退職者による顧客情報の持ち出しの防止策
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退職者による顧客情報の持ち出しの防止策

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  • 2013年11月28日

    元従業員が、勝手に持ち出した顧客情報を使って、競業する他社の従業員として、営業活動を行っていた場合には、会社として、どのように対応すればよいでしょうか。

     

     

    参考となる事件として長谷工ライブネット事件(東京地判平成23年6月15日)をご紹介します。

    この事件は、賃貸物件の管理等を行ってい会社が、顧客情報である不動産オーナーのリストを退職した従業員に持ち出された上で、その従業員らが設立した競合会社に利用され、競合会社に契約を奪われるなどした事件です。

    この会社は、顧客情報を持ち出した元従業員とそれを利用して契約を奪った競合会社に損害賠償を求め、裁判所も547万円の損害賠償を元従業員と競合会社に命じました。

    この547万円という金額は、契約期間2年分の粗利益の1割に相当する額として算定されています。

     

    顧客情報の持ち出しは、退職時に注意しなければならないトラブルの1つです。

    今回は、このようなトラブルを防ぐためにしておくべきことをお話ししたいと思います。

     

     

    ① まず、採用時や昇進時には、機密情報の保持の誓約書をとり、なにが機密情報にあたるのか、そして機密情報についてはどのように取り扱わなければならないのかを明確にしておくことが対策の第1歩です。

    就業規則でこの点を記載している会社もありますが、就業規則については、従業員への周知状況などを問題にされて効力が争われることがあり、万全を期すためには、全員から誓約書を提出させる方法をお勧めします。

     

     

    ② 次に、もし顧客情報が持ち出されたら、それにすぐ気付くような体制づくりが必要です。最近は、特定のファイルについて外部にメールで送信したり、USBで持ち出そうとした場合は、アラームで知らせるシステムを利用する会社も多くあります。

     

     

    ③ そのほか、顧客情報を私物の携帯電話のアドレス帳に入力することを社内で明確に禁止しておくことが必要です。

    また、顧客に対して私物の携帯電話の電話番号を伝えることも禁じることをお勧めします。

    顧客の引き抜きのトラブルが発生したときに、たいていの場合、従業員側は、「自分の側から顧客情報を利用して顧客に営業をかけたのではなく、顧客の側から契約を新会社に切り替えるように依頼する連絡をしてきた」と主張して、責任を逃れようとします。

    そのときに、よくある従業員側の言い分が、「私が退職することを顧客に伝えたところ、その後顧客の側から私物の携帯電話に連絡があり、退職後は新しい会社に契約を切り替えてくれと頼まれた」という主張です。

    これをあらかじめ封じるために、業務で携帯電話を使用する場合も社内での連絡手段にとどめるか、あるいは会社名義の携帯電話を貸し出すことにし、私物の携帯電話の番号を顧客に伝えることは禁じておくことをお勧めします。

     

     

    ④ 業務でフリーメールやチャットワーク、グーグルドキュメントなどのクラウド上のサービスを利用している場合は、退職後に必ずパスワードを変更する必要があります。

     

     

    ⑤ 会社の顧客対応として、顧客に対して1人の担当者をつけるというシステムを採用するか、複数の担当者をつけるというシステムを採用するかも検討する必要があります。

    顧客から見て、会社の担当者が1人だけということであれば、その担当者が退職した際に、引き抜きなどの問題が起こりやすくなるので注意が必要です。

     

    従業員による顧客情報の持ち出しや、競合他社への転職を巡るトラブルでラブルでお困りの方はぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。一緒にトラブルを解決して、より良い会社を作っていきましょう。

    ▼ この記事を読んでいただいた方にお勧めの記事はこちらです。 ▼

    ○ 従業員による引き抜き行為を防ぐ退職時誓約書の作り方 https://kigyobengo.com/blog/248

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