こんにちは。弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
「誹謗中傷で刑事告訴をしたいがどのように進めればよいのかわからない」「刑事告訴をしても警察が動いてくれないのではないか」「刑事告訴と被害届は何が違うのか」等の悩みを抱えていませんか。
誹謗中傷の刑事告訴とは、名誉毀損罪や侮辱罪などの犯罪にあたるような悪質な誹謗中傷に対して、警察などの捜査機関に対し、被害にあったことを申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことです。
すべての誹謗中傷について刑事告訴ができるわけではなく、刑事告訴の対象となる誹謗中傷には一定の条件を満たす必要があります。また、刑事告訴には期限があることにも注意が必要です。
この記事では、どのような場合に誹謗中傷で刑事告訴ができるのか、刑事告訴と被害届の違いや被害届の出し方、刑事告訴の手続きの流れ、実際にどのような誹謗中傷が有罪となっているのか等について解説します。この記事を最後まで読んでいただくことで、刑事告訴ができる誹謗中傷とはどのようなものなのかや刑事告訴の手続の進め方、注意点等について理解していただくことができます。その結果、注意点も理解したうえで、刑事告訴を進めていくことができるようになります。
それでは見ていきましょう。
誹謗中傷で刑事告訴をする場合、事前の証拠収集と告訴状をどのように記載するかが重要なポイントになります。
捜査機関は、告訴を受け付ける段階では、当事者が主張する内容や提出する証拠からしか事実関係を把握することができません。実際に起こったことをみれば、犯罪が成立する可能性があるといえるのに、それを捜査機関に上手く伝えることができなかったために、告訴を受理してもらえないということもあります。
また、告訴には一定のルールがあり、犯罪が成立するかどうかについて適切な調査をしないまま誤って告訴したことが不法行為であるとして損害賠償が命じられる例もあります。虚偽の告訴をすると虚偽告訴罪(刑法172条)に問われたり、告訴状に事件の関係者に対する非難や感情的な記載をすると、内容によっては、逆に相手に対する名誉毀損等でトラブルになったりする可能性もあるので注意が必要です。さらに、告訴には期限があることにも十分注意してください。
このように注意すべき点も多いため、刑事告訴をする場合は、まず、弁護士の相談を受けていただくことをおすすめします。
咲くやこの花法律事務所でも、企業や事業者の誹謗中傷被害について刑事告訴のご相談、ご依頼をお受けしていますので、ご利用ください。
咲くやこの花法律事務所の誹謗中傷被害への対応に関するサポート内容については以下で詳しくご紹介していますのでご参照ください。
▶参考情報:誹謗中傷トラブルに関する弁護士への相談サービスはこちら
※咲くやこの花法律事務所では、企業または事業者からのご相談のみお受けしています。
また、咲くやこの花法律事務所の誹謗中傷トラブルの解決事例もご紹介していますのであわせてご覧ください。
▶参考情報:実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士がインターネット上に名誉毀損記事を掲載した者を刑事告訴した解決事例はこちら
▼誹謗中傷での刑事告訴について、弁護士の相談を予約したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
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※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
今回の記事で書かれている要点(目次)
1,誹謗中傷の刑事告訴とは?
誹謗中傷は、その内容によっては、名誉毀損罪や侮辱罪などの犯罪にあたり、刑事罰の対象となります。誹謗中傷の刑事告訴とは、これらの犯罪にあたるような誹謗中傷について、警察などの捜査機関に対し、被害にあったことを申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことです。
以下で詳細をご説明しますが、刑事告訴には期限があることに特に注意してください。
(1)刑事告訴ができる人
刑事告訴は原則として犯罪被害に遭った被害者本人が行う手続きです(刑事訴訟法230条)。
被害者が未成年や被後見人の場合は法定代理人や、被害者が亡くなっている場合はその配偶者や直系の親族または兄弟姉妹が行うことができます(刑事訴訟法231条)。これらの刑事告訴をする権利がある人のことを「告訴権者」といいます。
▶参考情報:刑事訴訟法230条・231条
第二百三十条 犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。
第二百三十一条 被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。
② 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。
・参照元:「刑事訴訟法」の条文はこちら
(2)刑事告訴ができる期間
親告罪の場合は、刑事告訴ができる期間に制限があり、「犯人を知った日から6か月以内」に刑事告訴をしなければなりません(刑事訴訟法235条1項)。
親告罪とは、被害者等が刑事告訴をしなければ犯人を起訴することができない犯罪のことで、誹謗中傷の事案では、名誉毀損罪や侮辱罪がこれにあたります。
刑事告訴ができる期間のことを「告訴期間」といい、告訴期間を経過してしまうと告訴は受理されません。
親告罪以外の場合は、犯罪の公訴時効(刑事訴訟法250条)が成立するまでは、刑事告訴をすることができます。
(3)刑事告訴ができる誹謗中傷とは?
