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懲戒処分について!種類や選択の基準など詳しく解説

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  • 懲戒処分について!種類や選択の基準など詳しく解説

    問題のある従業員を放置すると、他の従業員に示しがつかないと悩んでいませんか?

    例えば、以下のようなケースです。

    「遅刻や欠勤が多い従業員がいて、他の従業員に示しがつかない。」
    「業務上の指示に従わない従業員がいて、処分を検討したい。」
    「管理職の部下に対するパワハラに困っている。」

     

    こういったケースでは、会社が従業員に懲戒処分を行うことで、問題行動にけじめをつけさせ、社内の秩序を維持することができます。

    ただし、懲戒処分にも法律上のルールがあり、ルールに違反して懲戒処分をしてしまうと、従業員から裁判を起こされることになりかねません。

    懲戒処分をめぐり裁判になり企業側が敗訴した事例として、例えば以下の例があります。

    判例1:武富士事件
    (東京地方裁判所平成19年 2月26日判決)

    消費者金融の武富士が従業員らに対して行った減給・降格の懲戒処分が無効であるとして、合計「約150万円」の支払を命じられた事例

    判例2:カレーハウス事件
    (大阪地方裁判所平成19年10月25日判決)

    フランチャイズのカレー店舗を経営する会社が店長に対して行った降格処分が無効であるとして、「約236万円」の支払いを命じられた事例

     

    このような裁判トラブルを起こさないようにするためには、懲戒処分についての法律上のルールを知っておく必要があります。

    今回の記事では、懲戒処分の種類や選択の基準と、懲戒処分を行う際におさえておく必要がある法律上のルールをわかりやすくご説明します。

    問題社員にお悩みの経営者、人事担当者の方はぜひ確認しておいてください。

     

    ▶参考情報:問題社員やモンスター社員については以下の記事も合わせてご覧下さい。

    モンスター社員、問題社員への具体的な対応方法を弁護士が解説。

     

    それでは早速みていきましょう。

     

    ▼関連情報:懲戒処分については、こちらも合わせて確認してください。

    懲戒解雇について詳しく解説

    戒告書・譴責処分通知書について。書式・書き方と注意点を解説

    減給について解説!法律上の限度額は?労働基準法上の計算方法とは?

    降格処分について。会社側の立場で注意点を解説。

    ▼懲戒処分について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

    【お問い合わせについて】
    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

     

     

    この記事を読めばわかること。

    最初にこの記事を読めばわかることを一覧でご紹介しておきます。

    気になる項目は記事内の詳しい解説をご覧下さい。

    ●懲戒処分とは?その意味や、懲戒処分の6種類の内容がわかります。
    ●懲戒処分をする際の重要な3つのルールがわかります。
    ●懲戒処分を行う際の正しい判断基準がわかります。
    ●咲くやこの花法律事務所なら、「懲戒処分について、こんなサポートができます!」
    ●懲戒処分について「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせする方法
    ●懲戒処分についてお役立ち情報も配信中!無料メルマガ登録について
    ●懲戒処分に関連したその他のお役立ち情報

     

    それでは最初に、「懲戒格処分とは」について詳しくみていきましょう。

     

    1,懲戒処分とは?

    懲戒処分とは、企業が従業員の企業秩序違反行為に対して課す制裁です。

    つまり、企業が従業員の問題行動に対して正式に罰を与えるのが懲戒処分です。

    そして、懲戒処分の目的には、以下の2つがあります。

    懲戒処分の2つの目的

    懲戒処分の目的1:

    問題行動を起こした本人に制裁を加えることで、企業秩序を維持する目的

    懲戒処分の目的2:

    従業員全員に対し、懲戒処分を受けた従業員の問題行動が好ましくない行為であることを明確に示し、企業秩序を維持する目的

     

