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無期転換ルールとは?わかりやすい解説まとめ

無期転換ルールとは?わかりやすい解説まとめ
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
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    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。

有期雇用の契約社員やパート社員、嘱託社員を雇用しているすべての企業で、無期転換ルールへの対応が必要です。

無期転換ルールとは、雇用契約が更新されて通算の契約期間が5年を超えた有期雇用の従業員から申込みがあれば、事業者は期間限定なしの雇用契約への転換を強制されるというルールです。平成25年4月施行の労働契約法改正で導入されました。
なにも対策をしないと、以下のような問題が生じます。

 

  • 就業状況に問題のある契約社員、有期雇用のパート社員との雇用契約も、申込みがあれば強制的に無期限の雇用契約に変更される。
  • 定年後に再雇用した嘱託社員との雇用契約も、申込みがあれば強制的に無期限の雇用契約に変更される。
  • 無期限の雇用契約に転換した契約社員や嘱託社員については定年がなくなる。
  • 無期転換した契約社員の労働条件と正社員の労働条件に不均衡が生じる。

 

そのため、有期雇用の契約社員やパート社員、嘱託社員を雇用している企業は、無期転換ルールの制度内容を理解した上で、自社に必要な正しい対策を行っておく必要があるのです。

今回の記事では、無期転換ルールへの具体的な対応方法を、自社でもできるように、わかりやすく解説しています。必ず確認し、対応しておきましょう。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

無期転換ルールの適用をめぐるトラブルが増えています。トラブルを回避するためには、事前の弁護士への確認、雇用契約書や就業規則の整備が必須です。咲くやこの花法律事務所でも、事業者側の立場から、トラブル予防のための整備のご相談や、トラブル発生の際の解決のご相談をお受けしていますので、お困りの際はご相談ください。

▶参考情報:無期転換ルールについての咲くやこの花法律事務所のサポート内容はこちらをご覧ください。

 

▼【関連動画】西川弁護士が「無期転換ルールとは?メリット・デメリットを弁護士が解説」や「無期転換ルールとは?メリット・デメリットを弁護士が解説」を詳しく解説中!

 

 

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1,無期転換ルールとは?

無期転換ルールとは?

無期転換ルールとは、同じ使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて、通算の契約期間が5年を超えた場合、労働者に無期労働契約への転換を申し込む権利が発生し、使用者は拒むことができないというルールです。労働契約法18条に根拠規定があります。この規定により、平成30年4月以降、多くの有期雇用労働者に無期転換申込権が発生しています。

無期転換ルールについての企業側の対応方針としては、「希望者全員を無期転換させる方針」、「全員について無期転換を回避する方針」、「正社員登用制度等により無期転換する有期雇用労働者を選別する方針」などがあります。自社の方針を決めたうえで、それに向けて必要な就業規則の整備や雇用契約書の整備に取り組むことが重要になります。

以下では、まず、「無期転換ルールの内容」、「無期転換ルールの条件」、「無期転換ルールがリセットされる条件」、「無期転換ルールの対策をしなければ生じる問題点は何か」についてご説明します。

 

(1)無期転換ルールの内容

無期転換ルールは、使用者と有期労働契約を締結している労働者に適用される制度です。有期労働契約とは、1年契約、2年契約などというように、期間を定めて雇用する契約をいいます。正社員のように定年までの雇用ではなく、期間を定めた雇用であることが特徴です。

企業で「契約社員」として雇用される従業員や、定年後に「嘱託社員」として雇用される従業員は、その雇用契約が有期労働契約になっていることがほとんどです。また、「パート」や「アルバイト」の名称で雇用される従業員についても、その雇用契約が有期労働契約となっていることが多いでしょう。

無期転換ルールは、このような有期労働契約により雇用されている従業員の雇用契約が更新され、契約期間が通算で5年を超えた場合に、その従業員から申込みがあれば、使用者(企業)はその従業員との雇用契約を期間限定なしの雇用契約に転換することを強制されるというルールです。

このルールは、有期労働契約により雇用されている従業員に期間限定なしの雇用契約への転換を申し込む権利を与えるものであり、この権利は、「無期転換権」とか「無期転換申込権」と呼ばれています。

 

(2)無期転換ルールの条件は?

無期転換ルールは以下の条件をみたす場合に適用されます。

 

  • 有期労働契約で雇用される従業員の契約が1回以上更新されたこと
  • 通算の契約期間が5年を超えたこと
  • 従業員が有期雇用の期間が満了する日までに無期転換の申込みをしたこと

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

誤解しやすいポイントの1つが、「通算の契約期間が5年を超えたこと」という部分です。これは、実際に雇用されて就業した期間が5年を超える必要があるわけではありません。例えば最初に3年の有期雇用契約により雇用された契約社員が更新により再度3年の有期雇用契約を締結した場合、その更新のタイミングですでに通算の契約期間が5年を超えるため、更新したのと同時に無期転換申込権が発生します。

 

▶参考:契約期間が3年の場合

3年の有期雇用契約により雇用された契約社員の場合の無期転換申込権の発生について

・参照元:厚生労働省「無期転換ルールについて」より

 

(3)無期転換のルールでリセットされるのは?

上記の「5年」のカウントにあたっては、有期雇用契約の終了から次の有期雇用契約までの空白期間が6か月以上続いたときは通算がリセットされるという「クーリング期間」の制度が設けられています(労働契約法18条2項)。

 

(4)無期転換ルールを定めた条文

無期転換ルールを定めた労働契約法18条の内容は以下の通りです。やや読みにくい条文ですが、1項で無期転換申込権の発生要件と行使した場合の効果を定め、2項でクーリング期間の制度を定めています。

 

▶参考情報:労働契約法18条の条文

(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。
2 当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。

・参照:「労働契約法」の条文はこちら

 

(5)無期転換ルールの対策をしなければ生じる問題点は何か?

では、仮に契約社員や嘱託社員の無期転換ルールについて企業が何も対策しなければ、どのような問題が生じるのでしょうか?

