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就業規則変更届とは?書き方や記入例、提出方法をわかりやすく解説

就業規則変更届とは?書き方や記入例、提出方法をわかりやすく解説
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
  • この記事を書いた弁護士

    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

就業規則変更届の書き方や提出方法について分からないことがあり、悩んでいませんか?

就業規則を変更した際には、所轄の労働基準監督署長に、就業規則変更届と従業員代表者の意見書を提出する必要があります。就業規則を変更したにもかかわらず届出を怠った場合は、30万円以下の罰金の対象となります。

この記事では、就業規則変更届の提出方法や書き方などについて詳しく解説します。この記事を最後まで読めば、就業規則変更届の書き方から提出方法まで詳しく知ることができます。それではみていきましょう。

 

「弁護士西川暢春のワンポイント解説」

就業規則の変更は会社にとってリスクを伴う場面の1つです。変更内容が不利益変更に該当する場合は変更の効力をめぐって、従業員とトラブルになり、ケースによっては訴訟等に発展する恐れがあります。また、変更後の就業規則が直近の法改正や判例動向に対応した内容になっているか、自社の実情に合った内容になっているか等についても十分に注意が必要です。

トラブル防止のためにも、就業規則の変更は、弁護士に相談のうえ、行っていただくことをおすすめします。筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所でもご相談をお受けしていますのでお問い合わせください。

なお、本記事では届出について解説します。就業規則の変更については以下の記事で解説していますのでご参照ください。

 

▶参考情報:就業規則の変更方法は?手続きと不利益変更・同意書取得などの注意点を解説

 

▼就業規則の変更について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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1,就業規則変更届とは?

就業規則変更届とは?

就業規則変更届とは、就業規則を変更する際に、労働基準法89条に基づき所轄の労働基準監督署長に提出しなければならない届出書のことを指します。

就業規則変更届の記載内容は、主に以下の通りです。

  • 就業規則の変更事項
  • 事業場名と所在地
  • 代表者(使用者)氏名
  • 業種と労働者数

 

就業規則を変更した際に届出が義務付けられているのは、労働基準監督署が各社の就業規則の内容を把握し、不備のある就業規則については指導等の対象とすることを目的とするものです。

 

2,就業規則変更届の提出先・提出方法

次に、就業規則変更届の提出先や提出方法について詳しく説明します。

 

(1)変更届の提出先

まず、就業規則変更届の提出先は、就業規則を変更する事業場を管轄する労働基準監督署長です。

労働基準監督署の管轄については以下をご覧ください。

 

 

事業場が複数ある場合は、原則として事業場ごとにそれぞれ所轄の労働基準監督署長に就業規則変更届を提出しなければなりません。

 

(2)変更届の提出方法

また、提出方法については、労働基準監督署に直接持参する方法や、郵送の他、電子申請も可能です。

電子申請での届出については「5,就業規則変更の届出は電子申請も可能」で詳しく説明していますので、ご覧ください。

 

3,届出の際の必要書類

次に、就業規則変更の届出の際の必要書類について詳しくみていきましょう。

就業規則変更の届出の際に提出する必要がある書類は、以下の通りです

 

(1)就業規則変更届

就業規則変更届は、提出用と自社保管用の2部を提出します。自社保管用については、労働基準監督署の受付印をもらったうえで自社に保管します。

変更事項が就業規則変更届に全て記載できる場合、変更後の就業規則一式や新旧対照表の提出は不要です。

一方で、変更内容が多く、就業規則変更届に変更事項が記載できない場合は、変更後の就業規則一式もしくは新旧対照表を、就業規則変更届と併せて提出する必要があります。

 

(2)従業員代表者の意見書

従業員代表者の意見書は、従業員代表者が就業規則の変更についての意見を記載した書面のことです。署名と押印は必要ありませんが、作成者を明確にするため、記名は必要です。なお、事業場の過半数の従業員が加入する労働組合がある場合は、従業員代表者ではなく、その労働組合に意見書を記載してもらう必要があります。

提出用と自社保管用の2部を提出します。

 

▶参考:意見書が従業員代表者から提出されない場合

従業員代表者が意見書を提出しない場合は、「従業員代表者に意見を聴いたが、意見書を提出してもらえなかった」という内容の報告書を作成し、意見書の代わりに提出すれば届出を受理してもらうことができます。

 

従業員代表者の選出や従業員代表者からの意見書取得手続きについては以下の記事や動画で詳しく解説していますのでご覧ください。

 

 

▶参考動画:西川弁護士が「就業規則の意見書と過半数代表選出!使用者が候補者を指名しても良い?)」を詳しく解説中!