    このように、懲戒処分は問題行動を起こした従業員本人にのみ向けられたものではなく、従業員全員に向けられたものであることを意識しておく必要があります。

    適切な懲戒処分を行うことは、企業の一体性、規律性を高める効果があります。

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    2,懲戒処分の種類6つ

    次に、懲戒処分の種類についてみていきましょう。

    懲戒処分の種類は、各会社の就業規則で定められていますが、一般的に定められていることが多いのは、以下の6種類の懲戒処分です。

    一般的な懲戒処分の6種類

    1,戒告・譴責・訓戒

    従業員を文書で指導する懲戒処分です。

    会社によって、戒告、譴責、訓戒などの名称が使用されていますが、いずれも同じ意味だと考えてさしつかえありません。内容としては指導するだけなので、経済的な意味での制裁にはなりません。ただし、懲戒処分として行う以上、全従業員に対して懲戒を受けた従業員の問題行動が好ましくない行為であることを示すという側面があり、個人的な指導とは異なります。

    多くの会社で、最も軽い懲戒処分として定められており、会社によっては、戒告、譴責、訓戒の場合に始末書を提出させることを就業規則で定めているケースもあります。

    ▶参考:戒告処分や譴責処分について以下の関連情報もご覧下さい。

    戒告書・譴責処分通知書について。書式・書き方と注意点を解説

    2,減給

    問題行動に対する制裁として、従業員の給与を減額する懲戒処分です。

    この減給処分については、労働者保護の立場から、法律上の限度額が設けられており、1回の問題行動に対する減給処分は、1日分の給与額の半額が限度額です。

    実際に計算すると月給30万円の従業員なら5000円程度、月給40万円の従業員なら6700円程度の計算結果になることが多く、減給処分ではこの額を超えるような減給は法律上できません。また、1回の問題行動に対する減給処分で減給できるのは1回だけで、1年などの期間を定めて減給できるわけではありません。

    減給処分による減給の限度額については詳しくはこちらをご覧ください。

    減給について解説!法律上の限度額は?労働基準法上の計算方法とは?

    3,出勤停止

    問題行動に対する制裁として、従業員に一定期間、出勤を禁じ、その期間の給与を無給とする懲戒処分です。

    出勤停止の懲戒処分の場合、通常は減給処分よりも本人が受ける経済的制裁の程度が大きくなります。例えば、30日の出勤停止という場合、30日分の給与が支給されないことになるからです。

    出勤停止の期間については、法律上の上限はありませんが、通常は就業規則で上限が決められています。

    4,降格

    問題行動に対する制裁として、従業員の役職や資格を下位のものに引き下げる懲戒処分です。

    降格の懲戒処分の場合は、出勤停止処分よりもさらに本人が受ける経済的な打撃は大きくなることが多いです。降格すると、役職給などが下がることが通常で、その分、給与が減るためです。

    出勤停止処分の場合は出勤停止の期間が終わればもとの給与に戻りますが、降格処分で役職給が下がった場合は元の役職に戻るまでの期間ずっと下がった給与が支給されることになります。

    ▶参考:降格処分について以下の関連情報もご覧下さい。

    降格処分について。会社側の立場で注意点を解説。

    5,諭旨解雇、諭旨退職

    問題行動のあった従業員に対して退職届の提出を勧告し、退職届を提出しない場合は懲戒解雇するという懲戒処分です。

    これは懲戒解雇が従業員にとって不利益が大きいことから、退職届提出の機会を与えるものです。企業によって、諭旨解雇処分または諭旨退職処分と呼ばれますが、同じ意味と考えて差し支えありません。

    諭旨解雇または諭旨退職の場合に退職金が全額支払われるかどうかは会社の退職金規程によりますが、全額支払うとしている会社が多くなっています。

    6,懲戒解雇

    問題行動に対する制裁として、従業員を解雇する懲戒処分です。

    退職金の全部または一部が支払われず、解雇予告手当も通常支払われない、最も重い懲戒処分です。

    ▶参考:懲戒解雇については以下の関連情報もご覧下さい。

    懲戒解雇について詳しく解説。

    上記の6種類の懲戒処分は、処分が軽いものから順に1から6となります。

    以上、懲戒処分の種類について整理しました。

    表にまとめると以下の通りです。

    懲戒処分の種類の図

    ▼懲戒処分について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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    3,懲戒処分をする際におさえておく必要がある3つのルール

