

また、就業規則の変更やパート社員の就業規則については以下の記事でも解説していますのであわせてご覧ください。

 

 

5,待遇差の合理性についてはガイドラインと判例を踏まえた検討が必要

同一労働同一賃金の具体的内容

同一労働同一賃金ルールのもとでも、正社員と非正社員の待遇に差があることが違法になるわけではなく、あくまで「不合理な待遇差」が違法になります。

正社員のほうが非正社員よりも高待遇の企業が多いため、どのような待遇差であれば合理的な範囲であと言えるのかを検討したうえで対応する必要があります。

そして、どのような待遇差であれば合理的な範囲と言えるかの検討にあたって重要になるのは、「過去の判例」と「同一労働同一賃金ガイドライン」です。

以下では、この2つをもとに各賃金項目ごとの注意点をご説明します。

 

▶参考情報:同一労働同一賃金ガイドラインとは?

同一労働同一賃金ガイドラインとは、厚生労働省が作成したガイドラインです。正社員と非正社員の待遇差について、「問題となる例」、「問題とならない例」などを示して解説されています。

・参考情報:厚生労働省のガイドラインはこちら

 

ただし、ガイドラインだけでは、具体的に正社員の賃金に対して何割程度の待遇差が許容されるかまでは明確ではないため、判例もあわせて参照する必要があります。

 

(1)基本給

基本給についても、同一労働同一賃金のルールが適用され、契約社員やパート社員であることを理由に不合理に低い基本給を設定することは違法になります。

 

1,基本給格差についてのガイドラインの記載

厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは、基本給について以下のように記載されています。

 

基本給であって、労働者の能力又は経験に応じて支給するものについて

通常の労働者と同一の能力又は経験を有する短時間・有期雇用労働者には、 能力又は経験に応じた部分につき、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。

また、能力又は経験に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない。

 

基本給であって、労働者の業績又は成果に応じて支給するものについて

通常の労働者と同一の業績又は成果を有する短時間・有期雇用労働者には、 業績又は成果に応じた部分につき、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。

また、業績又は成果に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない。

 

基本給であって、労働者の勤続年数に応じて支給するものについて

通常の労働者と同一の勤続年数である短時間・有期雇用労働者には、勤続年数に応じた部分につき、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。

また、勤続年数に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない。

 

昇給であって、労働者の勤続による能力の向上に応じて行うものについて

通常の労働者と同様に勤続により能力が向上した短時間・有期雇用労働者には、勤続による能力の向上に応じた部分につき、通常の労働者と同一の昇給を行わなければならない。

また、勤続による能力の向上に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた昇給を行わなければならない。

 

2,判例上は7割程度の格差は事情により合理性ありとされている

判例では、メトロコマース事件(平成31年2月20日東京高等裁判所判決)が、駅売店で販売業務に従事していた勤続10年前後の契約社員の基本給が正社員の72~74%程度であった事案について、以下の点を理由に挙げて、その差は不合理ではないと判断しています。

 

  • 契約社員は、正社員と違い、エリアマネージャー業務に従事する可能性や、売店業務以外の業務への配置転換の可能性がないこと
  • 正社員に長期雇用を前提とした年功的な賃金制度を設け、本来的に短期雇用を前提とする有期契約労働者にはこれと異なる賃金体系を設けるという制度設計をすることには一定の合理性があること
  • 契約社員から正社員への登用制度があるため、格差が固定的とは言えないこと

 

この事例でもわかるように、正社員と契約社員の間で、将来も含めた職務の変更範囲に相違がある場合には、契約社員の基本給が正社員の7割程度であっても合理性が肯定される余地があるといえます。

一方で、学校法人産業医科大学事件(平成30年11月29日福岡高等裁判所判決)は、大学病院の事務職員について、勤続約30年の契約社員と同程度の勤続年数の正社員の間に基本給に2倍程度の格差があった事例で、格差を違法と判断しています。

 

