こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
労働審判について以下のような悩みを抱えていませんか?
- そもそも労働審判ってどんな制度なのか
- どのような流れですすむのか
- 弁護士に依頼する必要があるのか
- 従業員から労働審判を起こされたがどう対応すればよいか
- 答弁書にはどのようなことを書けばよいか
- 異議申し立てはできるのか
労働審判とは、会社と労働者の間の労働トラブルを解決するための裁判所の手続きのことです。
労働問題の解決方法として広く利用されている制度で、令和3年度は、全国で3,609件の労働審判が申し立てられました。
解決までのスピードがはやいことが特徴の1つで、非常にタイトなスケジュールで手続きが進みます。準備期間や、会社の主張を裁判所へ伝える機会が限られているため、どのような流れで手続きが進むかを把握し、必要なタイミングで的確な主張や証拠の提出を行うことが非常に重要です。
この記事では、労働審判制度の概要や手続きの流れ、労働審判を起こされた場合の会社側の対応等について解説します。いざ労働審判を起こされてしまった時に慌てないために、ぜひこの記事を読んで、労働審判に関する知識を身につけていただければと思います。
筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所では、労働審判を起こされた場合の対応について、企業側からの相談をお受けしています。
労働審判は、裁判所からの呼出状が届いてから第1回期日までの期間が3週間程度しかないことが通常です。この期間に、会社は、労働者の主張を精査し、反論や会社側の主張をまとめ、それを裏付ける証拠書類を準備し、解決方針を決める必要があります。準備期間が限られているため、裁判所から呼出状が届いたらすぐに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士へのご相談は以下をご参照ください。
▶参考情報:労働問題に強い弁護士への相談サービスはこちら
また、咲くやこの花法律事務所の労働審判に関する解決実績は以下をご参照ください。
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今回の記事で書かれている要点(目次)
- 1,労働審判とは?
- 2,労働審判と訴訟の違いは?
- 3,労働審判の申立書の書き方
- 4,申立にかかる費用
- 5,労働審判手続きの流れと会社側の対応
- 6,労働審判に対して異議申立てをすると訴訟移行する
- 7,会社側のダメージと解決金の相場
- 8,労働審判は会社側に不利な制度ではない
- 9,労働審判の答弁書の書き方
- 10,解決金を払わないと差押の恐れがある
- 11,労働審判を弁護士なしで自分で対応するデメリット
- 12,弁護士費用の目安
- 13,労働審判について弁護士へ相談したい方はこちら
- 14,労働審判に負けた労働者もいるのか?
- 15,こうして勝ちました!会社側の主張が認められた体験談
- 16,咲くやこの花法律事務所の労働審判に関する解決実績
- 17,まとめ
1,労働審判とは?
労働審判とは、事業主と労働者の労働関係のトラブルの解決に特化した裁判所の紛争解決制度です。解雇トラブルや残業代トラブルの解決のために主に利用されます。通常の民事訴訟とは異なり、平均審理期間が80.6日という迅速な手続きであることに大きな特徴があります。
(1)労働審判の概要
労働審判は、労働審判官と呼ばれる裁判官1名と、労働関係に詳しい民間の専門家から選ばれる労働審判員2名の計3名で構成された労働審判委員会が審理を担当します。
裁判官だけでなく、労働関係の慣習や事情をよく理解している民間の専門家を交えて審理をすることで、より実情に即した判断ができる専門性が高い制度になっています。手続きは非公開で行われ、傍聴は認められていません。
原則として3回以内の期日で終了するという縛りが設けられているため、短期間で決着がつくという特徴があります。
まずは、調停という話し合いでの解決を試み、話し合いがまとまらなかった場合に、労働審判委員会が、申立人の請求を認めるかどうかを判断します。労働審判委員会が示す判断のことを「労働審判」といいます。
(2)労働審判の管轄
管轄とは、どこの裁判所で労働審判を行うかについてのルールのことです。
労働審判を申し立てることができるのは、以下にあてはまる裁判所です(労働審判法第2条)。
- 1.相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所