 

(3)返送用封筒(郵送の場合)

書類を郵送で提出する場合、会社控え分の書類を返送してもらうために、切手を貼った返送用封筒も必要です。返送用封筒にはあらかじめ宛先も記載しておきます。

 

(4)送付状(郵送の場合)

書類を郵送で提出する場合は、送付書をつけることが通常でしょう。送付書には、同封した内容物と数量を記載します。

 

▶参考:労基署への郵送による届出については、以下の注意点についてもご覧ください。

労働基準監督署へ郵便により届出を行う場合の注意点について

 

(5)電子媒体による提出について

就業規則の変更届について、紙媒体だけでなく、CD-R等の電子媒体でも提出が可能です。

電子媒体による届出の際は、電子媒体の種類や形式などについて以下のいずれかの要件を満たす必要があります(平成25年4月4日基発第0404第1号)。

 

1,電子媒体の種類

CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RWのいずれかであること

 

2,電子媒体のフォーマット

WindowsXP、WindowsVista及びWindows7上で動作できるISO9660、UDFブリッジ、UDF1.02、UDF1.5、UDF2.0又はUDF2.01フォーマットのものであること。

 

3,電子媒体の文書形式

HTML形式

 

▶参考:なお、従業員代表者の意見書については、電子媒体によって提出することはできません(平成25年4月4日基発第0404第1号)。就業規則を電子媒体で提出する場合も、意見書だけは別に書面で提出する必要があるため、注意が必要です。

・参照元:労働基準法第89条に規定する就業規則及び同法第95条に規定する寄宿舎規則の電子媒体による届出について(◆平成25年04月04日基発第404001号) 

 

4,本社一括届出について

2,就業規則変更届の提出方法・提出先」でご説明した通り、事業場が複数ある場合は事業場ごとに届出をすることが原則ですが、本社と各事業場の就業規則の内容が同じ場合、本社を管轄する労働基準監督署長に一括して届け出ることもできます。これを本社一括届出といいいます。

この場合、届出に関しては一括で行うことが可能ですが、意見聴取の手続は、各事業場で意見書を作成・提出する必要があるため注意が必要です。

 

(1)提出方法

 

1.まずは本社を所轄する労働基準監督署長宛に以下の書類を書類を提出します。

提出方法については、通常の場合と同様に、労働基準監督署に直接持参する方法や、郵送の他、電子申請も可能です。

 

提出書類

 

1,就業規則変更届

 

●変更事項を就業規則変更届に記載する場合

変更事項を別紙で提出せず変更届に記載する場合は、本社以外の届出対象の事業場の就業規則変更届の提出も必要になります。この場合、本社分は提出用と控えの2部を、本社以外の事業場は1部のみ提出します(控えの提出は不要です)。

 

●変更事項を別紙で提出する場合

変更事項を別紙で提出する場合は、本社分の就業規則変更届のみ、提出用と控えの2部を提出します。本社以外の事業場分は不要です。

また、この場合、就業規則変更届の変更事項の欄には、就業規則または新旧対照表を添付している旨を記載します。

 

2,変更後の就業規則一式または新旧対照表

変更事項が多く変更届に記載しきれない場合、就業規則変更届の変更事項の欄には、「別紙のとおり」などと記載したうえで、就業規則一式か新旧対照表のどちらかを提出 します。提出する場合、本社分は2部、本社以外の届出対象の事業場はそれぞれ1部ずつ提出します。

 

3,従業員代表者の意見書

本社と各事業場分の従業員代表者の意見書を提出する必要があります。本社と各事業場分ともそれぞれ2部ずつ提出します。

 

