こんにちは。弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
退職勧奨と解雇の違いについて、正しく理解できていますか。
一見すると、退職勧奨は「合意による退職」、解雇は「一方的な契約終了」という明確な違いがあるように思えます。しかし、実際には両者の区別はあいまいです。会社が退職勧奨のつもりで行った対応が、訴訟になれば「解雇」と判断されるケースも少なくありません。
解雇と評価された場合、不当解雇と判断されて雇用の継続や多額のバックペイの支払いを命じられるリスクがあります。そのため、解雇と退職勧奨の区別を正確に理解し、退職勧奨をしているつもりなのに解雇と評価されるといったことがないようにすることが大切です。
この記事では、退職勧奨と解雇の違い、リスクの違い、裁判例にみる境界線、そして解雇と評価されないための具体的な進め方について、わかりやすく解説します。この記事を読めば、解雇にならないためにどのように退職勧奨を進めていけばいいのかを理解し、リスクに注意しながら合意による退職での解決に向けて前に進むことができるはずです。
それでは見ていきましょう。
解雇トラブルが、裁判になった場合は解雇を回避するために企業が最大限努力したかという点をチェックされます。
例えば能力不足を理由とした解雇の場合、業務の問題点や改善方法を具体的に示して十分な指導を行ったか、他の部署に配置転換して別の環境で雇用を継続できないかを検討したか、などがチェックされます。
もっとも、これらの解雇回避努力についてどこまでやればいいのかという明確な基準は示されておらず、会社としては最大限解雇回避努力をしたつもりであっても、裁判では不十分と評価されて不当解雇と判断されてしまうケースも少なくありません。
そのため、従業員との雇用を終了させたいときも、基本的には解雇ではなく、退職勧奨による合意退職を目指すことが適切です。ただし、退職勧奨についても十分な経験がなければ、円滑に合意を得ることは難しく、無理な退職勧奨を行ってしまってトラブルになったり、退職を拒否されて結局は解雇してしまってトラブルになる例が多く見られます。
そのため、解雇や退職勧奨を検討する場面では、必ず弁護士のサポートを受けて対応することが必要です。咲くやこの花法律事務所でも事業者側の立場で解雇や退職勧奨に関するご相談・ご依頼をお受けしています。
問題社員の対応でお悩みの事業者様は、ぜひ咲くやこの花法律事務所へご相談ください。咲くやこの花法律事務所によるサポート内容については以下もご参照ください。
▶参考情報:問題社員対応に関する弁護士への相談サービスはこちら
※咲くやこの花法律事務所では、企業または事業者からのご相談のみお受けしています。
また、咲くやこの花法律事務所の弁護士が問題社員対応において退職勧奨や解雇をサポートした解決事例もご紹介していますのであわせてご覧ください。
▼退職勧奨や解雇の場面での対応サポートについて、弁護士の相談を予約したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
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今回の記事で書かれている要点(目次)
1,退職勧奨と解雇の違いとは?

退職勧奨は、労働者に退職を促し、労働者の同意を得て、双方の合意によって雇用契約を終わらせようとする説得活動をいいます。これに対し、解雇は使用者側からの一方的な通知によって労働者の同意なく、雇用契約を終了させる方法です。このように、退職勧奨と解雇の大きな違いは、労働者側の同意を得ようとするものであるかどうかという点です。
退職勧奨は労働者に拒否されれば雇用契約を終了させることはできませんが、解雇は、労働者が拒否していても行うことが可能です。しかし、一方で、解雇は、労働者が不当解雇であるとして会社に対して訴訟を起こした場合、裁判所で解雇が無効であると判断されるリスクがあります。裁判所で解雇が無効だと判断された場合、雇用の継続やバックペイ と呼ばれる多額の金銭の支払いを命じられるなどのリスクがあります。リスク面の違いについては次で詳しく解説します。
(1)退職勧奨と解雇の主な違い比較表
以下では、退職勧奨と解雇の主な違いとして、「性質、従業員の同意の必要性、退職理由の扱い、法律の制限、訴訟リスク」についての比較を表でまとめております。参考にしてください。
| 退職勧奨 | 解雇 | |
| 性質 | 話合い・交渉 | 会社による一方的な意思表示 |
| 従業員の同意の必要性 | 同意がなければ雇用契約は終了しない | 同意がなくても解雇が有効であれば雇用契約が終了する |
| 退職理由の扱い | 会社都合退職扱い | 原則として会社都合退職だが、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は自己都合扱い |
| 法律の制限 | 原則として適法であり、例外的に違法になる | 法的規制があり、解雇が有効とされるためには一定のハードルがある |
| 訴訟リスク | 適切な方法で合意を得れば訴訟リスクは低い。ただし、違法な退職勧奨は重大な訴訟リスクがある | 解雇の有効性を争う訴訟に発展するリスクがある |
▶参考情報:「退職勧奨」「解雇」それぞれについて網羅的に解説した記事を以下で掲載していますので、あわせてご参照ください。
・退職勧奨(退職勧告)とは?適法な進め方や言い方・注意点を弁護士が解説
また、この記事の著者 弁護士 西川暢春が、「それ、退職勧奨のつもりでも“解雇”です!解雇と退職勧奨の違いは?危険な境界線を弁護士が解説」の動画でも、解雇と退職勧奨それぞれの意味や違い、リスクについてを詳しく解説しています。こちらもあわせてご参照ください。
2,退職勧奨と解雇のリスクの違いは?

