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広告で返金保証制度に関する景品表示法の注意点【課徴金制度あり】

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  • 広告で返金保証制度に関する景品表示法の注意点【課徴金制度あり】
    • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
    • この記事を書いた弁護士

      西川 暢春(にしかわ のぶはる)

      咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
    • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

    最近の広告宣伝でよくみかけるのが、「返金保証」です。

    たとえば「満足できない場合は全額返金」などと掲載されている広告です。

    しかし、このような「返金保証」をうたう広告については、「景品表示法」との関係でトラブルが多いのが実情です。

    最近の事例でも、以下のようなものがあります。

     

    事例1:
    ライザップの事例

    プライベートジムを運営するRIZAP株式会社が行った「30日間全額返金保証」の広告について、神戸の消費者団体から景品表示法違反の疑いがあるとして削除申し入れがあり、会則を変更するなどにより対応したことが報道されました。

     

    事例2:
    アディーレ法律事務所の事例

    アディーレ法律事務所が行った「キャンペーン期間中に債務整理でご依頼をされた方で、ご契約から90日以内に契約の解除をご希望された場合、着手金をすべて返金いたします」との広告について、景品表示法違反の疑いの指摘を受け、アディーレ法律事務所がサービス内容を見直すなどの対応をしたことが発表されました。

     

    事例3:
    東京都の指導事例

    東京都は、スポーツクラブのダイエット指導サービスに関する「結果に自信があるからこそ全額返金保証 痩せなければ料金は頂きません!!」などのチラシ広告について、景品表示法違反の疑いで指導したことを発表しました。

     

    景品表示法違反については、平成28年4月から「課徴金制度」がスタートし、今後は自主対応や行政指導ではすまずに、課徴金の支払命令を受ける可能性があり、より注意が必要になります。

    そこで、今回は、企業が広告で返金保証をうたう場合の注意点をご説明したいと思います。

     

    ▼【関連情報】広告の返金保証など景品表示法に関わる情報は、こちらの関連情報も合わせて確認してください。

    消費者からの通報制度もある「不実証広告規制と「15日ルール」【効果や性能の広告表現に注意】

    二重価格表示とは?事例をもとにわかりやすく解説

    景品表示法に関して弁護士に相談すべき理由と弁護士費用

     

    ▼広告の返金保証など景品表示法について今スグ相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

    【お問い合わせについて】

    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

     

     

    1,広告で返金保証をうたう場合に注意すべき景品表示法の2つのポイント!

    景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、一般消費者向けの広告宣伝についてのルールを定める法律です。

    景品表示法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

     

     

    そして、広告で返金保証をうたう場合に、注意しておくべき景品表示法のルールは以下のものです。

     

    『商品の取引条件を実際よりも著しく有利な内容であると誤認させるような広告方法は景品表示法で禁止されている』

     

    つまり、「一般消費者に対してすごく得な取引条件であるかのような広告をしているが、実際にはそうでない」という誤認をまねくような広告方法が禁止されています。

    より正確には、「価格その他の取引条件について、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示で、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある広告」 が「有利誤認表示」と呼ばれ、景品表示法で禁止されています。

    有利誤認表示については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

     

     

    そして、このルールを踏まえて、広告で返金保証をうたう場合に企業が景品表示法上注意すべきポイントは以下の2点になります。

     

    (1)返金保証をうたう場合に企業が景品表示法上で注意すべき2つのポイント

    ポイント1:
    返金保証に条件がある場合は、広告に返金の条件も明記しなければならない。

    ポイント2:
    期間限定の返金保証ではないのに、「期間限定全額返金」などと広告してはならない。

     

    以下で、順番に見ていきましょう。

     

    1−1,ポイント1:
    返金保証に例外がある場合は、広告に例外も明記しなければならない

    返金保証の広告をする場合に、企業が注意すべきポイントの1つ目は、「返金保証に条件がある場合は、広告に返金の条件も明記しなければならない」という点です。

    この点が問題になったのが、冒頭で「事例1」としてご紹介した、ライザップCMの事例です。

     

    事例1:
    ライザップの事例

    ライザップの広告では、「30日間全額返金保証」とし、プログラム開始後30日までの期間について、「内容にご納得頂けない場合、全額を返金させていただきます」との表記がされていました。

    しかし、実際には、会則で返金については会社の承認が必要であるとされていました。

    そのため、会社の承認という条件付きの全額返金であり、プログラム開始後30日間であれば無条件で全額返金されるわけではありませんでした。

    この点が、「返金の条件を実際よりも著しく有利な内容であると一般消費者に誤認させるような広告である」として、景品表示法で禁止されている「有利誤認表示」にあたるとの指摘を受けました。

    このように、返金保証をする場合に条件として、「会社が承認した場合に限る」とか「〇日以内に連絡した場合に限る」などの条件がある場合、この点を広告で明示する必要があります。

    返金に条件があるのに、単に「満足できなかった場合は全額返金」などと記載して、返金の条件を記載しない広告は、「有利誤認表示」として、景品表示法に違反しますので、注意が必要です。

     

    1−2,ポイント2:
    期間限定の返金保証ではないのに、「期間限定全額返金」などと広告してはならない

    返金保証をうたう場合に、企業が注意すべきポイントの2つ目は、「期間限定の返金保証ではないのに、『期間限定全額返金』などと広告してはならない」という点です。

    この点が問題になったのが、冒頭で「事例2」としてご紹介した、アディーレ法律事務所の事例です。

     