    懲戒処分をする際におさえておく必要がある3つのルール

    次に、懲戒処分についてどのような法律上のルールがあるのかを見ていきたいと思います。

    冒頭でご紹介したように、ルールを守らずに懲戒処分をした場合、後で従業員から裁判を起こされて敗訴する原因になります。

    以下の3つのルールをしっかり確認しておきましょう。

    (1)懲戒処分には就業規則の根拠が必要。

    就業規則には、通常、「懲戒」の項目があります。

    判例は、懲戒処分は従業員に重い制裁を科すものであるという観点から、会社はどのような行為が懲戒処分に該当するのかをあらかじめ就業規則で明確に定めておく必要があるとしています。

    そして、就業規則で規定した懲戒事由に該当した場合に限り、懲戒処分をすることができるとしています。そのため、懲戒処分を行う前に、まず、就業規則の懲戒の規定の確認が必要です。

    具体的には、処分の対象としようとしている問題行動が就業規則に記載された懲戒事由に該当するかを検討することが重要になります。

    就業規則に記載のない理由で従業員に懲戒処分をした場合、裁判を起こされれば、懲戒処分は無効と判断されます。

    例えば、バス会社が、バスの運転手による経歴詐称について譴責処分とした事案で、裁判所は、就業規則上、経歴詐称は譴責処分の理由とされていないことを指摘して、譴責処分を無効と判断し、会社を敗訴させています(東京高等裁判所平成2年7月19日判決)。

    経歴詐称自体は明らかに非難されるべきことですが、それでも就業規則に根拠がなければ敗訴しますので注意が必要です。

    なお就業規則について、正しい作り方などの解説は以下を参考にして下さい。

    就業規則の作成について!詳しい作り方や作成料金を弁護士が解説

     

    「弁護士 西川暢春からのワンポイント解説!」
    いざというときに懲戒処分をできるようにしておくためには、日ごろの就業規則の整備が重要です。自社の就業規則に問題がないかもぜひチェックしておいてください。

     

    (2)1回の問題行動について懲戒処分は1回。

    1回の問題行動に対して2回の懲戒処分を行うことはできません。

    このルールは「二重処罰の禁止」あるいは「一事不再理のルール」と呼ばれます。

    判例上も、例えば、バス運転手が、バスに乗り遅れたことを理由の1つとして懲戒解雇処分をしたケースで、裁判所は、この事実について運転手は過去に出勤停止処分を受けており、さらに懲戒解雇の理由とすることは許されないとした判断をしています(大阪地方裁判所平成5年12月24日決定)。

    すでに懲戒処分歴がある従業員に対して再度懲戒処分をする場合は、以前の懲戒処分と同じ問題行動を今回の懲戒処分の対象とすることがないように注意が必要です。

    (3)重すぎる懲戒処分は無効。

    懲戒処分が問題行動の内容と比較して重すぎてはなりません。

    このルールは「懲戒処分の相当性のルール」と呼ばれます。

    例えば、企業が、慰安旅行の酒席でのセクハラを理由に支店長を懲戒解雇した事件で、裁判所はセクハラ自体は事実だが懲戒解雇は重すぎるとして、懲戒解雇処分は無効であると判断しました(東京地方裁判所平成21年4月24日判決)。

    そして、裁判所は、この企業に対し、支店長が解雇のために受け取ることができなかった給与として、「約1300万円」の支払いを命じています。

     

    このように懲戒処分の選択を誤り、重すぎる懲戒処分をすることは場合によっては企業にとって重大なリスクになります。

    ▼懲戒処分について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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    4,懲戒処分を行う際の判断基準

