こんにちは、弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
企業間の取引ルールに関する重要な法律の1つである下請法は改正され、中小受託取引適正化法(通称「取適法」、旧「下請法」)として規制内容や適用対象が拡大されました。これにより、従来は下請法の対象外だった企業も、新たに取適法の規制を受けるようになっています。
取適法は、取引内容や事業者の規模などを踏まえて適用の有無が判断され、その規制内容も多岐にわたります。条文やガイドラインを読んだだけでは「自社が対象かどうか」や「違反に当たるのか」を、正確に判断することは容易ではありません。
一方で、取適法違反があったと判断された場合、社名と違反内容の公表などの措置がとられることによる企業イメージの低下のリスクがあります。
そのため、このようなリスクを回避して、改正された取適法に関する判断や対応を企業としてしっかり行っていくためには、弁護士への相談が非常に重要です。
そこで今回は、取適法について弁護士に相談できる内容や弁護士によるサポート内容、発注側企業が注意すべきリスク、弁護士に相談するメリットなどについて、わかりやすくご説明します。この記事を最後まで読んでいただくことで、取適法に関するトラブルを未然に防ぐためには弁護士に相談することが重要であるということを理解したうえで、適切な弁護士に相談していただけるようになるはずです。
それでは見ていきましょう。
咲くやこの花法律事務所では、多くの顧問先をサポートする中で、取適法の実務について経験を蓄積し、また日々経験をブラッシュアップしています。また、下請法、取適法について頻繁に行われる法改正への対応についてのご相談にも対応してきました。
取適法に関する新規のお客様からのご相談にも対応しています。取適法に関連して不安な点、確認したい点がある方は咲くやこの花法律事務所に是非ご相談ください。
▶参考情報:取適法に関する咲くやこの花法律事務所のサポート内容はこちら
また、実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士が取適法に関する対応をサポートした解決事例もご紹介していますのであわせてご覧ください。
▼取適法(中小受託取引適正化法)の対応について、弁護士の相談を予約したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
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今回の記事で書かれている要点(目次)
1,取適法(旧下請法)についての弁護士の支援内容と役割とは?

取適法(旧下請法)に関する弁護士の役割は、結論から言えば、「法的リスクの回避」と「取引の適正化のサポート」が、主な内容になります。具体的には以下のような支援を弁護士が行います。
- 取適法の対象になるかどうかの判断
- 契約書や発注書のリーガルチェック
- 取引運用の改善指導(取適法違反リスクを取り除く)
- 行政機関からの照会や調査への対応のサポート
等
更に詳しく解説していきます。
取適法(旧下請法)は、取引の種類や自社と相手方の事業規模、契約内容などを踏まえて適用の有無が判断されます。また、取適法の規制内容は、発注内容明示義務、取引記録保存義務、不当な代金減額の禁止や不当な各種禁止事項、60日以内の支払義務など多岐にわたります。
そのため、自社だけで、取適法違反がないかを網羅的にチェックし、取適法違反を起こさない体制を作ることは容易ではありません。弁護士は、こうした点を前提に、企業の実情に即して、取適法を順守できる体制づくりを行う役割を担います。
具体的には、まず、自社が発注者として行っている取引が取適法の適用対象に当たるかどうかを、取引内容・資本金基準・従業員数などを踏まえて検討します。そのうえで、契約書や発注書の記載内容が、取適法上求められる明示義務に対応できているか、実際の取引運用が禁止行為に該当しないかといった点を確認します。特に禁止事項については、取適法の条文を確認するだけでは、その具体的な適用範囲がわからず、チェックが不十分になる危険が高いです。ガイドラインや過去の処分事例も踏まえたチェックが必要です。
また、すでに問題が生じている場合だけでなく、将来的なリスクを見据えて、契約内容や社内運用の見直しについて助言を行うことも、取適法に関する弁護士の重要な支援内容です。さらに、取適法に関連して行政機関からの調査や照会があった場合、弁護士はその対応方針について法的観点から整理し、会社の立場に立った説明をする役割も果たします。
2,自社は改正された取適法(旧下請法)の対象になるのか?判断基準とは?