すべての誹謗中傷について刑事告訴ができるわけではありません。刑事告訴をするためには、前提として、誹謗中傷が犯罪にあたることが必要です。誹謗中傷罪という犯罪があるわけではなく、どのような犯罪にあたるかは、誹謗中傷の個別の内容によって判断されることになります。
誹謗中傷で成立する可能性がある犯罪には以下のものがあります。
- 名誉毀損罪(刑法230条)
- 侮辱罪(刑法231条)
- 信用毀損罪(刑法233条)
- 偽計業務妨害罪(刑法233条)
- 威力業務妨害罪(刑法第234条)
- 脅迫罪(刑法第222条)

これらの犯罪が成立するかどうかは、誹謗中傷の内容が各犯罪の構成要件(犯罪が成立するための条件)に該当するかどうかで判断されます。
▶参考情報:誹謗中傷が犯罪に該当するかどうかの判断基準については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
(4)どのような刑罰を受けるか?
ある犯罪に対して、どのような種類の刑罰がどの範囲で科されるかを法律で定めたものを法定刑といいます。
たとえば、名誉毀損罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」、侮辱罪の法定刑は「1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料」と定められています。(※「拘禁刑」は以前は懲役刑または禁固刑でしたが、刑法改正により拘禁刑と呼ばれるようになりました。)
有罪となった場合は、それぞれの法定刑の範囲の中で、犯罪行為の内容や頻度、悪質性や反省の度合い等を考慮して、量刑が判断されることになります。
法務省が公表した統計資料によると、令和2年に名誉毀損罪で有罪となった者について、懲役刑は9名、禁固刑は0名、罰金刑は170名とされています。また、令和2年に侮辱罪で有罪となった者については、全員が科料とされています。
▶参考情報:法務省 法制審議会刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会 第1回会議配布資料「配布資料2 統計資料」(pdf)
※ただし、侮辱罪については令和4年7月7日に法律が改正され、統計調査が行われた当時よりも厳罰化されていることに注意が必要です。
2,刑事告訴と被害届の違いは?どちらを選べばよい?
| 刑事告訴 | 被害届 | |
| 目的 | 犯罪被害の申告 + 犯人の処罰を求める意思表示 |
犯罪被害の申告 |
| 期限 | 犯人を知った日から6か月以内 (親告罪の場合) |
なし(犯罪の時効が成立するまで) |
| 捜査義務 | あり | なし |
| 難易度 | 法的な構成要件を踏まえた 犯罪事実の記載が必要 |
比較的簡単 |
刑事告訴とは、前述したとおり、警察などの捜査機関に対し、被害にあったことを申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことです。一方で、被害届は、警察に対して犯罪被害を申告し、状況を把握してもらうための手続きです。
刑事告訴と被害届は、どちらも警察に犯罪被害を申告する手続きですが、その目的や法的な効果に違いがあります。結論から言えば、誹謗中傷で犯人の処罰を目指す場合は、被害届ではなく、刑事告訴をすることが適切です。
(1)目的
被害届と刑事告訴との目的の違いは、「被害の申告」なのか「犯人の処罰」なのかという点であるといえます。
被害届は、警察に対して犯罪被害を申告し、状況を把握してもらうための手続きです。これに対して刑事告訴は、警察に対して、犯罪被害を申告した上で、犯人を処罰してほしいと求める手続きです。
(2)効果
被害届を受理したからといって、警察が必ず捜査をしなければならないという決まりはありません。捜査するかどうかは、警察の判断にゆだねられており、場合によっては捜査が行われないこともあります。
一方で、刑事告訴が受理された場合、警察には捜査義務が生じます。刑事訴訟法242条には、「司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。」と定められています。
(3)親告罪の場合の扱い
名誉毀損罪や侮辱罪などの親告罪の場合、刑事告訴をしなければ犯人を起訴することができません。
被害届を提出しただけでは、刑事告訴をしたことにはなりません。親告罪にあたる場合、処罰を求めるためには、必ず刑事告訴をしなければなりません。
(4)期限
被害届には提出期限はなく、原則として犯罪の時効が成立するまでは提出することができます。
刑事告訴も基本的には同じですが、親告罪の場合は、法律で告訴ができる期間が定められており、「犯人を知った日から6か月を経過するまで」の間に告訴しなければならないとされています(刑事訴訟法235条)。
(5)手続の難易度
被害届には決まった書式があり、自分で被害届に記入するか、警察に被害内容を申告して代書してもらう等の方法で比較的簡単に提出することができます。
一方で、刑事告訴をする場合は、告訴状という書類を作成して警察に提出する必要があります。告訴状には、加害者のどのような行為でどのような被害が生じたかについて、法的な要件を踏まえて明確に記載する必要があります。内容が不十分な場合等は告訴の受理を拒否されることもあり、一定のハードルがある手続きであるといえます。