これについては、主に以下の4つの問題があります。

 

問題点1:能力や協調性の点で問題のある契約社員からの無期転換も強制される

企業は通算の契約期間が5年を超えた契約社員から、無期転換の申込みがあれば、応じる義務を負います。そのため、能力や協調性の点で問題のある契約社員についても、通算の契約期間が5年を超えれば無期転換を強制されることになります。

 

問題点2:定年後に再雇用した嘱託社員についても無期転換を強制される

定年後に従業員を嘱託社員として再雇用する制度を導入している会社では、嘱託社員を1年契約などの有期雇用にしているケースも多いと思います。この場合は嘱託社員にも無期転換ルールが適用されます。その結果、例えば定年後再雇用した65歳の嘱託社員に無期転換権を行使されれば、65歳から無期限の雇用契約が成立することになります。

 

問題点3:無期転換した契約社員については定年がなくなる

契約社員が無期転換した後は、特に対策をしなければ、契約社員のときと同じ労働条件で無期限の雇用契約が成立します。
そのため、無期転換した契約社員については、定年がなくなってしまいます。

 

問題点4:もともと転勤がない契約社員については、無期転換後も「転勤なし」になり、正社員との不均衡が発生する

前述のとおり、契約社員が無期転換した後は、特に対策をしなければ、契約社員のときの同じ労働条件で無期限の雇用契約が成立します(労働契約法18条1項第2文)。

例えば、正社員については転勤があるが契約社員については転勤がないという会社の場合、契約社員が無期転換した場合には契約社員のときと同じ転勤がないままの条件で雇用契約が成立します。その結果、「雇用契約は無期だが転勤はない」という雇用契約になり、転勤がある正社員との不均衡が発生します。

 

以上、「無期転換ルールの内容」、「対策をしなければ生じる問題点」についてご説明しました。

 

2,労働者側から見た無期転換のメリット・デメリット

無期転換申込は労働者の権利であり、これを行使するかどうかは労働者の自由です。ここでは、事業者側の対応を考える前に、まず、労働者側から見た無期転換のメリットとデメリットについて確認しておきたいと思います。

 

(1)雇い止めの心配がなくなる点がメリット

労働者側から見た無期転換権行使のメリットとしては、「雇い止めの心配がなくなる」という点があげられるでしょう。契約期間の満了のタイミングで、事業者側が契約を更新しないことにより雇用を終了することを「雇い止め」と言いますが、この雇い止めの心配がなくなります。

無期転換申込後に事業者側が一方的に雇用を終了することは、雇い止めではなく、解雇にあたります。解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は無効となり、不当解雇の問題になります(労働契約法16条)。

 

▶参考情報:解雇や不当解雇については詳しくは以下をご参照ください。

解雇とは?わかりやすく弁護士が徹底解説【まとめ】

不当解雇とは?正当な解雇との違いを事例付きで弁護士が解説

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

厚生労働省は通達において、「無期労働契約に転換した後における解雇については、個々の事情により判断されるものであるが、一般的には、勤務地や職務が限定されている等労働条件や雇用管理がいわゆる正社員と大きく異なるような労働者については、こうした限定等の事情がない、いわゆる正社員と当然には同列に扱われることにならないと解される」としています(平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」)。

▶参考情報:厚生労働省 平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」(pdf)

 

(2)労働条件の変更がデメリットになることもある

無期転換後の労働条件については、原則として無期転換前の労働条件と同じであるものの、「別段の定め」がある場合は、その定めによるとされています(労働契約法18条1項)。従って、事業者は「別段の定め」を設けることにより、無期転換した従業員について、始業時刻や終業時刻を変更すること、転勤に応じることを義務付けること、不合理にならない範囲で賃金を減額することなどが可能です。その結果、無期転換しないほうがよかったということは十分あり得ることですので、無期転換権を行使する場合は無期転換後の労働条件を十分に確認することが必要になります。

また、これは必ずしもデメリットではありませんが、無期転換したからといって、正社員と同じ待遇になるとは限らないことにも注意する必要があります。無期転換後の労働条件については、「別段の定め」がない限り、無期転換前の労働条件と同じとされているためです。例えば、正社員には賞与が支給されるが契約社員には賞与が支給されていない会社において、契約社員が無期転換したからといって、当然に正社員と同様に賞与が支給されることにはなりません。

 

▶参考情報:無期転換申込権行使のメリット、デメリットについては以下で解説していますのでご参照ください。

無期転換ルールのメリットとデメリットとは?労使双方の視点から解説

 

3,無期転換申込権の通知義務(明示義務)について

令和6年4月施行の労働基準法施行規則改正により、事業者は、無期転換権が発生することになる有期労働契約を締結する際に、「無期転換申込機会の明示」と「無期転換後の労働条件の明示」が義務づけられることになりました(労働基準法施行規則5条5項)。

以下でこの点について解説します。

 

(1)明示義務の内容

まず、明示義務の内容は、以下の2つです。

 

1.無期転換申込機会の明示

無期転換の申込みができることを明示することが義務付けられます。

 

2.無期転換後の労働条件

無期転換後の労働条件について、以下の点を明示することが義務付けられます。

 

ア)必ず明示しなければならない項目
  • 労働契約の期間に関する事項
  • 就業の場所、従事すべき業務に関する事項、就業の場所や従事すべき業務の変更の範囲
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、シフト制を採用する場合は就業時転換に関する事項
  • 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切、支払の時期、昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

イ)項目について定めをする場合にのみ明示が義務付けられる項目
  • 退職金の定めが適用される労働者の範囲、退職金の決定、計算及び支払の方法並びに退職金の支払の時期に関する事項
  • 臨時に支払われる賃金、賞与、1か月を超える期間の出勤成績によつて支給される精勤手当、1か月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当、1か月を超える期間にわたる事由によつて算定される奨励加給又は能率手当、最低賃金額に関する事項
  • 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
  • 安全及び衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰及び制裁(懲戒)に関する事項

 

▶参考情報:無期転換申込権に関する明示義務については、厚生労働省の以下のリーフレットも参照してください。

厚生労働省リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」(pdf)

 

(2)明示が義務付けられる場面

上記でご説明した「無期転換申込機会の明示」と「無期転換後の労働条件の明示」は、「無期転換申込権」が発生する雇用契約更新のタイミングごとに義務づけられています。

例えば、雇用期間が1年の場合、契約を5回更新すると、雇用期間が通算5年を超えて無期転換申込権が発生します。そのため、5回目の更新時に明示が必要になります。そして、その後も、無期転換申込権の行使がないまま、有期労働契約を更新する場合は、更新のたびに、明示が必要になります。

 

(3)実際の対応方法

更新の際の労働条件通知書または雇用契約書で上記の明示義務に対応することが通常です。また、無期転換社員に適用される就業規則において、上記「(1)明示義務の内容」でご説明した各項目を定めたうえで、その就業規則の写しを交付することによって、明示義務を果たすことも可能です(厚生労働省のモデル労働条件通知書の記載要領参照)。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