次に、退職勧奨と解雇の主なリスクの違いについては以下の通りです。
- 退職勧奨のリスクは、不適切な言動により違法と判断された場合は、慰謝料請求の対象となるリスクがあります。
- 解雇については、裁判で解雇が無効だと判断された場合、雇用の継続を命じられるだけでなく、解雇日にさかのぼって賃金(バックペイ)の支払いを命じられるリスクもあります。
以下でそれぞれについて詳しく解説しています。
(1)退職勧奨のリスクについて
まず、退職勧奨については裁判所は、以下の「日本アイ・ビー・エム事件」で示された基準を繰り返し判示しています。
これによると、退職勧奨は原則として正当な業務行為に当たりますが、労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり、名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりした場合は、違法と評価され、慰謝料請求の対象となるリスクがあります。ここでいう「名誉感情を不当に害するような言辞」というのは、要するに、労働者を不当に侮辱するような言い方という意味です。
▶参考判例:日本アイ・ビー・エム事件(東京地方裁判所判決平成23年12月28日)
「使用者は,退職勧奨に際して,当該労働者に対してする説得活動につ いて,そのための手段・方法が社会通念上相当と認められる範囲を逸脱しない限り,使用者による正当な業務行為としてこれを行い得るも のと解するのが相当であり,労働者の自発的な退職意思を形成する本来の目的実現のために社会通念上相当と認められる限度を超えて,当該労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり,又は,その名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりすることによって,その自由な退職意思の形成を妨げるに足りる不当な行為ないし言動をすることは許されず,そのようなことがされた退職勧奨行為は,もはや,その限度を超えた違法なものとして不法行為を構成することとなる。」
▶参考情報:どのような退職勧奨が違法になるのかについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
また、この記事の著者 弁護士 西川暢春が、「退職勧奨が違法となる場合とは?事例をもとに弁護士が解説!」の動画でも退職勧奨が違法か適法かについての判例の判断基準などを詳しく解説しています。こちらもあわせてご参照ください。
(2)解雇のリスクについて
一方で、解雇については、労働契約法第16条で、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効になると規定されています。
裁判で解雇が無効だと判断された場合、雇用の継続を命じられるだけでなく、退職日にさかのぼって賃金(バックペイ)の支払いを命じられるリスクもあります。解雇トラブルの裁判は一審だけでも1年以上かかることが多いです。バックペイの支払いを命じられると、その長期間分の賃金を支払うことになり、会社は経済的な面でも非常に大きなダメージを受けることになります。
また、解雇のリスクは訴訟リスクだけではありません。解雇に不満を持った従業員によりSNS等に自社に不利益な情報が投稿され、拡散されてしまうといったリスクも伴います。
労働契約法第16条の条文には解雇無効と判断される具体的な基準が示されておらず、解雇が有効と認められるかどうかが、実際に裁判になってみないとはっきり見通せないこともあります。この点も解雇のリスクが高いと言われる理由の一つになっています。
▶参考情報:裁判で不当解雇と判断されたときに会社が受けるダメージについては、以下で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
3,退職勧奨と解雇の境界線の事例
冒頭でもご説明したように、退職勧奨と解雇の境界線はあいまいな部分があり、会社として退職勧奨をしているつもりでも、解雇と評価されるような言い方になっていないかに留意する必要があります。
以下で、実際に退職勧奨か解雇のどちらにあたるかが争点となった事例をご紹介します。
(1)「残業を付けないか、それがいやなら辞めてくれ。」と言った事例
株式会社丸一商店事件(大阪地方裁判所判決平成10年10月30日)
事案の概要