基本給は、個々人の能力や業績、勤続年数などさまざまな要素を考慮して決まることが多いため、学校法人産業医科大学事件の事例のような極端な差があるケースを除けば、裁判所で違法と判断されるケースは実際には少ないと思われます。

過去の判例でも以下のように、基本給の格差については不合理ではないと判断したケースが多くなっています。

 

▶参考:基本給の格差についての判例

雇用形態 基本給の格差を不合理としたもの 不合理ではないとしたもの
フルタイムの契約社員 ・学校法人産業医科大学事件 ・学究社事件
・日本郵便(佐賀)事件
・日本郵便(大阪)事件
・メトロコマース事件
定年後継続雇用の社員 ・五島育英会事件
・日本ビューホテル事件
・北日本放送事件

 

(2)通勤手当について

通勤手当は通勤の費用を補助する目的で支給される手当です。

そして、このような目的は、正社員だけでなく、契約社員やパート社員にもあてはまることが通常です。

そのため、契約社員やパート社員についてのみ通勤手当を不支給としたり、あるいは契約社員やパート社員についてのみ支給額に上限を設けることは、通常は不合理な待遇差に該当し、「同一労働同一賃金ルール」に違反し、違法となります。(厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」)

 

厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」でも以下のように記載されています。

 

「短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の通勤手当及び出張 旅費を支給しなければならない。 」

 

また、判例上も通勤手当の格差については違法とされています。

 

▶参考:通勤手当の格差を違法とした判例

  • ハマキョウレックス事件:契約社員について通勤手当の格差を違法と判断
  • 九水運輸商事事件:パート社員について通勤手当の格差を違法と判断

 

(3)精勤手当、皆勤手当について

精勤手当や皆勤手当は、出勤を奨励する目的で支給される手当です。

そして、このような目的は、契約社員やパート社員にもあてはまることが通常です。

そのため、契約社員やパート社員のみ精勤手当や皆勤手当の対象外とすることは、通常は不合理な待遇差として「同一労働同一賃金ルール」に違反し、違法となります。(平成30年6月1日ハマキョウレックス事件最高裁判決、厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」)

厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」でも以下のように記載されています。

 

「通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の精皆勤手当を支給しなければならない。」

 

また、判例上も精勤手当、皆勤手当の格差については違法とされています。

 

▶参考:精勤手当、皆勤手当の格差を違法とした判例

  • 井関松山製造所事件:契約社員について精勤手当の格差を違法と判断
  • 長澤運輸事件:定年後の嘱託社員について精勤手当の格差を違法と判断
  • ハマキョウレックス事件:契約社員について皆勤手当の格差を違法と判断
  • 九水運輸商事事件:パート社員について皆勤手当の格差を違法と判断

 

(4)住宅手当について

住宅手当については、厚生労働省のガイドラインに詳細な記載はありませんが、判例上は多くの裁判で問題になっています。

住宅手当は住宅にかかる費用を補助する目的で支給される手当です。

例えば正社員は全国転勤があり、契約社員には転勤がないというように、転勤の範囲に差がある場合は、正社員にのみ住宅手当を支給することも合理的です。このような場合に、契約社員に住宅手当を支給しないことは、「同一労働同一賃金」のルールのもとでも問題ありません。(平成30年6月1日ハマキョウレックス事件最高裁判決)

一方、正社員と契約社員の間で転勤の有無や範囲に特に差がない場合に、契約社員にのみ住宅手当を支給しないことは、違法とされる可能性が高くなります。

過去の判例でも、転勤のない正社員にも住宅手当を支給している場合は、契約社員に住宅手当を支給しないことは違法と判断されています。(平成30年2月21日大阪地裁判決)

 