- 2.労働者が今勤務しているまたは最後に勤務していた事業所の所在地を管轄する地方裁判所
- 3.当事者が合意で定める地方裁判所の管轄
労働審判は、地方裁判所本庁または一部の地方裁判所支部で行われる手続きです。簡易裁判所に申し立てることはできません。
▶参考:労働審判法第2条
(管轄)
第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。
2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
・参照元:「労働審判法」はこちら
▶参考情報:裁判所の管轄区域については、以下をご参照ください。
令和5年3月時点で労働審判事件を取り扱っている地方裁判所の支部は以下の5つの支部です。
- 東京地方裁判所 立川支部
- 静岡地方裁判所 浜松支部
- 長野地方裁判所 松本支部
- 広島地方裁判所 福山支部
- 福岡地方裁判所 小倉支部
(3)申立から3ヶ月以内の期間で終了することが多い
労働審判の大きな特徴として、「申立から解決までの期間が短い」という点があります。
裁判所が公表している統計データによると、平成18年から令和3年までの間に終了した労働審判事件の平均審理期間は80.6日で、67.6%の事件が申立から3ヶ月以内に終了しています。(▶参照元:裁判所「労働審判手続の概要」)
(4)不当解雇・残業代請求・パワハラ等の紛争が対象
労働審判で扱われるのは、労働者個人と会社の間の労働トラブルです。労働者同士や、会社と労働組合の間の紛争、労働関係以外のトラブルは労働審判では取り扱うことができません。
労働審判で取り扱われる代表的な紛争として以下のようなものがあります。
- 地位確認(労働者が事業主による解雇や雇止めの無効を主張する紛争)
- 残業代請求(未払い賃金請求)
- パワハラ、セクハラ等のハラスメント
- 転勤命令や配置転換命令のトラブル
労働審判は、労働者側からも使用者側からも申し立てることができますが、ほとんどは労働者側からの申立てによるものです。なお、公務員は労働審判手続の対象外となるため、原則として労働審判を申し立てることはできません。
2,労働審判と訴訟の違いは?
労働問題の解決手段には、労働審判以外にも裁判(訴訟手続き)やあっせん等様々な方法があります。ここでは、労働審判とその他の紛争解決手段について費用や効力面でどのような違いがあるのかを解説します。
(1)労働審判と裁判の違い
労働審判と裁判(民事訴訟)は、どちらも裁判所で行われる手続きですが、労働審判が「労働者と事業主の間の労働問題」だけを対象としているのに対し、民事訴訟にはこのような制限はなく、民事上の紛争全般を対象としています。
また、労働審判は非公開で行われるのに対し、民事訴訟手続きは公開で行われる手続きなので、裁判の様子をだれでも傍聴することができます。
そして、民事訴訟はある程度時間をかけて審理を行うことが前提となっており、期日の回数に制限がないため、訴訟提起から訴訟終了までに1~2年程度かかるのが一般的です。
労働審判は、訴訟に比べて短期間での解決を目指す手続きであり、3回の期日では解決の見込みが薄い事案には不向きです。争点が複数ある複雑な事案等は初めから民事訴訟を選択した方がよいケースもあります。
▶参考:民事訴訟については以下の裁判所ウェブサイトもご参照ください。
(2)労働審判と民事調停の違い
民事調停は、裁判所が間に入って紛争当事者双方の歩み寄りを促し、話し合いによって紛争を解決することを目的とした手続きです。手続きは非公開で行われます。
労働審判においては話合いがまとまらない場合に、労働審判という形で、労働審判委員会の判断が示されますが、民事調停ではこのような制度はなく、相手方が調停に応じない場合や、合意に至らない場合は手続きは打ち切られます。
そのため、民事調停は、相手が話し合いに応じる意思がない事案には不向きです。
▶参考:民事調停手続については以下の裁判所ウェブサイトもご参照ください。
(3)労働審判と少額訴訟の違い
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用することができる手続きで、原則として1回の期日で審理が終了し判決が下されるという特徴があります。公開で行われる手続きなので、裁判の様子をだれでも傍聴することができます。
少額訴訟を利用できるのは60万円以下の金銭の支払いを求める場合のみで、複雑な事案の解決には不向きなため、労働トラブルの解決手段として活用できる場面は限られています。なお、申し立てられた相手方が少額訴訟手続きでの解決に反対した場合は、通常の訴訟手続きに移行することになります。