4,届出事業場一覧表

変更届を提出する事業場の一覧表です。記載内容には、各事業場の名称、所在地、それぞれの所轄の労働基準監督署長名があります。また、届出事業場一覧表の欄外に各事業場の就業規則について「本社の就業規則と同一内容である旨」と、「変更前の就業規則の内容が本社の変更前の就業規則と同一内容である旨」を明記する必要があります。

提出する必要があるのは正本と就業規則配送作業室提出用の2部ですが、自社用の控えが必要な場合は3部提出します。

 

▶記入例:届出事業場一覧表

就業規則本社一括届出対象事業場一覧表

2.上記の届出が受理されると、受理された本社分の書類の控えと、本社以外の事業場分の書類がまとめて返却されます。

3.「2」で返却された本社以外の事業場分の書類を、本社を管轄する労働基準監督署の就業規則配送作業室宛に送付、または持参します。

4.労働基準監督署の就業規則配送作業室から、各事業場の管轄労働基準監督署に提出書類が配送されます。

 

 

また、就業規則の届出については、以下の記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

 

 

5,就業規則変更の届出は電子申請も可能

就業規則変更の届出は、電子申請で行うことも可能です。

以下の「e-Gov」というサイトから電子申請を行うことができ、本社一括届出も行うことができます。

 

 

電子申請の場合に必要な書類と提出方法は以下の通りです。

 

(1)電子申請の場合の必要書類

 

1,就業規則変更届

「e-Gov」のサイト上で直接記載事項を入力する形になっています。書面で提出する場合とは異なり、変更事項を記入する欄はありません。ここでは事業場名と所在地、労働保険番号等を入力します。

 

2,就業規則

電子申請の場合、就業規則変更届には変更事項の記入欄がないため、代わりに変更後の就業規則一式のデータを提出する形になっています。就業規則はPDF等の添付ファイルとして提出します。

 

3,従業員代表者の意見書

PDF等の添付ファイルとして提出します。電子申請の場合も、従業員代表の署名・押印は不要で、記名だけで提出することができます。

また、電子署名や電子証明書なしで提出が可能です(令和3年4月1日以降)。

 

4,本社一括届出の場合は一括届出事業場一覧

本社一括届出の場合は、就業規則と各事業場分の意見書のほかに、一括届出事業場一覧作成ツールにより作成した「一括届出事業場一覧(CSV形式)」を添付する必要があります。

 

▶参考:一括届出事業場一覧作成ツールの詳しい利用方法については、以下をご覧ください。

厚生労働省「一括届出事業場一覧作成ツール操作説明書」(pdf)

 

(2)電子申請の場合の提出方法

申請の流れは以下の通りです。

 

  • 1,「e-Gov」にログインし、手続検索から「就業規則(変更)届」を選択する
    → 就業規則変更届の場合、「就業規則(変更)届(各事業場単位による届出)」と、「就業規則(変更)届(本社一括届出)」の2種類に分かれています。
  • 2.「申請書入力」に進み、申請者情報を入力する
  • 3.「申請する様式一覧」から「就業規則(変更)届」を選択し、必要事項を記入する
  • 4.従業員代表者の意見書のデータ(PDF等)を添付する(様式一覧から入力することも可能です)
  • 5.変更後の就業規則一式のデータ(PDF等)を添付する
  • 6.提出先(管轄の労働基準監督署)を選択し、申請内容を確認の上、提出する

 

申請後は、受領印が付いた控えをダウンロードすることができます。

 

▶参考:電子申請の詳細については、以下をご覧ください。

厚生労働省「電子申請事前準備リーフレット」(pdf)

 

6,就業規則変更届に所定のフォーマットはない【参考ひな形ダウンロード付き】

就業規則変更届を郵送で提出する場合、特に定められたフォーマットはありません。

各地の労働基準監督署や、厚生労働省の公式ホームページでひな形が無料で配布されていますので、それをダウンロードして利用することも可能です。

 

(1)参考:「就業規則変更届」フォーマット

「就業規則変更届」フォーマット

「就業規則変更届」フォーマット2

こちらのフォーマットは、厚生労働省のホームページでダウンロードできる就業規則作成・変更届の様式を、変更届に絞った形で修正したものですので、お困りの際はこちらをご利用下さい。

 

 

