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商標権の不使用取消審判とは?成功のための3つのポイントも解説

商標権の不使用取消審判とは
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
  • この記事を書いた弁護士

    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士の西川暢春です。

商標権の不使用取消審判についてわからないことがあり、悩んでいませんか?

「請求をどのように進めればいいのか」や「請求を成功させるためにどうすればよいのか」など、具体的なことはわかりにくいのが実情だと思います。

不使用取消審判を成功させるためには3つのポイントをおさえておくことが必要です。

今回は、商標権の不使用取消審判について、成功させるためのポイントも含めてわかりやすく解説します。

不使用取消審判の手続きはポイントをおさえずに自己流で進めると、商標権者からの反論に対応できずに取消が認められなかったり、取消に成功しても自社が商標権を取得できないという結論になってしまうリスクがあります。

重要な点を解説していますので、この記事を最後まで読んでいただいたうえで、手続きを進めるようにしてください。

それでは見ていきましょう。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」
不使用取消審判の手続きは専門的な手続きになりますので、弁護士や弁理士などの専門家に対応を依頼することをおすすめします。

咲くやこの花法律事務所でもご相談や手続きの代行を行っていますので、お困りの方はぜひご相談ください。

 

▶参考情報:商標登録に強い弁護士への相談サービスはこちら

 

▼商標権の不使用取消審判に関して今スグ相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

また商標権に強い顧問弁護士をお探しの方は、以下を参考にご覧下さい。

【全国対応可】顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら

大阪で実績豊富な顧問弁護士サービス(法律顧問の顧問契約)をお探しの企業様はこちら

 

 

1,不使用取消審判とは?

商標権の不使用取消審判とは、他社が登録している商標権が実際には使用されていない場合に、その商標権の取り消しを求めることができる制度です。

不使用取消審判が申し立てられた場合、継続して3年以上日本国内でその商標が使用されていないときは、特許庁がその商標権を取り消すことになります。

商標の制度は特定のネーミングやロゴマークについて商標権者に独占的な使用を認める制度ですが、実際に使用されていない場合にこのような独占権を認める必要がないため、不使用取消審判の制度が設けられています。

 

「弁護士西川暢春のワンポイント解説」

自社で使用したい商標を他社が登録してしまっている場合、不使用取消審判を請求する方法以外にも、「ライセンス契約」を結んで使用させてもらう方法、商標権を譲り受ける方法など様々な解決策が考えられます。

不使用取消審判を請求すると相手との関係が悪化し、交渉がうまくいかなくなるケースもありますので、請求を始める前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

2,不使用取消審判を活用できるケース

不使用取消審判制度は以下のような場面で活用します。

 

(1)自社で商標権の登録を申請している場面

自社で商標権の出願をしても、他社がすでに同じ商標または類似の商標を登録している場合は登録ができません。

しかし、他社がその商標を使用していない場合は、不使用取消審判の制度を利用して他社の商標権を取り消すことにより、自社による商標登録が可能になります。

商標権の取得については以下の記事でも解説していますのであわせてご参照ください。

 

 

(2)他社から商標権侵害として警告を受けた場面

自社で使用しているネーミングやロゴについて他社から商標権侵害であるとして警告を受けた場面でも、不使用取消審判制度を活用できるケースがあります。

他社がその商標を使用していない場合は、不使用取消審判の制度を利用して他社の商標権を取り消すことにより、自社がその商標を使用し続けることが可能になります。

商標権侵害に関する基本的な知識や実際に警告された場合の具体的な反論方法については、以下の記事などで詳しく解説していますのであわせてご参照ください。

 

 

3,不使用取消審判請求の成功の3つのポイント

不使用取消審判請求の成功の3つのポイント

不使用取消審判請求を成功させるためのポイントとしては以下の3つをおさえておきましょう。

 

ポイント1:
必ず商標出願をする

不使用取消審判の請求をする場合は、その前に、取消を求めるその商標について必ず自社による商標出願をしておくことが必要です。

そうでないと、せっかく不使用取消審判の請求をして認められても、他人が先にその商標を申請してしまい、自社が使用できなくなる危険があります。

 

ポイント2:
不使用取消審判は予告せずに行う

不使用取消審判は相手に予告せずに行うことが原則です。

相手に予告すると、相手が急いで使用する可能性があるためです。

 

ポイント3:
使用証拠について適切な反論をする

不使用取消審判の請求がされた場合、商標権者側は、3年以内に商標を使用していたことを示す証拠を提出して反論をしてくるケースがあります。

これを「使用証拠」といいます。

商標権者から使用証拠が提出された場合には不使用を主張する側から適切な再反論をすることが必要です。

使用証拠に対する再反論としては以下のようなものがあります。

 

1,駆け込み使用であるとの反論

商標権者が不使用取消審判が起こされることを知って、取消を避けるために、急いで商標使用実績を作ろうとするケースがあります。

これを「駆け込み使用」といいます。

不使用取消の審判を起こす3か月前より後に、商標権者が、不使用取消審判が起こされることを知って「駆け込み使用」した場合は、これは使用証拠として認められないことが法律で決められています。

そのため、使用証拠に対する再反論として、駆け込み使用であるとの反論が考えられます。

 

