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【2017年10月改正対応】育児介護休業法、雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の重要ポイント!雛形有り

育児介護休業法、雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の重要ポイント

育児介護休業法と男女雇用機会均等法が改正され、「平成29年1月」から施行されています。また、育児介護休業法についてはさらに「平成29年10月」に再度の改正が施行されます。

これらの改正で介護や育児の制度の変更があり、就業規則を制定している全ての企業において、就業規則の改訂等の対応が必要です。

今回は、「平成29年に施行される育児介護休業法、雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂のポイント」についてまとめました。

まだ対応が済んでいない企業は、必ずチェックして対応しておきましょう。

 

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この記事を読めばわかること

●育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂のポイントについて
●ポイント1:介護休業の分割取得制度への対応
●ポイント2:介護休暇の半日単位取得制度への対応
●ポイント3:介護のための所定労働時間短縮措置等の制度の拡充への対応
●ポイント4:介護のための残業免除制度への対応
●ポイント5:子の介護休暇の半日単位取得制度への対応
●ポイント6:マタハラ・パタハラ等防止措置義務付けへの対応
●ポイント7:育児休業延長制度への対応
●ポイント8:育児休業等の制度周知への対応
●ポイント9:育児目的休暇の導入促進への対応
●咲くやこの花法律事務所なら育児介護休業法に関するご相談について、「こんなサポートができます」
●労務管理に強い「咲くやこの花法律事務所」の弁護士へのお問い合わせ
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1,【重要】
育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイント

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂のポイント

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴い、就業規則改訂が必要となる9つのポイントは以下の通りです。

「ポイント1~6」までは平成29年1月から施行された育児・介護休業法・男女雇用機会均等法に対応しており、「ポイント7~9」までは平成29年10月から施行される育児・介護休業法に対応しています。

 

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の6つのポイント

ポイント1:
介護休業の分割取得制度への対応

ポイント2:
介護休暇の半日単位取得制度への対応

ポイント3:
介護のための所定労働時間短縮措置等の制度の拡充への対応

ポイント4:
介護のための残業免除制度への対応

ポイント5:
子の介護休暇の半日単位取得制度への対応

ポイント6:
マタハラ・パタハラ等防止措置義務付けへの対応

ポイント7:
育児休業延長制度への対応

ポイント8:
育児休業等の制度周知への対応

ポイント9:
育児目的休暇の導入促進への対応

 

順番に詳細を見ていきたいと思います。

 

2,ポイント1:
介護休業の分割取得制度への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの1つ目は、「介護休業の分割取得制度への対応」です。

まず、「介護休業とは何か」を確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「介護休業」とは?

介護休業とは、従業員の家族(配偶者、父母、配偶者の父母、子など)が要介護となったときに、その介護をする従業員が、要介護の家族1人につき「93日間」まで休業を請求することができる制度です。

 

従業員から介護休業の請求があれば、企業はこれを認めることが義務付けられています。

 

育児介護休業法の法改正の内容

現行法では、「93日」まで取得が認められる介護休業を、従業員が複数回に分割して取得することは認められておらず、企業としても複数回の分割取得に応じる義務は定められていませんでした。

今回、育児介護休業法が改正され、1家族につき「93日」までという介護休業の日数には変更はありませんが、この日数の範囲内で「従業員が3回まで分割して介護休業を取得することを認めること」が、企業に義務付けられました。

そのため、現在の法律に基づき、就業規則で介護休業の複数回の分割取得を認めていない企業は、「3回以内」の分割取得を認める内容に就業規則を変更する必要があります。

以上述べた点を整理すると以下の通りです。

 

「介護休業の分割取得制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

企業は従業員の家族1人につき「93日」まで介護休業を認める義務があるが、分割取得を認める義務はない。

 

育児介護休業法の改正後:

企業は従業員の家族1人につき「93日」まで介護休業を認める義務があり、「93日」以内の範囲で「3回」までの分割取得にも対応する必要がある。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第7条2項が、「介護休業の分割取得制度」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「介護休業の分割取得制度への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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3,ポイント2:
介護休暇の半日単位取得制度への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの2つ目は、「介護休暇の半日単位取得制度への対応」です。

まず、「介護休暇とは何か」を確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「介護休暇」とは?