「7,就業規則変更届の書き方・記入例」の記載事項さえ記入できていれば、どのようなフォーマットでも問題はありませんので、行政で配布されているフォーマットが使いづらい場合は、自社に合った独自のフォーマットを作成するのも1つの方法です。

 

7,就業規則変更届の書き方・記入例

次に、就業規則変更届の書き方や記入例について詳しくご説明します。

 

(1)具体的な記載事項

まず、具体的な記載事項は以下の通りです。

 

  • ①記入日
  • ②宛名
  • ③主な変更事項
  • ④労働保険番号
  • ⑤事業場名
  • ⑥所在地
  • ⑦電話番号
  • ⑧使用者職氏名(会社の代表者名)
  • ⑨業種
  • ⑩労働者数

 

(2)就業規則変更届の記入例

就業規則変更届の記入例は以下のとおりです。

 

就業規則変更届の記入例

 

① 記入日

就業規則変更届を書いた日付を記入します。

 

② 宛名

提出先の労働基準監督署名を記入します。

 

③ 主な変更事項

書き方に具体的な決まり等はありませんが、記入例のように、改正前と改正後を対比して記載するとわかりやすいでしょう。

変更事項が多く書ききれない場合については、「8,就業規則変更届の記載内容が用紙内に書ききれない場合」で説明しておりますのでご覧ください。

 

④ 労働保険番号

労働保険番号とは、事業場が労働保険に加入した際に労働基準監督署から交付される番号のことです。

労働保険番号は、過去に提出した労働保険の概算・確定保険料申告書や労災保険申請書、労働保険の年度更新申告書などで確認することができます。

 

⑤ 事業場名

届出をする事業場の名前を記入します。前回の届出から事業場の名称が変更になっている場合は、旧名称も記載します。

 

⑥ 所在地

届出をする事業場の住所を記入します。前回の届出から所在地が変更になっている場合は、旧住所も記載します。

 

⑦ 電話番号

届出をする事業場の電話番号を記入します。

 

⑧ 使用者職氏名

会社の代表者名を記入します。

 

⑨ 業種

届出をする事業場の業種を記入します。ここでは日本標準産業分類の中分類を書けば足ります。

 

▶参考:日本標準産業分類について、詳しくは以下をご覧ください。

総務省「日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)」

 

⑩ 労働者数

届出をする事業場に、常態として雇用している従業員の数を記入します。

これには、アルバイトやパートといった非正規社員の従業員も含みます。一方で、繁忙期のみ臨時的に雇用する従業員などは数に含まれません。

 

8,就業規則変更届の記載内容が用紙内に書ききれない場合

次に、就業規則変更届の記載内容が多く、用紙内に書ききれない場合の対応についてご説明します。

変更箇所が用紙内に書ききれない場合は、記入欄を追加することも可能です。就業規則変更届のページ数が複数枚になったとしても、届出には何の問題もありません。

また、上記の方法だと数十ページになってしまうような場合は、「③の記入欄」に「別紙参照」とのみ記載する方法もあります。この場合、提出の際に就業規則変更箇所の新旧対照表か、変更後の就業規則一式を別紙として添付します。

 

9,全面改訂の場合

就業規則を全面改訂した場合は、「③主な変更事項」の欄に「全面改訂」と記載し、改訂後の就業規則一式を添付して提出します。

 

▶参考:全面改訂の場合の就業規則変更届の記入例

全面改訂の場合の就業規則変更届の記入例

 

10,就業規則変更届や意見書については押印が廃止されている

就業規則変更届や意見書については、署名・押印が廃止されており、令和3年4月1日以降の届出については、全て押印・署名が不要です。

書面や電子媒体での届出だけでなく、電子申請においても同様です。なお、意見書については、署名・押印は不要ですが、記名は必要となります。これはパソコンによるタイプでも問題ありません。

 

▶参考:署名・押印廃止の詳細については、以下をご覧ください。

厚生労働省「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令について」

 

11,いつまでに届出が必要か(提出期限)