(5)家族手当・扶養手当

家族手当や扶養手当についても、厚生労働省のガイドラインに詳細な記載はありませんが、判例上は多くの裁判で問題になっています。

家族手当や扶養手当は、家族を扶養する従業員への補助を目的として支給される手当です。

そして、家族を扶養するために生活費がかかるということは、契約社員でも正社員でもかわりません。そのため、契約社員にのみ家族手当や扶養手当を不支給とすることは、「同一労働同一賃金ルール」に違反し、違法となる可能性が高いです。令和2年10月15日の日本郵便事件最高裁判所判決も、契約社員について扶養手当を不支給としたことを違法と判断しています。

一方、定年後に再雇用する嘱託社員等については、年齢的に家族を扶養する立場にある人が少ないことなどから、家族手当や扶養手当を支給しないことも通常は適法です。(平成30年6月1日長澤運輸事件最高裁判決)

 

(6)無事故手当

運送や配送を担当する従業員に支給されることの多い無事故手当は、事故をなくす目的で支給される手当です。

この点については契約社員にもあてはまりますので、契約社員のドライバーにのみ無事故手当を支給しないことは「同一労働同一賃金ルール」に違反し、違法です。(平成30年6月1日ハマキョウレックス事件最高裁判決)

 

(7)特殊作業手当

特殊な作業を担当する従業員に支給される特殊作業手当についても、契約社員やパート社員のみ不支給とすることは通常は不合理で、違法になります。

厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」にも以下の通り記載されています。

 

「通常の労働者と同一の危険度又は作業環境の業務に従事する短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の特殊作業手当を支給しなければならない。」

 

(8)資格手当

特定の資格のある従業員に支給される資格手当についても、契約社員やパート社員のみ不支給とすることは通常は不合理で、違法になります。

 

(9)病気休暇、特別休暇

法定の年次有給休暇とは別に、病気の場合の休暇や特別休暇を従業員に付与している会社において、正社員には休暇中も給与を支給し、契約社員等には給与を支給しないことは、休暇の性質や契約社員の勤務の継続性の程度にもよりますが、通常は違法と判断される可能性が高いです。

令和2年10月15日の日本郵便事件最高裁判所判決も、病気休暇について、正社員には給与を支給し、契約社員には支給しない制度は違法であると判断しています。

ただし、正社員と契約社員等の間で休暇の日数について差を設けることは合理的な範囲での差であれば適法とされています。

 

(10)賞与

賞与については、厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは以下の通り解説されています。

 

「賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。また、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。」

 

一方で、判例上は、賞与について相当程度の格差がある事例も、合理的な理由があるとして許容されるケースが多くなっています。以下で賞与の格差について判断した判例を見ていきます。

 

1,パートや契約社員の賞与については寸志程度あるいは不支給でも合法とされやすい傾向

令和2年10月13日の最高裁判決(大阪医科薬科大学事件)は、一般論として賞与の格差が違法になることがあることは肯定しつつも、大学の契約社員について賞与を不支給とした事案について、正社員との間で仕事の内容や配置転換の範囲に違いがあったことを踏まえると、契約社員に賞与を支給しなかったことも不合理とはいえず適法と判断しました。

 

 

また、それ以前の判例も、パート社員・契約社員への賞与の支給については、パート社員・契約社員と正社員との間で、仕事の内容や配置転換の範囲が異なる場合には、賞与に格差があっても適法とされるケースが多くなっていました。

このように判例は、正社員に賞与を厚く支給することも正社員定着のための合理的な施策であるとして、賞与に格差があっても合法と判断する傾向にあります。

 

▶参考判例:

●大阪医科薬科大学事件最高裁判所判決

→ 契約社員に対する賞与不支給も不合理ではないと判断

 

●井関松山製造所事件高松高等裁判所判決

→ 契約社員について正社員の4分の1程度の賞与としているケースで格差は不合理ではないと判断

 

●メトロコマース事件大阪高等裁判所判決

→ 契約社員の賞与は定額とし正社員の5分の1程度だったケースで格差は不合理ではないと判断

 

ただし、前述のとおり、令和2年10月13日最高裁判決でも、一般論として賞与の不支給が不合理な格差と評価され、違法になる場面があることが指摘されています。

そのため、企業としては、正社員と契約社員の間で賞与の支給の有無に差がある場合は、仕事の内容や配置転換の差を明確化することに加え、以下の点が重要になります。

 