介護休暇とは、従業員の家族が要介護となったときに、その世話をする従業員が、介護休業とは別に、1年間につき原則として「5日」まで休暇を請求することができる制度です。

 

従業員から介護休暇の請求があれば、企業はこれを認めることが義務付けられています。

 

育児介護休業法改正の内容

現行法では、介護休暇は、1日単位で取得することになっており、半日単位での取得を認めることは企業には義務付けられていませんでした。

しかし、育児介護休業法改正により、「半日単位での介護休暇の取得を請求された場合はこれを認めること」が企業に義務付けられました。

整理すると以下の通りです。

 

「介護休暇の半日単位取得制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

企業は従業員に1年間につき原則として5日までの介護休暇を認める義務があるが、1日未満の介護休暇請求を認める義務はない。

 

育児介護休業法の改正後:

企業は従業員に1年間につき原則として5日までの介護休暇を認める義務があり、半日単位での介護休暇請求にも対応する義務がある。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第11条2項が、「介護休暇の半日単位取得制度」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「介護休暇の半日単位取得制度への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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4,ポイント3:
介護のための所定労働時間短縮措置等の制度の拡充への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの3つ目は、「介護のための所定労働時間短縮措置等制度の拡充への対応」です。

まず、「介護のための所定労働時間短縮措置等制度とは何か」を確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」とは?

家族の介護を要する従業員については、先の項目で述べた、「93日以内の介護休業」、「年5日以内の介護休暇」のほかに、企業に「介護のための所定労働時間短縮制度等による配慮」が義務付けられています。

 

具体的には、家族の介護を要する従業員について以下の4つの制度の中からいずれかを選択して、従業員の介護に配慮するための制度を設け、従業員から請求があれば利用させることが義務付けられています。

 

介護のための所定労働時間短縮措置等の制度として、企業が選択できる4つの制度内容

制度1:
所定労働時間を短縮する短時間勤務制度

例えば、定時が午前9時から午後6時までの会社において、家族の介護を要する従業員から申請があれば、午前9時から午後4時までの勤務とするなど短時間勤務を認める制度です。

 

制度2:
フレックスタイム制度

家族の介護を要する従業員があらかじめ決められた時間帯の範囲内で、始業時刻・終業時刻を自由に決定できる制度です。

 

制度3:
所定労働時間を変更することなく、始業・就業時間の繰り上げ・繰り下げる制度

所定労働時間の変更はないが、始業時間・就業時間の繰り上げ・繰り下げを認めて、家族の介護を要する従業員に配慮する制度です。

 

制度4:
介護サービス費用の助成制度

家族の介護を要する従業員が就業中に介護サービスを利用する場合にその費用を会社で負担する制度です。

 

育児介護休業法改正の内容

「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」については、現行法では、従業員が介護休業、介護休暇の制度を利用する日数とあわせて「連続した93日以内の期間+年5日以内の日数」の範囲内で、企業に義務付けられているに過ぎませんでした。

しかし、2017年1月施行の育児介護休業法改正により、「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」については、介護休業、介護休暇の利用日数と無関係に、「3年間、従業員の請求があれば利用を認めなければならない制度」に拡充されました。

具体的には、企業は上記4つの制度のうちいずれかの制度を設け、家族の介護を要する従業員から請求があれば、連続する3年間の間に2回以上利用できる制度とすることが必要です(ただし、制度4の介護サービス費用の助成制度を採用する場合は1回のみ利用できる制度でもよいとされています)。

 

▶参考:「連続する3年間の間に2回以上利用できる制度とすることが必要」という意味について

「連続する3年間の間に2回以上利用できる制度とすることが必要」という意味は、従業員が3年間の間ずっと制度を利用することを認めなければならないだけでなく、3年の間にいったん制度利用をやめた従業員が再度制度利用を再開することも認めなければならないという意味です。

 

整理すると以下の通りです。

 

「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」については、従業員が介護休業、介護休暇の制度を利用する日数とあわせて「連続した93日以内の期間+年5日以内の日数」の範囲内で、企業に義務付けられていた。

 

育児介護休業法の改正後:

「介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」については、介護休業、介護休暇の利用日数と無関係に、従業員の請求があれば、3年間の間、利用を認めなければならない制度に拡充された。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第16条が、「介護のための所定労働時間短縮措置等制度の拡充」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「介護のための所定労働時間短縮措置等制度の拡充への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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5,ポイント4:
介護のための残業免除制度への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの4つ目は、「介護のための残業免除制度への対応」です。

現行法では、家族の介護を要する従業員については、「1)93日以内の介護休業」、「2)年5日以内の介護休暇」、「3)介護のための所定労働時間短縮措置等の制度」などによる配慮が企業に義務付けられていましたが、これらはいずれも日数限定の制度でした。