就業規則を変更した場合に届出をすることは、労働基準法89条により義務付けられており、法律上の義務です。

ただし、就業規則変更届出の提出期限について、特に法律上の規定や通達で定められた明確な期限はなく、変更後は遅滞なく届出を行えば足りると考えられます。

変更してから何か月も経つのに届出をしなかったり、故意に届出を怠るような場合は、労働基準監督署から指導を受けたり、罰則が科される恐れがあるため、変更後は遅滞なく提出しましょう。

 

▶参考:労働基準法89条

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

・参照元:「労働基準法」の条文はこちら

 

12,就業規則変更の届出義務違反に対する罰則

就業規則を変更したにもかかわらず届出を怠った場合は、30万円以下の罰金の対象となります。

労働条件の実態が変わったにもかかわらず就業規則を変更しなかった場合も同様です。

 

▶参考:労働基準法第120条1項

次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の三第四項、第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条第七項、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者

・参照元:「労働基準法」の条文はこちら

 

13,変更の届出をしていない就業規則の効力

前述の通り、変更の届出は義務であり、変更の届出をしないことは罰則の対象となります。

ただし、就業規則の効力としては、変更の届出がされていなくても、変更が合理的なものであり、事業主が変更後の就業規則を周知させているときは、就業規則の変更の効力が発生します(労働契約法第10条)。

このように、変更の届出をしたかどうかは、変更の効力とは別の問題として扱われています。

 

▶参考情報:就業規則変更における効力については以下の記事でも解説していますのでご参照ください。

就業規則の法的効力はどこまである?有効性について解説

 

14,変更届の保管期間

変更届出の際は、提出用と自社保管用の2部を提出し、自社保管分の書類は労基署の受付印を押してもらい保管するべきです。

では、この自社保管用の変更届は、いつまで保管する必要があるのでしょうか。

結論から言うと、5年間(ただし、令和5年4月現在は経過措置により3年間)の保存が義務付けられています。

労働基準法第109条では、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類は5年間保管しなければならないことが定められていますが、就業規則や就業規則変更届等の書類は条文中の「重要な書類」に該当するためです。ただし、令和5年4月現在は経過措置により保管義務は3年間とされています(労働基準法附則第143条1項)。

 

▶参考:労働基準法第109条(記録の保存)

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

・参照元:「労働基準法」の条文はこちら

 

▶参考:労働基準法附則第143条1項

第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。

 

変更後の就業規則が全面改訂されるなどして効力が失われてから5年(ただし、令和5年4月現在は経過措置により3年)が経過するまでは保存すべきでしょう(労働基準法施行規則第56条1項)。スキャンデータを保存するなどの電磁的記録による保存も認められています。

 

15,咲くやこの花法律事務所の弁護士なら「こんなサポートができます!」

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

咲くやこの花法律事務所では就業規則の変更について、企業の経営者や人事担当者、社会保険労務士の先生方からのご相談をお受けしております。主なサポート内容は以下の通りです。

 

(1)就業規則変更に関するご相談

就業規則変更について、今回の記事でご紹介した就業規則変更届に関するご相談のほか、就業規則のリーガルチェック、従業員代表者からの意見聴取の方法や従業員への周知などの手続きについてもご相談を承っております。

また、就業規則の変更は会社にとってリスクを伴う場面の1つです。変更内容が不利益変更に該当する場合は変更の効力をめぐって、従業員とトラブルになり、ケースによっては訴訟等に発展する恐れがあります。さらに、変更後の就業規則が直近の法改正や判例動向に対応した内容になっているか、自社の実情に合った内容になっているか等についても十分に注意が必要です。

咲くやこの花法律事務所では、実際に企業側の立場で労働裁判に多く携わってきた労働問題に強い弁護士が、過去の労働裁判の経験を生かし、会社側のリスクを最大限回避する就業規則変更の手続きの進め方についてアドバイスします。

 

咲くやこの花法律事務所の労務問題に強い弁護士への相談料

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(2)就業規則変更案の作成

咲くやこの花法律事務所では、就業規則変更案の作成も承っております。

就業規則の作成経験豊富な労務に強い弁護士が、法改正や社会情勢の変化を踏まえた上で、実際に労働問題のトラブルの現場で機能する、会社の実情に合った就業規則の変更案を作成します。

 

咲くやこの花法律事務所の労務問題に強い弁護士への相談料

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
●就業規則の作成費用(全面改訂の場合):20万円+税~