▶参考:少額訴訟については以下の裁判所ウェブサイトもご参照ください。
(4)労働審判とあっせんの違い
あっせんは都道府県労働局または都道府県労働委員会で行われる手続きで、第三者が間に入って話し合いを行い、双方の合意による解決を目的とする制度です。
話し合いによる解決を目的としているため、当事者が合意しなければ、あっせんは打ち切りになります。裁判所で行われる手続きとは違い、申立費用は無料です。
あっせんへの参加義務はないため、申し立てられた相手方は、あっせんに参加するかどうかを自由に決めることができます。参加しなかった場合も罰則はありません。
また、労働審判の場合は、調停や確定した審判の内容を相手方が履行しなかった場合は、強制執行によって相手方の財産を差し押さえることができますが、あっせんでの合意にはこのような効力はなく、合意内容をもとに強制執行(差し押さえ)をすることはできません。
(5)まとめ
労働審判と訴訟、あっせんの違いをまとめると以下のとおりです。
▶参考:労働審判と訴訟・あっせんの比較表
労働審判 | 民事訴訟 | 民事調停 | 少額訴訟 | あっせん | あっせん | |
実施機関 | 地方裁判所 (労働審判委員会) |
簡易裁判所 地方裁判所 |
簡易裁判所 (調停委員会) |
簡易裁判所 | 都道府県労働局 | 都道府県労働委員会(一部の都道府県を除く) |
費用 | 有料(訴訟の2分の1) | 有料 | 有料(訴訟の2分の1) | 有料(訴訟と同額) | 無料 | 無料 |
対象 | 労働者と事業主の間の労働トラブル | 民事紛争全般 | 民事紛争全般 | 民事紛争全般 (60万円以下の金銭の支払いを求める場合のみ) |
労働者と事業主の間の労働トラブル | 労働者と事業主の間の労働トラブル |
効力 | 強制執行ができる(調停成立、審判確定の場合) | 強制執行ができる | 強制執行ができる(調停成立、審判確定の場合) | 強制執行ができる | 強制執行はできない(民法上の和解契約の効力) | 強制執行はできない(民法上の和解契約の効力) |
特徴 | ・原則3回以内で終了(平均審理期間80.6日) ・非公開手続き ・調停または労働審判による解決 ・異議申立があると訴訟に移行する |
・平均審理期間16.7月(令和3年) ・公開手続き ・和解または判決による解決 |
・非公開手続き ・話し合いによる解決が目的 ・合意しない場合は手続きは打ち切りになる |
・原則1回で終了 ・公開手続き ・和解または判決による解決 ・相手が少額訴訟手続きに反対した場合は訴訟に移行する |
・原則1回で終了 ・非公開手続き ・話し合いによる合意解決が目的 ・あっせんに参加するかどうかは任意 |
・期日の回数制限はなし ・非公開手続き ・話し合いによる合意解決が目的 ・あっせんに参加するかどうかは任意 |
3,労働審判の申立書の書き方
裁判所から労働審判の呼出状が届いたら、まずは申立書の内容を確認し、従業員の請求内容や主張内容を正確に把握することが必要です。
労働審判の申立書には以下の内容が書かれています(労働審判規則第9条)。
- 当事者の氏名または名称、住所、電話番号等
- 申立ての趣旨
- 申立ての理由
- 予想される争点及び争点に関連する重要な事実
- 申立に至る経緯(申立前に行われた交渉やあっせん等の経過や内容等)
(1)当事者の氏名または名称、住所、電話番号等
当事者とは、申立人と相手方のことをいいます。
申立人は労働審判を申し立てた側のこと、相手方は申し立てられた側のことです。労働審判は労働者側から申し立てられることが多いので、ほとんどのケースで、労働者が申立人、会社が相手方です。
(2)申立ての趣旨
申立人(労働者)が相手方(会社)に対して求める内容を表したものです。
例えば、以下のような形で記載されます。
▶参考例1:解雇無効(地位確認)を求める場合
申立人が、相手方に対し、雇用契約上の権利を有する立場にあることを確認する。
▶参考例2:未払い残業代の支払いを求める場合
相手方は、申立人に対し、〇万円及びこれに対する令和〇年〇月〇日から支払い済みまで年〇分の割合による金員を支払え。
(3)申立ての理由
この項目には、申立人が申立ての趣旨に記載した事項を求めることができる請求の根拠と、申立てに関する具体的な事実が記載されています。
(4)予想される争点及び争点に関連する重要な事実
労働審判では、申立の段階で相手方がどのような反論をするかを想定して、先回りして主張しておく決まりになっています。
この項目には、会社が主張すると予想される内容とそれに対する従業員の反論が記載されています。要は「会社はこう主張するだろうが、このような理由で自分の主張が正しい」と説明する項目です。