代表者が従業員に対し「新しい事務員も雇ったことだし、残業をやめてくれ。残業を付けるならその分ボーナスから差し引く。」と伝え、これに従業員が難色を示しました。
それに対し代表者が「来月から残業代は支払えない。残業を付けないか、それがいやなら辞めてくれ。」と伝えたところ、従業員はその場ですぐに「それでは辞めさせてもらいます。」といって退職の意思表示をしました。
この一連のやり取りについて、労働者側が解雇されたとして解雇予告手当などを請求したところ、会社側が解雇ではなく合意退職だと主張して争った事案です。
裁判所の判断
裁判所は、「代表者の発言は、残業手当の請求権を将来にわたり放棄するか退職するかの二者択一を迫ったものであって、かかる状況で従業員が退職を選んだとしても、これはもはや自発的意思によるものであるとはいえないというべきであり、代表者の発言は、実質的には、解雇の意思表示に該当するというべきである。かように解しないと、使用者は、従業員に対し、労基法に違反する労働条件を強要して退職を余儀なくさせることにより、解雇予告手当の支払を免れることができることになり、相当でないからである。」として、解雇にあたると判断しました。
この事案で、会社は、「残業する必要はないのではないか」と問いただしただけであると主張しましたが、裁判所は「今後は残業を付けるな。」との趣旨のものであったと認めるべきであると判断したうえで、解雇にあたるとしています。
このように、退職勧奨のつもりで発した言葉でも、あいまいな言葉を使ってしまうと、「解雇」と評価されることがあることに注意してください。
(2)代表者が従業員に「もう来てもらわなくてよい」と言った事例
大阪地方裁判所判決令和2年1月16日
事案の概要
代表者が従業員に対し「もう来てもらわなくてよい」旨を伝えたことについて、従業員側は解雇の意思表示であると主張しましたが、会社側は従業員が日雇い労働者であり、この発言は次に依頼する仕事がないことを告げたにすぎないと主張した事案です。
裁判所の判断
裁判所は、代表者の「もう来てもらわなくてよい」旨の発言は、解雇の意思表示に当たると判断しました。
(3)会社からの退職日前倒し交渉が解雇にあたると判断された事例
東京地方裁判所判決令和7年5月22日
事案の概要
会社が5月15日付の退職を申し出た従業員について、退職日を4月10日に前倒ししたいと考え、本社に呼び出して面談し、退職日を4月10日とする書面に署名、捺印させました。しかし、従業員はこれが解雇にあたると主張して解雇予告手当の支払等を請求した事案です。
裁判所の判断
裁判所は、使用者が労働者の申し出た退職日より前の日を退職日と定め、これに従って労働者が退職したときは、労働者が同意した場合を除き、実質的な解雇にあたると判示しました。
そのうえで、本件では、従業員が当初5月15日付退職を希望していたにもかかわらず、わずか10分程度の面談で特段の説明もなく4月10日付退職とする書面に署名、捺印しており、書面への署名、押印が従業員の真意に基づくものであったとは認められないとして、本件は解雇にあたると判断しました。
本件は会社としては退職勧奨という考え方だったと思われますが、裁判所では解雇と評価されました。
少し先の日を退職日とする退職届を出してきた従業員に、もう少し早くやめてほしいという退職日の前倒し交渉をすることは、典型的なやってはいけない対応の1つです。この点については、以下の動画でも解説していますのであわせてご参照ください。
4,解雇にならないための退職勧奨の進め方

次に、解雇にならないための退職勧奨の進め方について解説します。
事案によって最適な方法は異なるため、個別の事案ごとにやり方を組み立てていくのが最適ではありますが、基本的には従業員に退職してほしいことを伝えた上で、退職日や退職条件を協議・交渉する形になります。解雇ではなく退職勧奨をするためには、「あなたに退職してほしいと考えています」という伝え方をすることが適切です。
退職勧奨の具体的な進め方の流れは以下の通りです。
(1)退職勧奨の方針を社内で共有する
まずは社内の幹部や対象従業員の直属の上司等に意見を聞き、対象従業員に退職勧奨をする方針を社内で共有します。
(2)退職勧奨の理由を整理したメモを作成する
退職勧奨の場面では、伝える側にもプレッシャーがかかるだけでなく、退職勧奨を伝えられた従業員が攻撃的な反論や質問をしてくる可能性があります。
どのような状況になっても必要な内容を冷静に伝えることができるように、必ず事前に伝えるべき内容を整理したメモを作成しておきましょう。
(3)予算を確保する