自社が、取適法の適用対象になる取引を行っていて、資本金基準や従業員基準を満たしている場合は、その取引は取適法の対象になります。
具体的な基準は以下のとおりです。
| 取引内容 | 資本金基準 ・ 従業員基準 |
| ●製造委託 ●修理委託 ●特定運送委託 ●情報成果物作成委託のうちプログラム作成 ●役務提供委託のうち、運送、物品の倉庫保管、情報処理 |
●発注側の資本金が3億円超かつ受注側の資本金が3億円以下 ●発注側の資本金が1000万円超かつ受注側の資本金が1000万円以下 ●発注側の従業員が300人超かつ受注側の従業員が300人以下 |
| ●プログラム作成以外の情報成果物作成委託 ●運送、物品の倉庫保管、情報処理以外の役務提供委託 |
●発注側の資本金が5000万円超かつ受注側の資本金が5000万円以下 ●発注側の資本金が1000万円超かつ受注側の資本金が1000万円以下 ●発注側の従業員が100人超かつ受注側の従業員が100人以下 |
上記の基準に該当するかどうかの判断においてまず重要となるのが、自社の行っている取引の内容が、取適法で規制対象となる取引に該当するかどうかです。これは、契約書上の文言などから表面的に判断するのではなく、取引の実態にもとづいて判断する必要があります。
次に、発注者・受注者それぞれの資本金の額や従業員数など、事業規模に関する基準を確認する必要があります。グループ会社間取引や、複数の事業を行っている企業の場合には、どの事業単位で判断すべきかが問題となることも少なくありません。
このように、取適法の対象になるかどうかの判断は複雑で、チェックリストなどを作って社内で簡単に判断するのはリスクが高いといえます。
適用対象になるかどうかの判断を誤ると、知らないうちに取適法に違反してしまうトラブルにつながる危険があります。取適法に詳しい弁護士に相談したうえで、見落としがないように、取引ごとに十分に検討して慎重に判断するようにすることが必要です。
▶参考情報:取適法の規制内容については、以下で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
取適法の適用がない場合も、フリーランス保護法により類似の規制が適用されることがあります。フリーランス保護法についても必ずチェックしてください。
咲くやこの花法律事務所でも取適法・フリーランス保護法の両方についてサポートしていますので、ぜひご相談ください。
▶参考情報:フリーランス保護法については以下で解説していますのでご参照ください。
3,取適法(旧下請法)に違反するとどうなる?発注側・受注側が負うリスクとは?
取適法違反が発覚した場合、違反行為に対する以下のような取り締まりが行われます。
- 公正取引委員会等による指導、勧告、公表
- 刑事罰(罰金)
取適法違反については、主に発注側(委託事業者)が法的にも実務的にもリスクを負うことになりますが、受注側(中小受託事業者)にとっても無視できない影響があります。
発注側・受注側が負うリスクについてそれぞれみていきましょう。
(1)取適法違反により発注者(委託事業者)が負うリスクとは?
取適法違反によって発注者が負うリスクは、罰金などの直接的な制裁にとどまらず、企業の信用や事業運営に中長期的な影響を及ぼす点に特徴があります。
違反の可能性が少しでもある場合には、早い段階で是正しておくことが重要です。また、公表される違反事例には、違反リスクを見落としていたと思われるケースも多いです。弁護士によるチェックが必要です。
1,違反事業者に対する指導、勧告および公表による企業イメージの低下
発注側の企業は、公正取引委員会や中小企業庁、事業所管省庁などによる調査・立入検査の対象となり、違反が認められれば、勧告や指導、社名と違反内容の公表といった措置が取られる可能性があります。
▶参考情報:公正取引委員会「取適法(下請法)勧告一覧」
社名や違反内容が公表されると、取引先や金融機関からの信用低下につながり、継続的な取引関係や資金調達など、事業活動に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
2,刑事罰が科される
取適法では、以下の違反行為について刑事罰(50万円以下の罰金)が定められています(取適法第14条〜第16条)。
- 発注内容等の書面等による明示義務違反
- 取引内容を記載した書類等の作成・保存義務違反
- 公正取引委員会からの取引に関する報告の求めに対する報告拒否や虚偽報告
- 公正取引委員会の立ち入り検査の拒否、妨害、忌避など
罰金刑が科されるのは、違反行為を行った個人と委託事業者である法人の両方です。
「取適法の対象だと思っていなかった」「法改正を知らなかった」等の言い訳は通らないので、現行の法律に適切に対応できているか、正確なチェック体制を整えることが重要です。
(2)取適法違反により受注者(受託事業者)が負うリスクとは?