(5)申立てに至る経緯
なんの前触れもなく、突然、労働審判を申し立てるケースは稀で、申立前に交渉やあっせん手続きをしたが解決しなかったため、労働審判を申し立てたというケースがほとんどです。
労働審判では、早期解決のため、申立前の経過も重視しています。そのため、申立書に申立前の交渉やあっせん手続きの状況等を記載することになっています。
(6)労働審判の申立書の書式と記載例
ここでは、裁判所のホームページで紹介されている、労働審判の申立書の書式と記載例についてまとめています。
「賃金等請求」「退職金等請求」「時間外手当等請求」「地位確認等請求」について順番に記載していますので、ご参照ください。
1,賃金等請求の申立書
賃金等請求とは、未払い分の賃金等を会社に請求する場合です。在職中に賃金を減額された場合に、賃金の減額が無効であることを主張して、減額分の賃金を請求する場合等がこれにあたります。
2,退職金等請求の申立書
退職金等請求とは、会社に対して退職金の請求をする場合です。退職金の不支給・減額事由があるとして、退職金を不支給とされ、または減額された場合に、それを争って全額の支払いを求める場合もこれにあたります。
3,時間外手当等請求の申立書
時間外手当等請求とは、会社に対して未払い残業代の支払いを請求する場合です。固定残業代の制度が設けられている場合にそれが無効であるとして残業代の請求をしたり、管理監督者にあたるとして残業代が払われていない場合にこれを争って残業代の請求をするケースなどがこれにあたります。
4,地位確認等請求の申立書
地位確認等請求とは、従業員が会社との間で労働契約上の地位にあることの確認を求める請求です。解雇されたり、雇止めされた従業員が、解雇や雇止めの無効を主張して、労働契約上の地位があることの確認を求めるケースが典型例です。(▶参考情報:地位確認請求とは?地位確認訴訟に対する対応を会社側弁護士が解説)
裁判所のホームページでは、申立書の書式と記載例が公開されていますのでご参照ください。
4,申立にかかる費用
労働審判を申し立てる時にかかる主な費用として「申立手数料」「郵券代」「弁護士費用」の3つがあります。
(1)申立手数料
申立手数料とは、労働審判の申立てをするときに裁判所に支払うお金のことです。収入印紙で裁判所に納めるため、印紙代と呼ばれることもあります。申立手数料は、相手方に請求する金額(訴額)をもとに計算されます。
例えば、100万円の未払い賃金の支払いを求める場合、申立手数料は5,000円です。請求額が高くなるにつれて申立手数料も高くなります。
▶参考:手数料の金額は、裁判所のホームページで公開されている手数料早見表で確認することができます。
(2)郵券代
郵券代とは、裁判所から事件の当事者へ書類を送付する際の郵便代のことです。郵便切手で納付するのが一般的で、予納郵券ともいいます。
2,000~4,000円程度になることが多く、余った郵便切手は労働審判終了後に返却されます。
必要な金額や切手の種類は裁判所によって異なるため、事前に裁判所のホームページで確認するか、裁判所へ電話して確認するのが確実です。
(3)弁護士費用
申立てにかかる費用で一番高額になるのが弁護士費用です。
どのくらい費用がかかるかは、事案の内容や依頼する弁護士によって異なります。もちろん弁護士に依頼せずに自分で申立てをすることも可能ですが、専門性が高い手続きなので、弁護士に依頼しなければ十分な対応ができないことが実情です。
労働者が経済的な余裕がなく、弁護士費用を支払うことが難しい場合は、法テラスの弁護士費用立替制度を利用することができます(利用には一定の条件があります。また、事業主側は法テラスを利用することができません)。
▶参考:法テラスについては以下をご参照ください。
5,労働審判手続きの流れと会社側の対応
労働審判の一般的な流れは以下のとおりです。
- 1,従業員側が申立て(裁判所に申立書を提出)
- 2,裁判所から期日の指定・呼出状の送付
- 3,会社は指定された期日までに答弁書や証拠書類を提出
- 4,期日での審理(原則3回以内)
— 第1回期日:裁判官や労働審判員が出席した当事者に直接質問するなどして審理
— 第2回期日・第3回期日:裁判所からの調停案の提示と双方の検討
- 5−1,調停がまとまらない場合は審判に進む
- 5−2,調停が成立した場合は手続きは終了
(1)申立てから第1回期日まで
労働者が裁判所に労働審判申立書を提出すると、裁判所は第1回期日の日程を決めて、会社宛てに呼出状と申立書の写しを郵送します。
呼出状を受け取った会社は、指定された提出期限までに答弁書や証拠書類を提出する必要があります。期日変更は原則として認められていません。