    3章でご説明した3つのルールの中でも、特に重要なのが、「重すぎる懲戒処分は無効」という懲戒処分の相当性のルールです。

    しかし、一方で処分が軽すぎると、懲戒処分の目的を果たせず、他の従業員にも示しがつきません。

    そこで、以下では、具体的な場面で、どのように懲戒処分の種類を選択すればよいのかの具体的な判断基準をご説明したいと思います。

    最初におおまかな目安を表にまとめると以下のようになります。

    懲戒処分を行う際の判断基準の図

     

    「弁護士 西川暢春からのワンポイント解説!」
    上の表はあくまで目安として考えてください。実際に懲戒処分を行う場合は、裁判トラブルに発展したり、外部の労働組合から団体交渉を申し入れられたりするトラブルのリスクがありますので、必ず事前に弁護士にご相談ください。

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    4-1,
    戒告・譴責・訓戒の懲戒処分が妥当なケース

    1日の無断欠勤や、業務上のミスについてはじめて懲戒処分をするケースでは、戒告処分や譴責処分で対応するべきことが多いでしょう。

    裁判例で、戒告・譴責・訓戒の懲戒処分を合法と判断した事例としては以下のケースがあります。

    (1)戒告・譴責・訓戒の懲戒処分を合法と判断した裁判例

    1,無断欠勤1日に対する譴責処分を合法とした裁判例

    NTT事件
    (東京高等裁判所平成13年11月28日判決)

    事案の概要:

    従業員が集合研修中に有給休暇の取得を希望し、これに対して会社側から集合研修中の有給休暇は研修に支障が生じるので認めない旨伝えられたにもかかわらず、欠勤した事例です。

    裁判所の判断:

    この従業員に対して会社が行った譴責処分を合法と判断しました。

    2,業務上のミスとその後の対応を理由とする戒告処分を合法とした裁判例

    株式会社日経ビーピー事件
    (東京地方裁判所平成14年4月22日判決)

    事案の概要:

    業務上のミスを繰り返した従業員が、それについて原因究明のための報告書の提出を会社から求められたが、提出を拒否した事例です。

    裁判所の判断:

    この従業員に対して会社が行った譴責処分を合法と判断しました。

     

    戒告・譴責・訓戒の懲戒処分は、処分を受ける従業員にとって、直ちに経済的なデメリットが生じる処分ではありません。

    しかし、戒告や譴責の懲戒処分を受けると、その後の昇給や賞与の査定で不利益を受けると考えられることが通常であり、場合によっては、従業員や労働組合が強く反発し、処分が無効であるとして、従業員から裁判を起こされるケースも少なくありません。

    戒告や譴責の処分については、以下の記事でさらに詳しく注意点等をご説明していますので、実際に処分を行う場合は必ず目を通しておいてください。

    戒告書・譴責処分通知書について。書式・書き方と注意点を解説

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    4-2,
    減給の懲戒処分が妥当なケース

    減給の懲戒処分は、戒告・譴責・訓戒よりも重い懲戒処分です。

    遅刻や欠勤、業務上のミスについて、すでに戒告・譴責・訓戒などの処分をしたり、始末書を提出させたりしているにもかかわらず、さらに繰り返される場合には、減給処分を検討することが適切です。

    どのようなケースで、減給の懲戒処分をするのが妥当なのかを、実際の裁判例を通じて見てみましょう。

    減給の懲戒処分を合法とした裁判例

    1,遅刻や欠勤を理由とする減給処分を合法とした裁判例

    日光産業事件
    (大阪地方裁判所堺支部平成22年5月14日判決)

    事案の概要:

    従業員が無断欠勤により訓戒処分を受けた後も遅刻や欠勤を繰り返した事例です。

    裁判所の判断:

    従業員に対する減給処分を合法と判断しました。

    2,業務中の度重なる交通事故を理由とする減給処分を合法とした裁判例

    国際興業大阪事件
    (大阪地方裁判所平成23年1月28日判決)