そして、これらの制度の日数を使い切った場合に、家族の介護を要する従業員について残業をすべて免除する制度は設けられていませんでした。

しかし、平成29年1月施行の育児介護休業法改正により、新たに、家族の介護を要する従業員について、日数限定のない配慮措置として、「残業免除制度の導入」が義務付けられました。

具体的には、家族の介護を要する従業員については、家族の介護が終了するまでの期間、事業者に残業の免除を請求することができ、事業者は請求があれば残業を免除する義務があります。

ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合」には、残業を免除しないことができるとされました。

整理すると以下の通りです。

 

「介護のための残業免除制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

家族の介護を要する従業員について、すべての残業の免除を認める制度はなかった。

 

育児介護休業法の改正後:

企業は家族の介護を要する従業員については、家族の介護が終了するまでの期間、従業員から残業免除の請求があれば残業を免除する義務がある。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第12条1項が、「介護のための残業免除制度」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「介護のための残業免除制度への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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6,ポイント5:
子の看護休暇の半日単位取得制度への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの5つ目は、「子の看護休暇の半日単位取得制度への対応」です。

まず、「子の看護休暇とは何か」を確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「子の看護休暇」とは?

子の看護休暇は、小学校就学前の子を養育する従業員が子の病気やけがの世話のために必要な場合に、1年間に「5日」まで、休暇を申請することができる制度です。

 

企業は従業員から子の看護休暇の申請があれば、休暇を認めることが育児介護休業法により義務付けられています。

 

育児介護休業法改正の内容

現行法では、子の看護休暇は、1日単位で取得することになっており、半日単位での取得を認めることは企業には義務付けられていませんでした。

しかし、育児介護休業法改正により、「半日単位での子の看護休暇の取得を請求された場合はこれを認めること」が企業に義務付けられました。

整理すると以下の通りです。

 

「子の看護休暇の半日単位取得制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

企業は1年において5日まで子の看護休暇を認める義務があるが、1日未満の休暇請求を認める義務はない。

 

育児介護休業法の改正後:

企業は1年において5日まで子の看護休暇を認める義務があり、半日単位での休暇請求にも対応する義務がある。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第10条2項が、「子の看護休暇の半日単位取得制度への対応」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「子の看護休暇の半日単位取得制度への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

7,ポイント6:
マタハラ・パタハラ等防止措置義務付けへの対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの6つ目は、「マタハラ・パタハラ等防止措置義務付けへの対応」です。

まず、「マタハラ・パタハラとは何か」を確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」とは?

「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」とは、職場において女性労働者に対して行われる、上司・同僚からの、妊娠・出産したことあるいは育児休業制度等の利用に関するいやがらせを指します。

 

妊娠を理由に女性従業員に退職を求めたり、育児休業を理由に女性従業員を降格させるなどといったことが典型例です。

 

「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」とは?

「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」とは、職場において男性労働者に対して行われる、上司・同僚からの、育児休業制度等、子の養育に関する制度の利用に関するいやがらせを指します。

 

男性従業員による育児休業取得を拒んだり、育児休業取得を理由に降格させるなどといったことが典型例です。

 

男女雇用機会均等法改正の内容

男女雇用機会均等法が改正され、企業に対して、「職場における妊娠、出産、子の養育に関する制度利用を理由とするハラスメントを防止するために必要な措置をとる義務」が法律上明記されました。

その一環として、厚生労働省の指針により、「就業規則等においてマタハラ・パタハラについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられています。

さらに、育児介護休業法の改正によって、「子の養育又は家族の介護に関する制度利用を理由とするハラスメントを防止するために必要な措置をとる義務」も、法律上明記されました。

その一環として、「就業規則等において子の養育又は家族の介護に関する制度利用を理由とするハラスメントについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられています。

そこで、マタハラ・パタハラ、介護に関する制度利用を理由とするハラスメントが懲戒の対象となることを明確にするための規定を就業規則に新たに設ける必要があります。

男女雇用機会均等法・育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第17条、第18条が、「マタハラ・パタハラ防止措置等義務付けへの対応」についての改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「マタハラ・パタハラ防止措置等義務付けへの対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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8,ポイント7:
育児休業延長制度への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの7つ目は、「育児休業制度への対応」です。

まず、「育児休業」とは何かを確認したうえで、法改正の内容を見ていきましょう。

 

「育児休業」とは?