違反によって罰を受けるのは基本的に発注側ですが、取適法違反がある取引環境が放置されると、受注側にとっても、不当な減額や支払遅延、買いたたきといった不利益を受け続けるというリスクがあります。
また、取適法に違反するような不当な代金減額や支払遅延などの不利益を受けている会社が、その業務をさらに他社に委託する場面で、発注先にその負担を負わせることで、結局、自社も発注者として取適法に違反してしまっている例があります。
このように、取適法違反は発注側・受注側のいずれにとっても、金銭面・信用面・取引関係の面でリスクを伴います。自社の取引が取適法に適合しているかについて、早期に弁護士によるチェックを受け、問題があれば是正することが重要です。
4,弁護士のサポートを受けたほうがよい理由

取適法への対応において弁護士のサポートを受けるべき理由は、主に以下の通りです。
●発注側の事業者が弁護士のサポートを受けるべき理由は?
- 取適法の適用対象となる取引の洗い出し
- 現状の取引状況が不当返品、支払遅延、不当な経済上の利益の提供要請などの禁止事項に違反していないかのリスクチェック
- 契約書の内容が取適法に違反していないかを確認する契約書リーガルチェック
- 取適法で義務付けられる取引記録の整備状況の確認
- 受注側から価格についての協議の申入れがあった場合の適切な対応のサポート
- 取適法遵守のための発注担当者向けコンプライアンス研修
- 行政機関からの調査や照会があった場合の対応
- 法改正があった場合の対応
等
●受注側の事業者が弁護士のサポートを受けるべき理由は?
- 取適法の適用対象となる取引の洗い出し
- 現状の発注者側との取引状況が不当返品、支払遅延、不当な経済上の利益の提供要請などの禁止事項に違反していないかのリスクチェック
- 発注者側との契約書の内容が取適法に違反していないかを確認する契約書リーガルチェック
- 不当返品、不当な代金減額、不当な経済上の利益の提供要請などの違反行為があった場合の受注者側の利益を守るための対応
- 法的な解決をする必要がある場合の行政機関への申告のサポート、調停申し立て、契約解除、損害賠償請求等
等
以下では、発注側と受注側それぞれにわけて事業者が弁護士のサポートを受けるべき理由について詳しく解説していきます。
(1)発注側の事業者が弁護士のサポートを受けるべき理由
1,規制内容の正しい理解と運用の適正化
取適法に適切に対応するためには、どの取引が規制対象となるのか、どこからが違法なのかを正しく判断する必要があります。しかし、取適法の条文を読むだけで正しい判断をすることは難しく、ガイドラインや過去の処分事例を踏まえた専門的な知識が必要です。
また、契約書や発注書の記載方法、代金支払のタイミング、条件変更や代金減額が必要になった場合の進め方、受託事業者から価格協議の求めがあった場合の対応など、実務上注意するべき点が多数あります。弁護士のサポートを受けることで、これらの問題点を整理し、取適法に対応した適切な取引の運用が可能になります。
2,契約書のリーガルチェック
弁護士のリーガルチェックにより取適法違反がないかどうかを確認することが必要な契約書も、業務委託契約書、製造委託契約書、Webサイト制作契約書、システム開発契約書、運送委託契約書など多岐にわたります。
3,行政機関からの調査や照会があった場合の対応
行政機関からの調査や照会があった場合には、初動対応が重要です。日頃から取適法分野で弁護士のサポートを受けておくことで、調査や照会を受けたときも、日頃の対応を踏まえた対応ができ、弁護士から行政機関に会社の立場を説明することができます。
4,発注者側事業者に対する弁護士のサポート内容
その他発注者側事業者に対する弁護士のサポート内容をまとめると、以下のように整理することができます。
- 取適法の適用対象となる取引の洗い出し
- 現状の取引状況が不当返品、支払遅延、不当な経済上の利益の提供要請などの禁止事項に違反していないかのリスクチェック
- 契約書の内容が取適法に違反していないかを確認する契約書リーガルチェック
- 取適法で義務付けられる取引記録の整備状況の確認
- 受注側から価格についての協議の申入れがあった場合の適切な対応のサポート
- 取適法遵守のための発注担当者向けコンプライアンス研修
- 行政機関からの調査や照会があった場合の対応
- 法改正があった場合の対応
(2)受注側の事業者が弁護士のサポートを受けるべき理由