「無期転換後の労働条件」の明示については、無期転換後も、無期転換前と比較して労働条件の変更がない場合には、変更がないことを記載すれば足ります。これに対して、無期転換に伴い賃金や就業時間、業務内容等を変更したり、配転の範囲を変更するなど、労働条件を変更する場合は、これらの項目について個別に明示することが必要になります。その場合、無期転換後の労働条件を定めた就業規則の写しを交付することが最も簡単な対応ですが、無期転換に伴い変更がある部分について個別にその変更内容を明示し、変更がない項目は変更なしと明示するといった対応も可能でしょう。

 

(4)明示義務はいつから

上記の明示義務は令和6年4月以降の有期雇用契約の更新から対応が必要です。

 

(5)明示の義務化により予想される影響

無期転換ルールは平成25年に導入された制度ではあるものの、現状では、通算の契約期間が5年を超えても無期転換申込権を行使しない有期雇用社員が少なくありません。その理由の大きな部分が、無期転換ルールについて労働者における認知度が低いことにあると言われてきました。令和6年4月以降、明示が義務化されることにより、認知度が高まり、無期転換申込権を行使する有期雇用社員が増えることが予想されます。

 

4,契約社員の無期転換ルール対応のポイント

それでは、以下で具体的に無期転換ルール対応のポイントをご説明していきたいと思います。無期転換ルールは、契約社員、嘱託社員、パート社員等の名称にかかわらず有期雇用の従業員全員に適用されますが、ここでは、契約社員についての対応を解説したいと思います。

契約社員の無期転換ルール対応のポイントとしておさえておきたいのは、以下の4つです。

 

  • ポイント1:基本方針を決める
  • ポイント2:希望者全員を無期転換させる方針の場合には就業規則の整備が必要
  • ポイント3:全員について無期転換を回避する方針の場合には雇用契約書や労働条件通知書の整備が必要
  • ポイント4:正社員登用制度等により選別する方針を採用する場合は就業規則や雇用契約書の整備が必要

 

以下で順番に見ていきましょう。

 

ポイント1:基本方針を決める

無期転換ルール対応のポイントの1つ目として、まず、「無期転換ルールについての自社の対応の基本方針を決めること」が必要です。

具体的には以下のいずれの方針をとるかを決める必要があります。

 

  • 1,希望者全員を無期転換させる方針
  • 2,全員について無期転換を回避する方針
  • 3,正社員登用制度等により選別する方針

 

以下で順番にそれぞれの方針の内容や、メリット、デメリットについて見ていきましょう。

 

1.希望者全員を無期転換させる方針を採用する場合について

これは、通算の雇用契約の期間が5年を超える契約社員について、希望者全員の無期転換に応じる方針を採用するケースです。このような契約社員は十分会社になじみ、会社の貴重な人材となっているケースも多いと思います。そうであれば、人手不足の昨今の状況も考えると、希望者全員を無期転換させる方針をとる企業は多いと思われます。

この希望者全員を無期転換させる方針のメリットとデメリットは以下の通りです。

 

●メリット:

希望する契約社員全員の無期転換を認めることで、安心して働ける職場にすることができ、契約社員の離職者を減らして、従業員数を確保することができる点がメリットです。

 

●デメリット:

契約社員の多くが無期転換することで、従業員の中で有期雇用者の占める割合が徐々に減っていきます。そのため、有期雇用社員活用による雇用調整機能(事業低迷時に有期雇用社員を雇い止めすることにより人件費を減らして企業を維持することができるという機能)が失われる点がデメリットです。また、問題のある契約社員も含めて、希望者全員が無期限の雇用契約になることもデメリットとしてあげられます。

 

2,全員について無期転換を回避する方針を採用する場合について

この方針は、契約社員に無期転換申込権が発生する前に雇止めすることで、契約社員からの無期転換を避ける方針です。平成25年4月1日以後に開始する有期雇用契約からカウントして雇用契約の期間が通算で5年を超えると、無期転換申込権が発生します。その前の契約更新のタイミングで契約社員を雇い止めし、やめさせてしまうということになります。

この方針のメリットとデメリットは以下の通りです。

 

●メリット:

契約社員を無期転換しないことにより、企業内の有期雇用社員の比率を維持することができ、有期雇用社員活用による雇用調整機能(事業低迷時に有期雇用社員を雇い止めすることにより人件費を減らして企業を維持することができるという機能)を維持することができます。

 

●デメリット:

すべての契約社員について5年を超える前に雇止めすることになり、有能な契約社員も離職させてしまうことになります。

 

3,正社員登用制度等により選別する選択的無期転換方針

この方針は、正社員登用制度等を設け、「正社員に登用する契約社員」と、「無期転換の前に雇い止めする契約社員」を一定の基準で選別するケースです。

この方針のメリット、デメリットは以下の通りです。

 

●メリット:

有能な契約社員についてのみ、正社員登用して雇用を継続することができます。

 

●デメリット:

契約社員の選別が必要になり、選別の基準づくりが必要になります。また、契約社員を正社員登用する人としない人にわけることになり、正社員に登用されなかった契約社員との間で紛争になることが考えられます。

 

以上のメリット、デメリットを踏まえて、無期転換ルールに対する自社の対応の基本方針を決めることがまず最初に必要なポイントです。

 

ポイント2:希望者全員を無期転換させる方針の場合には就業規則の整備が必要

では、続いて、それぞれの方針を採用した場合にどのような対応が必要になるかを見ていきましょう。

まず、希望者全員を無期転換させる方針を採用した場合は、「就業規則の整備」が必要になります。整備が必要となる箇所は現在の就業規則の内容によっても異なりますが、多くの企業において共通して必要なポイントは以下の点です。

 

  • 1,無期転換社員に適用される就業規則を明確にすることが必要
  • 2,就業規則の転勤条項・配置転換条項の確認が必要
  • 3,就業規則の定年に関する規定の整備が必要

 

以下で順番に内容を確認していきましょう。

 

1,無期転換社員に適用される就業規則を明確にすることが必要

まず、無期転換社員(契約社員から無期転換した従業員)にどの就業規則を適用するかを明確にする必要があります。これについては、フルタイムの契約社員から無期転換した従業員(フルタイムの無期転換社員)と有期雇用のパート社員から無期転換した従業員(パートタイムの無期転換社員)にわけてご説明します。

 

(1)フルタイムの契約社員から無期転換した従業員(フルタイムの無期転換社員)について

フルタイムの無期転換社員については、以下の3つの選択肢が考えられます。

 

  • 正社員就業規則を適用する
  • 無期転換社員用に独自の就業規則を作成する
  • 契約社員用の就業規則を引き続き適用する

 