  • 契約社員から正社員への正社員登用制度を設け、格差を固定化しない仕組みをつくること
  • 契約社員の待遇について、労使間で丁寧な話し合いを継続的に行うこと

 

2,定年後再雇用社員の賞与についても不支給は合法としたケースが多い

定年後の再雇用社員の賞与については、不支給でも合法とした判例が多くなっています。

例えば、正社員に基本給の5か月分の賞与が支給する一方で、定年後の嘱託社員については賞与を不支給とした事例では、最高裁判所は、不支給を適法と判断しています。(平成30年6月1日長澤運輸事件最高裁判決)。

定年後の社員は定年退職により退職金を受領していることや、定年後も老齢厚生年金の受給が想定されることなどから、賞与を不支給とすることも不合理ではないと判断されています。

 

「弁護士 西川暢春からのワンポイント解説!」

令和2年10月13日の最高裁判所判決以前は、賞与についての格差を違法とした判例も存在しました。

 

  • ニヤクコーポレーション事件平成25年12月10日大分地方裁判所判決
  • 大阪医科薬科大学事件平成31年2月15日大阪高等裁判所判決

 

これらの令和2年10月13日最高裁判所判決以前の賞与に関する判例については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参考情報:賞与の格差と同一労働同一賃金。契約社員・パートに賞与なしは違法?

 

(11)退職金

同一労働同一賃金ガイドラインには、退職金について詳細な記載はありません。

一方、判例は、令和2年10月13日の最高裁判決(メトロコマース事件)は、地下鉄の売店の契約社員について退職金を不支給とした事案について、正社員には退職金を支給しつつ契約社員には不支給とすることも不合理とはいえず適法と判断しました。

 

 

この判決は、正社員と契約社員との間に仕事の内容や配置転換の範囲について差があったことを理由づけとしていますが、事案の内容を踏まると、その差は比較的小さかったと評価することができる事案です。

このことから、正社員と契約社員の間で仕事の内容や配置転換の範囲に差がある事案では、その差が比較的小さくても、契約社員について退職金を不支給としても違法とはされない傾向が進むと考えられます。

ただし、令和2年10月13日最高裁判決でも、一般論として退職金の不支給が不合理な格差と評価され、違法になる場面があることが指摘されています。

そのため、企業としては、正社員と契約社員の間で退職金の支給の有無に差がある場合は、仕事の内容や配置転換の差を明確化することに加え、以下の点が重要になります。

 

  • 契約社員から正社員への正社員登用制度を設け、格差を固定化しない仕組みをつくること
  • 契約社員の待遇について、労使間で丁寧な話し合いを継続的に行うこと

 

「弁護士 西川暢春からのワンポイント解説!」

令和2年10月13日の最高裁判所判決以前は、以下のようにパート社員や契約社員についてのみ退職金を不支給とすることは違法であるとした判例も存在しました。

 

●ニヤクコーポレーション事件大分地方裁判所判決

→ パート社員への退職金不支給を違法と判断

 

●京都市立浴場運営財団事件京都地方裁判所判決

→ パート社員への退職金不支給を違法と判断

 

●メトロコマース事件大阪高等裁判所判決

→ 契約社員への退職金不支給を違法と判断

 

これらの令和2年10月13日の最高裁判所判決以前の退職金に関する判例については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参考情報:同一労働同一賃金と退職金。契約社員やパートへの不支給は違法?