    事案の概要:

    タクシー運転手として勤務する従業員が約2年間の間に13件の交通事故を起こし、会社の指示により始末書を提出していたところ、始末書提出の約1か月後に1日に2度の交通事故を起こした事例です。

    裁判所の判断:

    タクシー会社が従業員にした減給処分を合法と判断しました。

     

    減給の懲戒処分は、処分を受ける従業員にとって、経済的なデメリットが生じる処分です。そのため、従業員が減給処分が不当であり、無効であるとして、裁判を起こすケースが少なくありません。

    減給処分について、より詳しくは以下の記事でご説明していますのであわせてご確認ください。

    減給について解説!法律上の限度額は?労働基準法上の計算方法とは?

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    4-3,
    出勤停止の懲戒処分が妥当なケース

    出勤停止の懲戒処分は、減給処分よりもさらに重い懲戒処分です。

    職場内の暴力や、重要な業務命令の拒否、あるいは職務の放棄により会社に損害を与えたケースについては、出勤停止処分を検討するべき場合が多いでしょう。

    以下で、出勤停止の懲戒処分を合法と判断した裁判例を見ていきましょう。

    出勤停止の懲戒処分を合法と判断した裁判例

    1,上司に対する暴力を理由とする出勤停止処分を合法とした裁判例/出勤停止3日

    (東京地方裁判所平成23年11月9日判決)

    事案の概要:

    保険会社の従業員が人事考課の面談中に、上司の首をつかみ、上司のメガネをとりあげて投げるなどの暴行を加えた事例です。

    裁判所の判断:

    従業員に対する3日間の出勤停止処分を合法と判断しました。

    2,出張命令の拒否を理由とする出勤停止処分を合法とした裁判例/出勤停止9日

    三菱電機事件

    (静岡地方裁判所昭和46年8月31日判決)

    事案の概要:

    静岡工場勤務の板金工が神戸工場への3か月間の応援出張命令を拒否した事例です。

    裁判所の判断:

    従業員に対する9日間の出勤停止処分を合法と判断しました。

    3,職務の放棄を理由とする出勤停止処分を合法とした裁判例/出勤停止7日

    パワーテクノロジー事件

    (東京地方裁判所平成15年7月25日判決)

    事案の概要:

    ソフトウェア開発会社に勤務して客先に常駐する業務に従事していた従業員が、勤務先に相談することなく、体調が悪く作業を終了したい旨を顧客の社員に対して伝えた結果、顧客から契約を打ち切られた事例です。

    裁判所の判断:

    従業員に対する7日間の出勤停止処分を合法と判断しました。

     

    なお、出勤停止の期間について法律上の制限はありませんが、問題行動の程度と比較して長すぎる出勤停止処分は無効となる危険があります。

    通常は長くても30日程度までと考えておくべきでしょう。

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    4-4,
    降格の懲戒処分が妥当なケース

    降格の懲戒処分は、出勤停止よりもさらに重い懲戒処分です。

    管理職による社内の重要なルールに対する違反や、部下に対するセクハラ、パワハラについては、降格の懲戒処分を検討するべきケースが多いでしょう。

    以下で、降格の懲戒処分を合法と判断した裁判例を見ていきましょう。

    降格の懲戒処分を合法とした裁判例

    1,社内ルールの違反を原因とする降格処分を合法とした裁判例

    京都電子工業事件

    (東京地方裁判所平成21年8月31日判決)

    事案の概要:

    社内ルールである作業手順を順守せず、また業務上のミスを報告しないなどの問題があった課長代理について、それまでの遅刻や居眠りといった勤務態度も踏まえて降格処分を行った事例です。

    裁判所の判断:

    会社が行った降格処分を合法と判断しました。

    2,パワハラを原因とする降格処分を合法とした裁判例

    (東京地方裁判所平成27年8月7日判決)