労働審判を起こされた会社には、期日への出頭義務があります。
裁判所からの呼出状を無視して、正当な理由なく期日を欠席した場合は、5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、答弁書を提出せず、期日にも出ない場合、労働者の請求通りの審判が出てしまう可能性もあり、会社にとって不利益が大きいので、必ず対応するべきです。
令和2年から、遠隔地で裁判所への出頭が難しい場合等、事情によってはウェブ会議で手続きに参加できるようになっています。
(2)期日
期日では、裁判官や労働審判員が、双方の言い分を聞いたり、事実関係を確認したりして、審理を行います。
ほとんどのケースで、初回の期日から和解についての話し合いが行われるため、第1回期日の前に、弁護士と十分に打ち合わせを行い、どのような解決を目指すか、どの程度まであれば譲歩できるか等の方針を決めておく必要があります。
(3)労働審判の終了
労働審判の終わり方には「調停成立」「労働審判」「裁判所の判断による終了(24条終了)」の3つのパターンがあります。
労働審判の中で労働審判委員会が提示する調停案に双方が合意するなどして話し合いがまとまった場合は、調停が成立し手続きは終了となります。
調停が成立しなかった場合は、裁判所が審判を出します。これは「労働審判」と呼ばれます。
一方、事案が複雑で、原則として3回しか期日が開かれない労働審判で解決できる見込みがない場合等、労働審判委員会が労働審判での解決が困難と判断した時は、裁判所の判断で労働審判を打ち切り、訴訟に移行します。これは労働審判法24条1項に基づく終了であり、「24条終了」といいます。
▶参考:労働審判法24条1項
労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。
・参照元:「労働審判法」はこちら
労働審判事件の終わり方として最も多いのは「調停成立」で、その割合は労働審判事件全体の70.3%です。「労働審判」は17%で、そのうち6.5%は異議申し立てがなされずに確定しているので、約8割の事件が労働審判手続の中で解決しています(平成18年~令和元年、裁判所調べ)。
▶参考:労働審判を起こされた場合の会社側の対応については、以下の記事や動画で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
・西川弁護士が「労働審判を起こされた!会社側の対応について弁護士が解説【前編】」を詳しく解説中!
6,労働審判に対して異議申立てをすると訴訟移行する
ここまでご説明したとおり、労働審判において調停がまとまらなければ、「労働審判」という形で労働審判委員会の判断が示されます。
そして、この労働審判の内容に不服がある場合は、異議申し立てを行うことができ、一方当事者が異議申し立てをすると、労働審判は無効になり、通常訴訟に移行します。
異議申し立てができる期間は、審判書が届いた日または口頭で審判の告知を受けた日から2週間以内で、この期間内に、裁判所に異議申立書を提出する必要があります。
異議申立書には以下の事項を記載します。
- 労働審判事件の事件番号、事件名
- 申立人と相手方の氏名または名称
- 提出先の裁判所名
- 自分の住所、氏名または名称、電話番号、FAX番号
- 日付
- 労働審判に異議があること(例「令和〇月〇日付けの労働審判に対し、異議を申し立てます」)
異議申立書はシンプルな内容でよく、異議申し立ての理由を記載することは求められていません。期限内に異議申し立てをしなかった場合は、審判の内容が確定するため、納得できない場合はすみやかに異議申し立てをする必要があります。
7,会社側のダメージと解決金の相場
労働審判で会社が受けるダメージには、大きく分けて「金銭面のダメージ」と「労力面のダメージ」の2つがあります。
金銭面のダメージとしては、労働者への解決金の支払いと弁護士費用があげられます。
解決金の金額は、事案によって大きく違いますが、解雇に関する労働審判事件の解決金の平均値は「285万円」となっています(令和4年、厚生労働省統計)。
また、労働審判の対応のため、事実関係の確認や証拠資料の準備、弁護士との打ち合わせや期日への出席等、相当な時間をかけることになり、労力面での負担も小さいものではありません。
労働審判による会社側のダメージと解決金の相場については以下の記事や動画で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
▶参考動画:西川弁護士が「労働審判を申し立てられた!会社が受けるダメージとは?企業の顧問弁護士が解説」を詳しく解説中!