 

6,違反に罰則はないが損害賠償請求の対象になる

企業が同一労働同一賃金のルールに違反しても、罰則はありません。

ただし、同一労働同一賃金のルールに違反して不合理な待遇を行っていた場合、従業員から正社員との待遇格差について損害賠償請求(差額請求)を受けるリスクがあります。

過去の判例でも、裁判所は、待遇格差のうち裁判所が不合理であると判断した部分については、企業に対し損害賠償を命じる判決を下しています。

 

7,「同一労働同一賃金」適用後のルールと、法改正前のルールの違い

ここまで、働き方改革法案により成立した同一労働同一賃金ルールの内容についてご説明していましたが、実は、法案の成立前から、パートタイム労働法や労働契約法において、正社員とパート社員、契約社員との待遇差に関する法規制が設けられていました。

 

▶参考情報:「非正規雇用に関する主な法令等」も参考にご覧下さい。

▶参考情報:「パートタイム労働法」も参考にご覧下さい。

 

では、今回導入された「同一労働同一賃金のルール」は、これまでの法規制とどの点が違うのか、確認しておきたいと思います。

 

(1)待遇差の合理性についての判断基準が明確化された

「同一労働同一賃金のルール」のもとでは、パート社員や契約社員について、仕事の内容や責任の程度が正社員と異なる場合には、それを考慮した待遇差を設けること自体は許容され、ただし不合理な待遇差であってはならないとされています。

この点はこれまでの法律でも同じでしたが、これまでの法律では、「どういう場合に不合理な待遇差にあたるのか」の判断基準があいまいでした。

法改正により導入された「同一労働同一賃金のルール」では、不合理な待遇差かどうかの判断基準をこれまでよりも明確にしています。

具体的には以下の通りです。

 

1,個別の賃金項目ごとに判断される

年収ベースといった全体的な判断ではなく、基本給や賞与、手当など個別の賃金項目ごとに待遇差が合理的かどうかが判断されることが、法改正により明確になりました。

 

つまり、年収ベースで見れば待遇差は合理的な範囲というケースでも、例えば正社員には皆勤手当を支給しているのに契約社員には支給しないというときは、その点が不合理な待遇差と判断されます。

改正法の条文上も、「基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、…不合理と認められる相違を設けてはならない。」となっており、この「それぞれについて」という部分は、賃金項目ごとの判断になることを明確にする意味で記載されています。

 

2,賃金項目の目的に照らして判断される

次に、個別の賃金項目ごとに待遇差が合理的かどうかを判断するときには、その賃金項目の目的に照らして判断されることが明確になりました。

 

例えば「住宅手当」は通常は住宅費を補助する目的で支給されます。

このような目的からすれば、正社員には全国転勤があり、契約社員には転勤がないようなケースでは、転勤の有無の差を考慮して、契約社員には支給しないことは合理的な待遇差です。

一方、「皆勤手当」は通常は出勤を確保する目的で支給されます。

このような目的に照らして考えると、正社員であっても契約社員であっても出勤を確保する必要性は変わらないため、契約社員にのみ皆勤手当を不支給とすることは違法と判断されます。

 

このように「不合理な待遇差にあたるのか」の判断が、個別の賃金項目の目的を考慮して行われることが、法改正により明確になりました。

 

(2)派遣社員にも同一労働同一賃金が適用された

これまで、正社員と派遣社員の均等待遇を義務付ける規定はありませんでした。

しかし、法改正後は「同一労働同一賃金のルール」が派遣社員にも適用され、派遣社員について、派遣先に勤務する通常の労働者と比較して不合理な待遇差を設けることが禁止されます。(改正労働者派遣法第30の3から第30の5)

 

ただし、派遣社員については、派遣会社が派遣社員の代表者との労使協定を締結した場合は、「同一労働同一賃金のルール」の適用が除外されます。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」
派遣に関する同一労働同一賃金ルールの適用については以下で詳しく解説していますので併せてご参照ください。

 

▶参考情報:派遣会社は対応が必要!派遣業でも同一労働同一賃金が義務化!