ア:正社員就業規則を適用する場合

無期転換された従業員は、無期転換後も、雇用期間の点を除いて無期転換前と同じ労働条件となることが原則です(労働契約法18条1項第2文)。無期転換されたからといって、自動的に正社員就業規則が適用されるわけではありません。そのため、無期転換社員について正社員就業規則を適用することにする場合は、就業規則において、無期転換社員についても正社員就業規則が適用されることを明記することが必要です。

 

▶参考情報:なお、正社員就業規則の全般的な解説は以下をご参照ください。

就業規則とは?義務や作成方法・注意点などを弁護士が解説

 

イ:無期転換社員用に独自の就業規則を作成する場合

正社員就業規則の中に、賞与や退職金の制度が設けられており、無期転換社員には賞与や退職金の支払いを予定していない場合は、無期転換社員に正社員就業規則を適用することができません。このような場合は、無期転換社員についてあらたに独自の就業規則を作ることが検討に値します。

 

ウ: 契約社員用の就業規則を引き続き適用する場合

無期転換された従業員は、無期転換後も、雇用期間の点を除いて無期転換前と同じ労働条件となることが原則です(労働契約法18条1項第2文)。この原則どおりに対応し、契約社員用の就業規則を無期転換後も適用するという方法もあります。

大阪地方裁判所判決令和2年11月25日(ハマキョウレックス無期転換事件)は、会社が契約社員就業規則に無期転換後の労働条件は契約期間の点を除き契約社員就業規則による旨の規定を追記し、無期転換社員に契約社員就業規則を適用したことが争われた事案です。無期転換社員は、無期転換後も本則の就業規則が適用されず、正社員との賃金差額が生じていることは不当であるとして、訴訟を提起しましたが、裁判所は無期転換社員を敗訴させています。

この裁判例の事案のように、無期転換社員について無期転換社員専用の規則を作成せず、契約社員就業規則に、無期転換後も契約期間の点を除き契約社員就業規則が適用される旨を追記することで対応することも検討に値します。(▶参考情報:「大阪地方裁判所判決令和2年11月25日(ハマキョウレックス無期転換事件)」の判決内容はこちら

 

(2)有期雇用のパート社員から無期転換された従業員(パートタイムの無期転換社員)について

有期雇用のパートタイム社員から無期転換された従業員については、無期転換後もパートタイムでの勤務になることが通常でしょう。

その場合、以下の2つの選択肢が考えられます。

 

  • 無期転換パート社員用に独自の就業規則を作成する
  • パート社員用就業規則を引き続き適用する

 

ア:無期転換パート社員用に独自の就業規則を作成する場合

無期転換前は、パート社員について転勤や配置転換(部署異動)がない前提で雇用している場合も、無期転換後は、転勤や配置転換(部署異動)が必要になることもあるでしょう。このように、無期転換により雇用契約の期間の点以外にも、労働条件が変更される場合は、無期転換パート社員用に独自の就業規則を作成することが考えられます。

 

イ:パート社員用就業規則を引き続き適用する場合

無期転換された従業員は、無期転換後も、雇用期間の点を除いて無期転換前と同じ労働条件となることが原則です(労働契約法18条1項第2文)。この原則どおりに対応し、パート社員用の就業規則を無期転換後も適用する方法です。この場合、無期転換後に適用される就業規則を明確にするためにも、パート社員用就業規則に、有期雇用のパート社員から無期転換した従業員にもパート社員用就業規則を適用することを明記することが適切です。

 

▶参考情報:パート社員用就業規則についての全般的な解説は以下をご参照ください。

パート・アルバイトの就業規則の重要ポイントと注意点【雛形あり】

 

2,就業規則の転勤条項・配置転換条項の確認が必要

契約社員については転勤や配置転換(部署異動)がなかったが、無期転換後は正社員と同様に転勤や配置転換に応じてもらいたいという場合もあると思います。無期転換後は長期の雇用を想定する必要がありますので、就業場所や業務内容の変更の必要が生じる場合も多いでしょう。

その場合は、無期転換社員に適用されることとなる就業規則に「就業場所の変更や従事すべき業務の変更を命じられた場合は応じなければならない」という条項が入っているかを確認しておく必要があります。

 

3,就業規則の定年に関する規定の整備が必要

契約社員や有期雇用のパート社員については定年の規定をおいてない例があります。しかし、無期転換後は定年の規定を整備する必要が出てきます。また、無期転換後に適用する就業規則にすでに定年の規定が置かれている場合も、契約社員やパート社員から無期転換してくる社員の中には、無期転換された時点で、定年をすでに超えているというケースも考えられます。

そこで、このようなケースも想定して、「65歳を超えて無期転換した無期転換社員については、70歳を定年とする」などというように、無期転換社員の定年を、無期転換社員に適用される就業規則に明記しておく必要があります。

 

以上、無期転換の希望があった契約社員全員について無期転換に応じる方針を採用する場合は、このような就業規則の整備が必須になります。

例えば、フルタイムの契約社員から無期転換した従業員(フルタイムの無期転換社員)について正社員就業規則を適用する場合の、「就業規則の変更例(規定例)」としては、以下の内容を参考にしてください。

 

▶参考:フルタイムの無期転換社員について正社員就業規則を適用する場合の就業規則の規定例

第●条(契約社員の無期転換)

1 複数回の有期労働契約(平成25年4月以降の有期雇用契約に限る)の通算の契約期間が5年を超える従業員が、期間の定めのない労働契約の締結を希望したときは、会社はこれを承諾し、現に締結している有期雇用契約の期間満了日の翌日から当該従業員に本規則を適用する。
2 満65歳以上の従業員が、前項の適用により、会社と期間の定めのない労働契約を締結したときは、当該従業員の定年は満70歳に達する月の翌月の末日とする。

 

上記の例のように、就業規則の変更、改訂が必要になりますので、必ず対応しておきましょう。

 

▶参考情報:就業規則の変更届の方法については、以下の記事で解説しておりますのであわせて参照してください。

「就業規則の変更届の方法について」はこちらをご覧ください。

 

ポイント3:全員について無期転換を回避する方針の場合には雇用契約書や労働条件通知書の整備が必要

次に、契約社員全員について無期転換に応じない方針(転換回避方針)を採用する場合は、「雇用契約書や労働条件通知書の整備」が必要になります。具体的には、契約社員との雇用契約書を締結したり、労働条件通知書を交付する際に、「通算で5年を超えて雇用契約を更新しないこと」を明記することが必要です。