被害届を提出するか刑事告訴をするかは、被害者が自由に選択することができますが、親告罪の場合は刑事告訴が必須です。
3,被害届を提出する場合の出し方

被害届を提出する方法として、以下の4つの方法があります(犯罪捜査規範第61条)。
- 自分で被害届を作成して警察に提出する
- 警察署で被害届に記入する
- 警察官に被害届に代書してもらう
- 警察官が被害者の供述調書を作成する
実務上は、警察署の窓口へ行って、警察官に被害の内容を伝え、警察官が被害届を代書するパターンが多いと思われます。
▶参考:犯罪捜査規範第61条
第61条 警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。
2 前項の届出が口頭によるものであるときは、被害届(別記様式第6号)に記入を求め又は警察官が代書するものとする。この場合において、参考人供述調書を作成したときは、被害届の作成を省略することができる。
・参照元:「犯罪捜査規範」の条文はこちら
(1)提出先
被害届の提出先は警察署や交番です。交番では対応できないと言われるケースもあるため、警察署で提出するのが確実です。
どこの警察署でも提出することができますが、捜査のために警察に呼ばれて事情を聞かれる可能性があることや、受理された後の捜査をスムーズに進めてもらうことを考慮して、被害者の居住地や事件が発生した場所を管轄する警察署へ提出することが一般的です。
▶参考情報:管轄の警察署は、警察庁のホームページで調べることができます。
(2)必要書類
被害届の提出のために警察署を訪れるときは、身分証明書と印鑑が必要です。準備できるようであれば、証拠資料も持参するとよいでしょう。
▶参考情報:証拠資料の例
- 投稿内容のスクリーンショットやプリントアウトした書面(投稿日時やURL、投稿者の情報が映っているもの)
- 投稿者のアカウント情報
- SNSや掲示板等の運営者へ通報している場合はその履歴
- 誹謗中傷によって心身の不調をきたしている場合は医師診断書や通院の記録(領収書など)
- 誹謗中傷によって生じた被害状況に関する資料(売上や業績への影響、経済的損失などに関する資料)
警察官の聴取を受けるというのは、なかなかない経験なので、聞かれた内容をすぐに思い出せなかったり、思うように話せなかったりすることはよくあります。事前に、被害の内容や時系列などを整理し、メモ等にまとめていくとスムーズです。
(3)被害届の書き方
被害届の書式はインターネット上で公開されており、誰でもダウンロードすることができます。
被害届には以下の内容を記入します。
- 被害者の情報(氏名、住所、職業年齢)
- 被害の年月日
- 被害の場所
- 被害の模様
被害届に記入するときは、5W1H(だれが・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)を明確にし、できる限り具体的に記載することが重要です。
4,誹謗中傷の刑事告訴の手続きの流れ
刑事告訴は告訴状を作成し、警察に提出することによって行います。
告訴状が受理されると警察が捜査を行い、警察での捜査終了後、事件が検察庁へ送致されます。そして、検察庁でも再度捜査が行われます。そのうえで、検察が、加害者を起訴するか、不起訴にするかを決定します。起訴された場合は、裁判所で刑事裁判が行われることが原則です。有罪となった場合は、加害者に刑が科されることになります。

▶参考情報:刑事告訴の手続きの流れ
- (1)告訴状を作成する
- (2)警察に告訴状を提出する
- (3)警察の捜査・取り調べ
- (4)検察庁への送致・検察庁での捜査
- (5)起訴・不起訴の決定
- (6)刑事裁判・処罰の決定
ただし、実際上このとおりに進めることは決して簡単ではありません。それぞれの段階について以下で詳しく解説します。
※刑事告訴は、警察のほか検察官にも提出することができますが(刑事訴訟法241条1項)、実務上は、警察に提出することがほとんどです。そのため、警察へ提出する場合を想定して流れを解説します。
(1)告訴状を作成する
刑事告訴の方法は、書面または口頭でしなければならないとされていますが(刑事訴訟法241条)、実務上は、口頭で行うことはほぼなく、「告訴状」という書面を提出することによって行われるのが一般的です。
告訴状に決まった書式はありませんが、以下のような内容を記載する必要があります。
▶参考例:告訴状の記載内容
- 提出年月日
- 告訴人の住所氏名(法人の場合は本店所在地、会社名、代表者の氏名)
- 告訴人の署名押印
- 告訴状の提出先(○○警察署長)
- 被告訴人(犯人)の住所氏名(わかっている場合)
- 犯人の処罰を求める意思表示
- 犯罪事実(どのような行為によってどのような被害を受けたか)
告訴状の内容は、捜査機関に対して、犯罪が成立する可能性が高いと理解してもらうために説得力のある内容であることが求められます。
5W1H(だれが・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)をできるだけ具体的かつ客観的に、犯罪の構成要件を意識して、記載することが重要です。作成には専門的な知識が必要になるため、弁護士に依頼することが適切です。
法人が告訴状を提出する場合は、法人の登記事項証明書の提出も必要です。そして、誹謗中傷を裏付ける証拠を告訴状と一緒に提出します。
▶参考情報:誹謗中傷の証拠とは?