従業員が退職を決める際にネックとなる点の1つが、生活資金についての不安です。
退職の際に会社から一定の金銭を支給することで、従業員の不安がやわらぎ、より退職の合意を得やすくなります。そのため、退職勧奨にあたっては、金銭支給を念頭に置いて予算を確保しておくことをおすすめします。
▶参考情報:具体的な目安については以下で解説していますのでご参照ください。
(4)想定問答を作る
対象となる従業員からの質問や反論にあわてないためにも、事前に予想される質問や反論についての回答を決めておくことも大切です。
例えば従業員から「辞めないとどうなるんですか?」と質問があった場合に、「退職に合意しないのであれば解雇するほかない」等といった旨の発言をしてしまうと、後で退職強要だと判断されるリスクがあります。
このように不用意な回答を避けるためにも、事前に予想される質問に対してどう回答するかをしっかり検討して決めておく必要があります。
(5)対象の従業員を個室に呼び出す
退職勧奨は、他の従業員の目に触れることのないよう、会議室などの個室で行うのが適切です。また、会社側の人数が多すぎると、従業員に心理的圧迫を与えてしまうため、会社側の出席人数は1人または2人程度が望ましいです。
(6)退職してほしいという会社の意向を伝える
次に、対象の従業員に退職してほしいという会社の意向を伝えます。ここでは、勤務態度が悪く、顧客とのトラブルを繰り返す問題社員のケースを例に説明します。
1.退職勧奨の話の切り出し方
「これまで、私からもあなたの上司の●●さんからも、あなたの勤務態度について何度も指導し、改善するようにお願いしてきました」という風に切り出します。
そのうえで、「あなたが上司の●●さんとトラブルになった時は▲▲という話をしましたし、あなたが顧客対応でトラブルになった時は■■という話もしました。あなたに何度もチャンスを与えて、改善をお願いしてきました。しかし、今回、また同じような問題が起こりました。」等と、何度もチャンスを与えて指導を重ねたにもかかわらず、問題点が改善されなかったことを伝えます。
2.退職してほしいという会社の意向を伝える
「あなたをどう処遇すべきかについて社内でも話し合った結果、あなたにはこの会社があっていないと考えています。そのため、会社としては、あなたに退職してほしいと考えています」という風に退職してほしいという会社の意向を伝えます。
(7)退職届を提出させる
従業員が退職に応じる意向を示したら、必ず退職届を提出させる必要があります。退職届が提出されていないケースでは、裁判になった場合に会社側が口頭で退職の合意を得たと主張しても、裁判所が会社側の主張を認めることはほとんどありません。退職後のトラブルを防ぐためにも、必ず退職届を取得する必要があります。
(8)合意書を作成する
退職届を提出してもらった後は、さらに従業員との間で合意書も作ることをおすすめします。
合意書を作成することで以下の条項を盛り込むことができます。
1.口外禁止条項
=会社とのトラブルの内容や、会社から金銭支給を受けて退職に至ったことなどを第三者に口外することを禁止する条項
2.誹謗中傷禁止条項
=会社と従業員が互いに誹謗中傷しないことを約束する条項
3.清算条項
=退職後に会社に対して一切の請求をしないことを約束させる条項
ただし、退職勧奨はあくまでも労働者に自発的な退職を働きかけるための説得活動にすぎず、退職勧奨に応じるかどうかは従業員の自由な意思に委ねられます。退職合意を実現させるためには、従業員の心の動きを見据えて上手に説得していくことが必要になります。
▶参考情報:退職勧奨の進め方・面談での言い方・必要書類・注意点・また事前準備については、以下の記事で詳しく解説してますのであわせてご参照ください。
5,退職勧奨や解雇について弁護士に相談すべき理由
ここまでご説明した退職勧奨や解雇については、弁護士に相談したうえで進めることが必要です。以下でその理由をご説明します。
(1)企業が退職勧奨について弁護士に相談すべき理由
まず、退職勧奨については、企業が弁護士に相談することは以下のメリットがあります。
- 弁護士による交渉で合意を実現しやすくなる
- 難しいケースでも弁護士に相談して方針を立てることで合意を実現できる
- 弁護士に相談することで適切な退職条件の設定ができる
- 退職合意後にトラブルが起きないようにする
また、退職勧奨の場面に弁護士の同席を依頼することも有益です。弁護士に退職勧奨への同席を依頼することには、以下のメリットがあります。