これは、契約社員について、5年を超えて繰り返し更新すると、無期転換権が発生してしまうので、転換を回避する方針をとる場合、雇用契約の通算期間が5年を超える前に、契約社員を雇い止めすることが必要になるためです。

この点に関しては、令和6年4月に施行される労働基準法施行規則改正への対応も必要になります。この改正により、有期契約の通算の契約期間または更新回数に上限を設ける場合は、従業員の採用時と契約更新時に、その上限を書面で明示することが義務付けられましたので注意してください(労働基準法施行規則5条1項1号の2)。

 

▶参考:転換回避方針の場合の雇用契約書・労働条件通知書の規定例

第●条(契約の更新)

1 本契約は甲乙協議の上、更新する場合がある。ただし、通算の雇用期間の上限を5年とし、更新により、平成25年4月以降に開始する雇用契約による通算の雇用期間が5年を超えることになる場合は、以後の更新は行わない。
2 更新の可否については、従業員の勤務成績、会社の経営状況、契約期間満了時の業務量により従業員ごとに個別に判断する。
甲乙双方が更新を希望するときは、契約期間満了の1か月前から更新後の労働条件について協議する。

 

このように契約社員用雇用契約書、労働条件通知書の変更、改訂が必要になりますので、必ず対応しておきましょう。

 

▶参考情報:なお、契約社員の雇用契約書の作成する際のおさえておくべきポイントの詳細については、以下の記事で詳しくご説明していますので、あわせて参照してください。

【雛形あり】契約社員の雇用契約書を作成する際に必ずおさえておきたいルール

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

雇用済みの契約社員については、上記のように契約書で更新について上限設定を設けても、上限設定を設ける以前の段階ですでに雇用契約の更新について期待権が生じていたと判断されて、上限に達した段階での雇止めが無効とされるケースがあることに注意が必要です。

例えば、博報堂事件(福岡地方裁判所令和2年3月17日判決)は、雇用契約で更新期間に上限を設ける以前の段階ですでに雇用の更新について期待権が生じていたとして、雇止めを無効としています。このような問題を回避するためにも、更新の上限は最初の契約の段階で明示することが重要です。

また、この点に関連して、令和5年3月30日厚生労働省告示第114号(いわゆる「雇止め告示」)第1条が、有期労働契約の締結後、その変更や更新の際に、更新の上限を設ける場合に、労働者に対してあらかじめその理由を説明することを使用者に義務付けていることにも留意してください。(▶参考情報:令和5年3月30日厚生労働省告示第114号(pdf)

 

ポイント4:正社員登用制度等により選別する方針を採用する場合は就業規則や雇用契約書の整備が必要

最後に、正社員登用する契約社員と、無期転換申込権が発生する前に雇止めする契約社員を一定の基準で選別する方針の場合の注意点をご説明しておきたいと思います。

この場合は、以下の3点をおさえておきましょう。

 

1,正社員登用する従業員の選別について

正社員登用する従業員あるいは正社員登用しない従業員の選別は、その従業員に無期転換申込権が発生するまでに行う必要があります。つまり、有期雇用契約の通算契約期間が5年を超えないうちに行う必要があります。

たとえば、有期雇用が通算3年になったら正社員登用の審査をし、正社員に登用されない者は雇止めするなどの正社員登用制度を設けることが考えられます。この選別の時期が遅れてしまい、既に無期転換申込権が発生している場合、正社員登用しないと決めた従業員から無期転換申込権を行使されれば無期転換に応じなければならなくなるため、留意してください。

 

2,正社員登用制度について就業規則の整備が必要

正社員登用制度等により選別する方針を採用する場合、登用制度について就業規則等に規定を整備しておくことが適切でしょう。特に、正社員登用されなかった契約社員については雇用を終了するという方針を採る場合、これは「退職に関する事項」に該当し、就業規則に必ず記載しなければならない記載事項にあたります(労働基準法89条3号)。

 

▶参考情報:就業規則の記載事項についての解説は以下もご参照ください。

就業規則の記載事項をわかりやすく解説

 

正社員登用の基準や時期、正社員登用されなかった場合の処遇等を定めておくことは、正社員登用されなかった契約社員との紛争防止にも役立ちます。

 

3,雇用契約書や労働条件通知書等の整備が必要

正社員登用制度等により選別する方針を採用する場合も、雇用契約書や労働条件通知書の整備が必要です。たとえば、有期雇用が通算3年になったら正社員登用の審査をし、正社員に登用されない者は雇止めするなどの正社員登用制度を設ける場合、その内容や有期雇用は3年が更新上限となり正社員登用されない場合は雇用終了となることなどを雇用契約書や労働条件通知書に定める必要があります。

 

以上、有能な契約社員のみ正社員登用するなど、正社員登用制度等により選別する方針を採用する場合のポイントについておさえておきましょう。

 

5,無期転換した場合の定年や年齢上限

では、無期転換した従業員の定年はどのようになるのでしょうか?

この点については、無期転換した従業員に適用される就業規則が整備されていなかったり、あるいは無期転換した従業員に適用される就業規則があっても定年の規定がない場合は、定年のない年齢上限なしの雇用契約になります。

一方、無期転換した従業員に適用される就業規則があり、定年の規定が設けられている場合は、それが適用されることになります。ただし、その場合も、定年を超えて無期転換した従業員には定年の規定を適用できなくなることに注意が必要です。このような問題を防ぐためには、「第二定年」を整備するなどの方法があります。

 

▶参考情報:就業規則に無期転換後の定年や第二定年を設ける場合の注意点については、以下の記事で解説していますのでご参照ください。

無期転換ルールで定年はどうなる?必要な対策や注意点を解説

 

6,企業が無期転換を拒否できる場合

有期雇用社員が適法に無期転換申込権を行使した場合、企業は、その申込みを承諾したとみなされます(労働契約法18条1項)。つまり、企業は無期転換を拒否できません。

ただし、有期雇用社員による無期転換申込が法の要件を満たさないとして、無期転換を拒否できる場合として以下の例があります。

 

(1)有期雇用社員が雇用終了後に無期転換申込みした場合

従業員の無期転換申込の要件として、「従業員が有期雇用の期間が満了する日までに無期転換の申込みをしたこと」が必要です。この点は、労働契約法18条1項でも「現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に~」として定められています。そのため、いったん有期雇用が有効に終了した従業員が、その後、無期転換申込をしたとしても、要件をみたさず、企業は無期転換を拒否することができます。

 