- 投稿内容のスクリーンショットやプリントアウトした書面(投稿日時やURL、投稿者の情報が映っているもの)
- 投稿者のアカウント情報
- SNSや掲示板等の運営者へ通報している場合はその履歴
- 誹謗中傷によって心身の不調をきたしている場合は医師診断書や通院の記録(領収書など)
- 誹謗中傷によって生じた被害状況に関する資料(売上や業績への影響、経済的損失などに関する資料
刑事告訴をする場合、裏付けとなる証拠をどれだけ収集できるかが、成功を左右する重要なポイントになります。
誹謗中傷の事案では、時間の経過とともに証拠が失われてしまうケースも多いため、早い段階で証拠を確保しておくことが重要です。また、名誉毀損罪での刑事告訴については、誹謗中傷の内容が真実である場合は処罰できないことがあります(刑法230条2項、刑法230条の2参照)。そのため、誹謗中傷の内容が真実ではないことの証拠も確保しておくことが大切です。
(2)警察に告訴状を提出する
告訴状を提出する警察署に特に決まりはないので、どの警察署にでも提出することができますが、告訴状が受理された後の捜査のことを考えて管轄区域の警察署へ提出することが一般的です。
▶参考情報:管轄の警察署は、警察庁のホームページで調べることができます。
捜査機関は、告訴状を読んで、告訴の要件を満たしているか(告訴人が告訴権者かどうか、告訴期間を経過していないか等)、犯罪が成立する可能性が高いかどうか等を判断し、告訴を受理するかどうかを決定します。
告訴を受理する前に警察から事情説明を求められたり、追加の資料の提出を求められたりすることも多いです。
告訴状の内容が抽象的で不明確な場合や、告訴状の内容から犯罪が成立しないと思われる場合、告訴が受理されません。捜査機関には、適切に行われた告訴を受理する義務がありますが(犯罪捜査規範63条1項)、実際のところ、告訴状の受理には一定のハードルがあるのが実情です。
▶参考:犯罪捜査規範63条
(告訴、告発および自首の受理)
第63条 司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、この節に定めるところにより、これを受理しなければならない。
・参照元:「犯罪捜査規範」の条文はこちら
(3)警察の捜査・取り調べ
告訴状が受理されると警察が捜査を行います。
捜査段階では、警察からの聴取や証拠資料の提供に協力することが必要です。また、告訴後に新たに判明した事実や新たに入手した証拠などがあれば、積極的に報告しましょう。
警察は数多くの事件を抱えており、捜査が思うように進まないことも少なくありません。スムーズに捜査をしてもらうためには、警察からの協力要請には速やかかつ積極的に対応し、定期的に捜査状況を問い合わせるなどして捜査を促すことも必要です。
警察が一応捜査を進めてくれても、加害者を呼び出してもらうまでには、いくつかのステップがあります。まずは、これを乗り越えて、加害者を呼び出してもらい、加害者からの事情聴取を行ってもらうことを目指す必要があります。警察が加害者を呼び出すというところまで行けば、加害者にも大きなプレッシャーがかかることになります。
(4)検察庁への送致・検察庁での捜査
警察での捜査が終了すると、事件が検察庁へ送致されます。事件が検察庁へ送致されることを「送検」といいます。事件が送致されると、検察庁で再度捜査が行われます。
すでに警察で捜査をしたのに、なぜまた捜査が行われるのか疑問に思うかもしれませんが、警察と検察の捜査は目的が異なり、検察での捜査は、犯人を起訴するかどうかを判断することが目的です。
ここでも、検察からの聴取や証拠の提出等、捜査への協力が必要です。
(5)起訴・不起訴の決定
検察での捜査が終了すると、検察官が、犯人を起訴するか、不起訴処分にするかを決定します。
不起訴処分とは、検察官が犯人を起訴しない(刑事裁判にかけない)と決定することをいいます。
不起訴処分となる理由は様々ですが、多いものとして以下の理由があります。
1,起訴猶予
犯罪が成立すると判断されるものの、個別の事情を考慮して起訴をしないのが妥当と判断した場合は、起訴猶予となります。たとえば、犯人の反省の程度や、被害者との示談の成立状況、犯人の年齢や境遇、犯罪の軽重や情状等が考慮されます。
2,嫌疑不十分
完全に疑いが晴れたわけではないものの、犯罪を証明するための証拠が不十分で、起訴しても有罪に至らない可能性が高い場合は、嫌疑不十分と判断される可能性があります。
3,嫌疑なし
犯人ではないことが明白である場合は、嫌疑なしとして不起訴処分になります。
上記3つの他に、名誉毀損罪および侮辱罪のような親告罪において、被害者が告訴を取り消した場合も不起訴処分となります。
(6)刑事裁判・処罰の決定