    事案の概要:

    役員補佐兼営業部長の職にあった管理職が成績があがらない部下に対して、教育的指導を施すのではなく、従業員らの能力等を否定する発言を繰り返し、退職を執拗に迫るなどのパワハラ行為をした事例です。

    裁判所の判断:

    会社が行った降格処分を合法と判断しました。

     

    ▶参考:パワハラを理由とする懲戒処分についての詳しい解説は以下もご覧ください。

    パワハラ防止措置・防止対策と発生時の判断基準・懲戒処分について

    3,セクハラを原因とする降格処分を合法とした裁判例

    (東京地方裁判所平成22年10月29日判決)

    事案の概要:

    タクシーの車内で女性の派遣社員のスカートをたくしあげるなどのセクハラ行為をした管理職に対して、降格処分を行った事例です。

    裁判所の判断:

    会社が行った降格処分を合法と判断しました。

     

    ▶参考:セクハラを理由とする懲戒処分についての詳しい解説は以下もご覧ください。

    【セクシャルハラスメントのトラブル対応術】セクハラ加害者に対する懲戒処分の種類と選択の基準、処分手続について

    降格の懲戒処分は、本人からみると、かなり大きなペナルティです。

    役職給が将来にわたって下がることが通常ですし、会社から降格の懲戒処分を受けたということは、部下に対しても非常に体裁が悪いと考えるのが通常でしょう。そのため、降格の懲戒処分を受けた従業員が懲戒処分をきっかけに退職することも多く、退職後に降格が不当であるとして、訴訟が提起されるケースも少なくありません。

    降格の懲戒処分を実際に実施する場合は、万が一裁判になった場合でも敗訴することがないかどうかを慎重に検討したうえで、実行する必要があります。

    降格については、以下の記事でさらに詳しく注意点等をご説明していますので、実際に処分を行う場合は必ず目を通しておいてください。

    降格処分について。会社側の立場で注意点を解説。

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    4-5,
    懲戒解雇、諭旨解雇、諭旨退職が妥当なケース

    懲戒解雇は最も重い懲戒処分です。

    また、諭旨解雇、諭旨退職については懲戒解雇よりも軽い処分にはなるものの、その内容は懲戒解雇と大きな違いはありません。

    このような重い懲戒処分のため、企業にとって重大な問題行動に対してのみ懲戒解雇、諭旨解雇、諭旨退職の処分が認められます。

    具体的には、業務上の横領や着服、14日以上の無断欠勤、強制わいせつに該当するような重大なセクハラでは懲戒解雇、諭旨解雇、諭旨退職を検討すべきです。

    以下で、懲戒解雇処分を合法と判断した裁判例を見ていきましょう。

    懲戒解雇処分を合法とした裁判例

    1,業務上の横領を理由とする懲戒解雇処分を合法とした裁判例

    ダイエー事件

    (大阪地方裁判所平成10年1月28日判決)

    事案の概要:

    従業員の慰労会の領収書を改ざんして会社に10万円を不正請求したことを理由に会社が懲戒解雇した事例です。

    裁判所の判断:

    会社が行った懲戒解雇処分を合法と判断しました。

     

    ▶参考:業務上横領を理由とする懲戒解雇についての詳しい解説は以下もご覧ください。

    従業員の業務上横領での懲戒解雇に関する注意点!支払誓約書の雛形付き

    2,無断欠勤を理由とする懲戒解雇処分を合法とした裁判例

    (大阪地方裁判所昭和63年9月26日判決)

    事案の概要:

    欠勤当日に従業員の妻が「急病のために欠勤する」と連絡したのみで、会社の診断書提出命令にも従わずに1ヶ月半欠勤を続けたことを理由に、従業員を懲戒解雇した事例です。

    裁判所の判断:

    会社が行った懲戒解雇処分を合法と判断しました。

     