(2)無期転換ルールの特例に該当する場合

大学などにおいて、一定の要件を満たす研究者、教員等について任期を定めた場合、無期転換申込権が発生するためには、通常の5年ではなく、10年を要するという特例が設けられています(科技イノベ法15条の2、大学教員任期法7条)。また、適切な雇用管理に関する計画を作成して都道府県労働局長の認定を受けている企業においては、60歳以上の継続雇用の高齢者、年収1075万円以上の高度専門職について、無期転換ルールの特例が認められています(有期雇用特別措置法8条)。

このような特例により、通算5年の有期雇用契約があっても無期転換申込権が成立しないことがあり、その場合は、企業は無期転換を拒否できることになります。これらの点については、「8,無期転換ルールの特例(60歳以上の特例、10年特例など)」で後述します。

 

(3)クーリング期間がある場合

無期転換申込権の発生は、有期雇用契約による通算契約期間が5年を超えることが要件となりますが、この「5年」の算定にあたっては、有期雇用契約の終了から次の有期雇用契約までの空白期間が6か月以上続いたときは通算がリセットされるという「クーリング期間」の制度が設けられています(労働契約法18条2項)。そのため、有期雇用が途中で中断しており、このクーリング期間にあたることによって、通算契約期間がリセットされて、5年に達していない場合は、企業は無期転換を拒否できることになります。

なお、クーリング期間に該当するためには、前述の通り、空白期間が6か月以上続くことが必要であることが原則ですが、例外として、空白期間の前の雇用契約が通算1年未満の場合は、クーリング期間は以下の通りとなります。

 

▶参考:【例外】空白期間の前の雇用契約が通算1年未満の場合のクーリング期間一覧表

空白期間の前の雇用契約の通算期間 クーリング期間
2か月以下 1か月
2か月超~4か月以下 2か月
4か月超~6か月以下 3か月
6か月超~8か月以下 4か月
8か月超~10か月以下 5か月
10か月超 6か月

 

7,無期転換ルールに関連した雇止めについて

無期転換ルールは平成25年4月施行の労働契約法改正で導入されたルールです。この導入の当初から、導入により、無期転換を回避するための雇止めが増えるのではないかという指摘がされていました。厚生労働省は「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」において、「無期転換ルールの適用を意図的に避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。」としています。

そして、無期転換ルールが導入されてから5年が経過した平成30年4月以降、企業が通算5年になる前に有期雇用社員を雇止めして、従業員が訴訟で雇止めの効力を争う例が出始めています。

これらの裁判例を見ると、当初から5年を超えて雇用を更新しないことを明示したうえで有期雇用を開始したケースでは雇止めが有効とされている例がある一方、5年を超えて雇用を更新しないというルールを途中で設けた場合や、そのような更新上限のルールを設けなかった場合には、雇止めが無効と判断され、企業側が敗訴している例が多くみられます。

 

▶参考情報:無期転換ルールと雇止めの関係については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

無期転換ルール逃れの雇止めは違法?事例付きでわかりやすく解説

 

8,無期転換ルールの特例(60歳以上の特例、10年特例など)

無期転換ルールにはいくつかの特例(例外)があります。以下で見ていきたいと思います。

 

(1)60歳以上の継続雇用の高齢者に関する特例

特例の中で最も多くの企業に関係しうるものが、60歳以上の継続雇用の高齢者に関する特例です。この特例は、有期雇用特別措置法8条において定められています。

その内容は、以下の要件を満たす場合、定年後引き続いて雇用される期間については無期転換申込権が発生しないというものです。

 

  • 事業者が適切な雇用管理に関する計画(第二種計画)を作成し、都道府県労働局長の認定を受けていること
  • 定年に達した後、引き続いて雇用される従業員であること

 

(2)年収1075万円以上の高度専門職に関する特例

次に、年収1075万円以上の高度専門職に関する特例として、以下の要件を満たす場合、その期間中は10年間に限り無期転換申込権が発生しないという特例があります(有期雇用特別措置法8条)。

 

  • 事業者が適切な雇用管理に関する計画(第一種計画)を作成し、都道府県労働局長の認定を受けていること
  • 年収1075万円以上で、法令の定める要件をみたす高度専門職であること
  • 高度の専門的知識等を必要とし、5年を超える一定の期間内に完了するプロジェクトに従事している期間であること

 

▶参考情報:有期雇用特別措置法8条

(労働契約法の特例)

第八条 第一種認定事業主と当該第一種認定事業主が雇用する計画対象第一種特定有期雇用労働者との間の有期労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「五年」とあるのは、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(平成二十六年法律第百三十七号)第五条第二項に規定する第一種認定計画に記載された同法第二条第三項第一号に規定する特定有期業務の開始の日から完了の日までの期間(当該期間が十年を超える場合にあっては、十年)」とする。
2 第二種認定事業主と当該第二種認定事業主が雇用する計画対象第二種特定有期雇用労働者との間の有期労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、定年後引き続いて当該第二種認定事業主に雇用されている期間は、同項に規定する通算契約期間に算入しない。

・参照:「有期雇用特別措置法」の条文はこちら

 

(3)研究者、教員等に関する10年特例

さらに、大学などの研究者、教員などについての特例もあります。これは、科技イノベ法15条の2や大学教員任期法7条に基づく特例です。大学などにおいて、一定の要件を満たす研究者、教員等について任期を定めた場合、無期転換申込権が発生するためには、通常の5年ではなく、10年を要するという特例になっており、10年特例と呼ばれます。

 

▶参考1:「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」第15条の2

(労働契約法の特例)

第十五条の二 次の各号に掲げる者の当該各号の労働契約に係る労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項の規定の適用については、同項中「五年」とあるのは、「十年」とする。
一 研究者等であって研究開発法人又は大学等を設置する者との間で期間の定めのある労働契約(以下この条において「有期労働契約」という。)を締結したもの
二 研究開発等に係る企画立案、資金の確保並びに知的財産権の取得及び活用その他の研究開発等に係る運営及び管理に係る業務(専門的な知識及び能力を必要とするものに限る。)に従事する者であって研究開発法人又は大学等を設置する者との間で有期労働契約を締結したもの
三 試験研究機関等、研究開発法人及び大学等以外の者が試験研究機関等、研究開発法人又は大学等との協定その他の契約によりこれらと共同して行う研究開発等(次号において「共同研究開発等」という。)の業務に専ら従事する研究者等であって当該試験研究機関等、研究開発法人及び大学等以外の者との間で有期労働契約を締結したもの
四 共同研究開発等に係る企画立案、資金の確保並びに知的財産権の取得及び活用その他の共同研究開発等に係る運営及び管理に係る業務(専門的な知識及び能力を必要とするものに限る。)に専ら従事する者であって当該共同研究開発等を行う試験研究機関等、研究開発法人及び大学等以外の者との間で有期労働契約を締結したもの
2 前項第一号及び第二号に掲げる者(大学の学生である者を除く。)のうち大学に在学している間に研究開発法人又は大学等を設置する者との間で有期労働契約(当該有期労働契約の期間のうちに大学に在学している期間を含むものに限る。)を締結していた者の同項第一号及び第二号の労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、当該大学に在学している期間は、同項に規定する通算契約期間に算入しない。