2,「商標の使用」にあたらないとの反論

使用証拠に対して、「商標としての使用」にあたらないと反論することも考えられます。

商標としての使用というのは、基本的には商品名、サービス名としての使用をいいます。

例えば、商品説明の文中で使用されているが、商品名、サービス名として使用されていたわけではない場合は、「商標としての使用」にあたらないと反論することが可能です。

 

3,指定商品についての使用ではないとの反論

取消の請求をしたい商標が複数の指定商品または指定役務について登録されている場合、取消請求する側は、商標権者が使用していない一部の指定商品または指定役務についてのみ取消請求の対象とすることが可能です。

この場合、商標権者が商標を使用していたというためには、取り消しを請求されてる指定商品あるいは指定役務についての使用であることが必要です。

例えば、「宝飾品」と「かばん」という2つの指定商品について商標登録されている場合、取り消しを請求する側はどちらか1つの指定商品についての商標権のみを取消請求の対象とすることが可能です。

そして、例えば「かばん」について取消請求の対象とされた場合、商標権者側は「かばん」についての商標の使用の証拠を提出して反論しなければなりません。

仮に使用証拠として提出されたものが「かばん」についての使用証拠でない場合、取消請求者側から「指定商品についての使用ではないから使用証拠としては認められない」と再反論していくことが必要です。

 

以上を踏まえて、商標権者側の使用証拠に適切な再反論をしていくことが成功のポイントです。

 

4,不使用取消審判請求の流れ

不使用取消審判については、相手に対する法的な反論が必要になる場面も多いため、弁護士に依頼して進めることがベストです。

具体的な流れとしては以下の通りです。

 

(1)審判請求書の提出

取消を請求する側が審判請求書を特許庁に提出することで手続きが開始します。

 

「弁護士西川暢春のワンポイント解説」

不使用取消審判請求では、請求をされた側が、使用していた証拠を提出しなければならいことになっています。

そのため、請求をする側は証拠を提出しなくても、手続きを進めることが可能です。

 

(2)商標権者側の反論

商標権者側が使用証拠を提出するなどして反論します。

 

(3)取消請求者側の再反論

取消請求者が、商標権者による反論に対して再反論します。

 

(4)特許庁における審理

双方の言い分を踏まえて特許庁における審理が行われます。

 

(5)審決

取消を認めるかどうかの審決(特許庁としての判断)が下ります。

 

(6)審決に不服がある場合は審決取消訴訟へ

審決で取消が認められない場合は、訴訟により取消を求めることが可能です。

 

5,不使用取消審判にかかる期間

不使用取消審判の平均的な審理期間は、統計上「約6.4か月」です。

 

6,不使用取消審判にかかる費用

不使用取消審判に必要な費用としては、以下の費用があります。

 

(1)特許庁に納める印紙

不使用取消審判を請求するためには特許庁に印紙を納める必要があります。

この印紙代は取消を求める商標の区分の数によって異なります。

取り消しを求める商標の区分が1区分の場合は、5万5000円です。

 

(2)弁護士費用

弁護士に支払う費用です。

事案にもよりますが、「15万円から30万円程度」かかります。

 

7,商標権の不使用取消審判に関して弁護士に相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

最後に、咲くやこの花法律事務所での不使用取消審判についてのサポート内容をご紹介しておきたいと思います。

 

(1)不使用取消審判についてのご相談

咲くやこの花法律事務所では、商標トラブルの解決について実績のある弁護士が、企業の皆様から不使用取消審判に関するご相談をお受けしています。

自社で使用したい商標を他社が登録してしまっている場合、不使用取消審判を請求する方法以外にも、「ライセンス契約」を結んで使用させてもらう方法、商標権を譲り受ける方法など様々な解決策が考えられます。

様々な解決策の中から、不使用取消審判に進むことがベストかどうかや、手続きの進め方について、相談者の立場にたって助言します。

 

商標権に強い弁護士への相談料

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(2)不使用取消審判の請求の代行

咲くやこの花法律事務所では、不使用取消審判の請求の代行の依頼も承っています。

この記事でもご説明した通り、手続きの中で商標権者から使用証拠が提出されそれに対して反論が必要になることが多くなっています。

過去の審決例や裁判例に精通した弁護士が的確な反論をすることで不使用取消審判を成功に導きます。

 

商標権に強い弁護士の弁護士費用

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
●審判請求代行費用:15万円~30万円+税

 

不使用取消審判をご検討中の方はぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。

 

▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の商標に関する解決実績について

咲くやこの花法律事務所では、商標の出願について多くのご依頼をいただき、実際に商標の登録を実現してきました。その中には、特許庁からの拒絶理由通知に反論して登録を実現したものなど、工夫を要したものも多くあります。

以下で商標分野に関する咲くやこの花法律事務所の実績の一部をご紹介していますのでご参照ください。

 

【特許庁から拒絶理由通知された商標出願トラブル】弁護士が特許庁に意見書を提出することで商標登録に成功した事例

靴のECショップが大手メーカーから商標権に基づく販売差止めを請求されたが、商標権を侵害しないことを説明して、販売を継続できた事例

 

8,咲くやこの花法律事務所の弁護士へ問い合わせる方法

商標権の不使用取消審判に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。今すぐの問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

9,商標権の不使用取消審判に関連するお役立ち情報も配信中(メルマガ&YouTube)

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記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2022年8月4日

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    西川 暢春(にしかわ のぶはる)
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    価格:9,680円


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    著者:弁護士 西川 暢春
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    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:416ページ
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