こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
景品表示法に関連して、弁護士に相談したいことがあるけれども、どう進めればよいかわからずに困っていませんか?
景品表示法関連のチェックを怠ると、以下のようなトラブルが起こります。
- 消費者庁や都道府県から措置命令を受け、インターネット上で違反企業として公表されることにより、消費者からの企業イメージが悪化する
- 課徴金納付命令を受け、多額の支払いを命じられる
- 法令違反として報道され、消費者からの企業イメージが悪化する
最近の景品表示法の処分事例は、確信犯的に誇大広告、虚偽広告をしたという事案よりは、むしろ、景品表示法のガイドラインに対する理解不足、認識不足による処分事例が多く、弁護士によるチェックを受けなければ、問題に気づくことが難しかったと思われる処分事例が多数公表されています。
一方、弁護士の専門分野も様々であり、景品表示法の問題について精通している弁護士は全体のごく一部に限られます。景品表示法関連の処分事例やガイドラインは常に新しいものがでてきますので、最近の処分事例や消費者庁のガイドラインの内容に精通した適切な弁護士に相談することが重要です。
この記事では、景品表示法に関する相談について、よくある相談事例や、弁護士への相談方法、弁護士からサポートを受けることができる内容などについてご説明します。
それでは見ていきましょう。
景品表示法の相談に関する各弁護士の取り組み方も様々ですが、この記事では、筆者が所属する咲くやこの花法律事務所でのよくある相談事例や、弁護士への相談方法をご紹介します。
咲くやこの花法律事務所へのご相談方法は以下をご参照ください。
▶景品表示法に関して今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
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※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
今回の記事で書かれている要点(目次)
1,景品表示法とは?
景品表示法(景表法)は、一般消費者向けのビジネス(いわゆるBtoC型のビジネス)をする全ての事業主が注意しなければならない重要な法律です。
大きく分けて以下の3つのルールを定めています。
(1)不当表示の禁止(景品表示法第5条関連)
消費者を誤認させるような不当な広告等の表示を禁止するルールであり、「優良誤認表示の禁止」、「有利誤認表示の禁止」がその主な内容です。
(2)景品の上限規制(景品表示法第4条関連)
購入について消費者の判断を誤らせるような過大な景品の提供を禁止するルールです。事業者による「おまけ」やプレゼントの提供、ポイントの付与などに対する規制です。
(3)社内体制の整備義務(景品表示法第26条関連)
景品表示法を遵守するための社内体制の整備を義務付けるルールです。
景品表示法の内容についての詳しい解説は以下をご参照ください。
2,よくある相談事例
景品表示法関連で弁護士によくご相談いただくケースとしては以下のものがあります。
(1)Webサイトやランディングページのリーガルチェックのご依頼
景品表示法の不当表示に関する規制は、チラシや商品の包装、店頭のポップ、インターネットなどありとあらゆる表示媒体に適用されますが、その中でもWebサイトやランディングページなどインターネット上の広告表示について景品表示法違反を指摘される処分事例が増えています。
それに伴い、ECサイトを運営する事業者や、ECサイトの制作会社から、Webサイトやランディングページについて、弁護士によるリーガルチェックのご依頼を多数いただいています。
自社の商品やサービスについてWebサイトやランディングページを作成するときに、自社で適切なチェックをすることは簡単ではありません。弁護士に相談して景品表示法を踏まえたリーガルチェックを受けておくことが重要です。
Webサイトでは、リンクやバナーの設置方法、スマートフォンでの表示方法、コンバージョンボタンの配置箇所、アコーディオンパネルの表示方法など、チラシや商品の包装とは違う問題点があることに注意が必要です。
消費者庁の各種ガイドラインでも、このようなWebサイト特有の問題点について言及がされています。また、消費者庁からは「インターネット上の広告表示」について「問題点と留意事項」が公表されています。
これらの点を踏まえたリーガルチェックを行う必要があることに注意してください。
▶参考情報:消費者庁「景品表示法関係ガイドライン等」
▶参考情報:消費者庁 「インターネット上の広告表示」
(2)打消し表示に関するリーガルチェック
インターネット上の表示なのか、あるいはチラシ等の紙媒体なのかにかかわらず、問題になるケースが増えているのが、「打消し表示」です。
例えば、「セール期間中につき全品10パーセントOFF」等と広告しながら、一方で「ただし、対象外商品があります」などと例外があることをうたう場合、例外部分の表示を「打消し表示」と呼びます。
この「打消し表示」の表示方法が不十分である場合、消費者に誤認を与える広告として、優良誤認表示や有利誤認表示に該当し、景品表示法違反の指摘を受ける例が増えています。
企業からも「打消し表示」の表示方法が不十分にならないように、弁護士にリーガルチェックのご相談をいただく事例が増えています。
企業としては、広告の訴求効果をできるだけ打ち消したくない意向が働きがちであるため、社内でのチェックがどうしても甘くなりやすいです。