一方、受注側の事業者も弁護士のサポートを受けることが必要なことがあります。
受注側の事業者は、発注側の事業者から、取引条件の一方的な変更や代金の減額など、不利益な扱いを受けやすい立場です。しかし、取引において不利益を実感していても、「この扱いが違法なのか」「発注側に抗議することができるのか」という判断を自社でして実行に移すことは難しいでしょう。弁護士に相談することで、問題の取引が取適法違反にあたるかどうかや、具体的にどんな対応ができるかについて、法的根拠と弁護士の経験に基づいた助言を得ることができます。
また、仮に違反があるとしても、発注側との関係を崩さずに上手に伝える必要がある場面も多いでしょう。発注側との無用な対立を避けつつ、自社の正当な利益を守るためにも、取引において疑問を感じたときは弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
受注者側事業者に対する弁護士のサポート内容をまとめると、以下のように整理することができます。
- 取適法の適用対象となる取引の洗い出し
- 現状の発注者側との取引状況が不当返品、支払遅延、不当な経済上の利益の提供要請などの禁止事項に違反していないかのリスクチェック
- 発注者側との契約書の内容が取適法に違反していないかを確認する契約書リーガルチェック
- 不当返品、不当な代金減額、不当な経済上の利益の提供要請などの違反行為があった場合の受注者側の利益を守るための対応
- 法的な解決をする必要がある場合の行政機関への申告のサポート、調停申し立て、契約解除、損害賠償請求等
発注者との関係を壊さずに発注者に取適法を遵守させるためには、まずは契約書締結の段階で取適法の適用がある取引であることを発注者に上手に伝えることが適切です。また、現状、すでに違反状態にある場合も、まずは、弁護士の意見を踏まえたうえで発注者側に対して上手に「相談」をもちかけることが適切です。
5,弁護士のサポートがなければ発生する可能性のあるリスクは?

取適法について適切な弁護士のサポートを受ける機会がない場合、以下のようなリスクをかかえることになります。
- 気づかないまま取適法に違反してしまう
- 自社の取引が取適法の適用対象であることに気付かず、契約書等の内容が取適法に対応できていないまま、違法な取引を継続してしまう
- 公正取引委員会や中小企業庁からの調査・照会への対応を誤り、不利な評価を受けて、社名公表などのリスクを高めてしまう
- 発注側から買い叩き、一方的な減額・支払遅延などの不利を受けても適切な対応が分からず泣き寝入りしてしまう
このようなリスクは、取引の現場では珍しいものではありません。具体的にみていきましょう。
(1)気づかないまま取適法に違反してしまうケース
取適法違反として公表される事例の中には、コンプライアンス体制が充実していると思われる大手企業の事例も少なくありません。
例えば、取適法に改正される前の令和7年に下請法違反で勧告を受けた事例として以下のものがあります。
▶参考情報:令和7年:下請法違反で勧告を受けた事例一覧
| 事業者名 | 下請法違反とされた行為 |
| トヨタ自動車東日本やシマノ | 受注事業者に金型を無償で保管させた |
| ジェイテクト | 発注代金から振込手数料分を実費以上に減額していた |
| センコー | 下請の運送業者に無償で商品の積み下ろしなどをさせていた |
| ヨドバシカメラ | リベート名目で代金を減額していた |
| 洋菓子製造のシャトレーゼ | 発注先から納品された包装資材等について、必要と判断した分のみを受け取り、残りについて受け取らなかった |
上記のようにコンプライアンス体制が比較的充実していると思われる大手企業でも違反を指摘されている背景には、取適法のルールが条文だけではわかりにくいことに加え、業界内部の慣行から、外部の第三者から指摘されなければ違反に気づきにくいという事情があると考えられます。
これまで当然と考えていた部分にも目を向けることが必要であり、外部の弁護士にチェックを依頼することが必要です。
(2)取適法の適用対象であることに気付かず、違法な取引を続けてしまうケース
弁護士のサポートを受けずに対応を進めた場合、取適法の適用対象であることに気付かないまま取引を継続してしまうリスクがあります。自社では対象にならないと考えていた取引について、取引内容や契約形態の整理が不十分なまま取引を進めてしまうことで、後から取適法違反であると指摘される可能性があります。