    ▶参考:無断欠勤を理由とする解雇についての詳しい解説は以下をご覧ください。

    無断欠勤社員への対応と解雇する場合の重要な注意点7つ

    3,重大なセクハラを原因とする懲戒解雇処分を合法とした裁判例

    (東京地方裁判所平成17年1月31日判決)

    事案の概要:

    男性上司が女性の部下2名に対し、飲食を共にした際に無理やりキスをしたり、深夜自宅付近まで押し掛けて自動車に乗せ車中で手を握る、残業中に胸をわしづかみにするなどしたケース。

    裁判所の判断:

    会社はこの男性上司を懲戒解雇し、裁判所も懲戒解雇は有効と判断しました。

     

    ▶参考:セクハラを理由とする解雇についての詳しい解説は以下をご覧ください。

    セクハラ(セクシャルハラスメント)をした社員の解雇の手順と注意点

    懲戒解雇処分は最も重い懲戒処分であり、従業員の不利益も大きいため、裁判トラブルに発展することが多くなっています。実際に懲戒解雇する際の注意点については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご確認ください。

    懲戒解雇について詳しく解説。

    ▼懲戒処分について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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    【お問い合わせについて】
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    5,まとめ

    今回は、懲戒処分の種類と、懲戒処分をする際におさえておくべき3つのルールについてご説明しました。

    また、懲戒処分に関する最も重要なルールとなる「相当性のルール」に関し、具体的にどのようなケースでどの懲戒処分を選択するのがふさわしいのかについて、ご説明しました。

    重すぎず、軽すぎない、適切な処分をしなければならないことをおさえておきましょう。

     

    6,咲くやこの花法律事務所なら、「懲戒処分について、こんなサポートができます!」

    咲くやこの花法律事務所ならこんなサポートができます。

    最後に、従業員の懲戒処分についての咲くやこの花法律事務所における企業向けサポート内容をご紹介します。

    (1)懲戒処分に関する事前相談

    懲戒処分は、従業員にとっては不利益を受けるものですので、トラブルになることは少なくありません。

    しかし、だからといって問題行動を放置すると規律のゆるい会社になってしまいます。

    懲戒処分に関するトラブルの予防のためには、懲戒処分をする前に専門家である弁護士に相談しておくことが不可欠です。

    咲くやこの花法律事務所では、労務トラブルに強い弁護士が懲戒処分に関する事前相談を随時承り、個別の事情に応じて適切な処分の内容や行うべき手続等について具体的にアドバイスさせていただいております。

    懲戒処分をした後で、ご相談いただいても対応が難しいケースもあり、場合によっては懲戒処分を撤回するなどの事態になることもあります。

    懲戒処分をご検討中の企業の方は、ぜひ事前にご相談ください。

    咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士への相談料の例

    ●初回相談料:30分5000円+税

     

    (2)懲戒処分についての言い渡しの場への弁護士の同席

    懲戒処分の言い渡しは文書を交付して行いますが、手渡しする場合は従業員がその場で不満を述べたり反論をしてきたりすることがあります。

    そして、会社側の不用意な言葉がトラブルの原因となることもあり得ます。無用なトラブルを防止するためには、懲戒処分の言い渡しの場に専門家である弁護士も同席することが効果的です。

    咲くやこの花法律事務所では、労務トラブルに強い弁護士が懲戒処分の言い渡しの場に同席し、会社側の立場で適切な応答をするなどして、懲戒処分の言い渡しをサポートしています。

    懲戒処分の言い渡しの際に従業員の反発が予想される場合や懲戒処分の言い渡しに不安があるときは、ぜひ咲くやこの花法律事務所のサポートサービスをご利用ください。

    咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士による弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税
    ●弁護士の同席費用:10万円程度~

     