育児休業とは、従業員に子どもが生まれた場合、その育児をする従業員が、原則として子どもが「1歳」になるまでの間、企業に対して休暇を請求することができる制度です。

従業員が、子どもを保育所に入所させることを希望していたものの、入所させることができなかったなどの事情がある場合には、例外として、育児休業の延長を請求することができます。

 

従業員から育児休業の請求があれば、企業はこれを認めることが義務付けられています。

 

育児介護休業法改正の内容

従来、企業が従業員に対して育児休業を認めることを義務付けられている期間は、最長でも子どもが「1歳6か月」になるまでの期間でした。

しかし、平成29年10月の育児介護休業法改正により、子どもが「1歳6か月」に達した時点で、なお保育所への入所をさせることができないなどの事情がある場合には、「子どもが2歳になるまでの期間、従業員に育児休業を認めること」が企業に義務付けられました。

整理すると以下の通りです。

 

「育児休業延長制度」についての育児介護休業法の改正内容のまとめ

育児介護休業法の改正前:

企業は、子どもの育児をする従業員に対して、子どもが「1歳6か月」に達した後は、育児休業を認める義務はない。

 

育児介護休業法の改正後:

企業は、子どもの育児をする従業員に対して、子どもが「1歳6か月」に達した時点で、なお子どもを保育所に入れられないなどの事情がある場合には、子どもが「2歳」になるまでの期間、育児休業を認める義務がある。

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第2条4項が、「育児休業延長制度」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ここでは、就業規則において「育児休業延長制度への対応」が新たに必要になったということをおさえておきましょう。

 

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9,ポイント8:
育児休業等の制度周知への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの8つ目は、「育児休業等の制度周知への対応」です。

 

育児休業との制度周知についての育児介護休業法改正の内容

平成29年10月の育児介護休業法により、企業に対して、「従業員が妊娠・出産したことを知った場合や、家族を介護していることを知った場合、従業員に対して育児・介護休業等の制度があることを個別に周知する措置をとるように努力しなければならない」ことが法律上明記されました。

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第23条が、「育児休業等の制度周知」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ただし、法律の条文上、「努力しなければならない」という内容になっており、周知しなかったり、就業規則を変更しなかったとしてもペナルティーはありません。

 

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10,ポイント9:
育児目的休暇の導入促進への対応

育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂の9つのポイントの9つ目は、「育児目的休暇の導入促進への対応」です。

 

「育児目的休暇」とは?

育児目的休暇とは、育児休業とは別に、企業が小学校に入学するまでの子どもがいる従業員に対して、育児を目的とした休暇を取得させることを定めた場合に、従業員が育児目的の休暇を請求できる制度です。

 

特に男性の育児参加を促進するために、平成29年10月施行の育児介護休業法の改正によって、新しく設けられました。

もっとも、従業員がどのような場合に育児目的休暇を取得できるかについては、法律上明記はされておらず、制度設計は各企業にまかされています。

 

育児目的休暇の導入促進についての育児介護休業法改正の内容

育児介護休業法が改正され、企業に対して、「育児目的休暇の導入を促進するよう努力しなければならない」ことが法律上明記されました。

その一環として、厚生労働省の指針により、育児目的休暇の具体例として以下の2つの制度が挙げられています。

 

●配偶者の出産に伴い父親も取得することができるいわゆる配偶者出産休暇制度
●入園式、卒園式等の行事参加も含めた育児にも利用できる多目的休暇制度

 

育児介護休業法改正に対応した具体的な就業規則の条項例は、この記事の最後にリンクしている「厚生労働省作成の育児介護休業等の規定の雛形」をご参照ください。

雛形の第25条が、「育児目的休暇の導入促進への対応」についての育児介護休業法の改正に対応する部分です。

ただし、法律の条文上、「努力しなければならない」という内容になっており、育児目的休暇を導入しなかったり、就業規則を変更しなかったとしてもペナルティーはありません。会社の状況に応じて対応していきましょう。

 

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11,まとめ

今回は、2017年1月と10月に施行される育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂のポイントとして以下の9つをご説明しました。

ポイント1:
介護休業の分割取得制度への対応

ポイント2:
介護休暇の半日単位取得制度への対応

ポイント3:
介護のための所定労働時間短縮措置等の制度の拡充への対応

ポイント4:
介護のための残業免除制度への対応

ポイント5:
子の介護休暇の半日単位取得制度への対応

ポイント6:
マタハラ・パタハラ等防止措置義務付けへの対応

ポイント7:
育児休業延長制度への対応

ポイント8:
育児休業等の制度周知への対応

ポイント9:
育児目的休暇の導入促進への対応

 