起訴されると、原則として裁判所で刑事裁判が行われ、有罪か無罪か、有罪の場合はどのくらいの量刑を科すかが判断されることになります。ただし、略式命令により罰金刑を受け、正式な刑事裁判が行われないこともあります。
刑事告訴をして、犯罪が成立していると認められる場合でも、「起訴猶予」という形で、刑事裁判にまでかけてもらえないことも現実として少なくありません。刑事告訴をするかどうかの判断にあたってはこの点も踏まえておく必要があるでしょう。ただし、刑事裁判にまでかけてもらえない場合でも、警察が加害者を呼び出して取り調べをしてくれれば、今後の誹謗中傷を控えさせる心理的効果は大きいと言えます。
咲くやこの花法律事務所では、これまで事業者の方からの誹謗中傷被害のご相談をいただき問題解決までサポートしてきた経験から、個別の事案にあわせて刑事告訴をすべきかどうかの判断や、同時に刑事告訴以外の法的措置を行うべきかなどについて適切なアドバイスを行うことができます。現在、誹謗中傷被害でお困りの事業者の方は、早い段階でご相談ください。
5,誹謗中傷で逮捕・有罪となった事例
ここからは、誹謗中傷で逮捕された事案や有罪判決をうけた事例をご紹介します。
(1)誹謗中傷で逮捕された事例
- 出会い系サイトの掲示板に、別居中の妻のアパート名や部屋番号などを書き込んだ事案
- インターネットの掲示板に同僚の写真と性的に誹謗中傷する文言を書き込んだ事案
- 卑怯者と書いた張り紙を自動販売機に張り付けた事案
(2)誹謗中傷で有罪になった事例
・市長選の立候補者が、落選後に「開票作業で市職員による不正があった」などの虚偽の内容の動画やブログを投稿した事案
→名誉毀損罪:懲役1年6月
・YouTube上に知人男性が不倫しているという内容の動画を投稿した事案
→名誉毀損罪:罰金20万円
・インターネットサイトのコメント欄やSNS上で、元上司やその家族について「職場内での不倫、パワハラ」「委託業者と癒着」などと書き込んだ事案
→名誉毀損罪:罰金10万円
・インターネット配信者が動画サイトに美顔器メーカーの製品に異物が混入していたという内容の動画を投稿した事案
→名誉毀損罪:罰金20万円
・SNSに元勤務先の飲食店にナメクジが大量に発生していると虚偽の内容を投稿した事案
→偽計業務妨害罪など:懲役1年
・X(旧ツイッター)上で、交通事故の被害者遺族の投稿に対して、「金や反響目当て」「男は新しい女作ってやり直せばいい」などと返信した事案
→侮辱罪:拘留29日
(3)どのくらいの割合で起訴されるか?
検察の統計によると、令和6年に名誉毀損罪で送検されたもののうち、起訴されたのは366件、不起訴は950件でした。起訴率でいうと27.8%と割合としてはあまり高くありません。
起訴・不起訴の判断においては、前科の有無や被害の程度、被害者との示談が成立しているかどうか、反省の態度を示しているか等が考慮されます。
傾向として、加害者が初犯である場合や、加害者が反省の態度を示している場合、加害者と被害者の間で示談が成立していたり、加害者が被害者に謝罪や賠償をしていたりすると、不起訴になる可能性が高くなるといえます。
6,刑事告訴を弁護士に依頼すべき理由とは?
刑事告訴をする際に、弁護士への依頼は必須ではなく、被害者本人が刑事告訴をすることも可能です。しかし、実際には、告訴状の作成には法的な専門知識が必要となること、告訴の受理には一定のハードルがあることから、弁護士に依頼することが必要です。
誹謗中傷で刑事告訴をする際に弁護士に依頼すべき主な理由は以下の通りです。
- (1)告訴状の作成には法的な専門知識が必要
- (2)告訴の受理には一定のハードルがある
- (3)労力的・精神的負担の軽減
- (4)誹謗中傷に対する一貫した対応が可能
それぞれ順番に詳しく解説していきます。
(1)告訴状の作成には法的な専門知識が必要
刑事告訴をする前提として、誹謗中傷について犯罪の成立要件を満たしていなければなりません。
すべての誹謗中傷が犯罪にあたるわけではないので、まずは本当に犯罪が成立するのか、刑事告訴が可能なのかどうかを検討する必要があります。安易な刑事告訴は逆に法的な責任を問われることがありますので、注意が必要です。
その上で、誹謗中傷について、いつ、どのような行為が、どのように行われ、どのような犯罪にあたるのかを、犯罪の構成要件を踏まえて、捜査機関に理解してもらえるように書かなければなりません。これらの点は弁護士に依頼することが適切です。
そして、刑事告訴をするにあたっては証拠の収集も重要になります。弁護士に依頼すれば、証拠の収集についても助言やサポートを受けることが可能です。
(2)告訴の受理には一定のハードルがある
告訴が行き詰まる理由として多いのが、捜査機関に告訴を受理してもらえないケースです。