弁護士による第三者的な立場からのリーガルチェックをうけて、優良誤認表示や有利誤認表示の問題が起きないようにしておくことが重要です。
優良誤認表示、有利誤認表示の処分事例については、以下をご参照ください。
▶参考情報:優良誤認表示とは?事例をもとにわかりやすく解説
▶参考情報:有利誤認表示とは?事例をもとにわかりやすく解説
(3)動画広告に関するリーガルチェック
動画マーケティングに取り組む事業者が増え、動画広告が景品表示法違反として処分をうける事例も増えています。
それにともなって動画広告に関するリーガルチェックのご相談も増えています。
動画広告は、他の媒体と違って、「表示される秒数」や「音声」が問題になるという特徴があります。
例えば、「セール期間中につき全品10パーセントOFF」と動画広告で表示しながら、一方で「ただし、対象外商品があります」などと例外があることをうたうケース
以下のようなケースは、有利誤認表示とされる可能性があることに注意する必要があります。
- 「ただし、対象外商品があります」の部分が表示される秒数が短かすぎる場合
- 「ただし、対象外商品があります」が表示される画面でこれとは別の音声が流れる仕様になっている場合
消費者庁のガイドラインでも動画広告特有の問題点について言及がされています。
動画広告についてのチェックが甘くならないように、弁護士による第三者的な立場からのリーガルチェックをうけて、景品表示法違反の問題が起きないようにしておくことが重要です。
動画について景品表示法違反で措置命令を受けた最近の事例として、タイガー魔法瓶株式会社のテレビコマーシャルの事例があります。
(4)体験談表示に関するリーガルチェック
商品やサービスの効果を訴求するために、顧客の体験談を掲載するケースについての処分事例も多く見られます。
体験談の表示を検討するときは、事前に弁護士のリーガルチェックを受けておきましょう。
体験談の表示について特に注意を要するのが景品表示法の不実証広告規制です。
不実証広告規制とは、広告で訴求する効果や性能について、事業者が消費者庁から根拠資料の提出を求められた後15日以内に根拠資料を提出できない場合は、違法な広告であるとして措置命令の対象とするルールです。商品やサービスの効果を訴求する体験談の掲載についても、この不実証広告規制が適用されます。
体験談を根拠資料とする表示については、消費者庁の不実証広告ガイドラインにおいて「無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して行うなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要がある」とされていることから、この観点も踏まえたリーガルチェックが重要です。
不実証広告規制については、以下で詳しく解説していますので併せてご参照ください。
いわゆるビフォアアフター表示も体験談表示の1例ということができます。ビフォアアフター表示については、薬機法や医療法との関連だけでなく、景品表示法の観点からもチェックを行う行う必要があります。
以下のように通販番組におけるビフォアーアフター表示についての処分事例もあり注意を要します。
(5)クチコミ依頼やSNS上のキャンペーンに関するご相談
消費者にクチコミ投稿を依頼したり、SNS上で消費者にクチコミ投稿を募る際は、ステルスマーケティング規制等の関係に注意が必要です。
単にクチコミを依頼するだけではステルスマーケティング規制に違反することにはなりませんが、事業者が消費者が投稿する内容を事実上決定しているケースではステマとして違法になり得ます。
▶参考:ステルスマーケティングに関する法規制の内容は、以下をご参照ください。
(6)ポイント付与や景品提供に関するご相談
一般消費者に対して無償でポイントを付与したり、景品を提供するような販促活動を行う場合は、景品表示法の景品の上限規制に注意が必要です。
特に、ポイントの付与が「値引き」に該当する場合は、景品表示法の規制範囲外となりますので、「値引きに該当するかどうか」といった観点から弁護士にご相談をいただくことが増えています。
景品の上限規制の概要については以下をご参照ください。
また、ポイントの付与については、あわせて、有利誤認表示に該当しないかどうかという、不当表示規制の観点からのリーガルチェックも必要です。
3,景品表示法に関して弁護士に相談するべき理由
次に、景品表示法に関することは、弁護士に相談すべき理由についてご説明いたします。
(1)広告企画や景品企画について思わぬ違反の指摘を予防できる
景品表示法違反で処分されている事例のうち、確信犯的に虚偽の広告を行ったと思われるものはごく一部です。
むしろ、社内の担当者としては、特に問題があると認識していなかったが、消費者庁や都道府県から違反の指摘を受けてしまうというケースがほとんどです。
そして、景品表示法に違反すると、行政からの措置命令や課徴金納付命令の対象となり、またその内容が消費者庁や都道府県のWebサイトでも公表されます。
その結果、処分を受けた悪質業者というイメージで一般消費者からみられていまい、企業として大きなダメージを受けることになります。
確認不足や、法的な知識の不足により、処分をうけ、企業として大きなダメージを受けることをなくすためには、広告企画や景品企画の内容について、弁護士の第三者的な視点からリーガルチェックを受けることが必須です。
