債権者からの督促の対応に追われ、心理的に過度な負担を抱え込んでしまうことが少なくありません。場合によっては、家族や周囲の人にも迷惑をかけてしまうというケースも見られます。弁護士に早期に依頼いただくことで、債権者からの督促をとめることができます。
従来から行っていた事業について収益力が悪化してしまい、法人破産を選択することになるケースも多くみられます。また、事業に投資したが失敗し、投資が回収できなくなったことによる破産も多くみられます。
自社の取引先が倒産してしまい、それによって売掛金が回収できなくなったことにより、自社も破産せざるを得なくなるケースです。
代表者が債務を残したまま死亡してしまい、残された取締役が破産の手続きを行うケースや、遺族が新しい代表者を決めて破産の手続きを行うケースです。
法人の債務を代表者が連帯保証しており、法人の破産にともなって代表者も破産が必要になるケースです。
法人の債務について、代表者以外の連帯保証人がいるケースでは、法人の破産にともなって、その連帯保証人の破産も必要になることがあります。
これらの企業法務に強い「弁護士の活躍が話題に!
メディアからも取材していただきました。
事前相談
弁護士の最初の重要な役割が、「破産にあたって事前の相談を受け、破産をするかどうかや破産の進め方についての方針を決定すること」です。以下のような点を弁護士にご相談いただき、破産についての方針を決定します。
●破産以外の方法がないかどうか
●代表者の破産も必要かどうか
●支払いができない債権者への当面の対応をどうするか
●破産により解雇しなければならない従業員への対応をどうするか
●代表者やその家族の生活をどうするか
なお、破産についての方針を決定するうえでは破産によるデメリットについても正確に把握しておく必要があります。
法人破産のデメリットについて、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
法人の破産について弁護士にご依頼いただいた後に以下のようなご感想をいただくことが多いです。悩んでおられる場合は早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
●債権者の督促がきつく、家にも帰れない日が続いたが、弁護士に依頼して通知を出したことにより、督促が止まり、家に帰れるようになった。
●労使対立が厳しかったが、破産して、新会社としてやり直すことで事業が落ち着いた。
●親族の中に破産に反対する人もいたが、弁護士の援助を受けて、取締役会を上手く乗り切り、体力があるうちに破産申立を進めることができた。
代表者個人の資産をできるだけ残せるようにする
法人に金融機関などからの借入金があり、これを代表者が連帯保証しているケースでは、代表者個人も債務を負担していますので、代表者個人としても自己破産が必要になることが多いです。その場合に代表者個人で所有する不動産や預金、生命保険などの資産が債権者への配当にあてられ失われます。しかし、完全に全ての資産を失うわけではなく、「自由財産」といって、99万円以下の範囲で現金を手元に残すことができます。このような制度を利用してできるだけ代表者個人に資産が残るようにすることも法人破産における弁護士の役割の1つです。
また、以下のケースでは、法人が破産しても代表者個人が破産する必要はありません。
●代表者個人が連帯保証している法人の債務があっても金額的にわずかで個人で返済できる場合
●代表者個人が連帯保証している法人の債務があっても、債権者が分割払いに応じて返済を待ってくれる場合
弁護士に相談して、代表者個人の破産を回避する方法がないかどうかを検討することも重要です。
受任通知の送付
破産を申し立てる場面では、「期日までに決済できない手形」や「期日までに支払いができない代金や返済」が出てきます。期日までに支払いができない債権者に対して、弁護士が破産予定であることを書面で通知し、取り立てなどの行為を控えるように求めます。これを「受任通知」といいます。また、代表者への直接の連絡や訪問をしないように書面で求めることにより、代表者を債権者による取り立てから守ります。このように、弁護士が債権者からの取り立てに対して矢面に立ち、会社や代表者を守る役割を果たします。
従業員の解雇
破産を進めるにあたって、従業員を解雇することが必要になります。解雇の場面でも弁護士が経営者から相談を受け、以下の点について経営者をサポートします。
●解雇を伝えるタイミングの判断
●解雇の進め方
●解雇に関する書類の作成
●解雇予告手当の支払い
●解雇後の従業員からの協力の取り付け方
このような会社の経営難による解雇を「整理解雇」と言います。なお、会社の資金から未払いの給与や解雇予告手当を支払うことができる場合は、きちんと支払っておくことが、スムーズな破産申し立てにつながります。解雇予告手当については以下の記事をご参照ください。
破産申し立て