たとえば、告訴状の記載に不備があったり、内容が抽象的で犯罪事実の特定ができなかったり、そもそも犯罪に該当しないことが明らかな場合は、捜査機関は告訴を受理しません。
告訴状が適切に記載されていても、すぐには受理されず、捜査機関との打ち合わせや事情説明、追加資料の提出などを経てようやく告訴を受理してもらえるケースも多いです。
刑事告訴は、まずは捜査機関に受理してもらわなければ先に進みませんので、告訴受理の段階でつまずかないよう、事前に十分な準備を行い、捜査機関に適切な対応と働きかけをしていくことが重要です。
(3)労力的・精神的負担の軽減
刑事告訴にあたっては、証拠の収集や告訴状の作成、捜査機関とのやり取り、捜査への協力等の対応が必要となり、労力的にも精神的にも少なくない負担がかかります。なかなか受理してもらえない、あるいはなかなか捜査を進めてもらえないことに、不安が募り、ストレスを抱えることもあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、告訴状の作成や捜査機関とのやり取りを弁護士に任せることができます。また、捜査機関からの聴取の際も弁護士のサポートを受けることができるため、対応にかかる負担を大幅に軽減することができます。
(4)誹謗中傷に対する一貫した対応が可能
誹謗中傷に対する対応は、刑事告訴以外にも、投稿記事の削除請求や投稿者を特定するための発信者情報開示請求、損害賠償請求など、様々な対応方法があります。これらの手段も含めて、誹謗中傷被害について、一貫した対応ができる点も弁護士に依頼するメリットといえます。
発信者情報開示請求などを並行することで、刑事告訴がスムーズに進むこともあります。刑事告訴以外の手段についても弁護士と相談しながら進めることで、より希望に沿った解決を目指すことができます。
▶参考情報:刑事告訴以外の誹謗中傷への対応方法については、以下の記事をご参照ください。
・誹謗中傷で訴えるには?裁判など法的措置の進め方や注意点を弁護士が解説
・誹謗中傷のコメントや口コミをされたら?具体例をあげて対処法を解説
・誹謗中傷での損害賠償の慰謝料相場とは?実際の事例付きで弁護士が解説
咲くやこの花法律事務所では、誹謗中傷事案について刑事告訴を行い、起訴までこぎつけて有罪判決を得た実績もあります。
企業の誹謗中傷被害については、咲くやこの花法律事務所にご相談ください。咲くやこの花法律事務所におけるサポート内容を以下で詳しくご紹介しています。あわせてご参照いただきますようにお願いいたします。
▶参考情報:誹謗中傷トラブルに関する弁護士への相談サービスはこちら
※咲くやこの花法律事務所では、企業または事業者からのご相談のみお受けしています。
7,誹謗中傷の刑事告訴にかかる費用はどのくらい?
刑事告訴をする際に捜査機関に手数料等を納める必要はなく、費用はかかりません。ただし、警察への交通費や告訴状や資料のコピー代、郵便代等の実費は負担する必要があります。
また、刑事告訴の手続きを弁護士に依頼する場合は、弁護士費用がかかります。
(1)刑事告訴を弁護士に依頼する場合の弁護士費用について

刑事告訴を弁護士に依頼する場合に、弁護士に支払う費用の内容としては、以下のようなものがあります。
| 相談料 | 法律相談の対価として支払う費用 |
| 着手金 | 弁護士に事件を依頼した段落で支払う費用 (※事件の結果に関係なく返還されません) |
| 報酬金 | 事件の解決時に、その結果の成功の程度に応じて支払う費用 |
| 日当 | 弁護士が警察署への同行など、移動や出張する際の時間的拘束に対して支払う費用 |
| 実費 | 警察署への交通費、通信費、コピー代等の費用 |
弁護士費用は、個々の弁護士あるいは法律事務所ごとに報酬基準が定められており、個別の事案を考慮して設定されるものなので、一律に決まっているものではありません。
弁護士費用を決定する際に考慮される要素は様々ですが、誹謗中傷の記事やクチコミの数が多い場合や、誹謗中傷の投稿者が特定できていないなど複雑な事案の場合は、弁護士費用が高くなる傾向があります。
弁護士に依頼する場合は、どのような場合に費用が発生するのか、総額でどの程度の費用が必要になるのか、事前に確認して納得した上で依頼することが必要です。
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所でも、誹謗中傷に対する刑事告訴について事業者からのご依頼をお受けしています。参考情報として、咲くやこの花法律事務所の弁護士費用の目安をご紹介します。
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
- 刑事告訴:刑事告訴の代行手続き 着手金35万円+税~
8,ネットの誹謗中傷では警察は動かない?