たとえば、取適法の対象ではない取引の場合、契約書に「検収合格後60日以内に支払う」と定めても適法ですが、取適法の対象取引だった場合、これは違法になってしまいます。
このような問題は、弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼すれば防ぐことができます。
▶参考情報:弁護士による契約書のリーガルチェックの費用の相場や必要性については以下でも解説していますのであわせてご参照ください。
(3)行政機関からの調査・照会への対応を誤ってしまうケース
公正取引委員会や中小企業庁から調査や照会を受けた際に、事実関係を十分に整理しないまま対応してしまい、問題を大きくしてしまうことがあります。
弁護士に相談して、法的な問題を整理したり、取適法に違反している場合は先回りして改善を進めることで、行政からの調査・照会に対して適切な対応をすることが重要です。
(4)受注側が不当な取引条件を受け入れてしまうケース
受注側企業の中には、発注側からの買いたたきや不当な代金減額、支払遅延などの取適法違反にあたるような行為があっても、取引先との関係悪化を恐れて声を上げられないケースがあります。言いづらいからといって問題を放置していると、不利な取引条件が固定化し、企業経営にも悪影響をもたらすおそれがあります。
取適法違反に該当する場合は、弁護士の助言を受けながら、発注側企業と円満に交渉し、問題を解決していくことが必要です。
このように、弁護士のサポートを受ける機会がない場合、気付かないうちに法律に違反していたり、リスクの拡大につながるおそれがあります。取引実務を安定的に運用するためにはトラブルが起きる前に弁護士に相談することが重要です。
6,判断に迷った場合は取適法(旧下請法)に詳しい弁護士へ相談しましょう
取適法については、「明らかに違反している」「すでに行政から指摘を受けている」といった状況になる前に、第三者である弁護士の視点から自社の取引をチェックし、取引を適正化しておくことが重要です。
取引内容の見直しや契約条件の変更、新たな委託取引を開始する場面では、過去の慣行や一般的な感覚だけで判断してしまうと、想定外のリスクを抱えることがあります。取適法に詳しい弁護士に相談することで、現状の整理と今後取るべき対応を法的観点から確認することが大切です。
早い段階で弁護士に相談することが、トラブル発生防止につながります。
7,実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士が取適法に関する対応をサポートした解決事例
以下で咲くやこの花法律事務所における対応事例をいくつかご紹介します。
(1)法改正をきっかけに運用を見直し、取適法違反を未然に防いだ事例
下請法から取適法への法改正によって、発注側の事業者が受託事業者への代金支払時に振込手数料を差し引くことは、双方の合意があっても認められなくなりました。
この点に関連して、代金支払時に振込手数料を契約書に基づき差し引いていた事業者から、自社の現在の運用が取適法に違反するかどうかについて、ご相談いただきました。
弁護士が法改正の内容とリスクを説明したうえで、取適法の適用対象となる取引と、適用対象外の取引の整理を行いました。そのうえで、取適法の適用対象となる取引については、今後は委託事業者側が振込手数料を負担する形に運用を変更するよう助言しました。
その結果、法改正前に支払方法を見直し、気付かないうちに取適法違反の状態に陥ることを未然に防ぐことができました。
(2)取適法の禁止事項に抵触しないよう、金型保管に関する覚書を整備した事例
食品製造事業者から、トレイの製造を委託している取引先との間で締結予定の覚書について、リーガルチェックの依頼がありました。
同社では、トレイの製造に必要な金型等について、発注頻度が少ないものは1~2年に1回程度の発注となるケースもあるため、できるだけ長期間保管してもらえないかという要望があり、その内容を反映した覚書案を自社で作成していました。
しかし、弁護士が内容を確認したところ、一般的な契約書の形式として整っていない点が見受けられ、また、取適法上問題となるリスクが発見されました。
そこで、同社の意図を踏まえつつ、取適法違反と指摘されない内容となるように金型等の保管費用の負担関係を明確にした覚書案を弁護士が作成しました。その結果、取引先との契約内容を適正化したうえで安心して取引を継続できる体制を整えることができ、将来的な行政指導やトラブルにつながるリスクを事前に回避することができました。