 

(3)福利厚生施設の利用の機会を与えることが義務化された

これまでの法律では契約社員やパート社員に福利厚生施設の利用を認めることは、企業側の努力義務にすぎないとされていました。

しかし、今回の法改正で、福利厚生施設の利用の面でも、正社員との均等待遇が義務化され、契約社員、パート社員、派遣社員にも利用の機会を与えることが義務付けられました。(「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」第12条)

 

以上の3点が改正前の法律との主な違いになります。

 

(4)同一労働同一賃金を定めた法律

新しい同一労働同一賃金のルールは、以下の法律で定められています。

 

  • 契約社員、パート社員については「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の第8条から第12条
  • 派遣社員については、改正労働者派遣法第30の3から第30の5

 

なお、「同一労働同一賃金ルール」導入前における正社員と非正規社員の待遇格差についての法規制の解説は以下をご参照ください。

 

 

(5)【補足】正社員同士には同一労働同一賃金ルールは適用されない

同一労働同一賃金のルールは、正社員と非正規社員の不合理な待遇差の解消を義務付けるものです。

正社員同士の待遇格差には適用されません。現行法上は、正社員の待遇差については、労働基準法第3条、第4条や男女雇用機会均等法第6条の問題になります。

 

▶参考:

  • 労働基準法第3条:国籍、信条又は社会的身分を理由とする差別の禁止
  • 労働基準法第4条:女性であることを理由とする差別の禁止
  • 男女雇用機会均等法第6条:性別の理由とする差別の禁止

 

8,いつから適用されるか?

法改正による同一労働同一賃金のルールの施行日は以下の通りです。

 

  • 大企業:2020年4月から
  • 中小企業:2021年4月から

 

このように中小企業については1年間施行を遅らせる猶予期間が設けられています。

 

(1)同一労働同一賃金ルールにおける中小企業の定義

1年間施行を遅らせる猶予措置の対象となる中小企業の定義は以下の通りです。

 

小売業 資本金5000万円以下または従業員50人以下の企業
サービス業 資本金5000万円以下または従業員100人以下の企業
卸売業 資本金1億円以下または従業員100人以下の企業
上記以外の事業 資本金3億円以下または従業員300人以下の企業

 

上記以外の企業は全て大企業となります。

なお、個人事業主や医療法人など資本金の概念がない場合は、従業員数のみで中小企業に該当するかどうかを判断することになります。

 

▶参考情報:「働き方改革関連法の主な内容と施行時期(pdf)」も参考にご覧下さい。

 

9,同一労働同一賃金に関する最高裁判例

同一労働同一賃金に関する最高裁判例

以下では、平成30年6月1日に出された2つの最高裁判例をご紹介します。同一労働同一賃金ルールへの対応を検討するにあたって必ず参考にすべき重要な判例ですので以下でその内容をチェックしておきましょう。

 

(1)ハマキョウレックス事件最高裁裁判所判決

同一労働同一賃金に関する重要判例の1つは、「ハマキョウレックス事件」最高裁判決です。

運送会社において、正社員と契約社員に待遇の差があることについて、契約社員が待遇差に関する損害賠償を会社に求めた裁判です。

この会社では、正社員も契約社員もどちらもドライバーで仕事内容は同じでしたが、正社員は全国転勤があるのに対し、契約社員には全国転勤がないという違いがありました。

最高裁は、通勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当の各手当について、正社員に支給されているのに契約社員に支給されていないのは違法と判断しました。

一方で、住宅手当については、正社員について全国転勤がある一方で、契約社員には転勤がないことなどからすると、正社員にのみ支給することも不合理とは言えないと判断しています。

 

 

(2)長澤運輸事件最高裁裁判所判決

もう1つの重要判例が「長澤運輸事件」最高裁判決です。

この事件は、運送会社において、定年後に再雇用された嘱託社員が、正社員との間に待遇格差があることは不当であるとして、損害賠償を会社に求めた裁判です。

この会社では、正社員も嘱託社員もどちらもドライバーで仕事内容や転勤の有無に違いはありませんでした。

最高裁は、正社員には支給されている精勤手当が、定年後の嘱託社員に支給していない点は、不合理な格差であるとして違法として判断しました。

一方で、正社員に支給されている住宅手当・家族手当・賞与が嘱託社員には支給されていませんでしたが、この点は、最高裁は合法であるとしています。そして、定年後の嘱託社員が定年前と比べて年収が約21パーセント減少していることも違法とはいえないと判断しました。