- 退職勧奨が違法となるリスクを回避できる
- 退職条件の調整を円滑に進めることができる
- 弁護士の交渉による退職合意を実現しやすくなる
- 担当者の心理的負担を軽減できる
▶参考情報:退職勧奨を弁護士に相談すべき理由や、実際の退職勧奨の場面で弁護士に同席を依頼すべき理由については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
(2)企業が解雇について弁護士に相談すべき理由
解雇は、退職勧奨よりもさらにリスクが高く、必ず弁護士に事前に相談したうえで進める必要があります。弁護士に相談すべき理由として以下の点を挙げることができます。
- 解雇した場合のリスクの程度を事前に弁護士に確認できる
- リスクを最小限にとどめるために必要な証拠収集や懲戒処分について確認できる
- 解雇の正しい手続について確認できる
- 解雇が紛争化した後も訴訟に発展する前に弁護士に依頼して解決することができる
- 労働審判や訴訟、団体交渉に発展した場合も正しく対応できる
▶参考情報:実際の解雇の場面では弁護士に相談すべき理由については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
6,退職勧奨や解雇に関する相談なら咲くやこの花法律事務所がおすすめ
退職勧奨や解雇に関するトラブルでは、一度対応を誤ってしまうと、後でリカバリーすることが難しいことも多いです。そのため、必ず事前に弁護士に相談することが大切です。
また、相談する弁護士の選び方も重要です。弁護士や法律事務所によって取り扱い分野は様々です。退職勧奨や解雇について相談する際は、企業側の立場で労務問題に対応してきた弁護士であるかどうかや、企業側の立場での労務トラブルの解決実績が豊富かどうかといった点を基準に選ぶことをおすすめします。
咲くやこの花法律事務所では、これまで多くの事業者様から問題社員の退職勧奨や解雇に関するご相談やご依頼をお受けし、解決してきた実績があります。また、問題社員への対応や、退職勧奨・解雇トラブルなどの労務問題に精通した弁護士が揃っています。従業員の退職勧奨や解雇を検討しなければならない場面では、ぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。
7,実際に退職勧奨や解雇について咲くやこの花法律事務所の弁護士が対応をサポートした解決実績
次に、退職勧奨や解雇について、咲くやこの花法律事務所で実際に対応した事例をいくつかご紹介します。
(1)能力不足の看護師の退職勧奨に関する事例
クリニックからご相談いただいた事案です。
経験者として中途採用した看護師が、入職当初から業務上のミスを繰り返しており、注意をしても改善されなかったため、クリニック側が退職勧奨を行いました。しかし、看護師は退職に応じませんでした。そこで、この看護師への今後の対応について咲くやこの花法律事務所にご相談いただきました。
弁護士が相談をお受けしたところ、解雇するのはリスクが高い事案でした。また、弁護士が検討したところ、問題の看護師が退職の説得に応じなかったのは、自身の業務水準がクリニックの要求水準に達していないということをしっかり認識させ、自覚させるプロセスが経られていないことが原因であると考えられました。そこで、弁護士から、この点を院長に説明のうえ、問題の看護師に対する指導に取り組み、それでも改善が得られなければ再度退職勧奨を行うという方針をとることにしました。
そして、このような方針のもと、弁護士は院長に対して指導方針や指導方法、指導記録の付け方などを継続的に助言して、支援を行いました。
それをもとにクリニック内で問題の看護師に対する指導を行うためのチームを組み、弁護士のアドバイスのもと指導等を行った結果、指導開始から1か月程度で対象の看護師から退職の申し出があり、解決することができました。
▶参考情報:本件の詳細は以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
咲くやこの花法律事務所の経験からすれば、退職勧奨をして拒否されたような事案であっても、弁護士に対応をご相談いただき、正しい対応を続ければ、1か月程度で事業者としても納得できる解決ができることが多いです。
本件でも、指導チームが弁護士の助言を受けながら対応した結果、1か月が経たないうちに問題を解決することができました。