(3)振込手数料の取扱いと取適法の適用範囲を整理し、全社的な運用ルールを構築した事例
取適法施行後の振込手数料の取扱いについて相談がありました。
同社では、これまで受託事業者への振込時に振込手数料を相手負担として処理していましたが、この運用が取適法に抵触するのか、また、中小受託事業者に該当しない大企業との取引でも同様に見直す必要があるのかについて判断に迷っていました。あわせて、建設業の取引が取適法の対象になるのかといった点についても確認したいとのことでした。
弁護士は、まず、取適法が適用される取引類型や「中小受託事業者」に該当するかどうかの判断基準(資本金・従業員数)について整理し、どの取引が取適法の対象となるかを説明しました。
その上で、取適法が適用される取引については、振込手数料を受託側に負担させ、代金から差し引く行為は合意の有無にかかわらず禁止される一方、大企業が発注先になる場合など取適法の対象外となる取引では、原則として当事者間の合意で負担方法を決められることを伝えました。さらに、実務上の煩雑さや将来的なリスクを踏まえ、取適法の対象かどうかを問わず、振込手数料は原則として委託事業者側が負担する運用に統一することも可能であり、むしろ望ましいことを助言しました。
その結果、顧問先事業者は、社内ルールを整理し、取適法違反のリスクを回避するとともに、取引先とのトラブルを未然に防ぐ体制を整えることができました。
8,取適法の相談におすすめの弁護士の選び方
取適法(旧下請法)について弁護士に相談する場合、取引実務と下請法・取適法の運用に精通しているかどうかが重要になります。取適法は実務との結びつきが強い分野であるため、実際の取引運用にまで踏み込んで助言できる弁護士を選ぶことが大切です。
発注側企業と受注側企業では、弁護士に求める視点や役割も異なります。それぞれみていきましょう。
(1)発注側企業の場合
発注側企業にとって重要なのは、違反が起きてからの対応だけでなく、違反を生じさせない体制づくりです。そのため、弁護士を選ぶ際は、次のような点を重視するとよいでしょう。
- 取適法・下請法の実務運用や過去の処分事例、ガイドライン等を踏まえた助言ができる
- 契約書や発注書のひな型作成・見直しに対応できる
- 取引全体の流れを確認し、取適法違反のおそれのある運用を指摘できる
- 社内向け研修やルール整備の実績がある
(2)受注側企業の場合
受注側企業の場合、不当な減額や支払遅延、買いたたきなどに直面しているケースも少なくありません。このような場合に、弁護士を選ぶ際に、次の点を重視するとよいでしょう。
- 取適法違反に該当するかどうかを的確に判断できる
- 取引先との交渉対応を任せることができる
- 公正取引委員会や中小企業庁への申告に対応できる
弁護士のリーガルチェックを受けたとされる契約書なのに取適法に違反する状態のまま放置されているといった事例も多数見られます。取適法に関連する対応を弁護士に相談する場合、弁護士なら誰でもよいわけではなく、取適法に精通した弁護士に依頼することが必要です。
9,取適法(旧下請法)について相談するなら咲くやこの花法律事務所の弁護士へ

咲くやこの花法律事務所では、多くの顧問先をサポートする中で、取適法の実務について経験を蓄積し、また日々経験をブラッシュアップしています。取適法に関する新規のお客様からのご相談にも対応していますので、是非ご利用ください。
以下では、取適法(旧下請法)に関する咲くやこの花法律事務所の事業者向けサポート内容についてご説明します。
(1)発注側企業からのご相談
咲くやこの花法律事務所では、取引内容が取適法の規制対象にあたるかどうかの確認をはじめ、契約書・発注書のチェック、現状の運用をベースに適法化するための対応、日常的な取引運用に関するご相談、行政機関からの調査や照会への対応まで、状況に応じたサポートが可能です。
すでに問題が発生している場合だけでなく、「今の対応で問題がないか確認したい」「将来的なリスクを把握しておきたい」といった段階でのご相談にも対応しています。取適法への対応についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
咲くやこの花法律事務所では、取適法(旧下請法)に関する以下の相談をお受けしています。
- 自社が取適法の対象かどうかの確認
- 取適法遵守、適法化するための対応のご相談