ネットの誹謗中傷だから警察が動かないということはありませんが、様々な理由で、警察が捜査をしないケースや、告訴を受理してもらえないケースが存在していることも事実です。
誹謗中傷の事案で警察が対応するのは、誹謗中傷が犯罪にあたる可能性があるケースです。誹謗中傷がどんなにひどいものであっても、犯罪に該当しないケースについては、警察の管轄外となり、警察が動くことはありません。
この場合は、投稿記事の削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求など、民事上の手段での解決を目指すことになります。
また、名誉毀損罪や侮辱罪は親告罪であるため、警察が動くためには被害者の刑事告訴が必要です。名誉毀損罪や侮辱罪にあたる誹謗中傷で警察の対応を希望する場合は、まず、刑事告訴を行い、警察に対して被害の申告と犯人の処罰を求める意思表示をしなければなりません。
警察は常時数多くの事件を抱えており、対応できる人員も限られているため、被害が軽微と思われる事案や、発生から時間が経っており証拠の確保が難しいと思われる事案など不起訴処分になる可能性が高い場合は、警察が対応に消極的な傾向があります。
警察に対応してもらうためには、誹謗中傷の悪質性や被害の深刻さを示す証拠を準備し、できるだけ早い段階で、告訴状を提出することが必要です。
警察が忙しいから、あるいは面倒だから、告訴を受理してもらえないというご相談をお受けすることもあります。
警察が不合理に告訴を受理しないことも実際上ないとはいえません。しかし、上記のようなご相談をお受けするケースの中には、告訴状が不十分であったり、証拠が不十分であるなど告訴の仕方に問題がある例も多い印象です。
告訴を受理してもらえないことを安易に警察の問題と考えるのではなく、まずは告訴の仕方に問題がないかを確認することが必要です。
9,警察が動いてくれない場合の対応はどうすればよい?
警察が告訴を受理してくれず動いてもらえない場合は、弁護士に相談して、以下の点を検討しなおすことが必要です。
- 本当に犯罪に該当するのか
- 犯罪に該当するとして告訴状で記載した犯罪に該当するのか、それとも別の犯罪として告訴することが適切な内容か
- 告訴状で記載した事実について十分証拠を提出できているか
- 告訴状の記載と矛盾する証拠はないか
- 警察が受理してくれない理由はなにか
- 警察に告訴を受理する義務があることを指摘したうえでの対応ができているか
これらの点を検討しなおして、再度告訴の受理を求めるべきでしょう。また、刑事告訴が難しい場合でも、投稿者を特定するための発信者情報開示請求をしたうえで、投稿者に対する損害賠償請求をするなどの対応を検討することが可能です。
10,実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士が誹謗中傷で刑事告訴をサポートした解決事例
誹謗中傷トラブルは企業にとって身近な問題であり、咲くやこの花法律事務所でも、誹謗中傷に関するご相談を多数お受けしています。ここからは、実際に咲くやこの花法律事務所へご相談いただき、解決に至った事例の一部をご紹介します。
(1)インターネット上に名誉毀損記事を掲載した者を刑事告訴した事例
事案の概要
依頼者は、元知人から複数のブログ上で、「詐欺行為をしている」「平気でうそをつく」「複数人と男女関係を持っている」等の事実無根の誹謗中傷記事を20件以上掲載され、依頼者は強い精神的苦痛を受けていました。
依頼者は何とかこのような状況を脱したいと考え、咲くやこの花法律事務所へご相談いただきました。
咲くやこの花法律事務所の弁護士の対応
誹謗中傷記事に対する対応としては、発信者情報開示請求や損害賠償請求、記事の削除請求等の方法がありますが、今回のケースでは、相手方の氏名・住所はすでに判明していたこと、相手方に資力がなく損害賠償請求をしても支払いの見込みがないこと、次々に新しい誹謗中傷記事を掲載し続けているため相手に刑事罰を与えた方が新たな書き込みの防止につながる可能性が高いと思われることから、刑事告訴が適していると判断しました。
その後、依頼者と弁護士で打ち合わせを重ねて、ポイントをしぼったわかりやすい告訴状を作成し、刑事告訴を行いました。告訴状が受理された後も、弁護士から定期的な警察への進捗確認を行いました。
解決結果
滞りなく捜査が進み、相手方は名誉毀損罪で送検、起訴され、刑事罰が確定しました。
これにより、相手方から新たな書き込みはなくなり、刑事罰の確定を根拠にして、依頼者の名誉を毀損する記事をすべて削除することに成功、現在も新たな書き込みはありません。
▶参考情報:この解決事例については以下で詳しく解説していますので併せてご参照ください。
・インターネット上に名誉毀損記事を掲載した者を刑事告訴し、刑事罰を確定させた成功事例
上記の他にも誹謗中傷関連の事件についての解決事例をご紹介しています。
11,誹謗中傷の刑事告訴などの対応に関して弁護士へ相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務所では、企業側の立場で、企業の誹謗中傷被害に関するトラブルについてご相談をお受けしております。
咲くやこの花法律事務所の弁護士によるサポート内容をご紹介します。
※事業に関係しない誹謗中傷被害に関するご相談や、個人からのご相談は咲くやこの花法律事務所ではお受けしていません。