判決はその理由として、すでに定年しており正社員と違って長期勤務が想定されないことや、老齢年金の受給が想定されることなどをあげています。

 

 

このような最高裁判決からもわかるように、同一労働同一賃金ルールの適用にあたっては、仕事の内容や転勤の範囲などを考慮した企業ごとの判断が必要であり、格差があるからと言って必ずしも違法になるわけではありません。

 

10,同一労働同一賃金に関するその他の判例

同一労働同一賃金については、前述の最高裁判例以外にも多くの判例が出ています。

主な判例の結論をまとめると、以下の表のとおりです。

 

※パート社員に関する判例を赤字で、定年後継続雇用社員に関する判例を青字で、フルタイムの有期雇用社員に関する判例を黒字で表示しています。

 

格差を不合理とした判例 格差はあるが不合理ではないとした判例
基本給 ・学校法人産業医科大学事件 ・学究社事件
・五島育英会事件
・日本郵便(佐賀)事件
・日本ビューホテル事件
・日本郵便(大阪)事件
・メトロコマース事件
・北日本放送事件
賞与 ・ニヤクコーポレーション事件
・大阪医科薬科大学事件
・ヤマト運輸事件

・医療法人A社事件
・五島育英会事件
・井関松山製造所事件
・日本郵便(佐賀)事件
・長澤運輸事件
・日本郵便(大阪)事件
・メトロコマース事件
・北日本放送事件
役職手当 ・長澤運輸事件
皆勤手当
精勤手当
・井関松山製造所事件
・長澤運輸事件
・ハマキョウレックス事件
・九水運輸商事事件
通勤手当 ・ハマキョウレックス事件
・九水運輸商事事件
給食手当 ・ハマキョウレックス事件
住宅手当
住居手当
・日本郵便(東京)事件
・日本郵便(大阪)事件
・メトロコマース事件
・長澤運輸事件
・ハマキョウレックス事件
・北日本放送事件
家族手当
扶養手当
・井関松山製造所事件
・日本郵便事件(最高裁)
・長澤運輸事件
退職金 ・ニヤクコーポレーション事件
・京都市立浴場運営財団事件
・メトロコマース事件

 

【上の表に掲載した判例の判決日等】

  • ニヤクコーポレーション事件(大分地裁平成25年12月10日)
  • ヤマト運輸事件(仙台地裁平成29年3月30日)
  • 九州惣菜事件(福岡高裁平成29年9月7日)
  • 日本郵便(休職)事件(東京地裁平成29年9月11日)
  • 京都市立浴場運営財団事件(京都地裁平成29年9月20日)
  • 学究社事件(東京地裁立川支部平成30年1月29日)
  • 医療法人A社事件(新潟地裁平成30年3月15日)
  • 五島育英会事件(東京地裁平成30年4月1日)
  • 井関松山製造所事件(松山地裁平成30年4月24日)
  • 井関松山ファクトリー事件(松山地裁平成30年4月24日)
  • 日本郵便(佐賀)事件(福岡高裁平成30年5月24日)
  • 長澤運輸事件(最高裁平成30年6月1日)
  • ハマキョウレックス事件(最高裁平成30年6月1日)
  • 九水運輸商事事件(福岡高裁平成30年9月20日)
  • 日本ビューホテル事件(東京高裁平成30年11月21日)
  • 学校法人産業医科大学事件(福岡高裁平成30年11月29日)
  • 日本郵便(東京)事件(東京高裁平成30年12月13日)
  • 北日本放送事件(富山地裁平成30年12月19日)
  • 日本郵便(大阪)事件(大阪高裁平成31年1月24日)
  • 大阪医科薬科大学事件(最高裁令和2年10月13日)
  • メトロコマース事件(東京高裁平成31年2月20日、最高裁令和2年10月13日)
  • 日本郵便事件(最高裁)(最高裁令和2年10月15日)