- 自社の取引慣行についてのリーガルチェック
- 取適法違反が発覚した場合の公正取引委員会等への対応方法のご相談
- 取適法違反に基づく減額分代金等の返還に関するご相談
- 取適法に対応した契約書の作成やリーガルチェック
- 受託事業者とのトラブルに関するご相談
咲くやこの花法律事務所の弁護士へのご相談費用
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほかオンライン相談、電話相談に対応
(2)受注側企業からのご相談
咲くやこの花法律事務所では、受注側の企業からのご相談もお受けしています。
発注側企業から一方的に代金を減額されたり、返品や支払遅延などの不利益を受けたりした場合に、弁護士にご相談いただくことで、取適法で定められたルールにしたがって受注側企業の権利を守るサポートができます。
取引において、これは取適法違反ではないのか?と疑問に感じた場合は、咲くやこの花法律事務所にぜひご相談ください。
- 発注先企業との契約書の作成やリーガルチェック
- 発注先の取適法違反に関するご相談
- 発注先との取引上のトラブルに関するご相談
- 発注先による代金減額や不当な返品、商品の受け取り拒否等に関するご相談
- 発注先が費用を負担せずに発注内容の変更を指示する場合の対応に関するご相談
咲くやこの花法律事務所の弁護士へのご相談費用
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほかオンライン相談、電話相談に対応
(3)顧問弁護士サービス
咲くやこの花法律事務所では、事業者向けに日々のご相談に対応する顧問弁護士サービスを提供しています。
顧問弁護士サービスをご利用いただくことで、日頃から契約書等のチェックや取引トラブルに関する相談を気軽にしていただくことができます。取適法(旧下請法)に関するトラブルを未然に防止するために効果的ですし、顧問弁護士サービスをご利用いただいていると、もしトラブルになってしまった場合も速やかに適切な対応をすることができます。
顧問契約をご検討中の方は、無料で弁護士との面談(オンラインも可)を実施していますので、気軽にお問い合わせください。
咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスの費用例
- 月額3万円+税~15万円+税
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスの内容は以下をご参照ください。
(4)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
弁護士の相談を予約したい方は以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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10,まとめ
取適法(旧下請法)は、取引内容や事業規模、契約形態などによって適用の有無が判断されるため、自社が対象になるのかどうかを正確に把握することが重要です。特に発注側企業にとっては、日常的な取引運用そのものが法令違反につながる可能性があり、知らないうちにリスクを抱えているケースも少なくありません。
また、取適法に違反した場合には、勧告や社名公表、指導、罰金などのリスクに加え、企業の信用低下や取引関係の悪化といった経営上の影響も生じます。受注側企業にとっても、不利益な取引条件が継続することで事業に大きな支障が出るおそれがあります。
取適法への対応では、問題が表面化してから対処するのではなく、早い段階で自社の取引を点検し、必要な是正を行うことが重要です。そのためには、取適法に詳しい弁護士のサポートを受けながら、取引運用の見直し、適法化を進めることが有効です。
取適法(旧下請法)について不安や疑問がある場合は、早めに弁護士に相談することを検討してください。トラブルになる前に適切な対応をすることが、将来的なトラブルやリスクの回避につながります。咲くやこの花法律事務所でもご相談をお受けしていますので是非ご利用ください。
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記事作成日:2026年2月25日
記事作成弁護士:西川 暢春
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