(1)誹謗中傷の刑事告訴に関するご相談、誹謗中傷被害に対する対応のご相談
悪質な誹謗中傷に対しては、さらなる誹謗中傷を防ぐためにも、刑事告訴を含めた毅然とした対応をとることが必要です。
親告罪の場合は刑事告訴ができる期間に限りがありますし、投稿から時間が経てば経つほど証拠の確保が難しくなり刑事告訴がうまく進まなくなる原因になります。
刑事告訴を成功させるためには、いち早く行動することが重要です。誹謗中傷被害や名誉毀損の被害についてお困りの方は早めにご相談いただくことをおすすめします。
咲くやこの花法律事務所の弁護士へのご相談費用
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほか、オンライン相談や電話相談が可能
また、咲くやこの花法律事務所では、誹謗中傷に対して刑事告訴だけではなく、記事の削除請求、ネット上の投稿者を特定する発信者情報開示請求、加害者に対する損害賠償請求などの手段をとることができます。事務所の経験を活かして、事案に応じてベストな対応方法を助言します。
(2)顧問弁護士サービスのご案内
咲くやこの花法律事務所では、誹謗中傷トラブルの対応はもちろん、企業法務全般をサポートするための顧問弁護士サービスを提供しています。企業側の立場で数多くの事案に対応してきた事務所の経験を活かし、弁護士がトラブルの予防、そしてトラブルが発生してしまった場合の早期解決に尽力します。
咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご案内は以下をご参照ください。
▶参考情報:【全国対応可】顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら
▶参考情報:大阪で実績豊富な顧問弁護士サービス(法律顧問の顧問契約)をお探しの企業様はこちら
※電話または問い合わせフォームから面談のご予約をお願いします。弁護士が顧問弁護士サービスについて御社の事情を踏まえご案内させていただきます(無料)。
※来所面談のほか、オンライン面談、電話面談でお申し込みが可能
(3)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
弁護士の相談を予約したい方は以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
【お問い合わせについて】
※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
12,まとめ
誹謗中傷の刑事告訴とは、犯罪にあたる可能性がある誹謗中傷について、捜査機関に対して、被害を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことです。
誹謗中傷について成立する可能性がある犯罪には、名誉毀損罪(刑法第230条)、侮辱罪(刑法第231条)、信用毀損及び業務妨害罪(刑法第233条)、威力業務妨害罪(刑法第234条)、脅迫罪(刑法第222条)などがあります。
刑事告訴と被害届は、どちらも警察に犯罪被害を申告する手続きですが、大きな違いは「犯人に対する処罰の意思表示」があるかどうかという点です。被害届は単なる被害の申告にとどまりますが、刑事告訴は被害を申告した上で犯人を処罰することを求める手続きです。被害届を提出するか、刑事告訴をするかは、被害者が自由に選ぶことができますが、名誉毀損罪や侮辱罪のような親告罪は刑事告訴が必須になります。
刑事告訴のおおまかな流れは以下のとおりです。
- (1)告訴状を作成する
- (2)警察に告訴状を提出する
- (3)警察の捜査・取り調べ
- (4)検察庁への送致・検察庁での捜査
- (5)起訴・不起訴の決定
- (6)刑事裁判・処罰の決定
告訴状の作成には法的な専門知識が必要となり、内容に不備や不足がある場合や証拠が不十分な場合等は、捜査機関に告訴を受理してもらえないケースも少なくありません。
そのため、刑事告訴は弁護士にご依頼いただくことが適切です。咲くやこの花法律事務所では、誹謗中傷事案について刑事告訴を行い、起訴までこぎつけて有罪判決を得た実績もあります。悪質な誹謗中傷にお悩みの方、刑事告訴を検討している方は咲くやこの花法律事務所へご相談ください。
13,【関連】誹謗中傷に関するその他のお役立ち記事
この記事では、「誹謗中傷で刑事告訴する方法は?流れや警察への対応、被害届との違い」などについてわかりやすく解説しました。誹謗中傷に関する問題発生時の対応については、その他にも知っておくべき情報が幅広くあり、正しい知識を理解しておかなければ対応が後手にまわり、被害が拡大してしまったりするリスクがあります。
以下ではこの記事に関連する誹謗中傷のお役立ち記事を一覧でご紹介しますので、こちらもご参照ください。
・誹謗中傷対策として企業がやるべきことは?具体例をまじえて弁護士が解説
・X(旧Twitter)の開示請求のやり方は?成功させるための注意点を解説
・Googleの口コミ削除方法!手順や費用、事例付きで弁護士が解説
・転職会議の口コミを削除したい!3つの削除申請方法を弁護士が解説
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記事作成日:2026年2月12日
記事作成弁護士:西川 暢春
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