8,労働審判は会社側に不利な制度ではない
上記の通り、労働審判を申し立てられたら、会社側で金銭面や労力面で一定の負担があることは事実です。
しかし、労働審判制度自体が、労働者側に有利な制度で会社側に不利な制度かというと、そうではありません。労働審判で紛争を解決することは、会社側にもメリットがあることが多いです。
特に、会社側の主張にもかかわらず、解雇が不当解雇と判断されたり、あるいは未払い残業代があると判断されるようなケース、つまり会社側が負け筋の事案では、労働審判よりも訴訟の方が、会社が労働者に支払う金銭が高くなる傾向があります。
これは、未払残業代請求訴訟で会社側に支払い義務があると判断されてしまうと、未払残業代に加えて付加金の支払いを命じられるケースがあることや、不当解雇を主張される訴訟で解雇無効と判断された場合、労働審判よりもバックペイの支払い期間が長くなること等が関係しています。
▶参考:バックペイについては以下の記事をご参照ください。
また、弁護士に依頼した場合の弁護士費用も、対応期間が長くなる分、労働審判よりも訴訟手続きを依頼する場合の方が高くなるのが通常です。さらに、訴訟は結果がでるまでに1~2年程度かかることが多いですが、労働審判の場合は約7割の事件が申立から3ヶ月以内に終了しています。短期間での解決が望めるので、労働審判の方が対応にかかる労力も少なくすみます。
このように、労力面でみても、金銭面でみても、労働審判で解決することは会社側にもメリットがあるといえます。
▶参考情報:労働審判は会社に不利なのか?については以下の動画でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
・西川弁護士が「労働審判は会社に不利なのか?弁護士がわかりやすく解説」を詳しく解説中!
9,労働審判の答弁書の書き方
答弁書とは、労働審判の申立書に対して、会社側の言い分を述べる書面のことで、労働者の主張内容に対する反論や、会社側の主張を記載します。
答弁書は、会社側の立場から見れば、労働審判において最も重要な書面と言っても過言ではありません。
労働審判は原則3回以内の期日で終了するため、会社側の意見を伝えられる機会は限られています。
第1回期日で和解のおおよその方針を決め、2回目以降の期日では和解についての話し合いが行われることが多いため、反論や主張の機会は、実質的に見れば、答弁書と第1回期日しかありません。
そのため、答弁書には会社側の主張を余すことなく、かつ、具体的に記載することが重要です。
答弁書には以下の内容を記載する必要があります(労働審判規則第16条)。
- (1)申立ての趣旨に対する答弁(会社側としてどのような判断を求めるか)
- (2)申立書に記載された事実に対する認否(申立書に記載された内容を認めるか認めないか)
- (3)答弁を理由づける具体的な事実
- (4)予想される争点及び争点に関連する重要な事実
- (5)予想される争点ごとの証拠
- (6)申立に至るまでの経緯(申立前に行われた交渉やあっせん等の経過や内容等)
▶参考:以下の記事で、未払い残業代、不当解雇、パワハラトラブル等、ケース別に労働審判の答弁書の書き方を詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▶参考:労働審判規則第16条
(答弁書の提出等)
第十六条 相手方は、第十四条第一項の期限までに、第三十七条において準用する非訟事件手続規則第一条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した答弁書を提出しなければならない。
一 申立ての趣旨に対する答弁
二 第九条第一項の申立書に記載された事実に対する認否
三 答弁を理由づける具体的な事実
四 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
五 予想される争点ごとの証拠
六 当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む。)その他の申立てに至る経緯の概要
2 予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを答弁書に添付しなければならない。
3 答弁書を提出するには、これと同時に、その写し三通を提出しなければならない。
(平二四最裁規九・一部改正)
・参照元:「労働審判規則(原文は縦書き)」はこちら
▶参考:なお、裁判所のホームページでも答弁書の書式や記載例が公開されていますのであわせて参考にしてください。
10,解決金を払わないと差押の恐れがある
差押とは、相手方の財産を強制的に取り立てることができる裁判所の手続きのことで、強制執行ともよばれています。
労働審判で成立した調停や確定した労働審判には、裁判上の和解と同じ効力があります。そのため、労働審判の結果、支払受けることになった側は、調停調書や確定した審判書をもとに、強制執行を申し立てることができます。