破産申立書を作成し、また破産に必要な書類を集めることも弁護士の重要な役割です。破産に必要な書類は多岐にわたりますので、準備に時間がかかるものから段取り良く準備していく必要があります。破産申立書と必要書類がそろえば、弁護士から裁判所に破産申し立ての手続きを行います。また、商品在庫がある場合は、在庫をできるだけ高値で処分することも、弁護士の役割の1つになります。在庫処分を早く進めることで、破産手続きをスムーズに進めることができます。
破産管財人との打ち合わせ
裁判所に破産の申し立てをした後は、「破産管財人」との打ち合わせが重要になります。「破産管財人」とは、裁判所から任命されて、破産する会社の財産を集めてそれを債権者に配当する役目を担う弁護士のことです。破産管財人には、破産申し立てを行う弁護士とは別の弁護士が就任します。破産管財人との打ち合わせは、経営者と申立てを担当した弁護士が一緒に破産管財人の事務所に行って行うことが通常です。弁護士が同行することにより、破産に至った事情や、破産管財人に伝えておかなければならない問題点を伝え、スムーズに破産手続きを進めるための橋渡しを行います。
債権者集会への出席
破産管財人との打ち合わせの後は、裁判所が指定する期日に債権者集会が行われます。弁護士は、経営者と同席して、この債権者集会に出席します。債権者集会では、会社が破産をしなければならなくなった事情を説明し、また会社の財産状況を債権者に説明することになります。弁護士が同席することより、安心して対応ができ、整理された説明をすることが可能です。
代表者の再起に向けたサポート
破産の手続きと並行して、代表者の再起に向けたサポートをしていくことも弁護士の重要な役割です。特に再度会社を起こす場合は、破産手続きと関連して、様々な注意点が出てきます。弁護士に相談して正しい対応をすれば、再度同じ事業を別会社でやりなおしたり、別事業で早期に再出発することが可能です。
事務所に来所、または電話・Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)で、ご相談をお受けする際に必要な弁護士費用です。
初回の相談料 | 2回目の相談料 |
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30分あたり
5,000円+ 税
(顧問契約締結の場合は無料) |
30分あたり
10,000円+ 税
(顧問契約締結の場合は無料) |
費用の決まり方 | 法人破産に必要な費用は、「弁護士費用」と「裁判所予納金」、「実費」にわけられます。具体的な金額は、資本金、資産及び負債の額、債権者その他関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて大きく異なります。 なお、費用については分割での支払いも可能です。弁護士に依頼した段階で、債権者への支払いが必要なくなるため、これまで債権者の支払いに回っていたお金を弁護士費用の支払いに充てることが可能です。 |
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(内訳)
弁護士費用 50万円+税~(内訳)
弁護士費用 90万円+税~
法人破産の最大のメリットは全ての借金から解放されることです。
法人破産にかかる費用は80万円から120万円程度になることが多いですが、それだけの費用で何千万あるいは何億とある債務をゼロにすることが可能です。
これに対して、もし破産ではなく、民事再生やリスケジュールといった手段をとる場合は、これまでの債務の一部または全部を将来にわたって分割して支払っていく必要があります。つまり、破産のように債務をゼロにするというメリットは得られません。
また、法人破産を弁護士に依頼すると、債権者からの督促が止まることも大きなメリットです。破産申し立てを弁護士に依頼すると、弁護士は債権者に対して破産の申し立ての依頼を受けたことを文書で通知します。この通知を債権者に送った後は、債権者からの取り立ても停まります。その後は、これまで債権者の支払いに回していたお金が会社にプールされるようになりますので、そこから破産の費用を作ることも可能になります。支払いに追われなくなり、心理的なゆとりを取り戻すことができます。
法人破産には以下のようなデメリットがあります。
デメリットについてもよく理解したうえで、破産するかどうかを決めることが必要です。
(1)代表者も破産が必要になることがある
(2)代表者破産のデメリットについて、弁護士に確認しましょう
(3)会社が消滅し、従業員の解雇が必要になる
(4)正しい解雇手続きを確認する必要があります
(5)代表者の信用情報に傷がつき、破産後の起業の際に融資を受けることが難しくなる
(6)融資がいらない事業モデルを検討することが必要です
(7)破産手続き中は裁判所への出廷が必要になる
(8)2ヶ月おきに1回程度、平日に時間を作る必要があります
法人破産のデメリットについては以下で詳しくご説明していますのでご参照ください。
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