 

11,同一労働同一賃金に関して弁護士に相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

最後に咲くやこの花法律事務所における、「同一労働同一賃金ルール」についてのサポート内容をご説明します。

 

(1)同一労働同一賃金ルールへの対応サポート

同一労働同一賃金ルールが法律で定められたことに伴い、多くの企業で、就業規則や賃金規程の再確認、見直しが必要になります。

咲くやこの花法律事務所でも、ご相談企業の就業規則や賃金制度が同一労働同一賃金ルールに問題ないかを検討し、就業規則や賃金制度の見直しが必要な場合は、改定案の作成その他必要な手続きをサポートします。

同一労働同一賃金ルールへの対応でお困りの企業様はぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。

 

労務問題に強い弁護士の対応料金

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
●就業規則作成:20万円程度+税
●就業規則変更:10万円程度+税~(顧問契約締結の場合は無料)

 

(2)新サービス!「働き方改革関連法」対応の診断&サポート

「咲くやこの花法律事務所」では、企業の働き方改革関連法への対応をサポートするためのサービスとして、「働き方改革関連法」対応の診断&対策サポートサービスを行っています。

働き方改革関連法に精通した弁護士が、企業の経営者あるいは担当者から法改正への対応状況についてヒアリングを行ったうえで、法改正への対応が正しくできているかを診断いたします。

診断の結果、法改正への対応のために追加で必要な対応がある場合はその内容も詳しくご説明いたします。法改正への対応の不安をなくし、正しく対応できているかをご確認いただくために、ぜひご利用ください。

なお、診断結果と必要な対策の内容については、弁護士による簡易レポートもご提供させていただきます。

「働き方改革関連法」対応の診断&対策サポートサービスの詳細や料金については以下をご参照いただきますようにお願いいたします。

働き方改革関連法対応の診断&サポートサービスの内容&料金はこちら

 

(3)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法

同一労働同一賃金に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士によるサポート内容については「労働問題に強い弁護士への相談サービス」のページをご覧下さい。

また、今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

12,【関連】同一労働同一賃金に関するその他のお役立ち情報

今回は、「同一労働同一賃金」について詳しくご説明いたしました。働き方改革法案が成立したことにより、多くの会社で同一労働同一賃金ルールにのっとった賃金制度の見直し、就業規則や賃金規程の改定が必要になることは、今回の記事でご理解いただけたと思います。

同一労働同一賃金に関する対応を放置したり、また対応を誤ると重大なトラブルにつながることも多いです。ここでは、その他にも知っておくべき関連情報もご紹介しておきますので、合わせて確認しておきましょう。

 

働き方改革関連法案が成立!企業の対策と対応の解説まとめ

新しい残業規制の解説。残業の上限と違反時の罰則について。

有給休暇の義務化!5日以上取得は2019年から!企業の対応を解説

待遇格差には賠償命令も!パート社員と正社員の均等待遇とは?

契約社員の雇用契約書を作成する際の5つの重要ルール【雛形ダウンロード付】

【再雇用契約書の雛形あり】定年後再雇用や嘱託社員の労働条件の注意点

 

実際に従業員を雇用されている会社では、同一労働同一賃金の対応をしなければならないケースがこれから増えてきます。そのため、「対応方法」を事前に対策しておくことはもちろん、万が一のトラブルなどが発生した際は、スピード相談が早期解決の重要なポイントです。

今回の記事のテーマにもなっている「同一労働同一賃金」などについては、「労働問題に強い弁護士」に相談するのはもちろん、普段から就業規則など自社の労務環境の整備を行っておくために「労働問題に強い顧問弁護士」にすぐに相談できる体制にもしておきましょう。

 

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また顧問弁護士の必要性や役割、顧問料の相場感などを知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

顧問弁護士とは?その役割、費用と相場、必要性について解説

 

記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2024年8月20日

 

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