 

(3)顧問弁護士サービス

労務トラブルを防ぐためには、就業規則はもちろん、雇用契約書、労働時間管理やハラスメント対策などの労務管理の基礎全般を日頃から整備しておくことが重要です。また、問題社員対応や法改正対応など、そのときどきのテーマについて、早期に対応することも重要です。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスでは、企業の労務管理全般をサポートするための、顧問弁護士サービスも提供しております。顧問弁護士の助言を受けながら、労務管理の整備を進めていきましょう。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご案内は以下をご参照ください。

 

 

(4)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法

今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

16,まとめ

この記事では、就業規則変更届の記載事項や書き方、提出方法などについてご説明しました。

就業規則変更届の具体的な記載事項は、以下の通りです。

 

  • 就業規則の変更事項
  • 事業場名と所在地
  • 代表者(使用者)氏名
  • 業種と労働者数

 

書面での提出の場合、提出書類は以下となります。

 

  • 就業規則変更届
  • 従業員代表者の意見書

 

また、変更事項が多く就業規則変更届に書ききれない場合は、変更事項の記載箇所に「別紙参照」または「全面改訂」等と記入します。この場合は、上記の提出書類の他に、就業規則や新旧対照表を別紙として添付する必要があります。

提出方法としては、労働基準監督署に直接持参する方法や、郵送の他、電子申請もあります。

就業規則の変更が従業員の不利益を伴うものである場合、それは会社にとってリスクを伴う場面の1つです。場合によっては従業員との紛争や裁判トラブルに発展する恐れもあります。

就業規則の変更を検討される際は、事前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

17,【関連情報】就業規則に関する他のお役立ち記事一覧

この記事では、「就業規則変更届とは?書き方や記入例、提出方法をわかりやすく解説」についてご紹介しました。就業規則の変更に関しては、届出以外にも知っておくべき情報が幅広くあり、正しい知識を理解しておかなければ重大なトラブルに発展してしまいます。

そのため、以下ではこの記事に関連する就業規則のお役立ち記事を一覧でご紹介しますので、こちらもご参照ください。

 

就業規則とは?義務や作成方法・注意点などを弁護士が解説

モデル就業規則とは?厚生労働省作成の無料テンプレートの使い方

就業規則の記載事項をわかりやすく解説

就業規則と労働基準法の関係とは?違反する場合などを詳しく解説

就業規則の閲覧を求められたら?会社は応じる義務がある?対処法を解説

就業規則がない場合どうなる?違法になる?リスクや対処法を解説

パート・アルバイトの就業規則の重要ポイントと注意点【雛形あり】

在宅勤務やテレワーク・在宅ワークの就業規則の重要ポイント7つ

 

注)咲くやこの花法律事務所のウェブ記事が他にコピーして転載されるケースが散見され、定期的にチェックを行っております。咲くやこの花法律事務所に著作権がありますので、コピーは控えていただきますようにお願い致します。

 

記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2023年9月20日

 

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    企業法務に強い弁護士紹介

    西川 暢春 代表弁護士
    西川 暢春(にしかわ のぶはる)
    大阪弁護士会/東京大学法学部卒
    小田 学洋 弁護士
    小田 学洋(おだ たかひろ)
    大阪弁護士会/広島大学工学部工学研究科
    池内 康裕 弁護士
    池内 康裕(いけうち やすひろ)
    大阪弁護士会/大阪府立大学総合科学部
    片山 琢也 弁護士
    片山 琢也(かたやま たくや)
    大阪弁護士会/京都大学法学部
    堀野 健一 弁護士
    堀野 健一(ほりの けんいち)
    大阪弁護士会/大阪大学
    所属弁護士のご紹介

    書籍出版情報


    労使トラブル円満解決のための就業規則・関連書式 作成ハンドブック

    著者:弁護士 西川 暢春
    発売日:2023年11月19日
    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:1280ページ
    価格:9,680円


    「問題社員トラブル円満解決の実践的手法」〜訴訟発展リスクを9割減らせる退職勧奨の進め方

    著者:弁護士 西川 暢春
    発売日:2021年10月19日
    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:416ページ
    価格:3,080円


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