    (3)懲戒トラブルの際の団体交渉への同席

    従業員に対して懲戒処分をした後、従業員が懲戒処分を不当であると考え、労働組合に加入して、団体交渉を求めてくるケースが増えています。

    ある日突然、労働組合から団体交渉を申し入れられて対応を迫られ、どのように対応すればよいかお困りの企業の方も多いと思います。

    団体交渉では、労働組合からの要求にどのように対応すべきか、団体交渉でまとまらずに裁判に発展したときにどのような見込みになるのかなど専門的な判断のもと、交渉に臨む必要があります。

    ▶参考:団体交渉については以下の2つの記事も合わせてご覧下さい。

    ユニオン・労働組合との団体交渉の注意点と弁護士に相談するメリット、弁護士費用を解説

    合同労組との団体交渉の流れと進め方のポイントを会社側の視点で徹底解説

    また、団体交渉には特有のルールがあり、それを守らなければ「不当労働行為」として組合から強い非難をあびることになります。

    咲くやこの花法律事務所では、これまで数多くの労働組合との団体交渉に同席し、対応してきました。

    団体交渉の申し入れがあった場合でも、咲くやこの花法律事務所にご相談いただければ、弁護士がベストな交渉戦略を提案し、団体交渉に同席してもっとも有利な解決を実現します。

    咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士による弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税
    ●懲戒トラブルに関する交渉:着手金30万円程度~

     

    (4)懲戒に関する裁判の際の企業側の対応

    咲くやこの花法律事務所では、懲戒処分後に従業員とトラブルになり、裁判を起こされた場合の対応について多くの実績があります。

    今回の記事でご紹介しましたように、懲戒処分に関するトラブルの対応には専門的な知識とノウハウが不可欠であるうえ、裁判所で懲戒処分が無効と判断されてしまうと、社内の規律を維持できません。

    このようなトラブルに発展してしまった場合でも、懲戒処分に関するトラブルに精通した弁護士がこれまでの豊富な経験を生かしてベストな解決に向けて対応します。

    懲戒処分に関するトラブルが生じたときは、ぜひ咲くやこの花法律事務所に対応をご依頼ください。労務トラブルに強い弁護士が迅速に対応し、適切な解決を実現します。

    咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士による弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税
    ●懲戒に関する裁判対応:着手金40万円程度~

     

    7,懲戒処分について「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせする方法

    懲戒処分に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士によるサポート内容については「労働問題に強い弁護士のサポート内容」のページをご覧下さい。

    また、今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

    【お問い合わせについて】
    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

     

    8,懲戒処分についてお役立ち情報も配信中!無料メルマガ登録について

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    9,懲戒処分に関連したその他のお役立ち情報

    今回は、「懲戒処分」について詳しくご説明いたしました。

    懲戒処分の種類や、実際に懲戒処分を進めていく際の正しい判断基準やルールなどに関してご理解いただけたと思います。懲戒処分は方法を誤ると重大なトラブルにつながることも多いです。ここでは、懲戒処分の他にも知っておくべき関連情報もご紹介しておきますので、合わせて確認しておきましょう。

    戒告書・譴責処分通知書について。書式・書き方と注意点を解説

    減給について解説!法律上の限度額は?労働基準法上の計算方法とは?

    懲戒解雇について詳しく解説。

    降格処分について。会社側の立場で注意点を解説。

    実際に従業員を雇用されている会社では、「懲戒処分」をしなければならないケースがあります。そのため、「懲戒処分」はもちろん、万が一「懲戒処分後のトラブル」などが発生した際は、スピード相談が早期解決の重要なポイントです。

    懲戒処分に関する対応やトラブルについては、「労働問題に強い弁護士」に相談するのはもちろん、普段から就業規則など自社の労務環境の整備を行っておくために「労働問題に強い顧問弁護士」にすぐに相談できる体制にもしておきましょう。

    労働問題に強い「咲くやこの花法律事務所」の顧問弁護士内容について

    大阪で実績ある「顧問弁護士(法律顧問の顧問契約プラン)サービス」はこちらをご覧下さい。

     

    記事作成弁護士:西川 暢春
    記事更新日:2018年6月13日

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