労働審判で、会社が支払いを約束した調停が成立しているのに解決金を支払わなかったり、会社側に支払いを命じる内容の審判が確定しているのに、支払わずに放置した場合、労働者から強制執行を申し立てられて、会社名義の銀行口座や不動産等の財産を差し押さえられる可能性があります。
▶参考:預金口座に対する強制執行については以下で解説していますのでご参照ください。
もし、労働審判の内容に不満があるのであれば、放置せずに異議申し立ての手続きを行う必要があります。異議申し立てをすると、前述の通り、審判は効力を失い、訴訟に移行することになります。
一方、会社に支払いを命じた労働審判が確定したり、会社が支払いを約束する調停が成立した場合は、必ず支払いをする必要があります。
11,労働審判を弁護士なしで自分で対応するデメリット
原則として3回以内の期日で終了するという労働審判の特性上、限られた機会で効果的な主張と証拠の提出を行う必要があります。
やみくもに会社の言い分を述べても意味がなく、法的なポイントをおさえた主張をすることがとても重要です。
裁判官や労働審判員は、これまでの会社と労働者のやり取りをすべて見てきたわけではないので、当事者が主張する内容と提出された証拠からしか事実関係を把握することはできません。事実関係だけをみれば会社側の主張の方が正しいといえるのに、それを裁判所に上手く伝えることができなかったために、会社側に不利な結果になってしまうということもあり得ます。
また、労働審判は、口頭主義を原則としており、期日において直接意見を述べたり、裁判所からの質問にその場で回答することが求められます。臨機応変な対応が必要であるとともに、事前にどのようなことを聞かれるか予測し、回答を準備しておく必要があります。
これらの点を考えると、弁護士なしで労働審判に対応することは相当なハードルがあると言わざるを得ません。弁護士に依頼することが難しい場合でも、少なくとも一度は弁護士の相談を受けていただくことをおすすめします。
労働審判の約8割の事件で、従業員側と会社側の双方に弁護士が代理人として選任されています。(以下、「日本弁護士連合会「地方裁判所における労働審判事件の代理人選任状況」より)
12,弁護士費用の目安
会社側の代理人を弁護士へ依頼する場合の弁護士費用は、依頼する弁護士や事案の内容によって変わります。
あえて目安を示せば、着手金と報酬金(成功報酬)をあわせて100万円程度が相場といえるでしょう。
労働審判の対応にかかる弁護士費用については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
13,労働審判について弁護士へ相談したい方はこちら
咲くやこの花法律事務所では、企業側の立場で、労働審判を起こされた場合の対応についてご相談をお受けしています。咲くやこの花法律事務所の弁護士によるサポート内容をご紹介します。
(1)労働審判に関するご相談
従業員から労働審判を起こされた場合は、一刻もはやく行動を起こしていただくことが重要です。
咲くやこの花法律事務所では、これまでの経験とノウハウを生かし、会社側の主張を迅速に組み立てて書面化し、また、提出すべき証拠の収集、第1回期日への出席者との打ち合わせなどの準備を急ピッチで進めます。労働審判の対応にお困りの方は、労働問題に高い専門性を持つ咲くやこの花法律事務所の弁護士にぜひご相談ください。
咲くやこの花法律事務所の労働問題に強い弁護士への相談費用
●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
(2)顧問弁護士サービスのご案内
咲くやこの花法律事務所では、労働審判の対応はもちろん、企業の労務管理全般をサポートするための顧問弁護士サービスを提供しております。
労働トラブルは、長期化するほど会社が負うダメージも大きくなります。労働トラブルによる会社のダメージを抑えるためには、訴訟よりも労働審判、労働審判よりも交渉での解決を目指すこと、そして何よりも労働トラブルを発生させない労務管理の整備が重要です。
咲くやこの花法律事務所では、労働トラブルが発生してしまった時の対応はもちろん、労働トラブルを発生させないための予防法務にも力を入れています。企業側の立場で数多くの事案に対応してきた経験豊富な弁護士が、トラブルの予防、そしてトラブルが発生してしまった場合の早期解決に尽力します。
咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご案内は以下をご参照ください。
(3)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
弁護士の相談を予約したい方は、以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
【お問い合わせについて】
※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
14,労働審判に負けた労働者もいるのか?