・参照:「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」の条文はこちら

 

▶参考2:「大学の教員の任期等に関する法律」7条

(労働契約法の特例)
第七条 第五条第一項(前条において準用する場合を含む。)の規定による任期の定めがある労働契約を締結した教員等の当該労働契約に係る労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項の規定の適用については、同項中「五年」とあるのは、「十年」とする。
2 前項の教員等のうち大学に在学している間に国立大学法人、公立大学法人若しくは学校法人又は大学共同利用機関法人等との間で期間の定めのある労働契約(当該労働契約の期間のうちに大学に在学している期間を含むものに限る。)を締結していた者の同項の労働契約に係る労働契約法第十八条第一項の規定の適用については、当該大学に在学している期間は、同項に規定する通算契約期間に算入しない。

・参照:「大学の教員等の任期に関する法律」の条文はこちら

 

10年特例についての詳細は、以下もご参照ください。

 

 

また、無期転換ルールの特例については、以下の記事でも詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

9,よくある質問(非正規公務員・派遣社員への適用など)

以下では無期転換ルールについてよくある質問を見ていきたいと思います。

 

(1)無期転換後に給与を減額するなど労働条件を切り下げることができるか?

無期転換後の労働条件については、労働契約法18条により、「別段の定め」がない限り、「現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件」となるとされています。従って、使用者は「別段の定め」を設けることにより、無期転換にあたり、労働条件を切り下げることは可能であると考えられます。

ただし、厚生労働省は通達において、「無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後における労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではない」としています(▶参考:平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」)。

有期雇用契約の場合に、契約期間が限定されていることなどから正社員よりも高い賃金を定める例(いわゆる「有期プレミアム」)もありますが、そのような有期プレミアムが付与されていたという実態や、無期転換により職務内容等が変更されたといった事情がある場合は、無期転換にあたり労働条件を切り下げることの合理性が肯定されやすいでしょう。一方、そのような事情がないにもかかわらず、無期転換を機に労働条件を不利益に変更することは、労働契約法18条の無期転換ルールの趣旨に照らし、違法・無効とされる可能性があると解説されています(水町勇一郎著「詳解労働法」第2版404頁)。

 

(2)無期転換後に正社員と待遇に違いがあることに問題があるか?

無期転換後の労働条件については、労働契約法18条により「別段の定め」がない限り、「現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件」となるとされています。つまり、契約社員が無期転換したからといって、正社員と同じ労働条件になるわけではありません。

大阪地方裁判所判決令和2年11月25日(ハマキョウレックス無期転換事件)は、無期転換社員が、無期転換後も正社員と同じ就業規則が適用されず、正社員との待遇差が生じていることは不当であるとして、訴訟を提起した事案ですが、裁判所は無期転換社員を敗訴させています。

労働契約法7条により就業規則で労働条件を定めるためにはその労働条件が合理的なものであることが要件とされていますが、裁判所は、無期転換社員と正社員との労働条件の相違は、両者の職務の内容及び配置の変更の範囲等の就業の実態に応じた均衡が保たれている限り、この合理性の要件を満たす旨を判示しています。

 

(3)雇止めされた後に無期転換申込権を行使された場合の対応

使用者が契約社員を雇止めした後に、契約社員が弁護士に相談するなどして無期転換申込権を行使するという例もあります。この場合の無期転換申込が認められるかどうかは、雇止めが有効かどうかによって異なります。雇止めが有効と判断されるケースでは、雇用が終了している以上、終了後に無期転換申込権を行使することはできません。労働契約法18条1項も、無期転換申込権は「現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に」行使することが必要であるとしています。一方、雇止めが「雇止め法理(労働契約法19条)」により無効とされるケースでは、雇用は終了しないため、雇止め後であっても無期転換申込権を行使できることになります。

 

(4)有期雇用の派遣社員への適用について

有期雇用の派遣社員も、通算の雇用契約の期間が5年を超えた場合は無期転換申込権が発生します。この場合、派遣社員は派遣会社に対して無期転換の申込みをすることができ、無期転換を申込んだ場合、申込み時の有期労働契約が満了する日の翌日から、派遣会社との間で、期間の定めのない労働契約が成立します。つまり、無期雇用の派遣社員となります。

なお、派遣社員については、このような労働契約法の無期転換ルールとは別に、派遣法のルールとして、「3年ルール」による無期雇用化の機会があります。この点については、以下の解説をご参照ください。

 

 

(5)非正規公務員への適用について

無期転換ルールは非正規公務員には適用されず、非正規公務員には無期転換申込権は発生しません。これは労働契約法21条1項により、国家公務員、地方公務員については労働契約法の適用が除外されていることによるものです。

 

▶参考:労働契約法21条

(適用除外)
第二十一条 この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。
2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

・参照:「労働契約法」の条文はこちら

 

10,厚生労働省による雇用契約書のひな形・就業規則における記載例

厚生労働省は無期転換ルールに関する雇用契約書や就業規則の記載例を公表していますので、参考までに以下でご紹介します。

 

(1)雇用契約書のひな形

無期転換ルールに関する明示義務に対応した労働条件通知書の例が厚生労働省から公表されています。以下からダウンロードしてご確認ください。

 

 

(2)モデル就業規則における記載例

厚生労働省のモデル就業規則では、無期転換について、57条に以下の規定例がおかれています。

 

▶参考:モデル就業規則の第57条の規定例

(無期労働契約への転換)
第57条 期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で雇用する従業員のうち、通算契約期間が5年を超える従業員は、別に定める様式で申込むことにより、現在締結している有期労働契約の契約期間の末日の翌日から、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)での雇用に転換することができる。
2 前項の通算契約期間は、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約の契約期間を通算するものとする。ただし、契約期間満了に伴う退職等により、労働契約が締結されていない期間が連続して6ヶ月以上ある従業員については、それ以前の契約期間は通算契約期間に含めない。
3 この規則に定める労働条件は、第1項の規定により無期労働契約での雇用に転換した後も引き続き適用する。ただし、無期労働契約へ転換した時の年齢が、第49条に規定する定年年齢を超えていた場合は、当該従業員に係る定年は、満_歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。