退職勧奨をしてうまくいかなかったからといって安易に解雇に進むのではなく、退職勧奨のプロセスが適切だったかを見直したうえで、あくまで退職勧奨による解決を目指すことがトラブルのない解決につながります。
▶参考情報:退職勧奨して拒否された場合の対応について以下で解説していますのであわせてご参照ください。
(2)パワハラを繰り返す従業員の解雇に関する事例
他の従業員に対してパワハラを繰り返す従業員を解雇したところ、従業員から解雇無効を主張されたため、弁護士において交渉を行った事案です。
この従業員は他の従業員に対し日常的にパワハラを行っており、会社が繰り返し注意・指導を行っても改善が見られませんでした。そのため、やむを得ず会社が当該従業員を解雇したところ、従業員は弁護士を付け、会社に対し不当解雇であると主張して、解雇の撤回及び解雇日以後の賃金の支払いに加え、不当解雇で精神的苦痛を受けたとして慰謝料も請求してきました。
そこで、会社から、従業員への対応について咲くやこの花法律事務所にご依頼いただきました。
本件では、解雇前に懲戒処分等が行われておらず、トラブルが訴訟になれば会社側が敗訴する可能性が非常に高い事案でした。そこで、弁護士として、訴訟前に交渉して、会社側の主張も十分したうえで合意による解決を目指す方針をとりました。
そして、弁護士が相手の弁護士に対して解雇の有効性を主張しつつ交渉した結果、会社からの一定の金銭給付と引き換えに、従業員に退職を承諾させ、合意による解決をすることができました。
▶参考情報:本件の詳細は以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
本件は本来退職勧奨で解決するべき事案でしたが、咲くやこの花法律事務所でご相談をお受けしたのはすでに解雇してトラブルになった後でした。トラブルになってしまった後でも、訴訟になる前に本件のように咲くやこの花法律事務所に依頼して交渉することで訴訟を回避して解決できる例は多いです。
▶参考情報:不当解雇で訴えられた場合の会社側の対応については以下の記事で解説していますのであわせてご参照ください。
(3)業務指示に従わない問題社員の解雇に関する事例
業務上の指示に従わず、経営者や同僚に対する誹謗中傷等の問題を繰り返す従業員を解雇したところ、不当解雇であるとして、従業員から会社に対して労働審判の申立てがされたため、対応について咲くやこの花法律事務所にご依頼いただきました。
弁護士が労働審判で解雇した従業員の問題点を詳細に立証した結果、裁判所には、従業員の問題行動を認めてもらい、裁判所から、解雇も有効と思われるとの見解が示してもらうことができました。
▶参考情報:本件の詳細は以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
解雇トラブルが労働審判に発展したときは、早急に弁護士に相談し、第一回の期日までに十分な証拠を集めたうえで、十分な反論書面を提出することが重要です。本件では、労働審判申立書が会社に届いた後すぐに咲くやこの花法律事務所にご相談いただいたことで十分な準備をして臨むことができ、それが良い結果につながりました。
▶参考情報:労働審判を起こされた場合の会社側の対応については以下で解説していますのであわせてご参照ください。
▶参考情報:また、この他にも退職勧奨や解雇に関する事件についてのサポート事例を多数ご紹介しています。以下もあわせてご覧ください。
8,従業員の退職勧奨や解雇について弁護士に相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務所では、従業員の解雇や退職勧奨を検討しなければならない場面について、会社側の立場で対応を支援し、解決してきました。以下では咲くやこの花法律事務所のサポート内容をご説明します。
(1)問題社員トラブル円満解決のためのご相談
問題社員を退職させるにあたっては、できる限り訴訟を避け、退職勧奨により合意による解決を目指すのが最も望ましい方法です。
双方合意の上で退職することで、あとで不当解雇だとして訴訟を起こされたり、会社への強い嫌悪からSNS等で誹謗中傷をされるといった退職後のトラブルを回避することができます。
咲くやこの花法律事務所では、問題社員トラブル円満解決のための弁護士によるご相談、支援のご依頼を承っております。問題社員トラブルでお悩みの方はぜひご相談ください。
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほか、zoomによるオンライン相談、電話相談が可能