なお、景品表示法に違反した場合に企業に科されるペナルティについては、以下で詳しく解説していますので併せてご参照ください。
(2)景品表示法で義務付けられる社内体制を整備する
弁護士に相談することは、景品表示法で義務付けられている社内体制を整備するという意味もあります。
景品表示法は第26条で、事業主に対し、「表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置」を講じることが義務づけており、その内容が以下の消費者庁の「指針」で具体化されています。
具体的には、以下の7項目が義務づけられています。
1,景品表示法の考え方を社内で周知・啓発すること
例:景品表示法に関する社外講習会への参加や弁護士による社内研修の実施等
2,景品表示法を遵守する方針や社内でとるべき手順を明確にすること
例:景品企画、広告企画については、事前に弁護士のリーガルチェックを受けることを社内マニュアルで定める等
3,表示等の根拠となる情報等を確認すること
例:商品やサービスの効果、効能をうたうような広告表示をする場合は、その効果、効能についての根拠資料があるかどう等を確認し、根拠資料についても弁護士のリーガルチェックを受ける
4,確認した表示の根拠となる情報を社内で共有すること
5,表示を管理する担当者等を定めること
6,表示の根拠となる情報等について資料を保管するなど、事後的に確認することができるようにするための措置をとること
例:商品やサービスの効果、効能をうたうような広告表示をした際は、その効果、効能についての根拠資料を保管する
7,不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応
例:ウェブサイトや店頭でお詫び文を掲載するなどして一般消費者の誤認を排除するための周知等を行ったうえで、関係従業員への研修等の再発防止の措置をとる
▶参考:景品表示法で義務付けられている7項目の解説イラスト
自社の体制が、上記の義務に対応できているか、確認しておきましょう。また、自社だけで体制整備が難しい場合は、顧問弁護士のサポートを受ける形で体制整備をすることを検討しましょう。
これらの社内体制の整備については、弁護士のサポートを受けながら進めていくことが適切です。
4,景品表示法に関する弁護士によるサポート内容
景品表示法に関するご相談についてどのようなサポートを弁護士から提供しているかは、各弁護士ごとにまちまちです。
咲くやこの花法律事務所におけるサポート内容は以下の通りです。
(1)広告表示に関するご相談
初回のご相談時に、事業の内容や、広告対象となっている商品・サービスの内容をヒアリングさせていただきます。
そのうえで、広告の案を弁護士が確認させていただき、景品表示法上問題となりうる点の洗い出しを行います。
また、効果、効能を訴求する広告等、広告表示の根拠が問題になる場面では、弁護士から根拠資料の提出をお願いし、確認します。
根拠資料と広告表示の内容を踏まえて、景品表示法違反の有無の判断を行い、違反箇所がある場合は、改善方法をお伝えします。
(2)景品提供に関するご相談
景品提供に関する上限規制が問題になる時は、初回ご相談時に、事業の内容や景品企画の内容をヒアリングさせていただきます。
そのうえで、弁護士が景品規制の適用の有無や景品規制の適用がある場合にどの種類の景品規制が適用されるかの判断をします。
そのうえで、景品表示法違反の有無について判断を行い、違反箇所がある場合は、改善方法をお伝えします。
5,弁護士費用
景品表示法に関連する相談やリーガルチェックについての費用も弁護士によってまちまちです。
以下では、筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所の費用をご説明します。
(1)初回相談料
●30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
初回のご相談で、事業の内容や現在のご不安事項、景品表示法関連の問題点を弁護士が丁寧にヒアリングし、ご相談者からのご質問にご回答します。なお、初回相談の段階から、顧問契約を締結していただく場合は、初回相談料は不要となります。
(2)リーガルチェックの費用
●5万円+税~(顧問契約締結の場合は無料)
景品表示法関連のリーガルチェックについては、原則として、初回相談料とは別に、チェックすべき広告表示等の分量に応じて費用を見積もりさせていただいています。
6,咲くやこの花法律事務所の弁護士の紹介
咲くやこの花法律事務所では、景品表示法に関し、企業からのご相談を多くお受けしてきました。消費者庁や都道府県から随時公表される最新の処分事例や景品表示法に関連するガイドラインに目を通し、問題となりうる事例について明確な指摘を行うことが可能です。
咲くやこの花法律事務所の弁護士のプロフィール等については以下をご参照ください。
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の弁護士紹介ページへ
7,「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
景品表示法に関する相談などは、下記から気軽にお問い合わせください。今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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記事作成日:2023年7月25日
記事作成者弁護士:西川 暢春