 

モデル就業規則の全文については、以下からご覧ください。

 

 

そのほか、無期転換ルールと就業規則について解説した厚生労働省の資料として以下のものがあります。

 

 

(3)無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例

無期転換の申込みは口頭で行うこともできますが、重要な労働条件の変更を伴うものなので、後日、申込みをしたかどうかの争いが生じないように、できるだけ書面での申込書を提出させることが適切です。この点については、厚生労働省が無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例を公表しており、これも参考にするのもよいでしょう。

 

▶参考:厚生労働省が無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例

厚生労働省が無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例

▶参照:厚生労働省「無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例」はこちら(PDF)

 

11,無期転換ルールへの対応に関して弁護士に相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

最後に、無期転換ルールへの対応にお困りの企業様のために、「咲くやこの花法律事務所」においてできるサポートの内容をご説明します。咲くやこの花法律事務所においてできるサポートの内容は以下の通りです。

 

  • (1)無期転換ルールへの対応方法に関するご相談
  • (2)無期転換ルールへの対応で必要になる就業規則、雇用契約書の整備
  • (3)無期転換をめぐるトラブルへの対応
  • (4)顧問弁護士サービスによるサポート

 

以下で順番に見ていきましょう。

 

(1)無期転換ルールへの対応方法に関するご相談

「咲くやこの花法律事務所」の企業の人事労務分野の整備に精通した弁護士が、企業の個別の事情のヒアリングをしたうえで、それを踏まえて、無期転換ルールへの対応の基本方針を立案し、また、それに伴い必要になる就業規則、雇用契約書その他各種規定の変更のポイントをご説明します。

 

(2)無期転換ルールへの対応で必要になる就業規則、雇用契約書の整備

「咲くやこの花法律事務所」の労務に精通した弁護士が、各企業の個別の事情を踏まえて、無期転換ルールへの対応のために必要となる就業規則の変更案の作成、労働基準監督署長への変更届の提出をサポートします。

また、雇用契約書その他各種規程の変更が必要な場合も、弁護士が変更案を作成したうえで、実際の運用面のアドバイスをします。さらに、労働基準法施行規則改正により必要となる雇用契約書や労働条件通知書のひな形変更についても、各企業の方針を踏まえて個別の事案にあった対応方法を助言します。無期転換ルールへの対応を正しく行っておくことは、労務環境の整備事項の中でも重要なポイントになりますので、対応に不安がある方は、ぜひ「咲くやこの花法律事務所」の労務管理に強い弁護士のサポートサービスをご利用ください。

 

(3)無期転換をめぐるトラブルへの対応

咲くやこの花法律事務所では、以下のような無期転換に関するトラブル対応についてもご相談、ご依頼をお受けしています。

 

  • 無期転換の前に雇止めを検討する場合の対応方法やリスク対策についてのご相談
  • 雇止めの後のトラブル対応(本人との交渉、団体交渉における対応、労働審判・訴訟対応等)
  • 無期転換後の労働条件に関するトラブル対応(本人との交渉、団体交渉における対応、労働審判・訴訟対応等)

 

労務分野について多くのトラブル解決や予防法務の取り組みをしてきた実績のある弁護士が相談を担当させていただき、貴社の実情にあった具体的な解決策をご提案します。

 

咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士へのご相談費用

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)

 

▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士へのご相談は以下をご参照ください。

労働問題に強い弁護士への相談サービスはこちら

 

(4)顧問弁護士サービスによるサポート

咲くやこの花法律事務所では、人事労務トラブルの対応や予防はもちろん、企業の労務管理全般をサポートするための顧問弁護士サービスを提供しています。現実にトラブルが発生していないのに、リスク対策のために相談料を払って弁護士に相談することは必要ないと考える方もおられるかもしれません。しかし、筆者の経験上、何かトラブルが発生した場合、事前のリスク対策ができていない会社ほど大きなダメージを負うことになります。

トラブルによる会社のダメージを抑えるためには、こまめに顧問弁護士に相談し、日頃から社内規程や労務管理体制の整備等の法的なリスクマネジメントに取り組むことが重要です。また、もし何かトラブルが発生してしまったときも、初期段階で顧問弁護士に相談して専門的な助言を受けて対応することで、初期対応を誤らなくて済み、早期解決につながります。企業をトラブルから守り、事業の成長と安定した企業運営を実現するために、ぜひ顧問弁護士を活用していただきたいと思います。

咲くやこの花法律事務所では、企業側の立場で数多くの事案に対応してきた経験豊富な弁護士が、トラブルの予防、そしてトラブルが発生してしまった場合の早期解決に尽力します。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご案内は以下をご参照ください。

 

 

(5)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士へのお問い合わせ方法

咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士による無期転換に関するサポート内容は、「労働問題に強い弁護士について」のこちらのページをご覧下さい。

また、今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

 

12,まとめ

今回は、契約社員や嘱託社員など有期雇用の従業員に適用される無期転換ルールについてご説明しました。以下の点を確認しておきましょう。

まず、無期転換ルールとは、締結された雇用契約の通算期間が5年を超える有期雇用社員からの申込みがあれば、使用者は期間限定なしの雇用契約への転換を強制されるというルールです。令和6年4月施行の労働基準法施行規則改正では、このルールについて使用者から有期雇用の社員に対して明示することが義務付けられ、無期転換申込権の行使が一層増えることが予想されます。

このような無期転換ルールへの対応については、「希望者全員を無期転換させる方針」「全員について無期転換を回避する方針」「正社員登用制度等により選別する方針」の3つがあることや、それぞれ就業規則や雇用契約書、労働条件通知書等の整備が必要になることをご説明しました。

また、60歳以上で定年後継続雇用された従業員や高度専門職、大学の研究者、教員などについては、無期転換ルールの特例が設けられていることもご説明しました。さらに、労働者側から見た無期転換のメリット・デメリットについてもご説明しています。

無期転換ルールへの対応で就業規則の整備が必要になる場合には、従業員との協議や過半数代表者からの意見聴取などの手続も必要になり、一定の時間がかかります。手続に必要な時間も見越して、早めの対応をしておきましょう。

咲くやこの花法律事務所でも、トラブル予防のための整備や、トラブル発生の際の解決について、事業者側の立場に立って専門的なサポートを提供していますので、お困りの際はご相談ください。

 

記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2024年1月25日

 

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