    事例2:
    アディーレ法律事務所の事例

    この事例では、「キャンペーン期間」などとうたって、期間を限定したうえで、「キャンペーン期間中に債務整理でご依頼をされた方で、ご契約から90日以内に契約の解除をご希望された場合、着手金をすべて返金いたします」と広告していましたが、実際には、約1カ月おきに同様のキャンペーンを繰り返し実施していたという点が問題になりました。

    つまり、「キャンペーン期間限定で全額返金」と広告していたが、実際は、期間の限定がほとんどなく、同じ内容の広告が繰り返されていました。

    そして、この点が、「実際よりも著しく有利な内容であると一般消費者に誤認させるような広告である」として、景品表示法で禁止されている「有利誤認表示」にあたるとの指摘を受けました。

    この事例のように「期間限定!全額返金保証」などと広告しながら、実際には実質的に見て期間限定ではない場合も、「実際よりも著しく有利な内容であると一般消費者に誤認させるような広告である」として、「有利誤認表示」にあたり、景品表示法に違反します。

    「期間限定全額返金保証」の広告が、景品表示法に違反しないかの判断のポイントは以下の3点です。

     

    (1)「期間限定全額返金保証」の広告が、景品表示法に違反しないかの判断のポイント

    ポイント1:
    過去に返金しない条件で販売していた期間がどの程度あったか

    ポイント2:
    キャンペーン終了後は返金しない条件での販売が予定されているのか

    ポイント3:
    キャンペーン終了後も短期間の間をおいて、また同様のキャンペーンを繰り返す予定がないか

     

    「期間限定全額返金保証」の広告をする場合は、上記の3点を事前に確認し、「実質的に見れば期間限定ではないのに期間限定のキャンペーンとして広告していた」として、景品表示法違反となる恐れがないか十分チェックしておきましょう。

     

    2,景品表示法に違反した場合の罰則と課徴金制度について

    最後に、景品表示法に違反した場合のペナルティについても確認しておきましょう。

    景品表示法で「有利誤認表示」にあたると判断された場合のペナルティには、以下の4つがあります。

     

    (1)景品表示法で「有利誤認表示」にあたると判断された場合の4つのペナルティ

    1,行政による措置命令等

    景品表示法で「有利誤認表示」にあたると判断された場合、行政による措置命令の対象となることが定められています。

    また、企業が不当な広告を防止するための体制整備を行っているときは、行政は体制整備を企業に対し、指導・助言あるいは勧告し、企業が勧告に応じないときはその事実を公表することができます。

    そして、これらの措置命令や指導・助言・勧告等を行うために立入検査を行う権限も行政に認められています。

     

    2,懲役・罰金

    行政による措置命令にも違反した場合は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金あるいはその両方が科されることがあります。

    さらに、法人には、3億円以下の罰金が科されることがあります。

     

    3,適格消費者団体による差止請求

    消費者庁の認定を受けた消費者団体は、違法な広告の差し止め等を企業に請求することができます。

    この場合、差し止めを認めるかどうかは、最終的には裁判所が判断することになります。

     

    4,課徴金制度

    平成28年4月からは、景品表示法で「有利誤認表示」にあたると判断された場合について、課徴金制度がスタートしました。

    この「課徴金」は、「違法な広告で得た利益を取り上げることにより、公正な競争環境を保つ」という趣旨のもと、企業に金銭的な支払いを命じるものです。

    課徴金の額は、不当表示があった商品について、法律で決められた対象期間中に売り上げた売上額の3%とされています。

    そして、課徴金の計算の対象となる売上額の「対象期間」は最長で3年間とされており、たとえば、毎年1億円売り上げている商品について3年を対象期間として課徴金が課された場合、課徴金の額は900万円にもなります。

     

    このように、従来は、景品表示法違反については「1」から「3」までのペナルティーしかなく、行政による指導や消費者団体による差止請求を受けて改善すれば、それ以上のペナルティはありませんでした。

    懲役や罰金が科されるのは、行政による措置命令があったのにそれを無視して改善しなかった場合に限定されていました。

    しかし、平成28年4月以降、「4」の課徴金制度がスタートいたしました。

    この課徴金は、自主的に改善したかどうかにかかわらず、課されるペナルティであり、しかも、売上額の3%という考え方で課徴金が計算されるため、その金額は多額にのぼる可能性があります。

    今後は、景品表示法に違反していないかのチェックを従来以上に注意して行わなければ、金銭的にも大きなペナルティを受ける可能性があることに注意が必要です。

    景品表示法違反については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

     

     

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    5,まとめ

    今回は、広告で返金保証をうたう場合に企業が景品表示法上注意すべきポイントとして、以下の2つのポイントをご説明しました。

     

    ポイント1:
    返金保証に条件がある場合は、広告に返金の条件も明記しなければならない。

    ポイント2:
    期間限定の返金保証ではないのに、「期間限定全額返金」などと広告してはならない。

     

    また、景品表示法違反とされた場合の罰則や課徴金制度についてもご説明しました。

    返金保証をうたう広告が、業種を問わず広がりを見せていますが、上記の2つのポイントを踏まえて、広告表現の事前チェックを徹底しましょう。広告表現に不安がある場合は、景品表示法に詳しい咲くやこの花法律事務所にお気軽にご相談下さい。

     

    記事作成弁護士:西川 暢春
    記事更新日:2021年05月25日

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