労働審判において、労働審判委員会は、中立・公平の立場で審理を行うので、労働者側の主張に理由がなければ請求が棄却されたり、会社側に金銭の支払い義務なしと判断されることもあります。
当然ですが、毎回労働者側が勝てるわけではありません。
何をもって勝ちと判断するかによりますが、申立費用や書面の作成、期日への出席等の申立てにともなう負担を考えると、代理人をつけずに本人が申立をする場合、10万円未満の解決金であれば、労力にみあわず、事実上は労働者側の負けといえるでしょう。また、弁護士に依頼する場合、弁護士に支払う費用を考慮すると、30万円未満の解決金しか得られなければ、労働審判を申し立てたことは、労力や費用にみあわず事実上は労働者側の負けといえるのではないでしょうか。
▶参考:厚生労働省が公表しているアンケート調査
この点、厚生労働省が公表しているアンケート調査結果によると、解雇や雇止めの無効を主張する地位確認請求の労働審判事件のうち、解決金の額が10万円未満となった事件は0.6%、30万円未満となった事件は4.4%あります。この部分については、実質的に労働者側の負け事案であると考えることができます。
・参照元:厚生労働省「解雇に関する紛争解決制度の現状と労働審判事件等における解決金額等に関する調査」(12ページ)
15,こうして勝ちました!会社側の主張が認められた体験談
ここからは、咲くやこの花法律事務所へご依頼いただき、会社側の支払いなしで解決した事例の体験談を紹介します。
重大なミスを繰り返す従業員に対して会社が退職勧奨をしたところ、従業員が退職の強要があったと主張し、金銭的な補償を求めて労働審判を起こしたが、裁判所に会社からの退職強要はなかったと認めてもらい、会社側の金銭の支払いなしで解決した事例です。
この事例では、「退職勧奨をされても仕方がないといえる原因が従業員にあったかどうか」「退職の合意があったかどうか」の2つが争点となりました。
この事例のように従業員のミスが退職勧奨の理由となっている場合は、従業員のミスに対して会社が適切かつ十分な指導を行い、挽回の機会を与えていたかどうかが重要なポイントになります。
また、従業員は「退職を強要された」と主張していました。しかし、会社側の責任者とこの従業員は古くからの友人関係であったことや、退職合意後に従業員が会社への感謝を述べていたこと等からすると、退職強要があったとはいえない状況でした。
これらのポイントをおさえて、退職に至る経緯を裁判所に具体的に説明し、それを裏付ける証拠を提出した結果、裁判所に退職の強要はなかったと判断してもらうことができ、会社側の金銭の支払いなしで解決することができました。
▶参考:この事例について、以下の記事で担当弁護士の見解等を詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
16,咲くやこの花法律事務所の労働審判に関する解決実績
咲くやこの花法律事務所では、労働審判についてのご相談を数多くお受けし、サポートを行ってきました。咲くやこの花法律事務所の実績の一部を以下でご紹介していますのでご参照ください。
・試用期間満了後に本採用せずに解雇した従業員から復職を求める労働審判を起こされたが退職による解決をした事例
・雇止め無効を主張する契約社員から起こされた復職を求める労働審判に対応し、復職を認めない内容での和解を成立させた事例
・解雇した従業員から不当解雇であるとして労働審判を起こされ、1か月分の給与相当額の金銭支払いで解決をした事例
17,まとめ
この記事では、労働審判制度の概要や、手続きの流れ、労働審判を起こされた会社側の対応等について解説しました。
労働審判は、裁判所で行われる会社と労働者の間の労働トラブルを解決するため手続きのことで、裁判官と民間の専門家2名が、原則3回以内の期日で審理を行い、調停または審判によって紛争の解決を図る制度です。
労働審判手続きは以下の流れで手続きがすすみます。
- (1)申立て
- (2)期日の指定・呼出状の送付
- (3)答弁書や証拠書類の提出
- (4)期日での審理(原則3回以内)
- (5)調停成立または審判
- (6)審判の確定または異議申し立てによる訴訟移行
労働審判を起こされた会社は、第1回期日までの間に、事実関係を確認し、答弁書を作成して証拠書類を準備し、どのような解決を目指すか、どの程度であれば譲歩できるのか方針を決定する必要があります。労働審判を起こされたら、ただちに行動を始めることが重要です。
労働審判の対応にお困りの方は、咲くやこの花法律事務所へご相談ください。
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記事更新日:2024年10月29日
記事作成弁護士:西川暢春
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