(2)問題社員対応トラブル、解雇トラブル、退職勧奨トラブルへの対応のご相談
咲くやこの花法律事務所では、問題社員対応についてトラブルになってしまった場面や、解雇や退職勧奨がトラブルになってしまった場面についても、会社側の立場でのご相談や支援のご依頼を承っています。これらのトラブルでお困りの際は、できる限り早めにご相談いただくことが良い解決につながります。
解雇や退職勧奨に関するトラブルでお困りの事業者様はぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほか、zoomによるオンライン相談、電話相談が可能
(3)顧問弁護士サービスによるサポート
問題社員に対し、これまでご説明したような正しい対応をするためには、会社側も日ごろから法令を遵守し、適切な労務管理を行うことが重要です。会社の労務管理等に問題があると、いくら従業員の問題を指摘しても納得を得ることはできません。
弁護士のサポートのもと、日ごろから労働時間の管理や就業規則の整備等、労務面の整備を進めることが大切です。
咲くやこの花法律事務所では、事業者向けに日ごろから法律相談への対応や労務環境の整備、就業規則の整備等をサポートする顧問弁護士サービスを提供しています。労務トラブルに強い弁護士が会社の整備をサポートし、トラブルに強い会社づくりをサポートいたします。
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスの内容については、以下で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
(4)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
弁護士の相談を予約したい方は以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
【お問い合わせについて】
※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
9,まとめ
この記事では、退職勧奨と解雇の違いや境界線上の事例、解雇にならないための退職勧奨の進め方などについてご説明しました。
退職勧奨と解雇の大きな違いは、労働者側の同意を得ようとするものであるかどうかという点です。退職勧奨が労働者を退職するよう説得して、労使双方の合意によって雇用契約を終了させる方法であるのに対し、解雇は使用者側からの一方的な通知によって相手の了解なく雇用契約を終了させる方法になります。
退職勧奨については、労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり、名誉感情を不当に害するような言い方をする等、労働者の自由な退職意思の形成を妨げるようなやり方をした場合は違法と評価され、慰謝料請求の対象となるリスクがあります。
一方、解雇については裁判で解雇が無効だと判断された場合、雇用の継続を命じられるだけでなく、解雇日にさかのぼって多額のバックペイの支払いを命じられるリスクがあります。また、解雇に不満を持った従業員によりSNS等で自社に不利な情報を拡散されたり、誹謗中傷の書き込みをされるといったおそれもあります。
そのため、基本的には解雇の方がよりリスクが高く、従業員にやめてもらいたいという場面では、解雇ではなく退職勧奨を行い、合意による退職を目指すことが望ましいです。
ただし、退職勧奨の進め方についても十分な経験がなければ、円滑に合意を得ることは難しく、無理な退職勧奨を行ってしまってトラブルになったり、退職を拒否されて結局は解雇してしまってトラブルになる例が多く見られます。また、会社としては退職勧奨をしているつもりでも、「解雇」と評価されてしまっている例もあることをご紹介しました。
このようなことから、解雇や退職勧奨を検討する場面では、必ず弁護士のサポートを受けて対応を進めることが必要です。咲くやこの花法律事務所では、多くの事業者様から退職勧奨や解雇に関するご相談・ご依頼をお受けして解決してきた実績があります。問題社員の対応についてお悩みの事業者様はぜひご相談ください。
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記事公開日:2026年4月7日
記事作成弁護士:西川 暢春
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