「ポイント1~9」について、平成29年1月と10月に施行される育児介護休業法・男女雇用機会均等法に対応した育児介護休業規定の雛形は、下記からご参照ください。

 

 

育児、介護が必要な従業員も勤務を続けやすい仕組み作りは、人手不足の情勢の中、ますます重要になってきています。

今回の育児介護休業法・男女雇用機会均等法の改正を踏まえて、育児、介護が必要な従業員に配慮できる仕組み作りに積極的に取り組んでいきましょう。

 

12,咲くやこの花法律事務所なら育児介護休業法に関するご相談について、「こんなサポートができます」

咲くやこの花法律事務所の弁護士ならこんなサポートができます

ここでは、咲くやこの花法律事務所の育児・介護休業法の改正についてのサポート内容をご紹介します。

 

(1)育児・介護休業法に関するご相談
(2)就業規則変更に関するご相談
(3)就業規則変更案の作成

 

以下で順番に見ていきましょう。

 

(1)育児・介護休業法に関するご相談

咲くやこの花法律事務所では、育児・介護休業法についてのご相談を多くの企業からお受けしています。

育児・介護休業法では、今回ご紹介した改正点以外にも、さまざまな制度を設けることが企業に義務付けられているうえ、実際に従業員が産休や育休取得の申請した場合には、社会保険の免除や給付金の支給など、さまざまな国の特例制度が設けられています。そのため、これらの諸制度への対応も必要となってきます。

「咲くやこの花法律事務所」では、育児・介護休業法で規定された事項はもちろんのこと、これらに伴う国の特例制度も踏まえたうえで、育児・介護休業法関係に強い弁護士にご相談をいただくことができます。

 

▶参考:育児・介護休業法関係に強い弁護士による「従業員の産休・育休の際に会社が行う手続のまとめ」について詳しくはこちらをご覧下さい。

 

(2)就業規則変更に関するご相談

平成29年の育児・介護休業法の改正で、育児休業や介護休業に関する就業規則について、改正法に対応した変更が必要になりました。

改正法に対応できていない場合は、労働局から指導を受けたり、最悪の場合従業員から裁判を起こされるおそれがあります。

咲くやこの花法律事務所では、このような育児・介護休業法の改正を踏まえて、改正法により変更が必要になる就業規則について、育児・介護休業法に強い弁護士の視点で変更案を精査し、企業の実態に即した就業規則案の修正をするなどのサポートを行っております。

 

 

(3)就業規則変更案の作成

「咲くやこの花法律事務所」では、最新の改正法や過去の裁判対応の経験も生かして作り上げた、独自の「就業規則のひな形」を用意しています。

このひな形をベースに、就業規則の作成経験豊富な弁護士が相談者の会社の実情をヒアリングして、相談者の個別の事情も十分反映させた、実際のトラブルの現場で機能する就業規則の変更案を作り上げることが可能です。

 

今回の改正に伴い、「育児介護休業法・男女雇用機会均等法」等に対応するための不安点、その他就業規則についてのご相談がございましたら、労務に強い弁護士がそろう、咲くやこの花法律事務所に早めにご相談下さい。

 

13,労務管理に強い「咲くやこの花法律事務所」の弁護士へのお問い合わせ

労務に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。咲くやこの花法律事務所の労務管理や労働問題に強い弁護士によるサポート内容については「労働問題に強い弁護士のサポート内容」のページをご覧下さい。

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15,就業規則に関連する他のお役立ち情報

今回は、「2017年1月と10月に施行される育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂のポイント」についてご説明いたしました。

その他にも「就業規則」に関連するその他のお役立ち情報についてもご紹介しておきますので、合わせてご確認しておきましょう。

「就業規則の作成」について詳しくはこちらをご覧下さい。

「就業規則の意見書取得手続き」について詳しくはこちらをご覧下さい。

 

また今回のように育児介護休業法・男女雇用機会均等法改正に伴う就業規則改訂などは、「労働問題に強い弁護士」に相談するのはもちろん、普段から自社の労働環境や労務管理の整備を行っておくために「労働問題や労務管理に強い顧問弁護士」にすぐに相談できる体制にもしておきましょう。

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記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2017年9月5日

 

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    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:416ページ
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