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違法になる退職勧奨とは?具体的な判断基準を判例付きで解説

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  • 違法になる退職勧奨の場合とは?具体的な判断基準を判例付きで解説
    • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
    • この記事を書いた弁護士

      西川 暢春(にしかわ のぶはる)

      咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
    • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で300社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

    こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。

    退職勧奨にあたって注意しなければならないのが、違法な退職勧奨にならないようにすることです。

    企業が違法な退職勧奨をしてしまうと、慰謝料の支払義務を負うことになったり、あるいは退職の合意が無効とされて企業が多額の支払いを命じられたうえで従業員を復職させることを命じられたりすることがあります。

    以下の裁判例があります。

     

    事例1:
    昭和電線電纜事件(横浜地方裁判所川崎支部判決平成16年 5月28日)

    退職勧奨の際に、会社側が「自分から退職する意思がないということであれば解雇の手続をすることになる」などと述べたことが原因となって、いったん退職に応じた従業員の退職が無効と判断され、会社に従業員の復職と「約1400万円」の支払いを命じました。

     

    事例2:
    大和証券事件(大阪地方裁判所判決平成27年4月24日)

    会社が従業員を退職に追い込む目的で配置転換や仕事の取り上げを行ったとして、会社に「150万円」の慰謝料の支払いを命じました。

    ・参照:「大和証券事件」の判決全文

     

    事例3:
    全日空事件(大阪高等裁判所判決平成13年3月14日)

    退職勧奨時に、机をたたく、怒鳴るなどした会社側の言動や、長時間多数回の退職勧奨に問題があったとして、会社に「90万円」の慰謝料の支払いを命じました。

    ・参照:「全日空事件」の判決全文

     

    この記事では、退職勧奨が違法になる場合はどんな場合なのか、判例の事例をあげながらご説明したいと思います。

    この記事を最後まで読んでいただくことで、違法な退職勧奨にならないための重要な注意点を理解していただくことができます。

    それでは見ていきましょう。

     

    ▶参考情報:咲くやこの花法律事務所における問題社員についての退職勧奨の解決実績はこちらをご参照ください。

     

    ▶【関連情報】退職勧奨についての違法にならない進め方や注意点などについては、以下の動画で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

     

    ▼退職勧奨に関して今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

    【お問い合わせについて】

    ※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

     

     

    1,違法か適法かについての判例の判断基準

    退職勧奨は、従業員との話し合いの中で、退職に向けた説得を行い、雇用契約を解消することについての合意を目指すことをいいます。そのような退職勧奨は対等の立場での話し合いとして行われる限り、適法です。

    退職勧奨が違法となるのは、従業員に不当な圧力を加えたり、従業員を不当に侮辱することにより、従業員の意思を踏みにじるような強引な退職勧奨を行う場合に限られます。

    日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件(東京地方裁判所判決平成23年12月28日)は、退職勧奨の違法性の判断基準について、以下の通り、判示しています。

     

    「労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり、又は、その名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりすることによって、その自由な退職意思の形成を妨げるに足りる不当な行為ないし言動をすることは許されず、そのようなことがされた退職勧奨行為は、もはや、その限度を超えた違法なものとして不法行為を構成することとなる。」

     

    ・参照:「日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件(東京地方裁判所判決平成23年12月28日)」判決全文

     

    この判断基準は、その後の退職勧奨をめぐるトラブル事例における裁判例でも引用されており、退職勧奨の違法性を判断する一般的な基準になりつつあります。

    以下では具体的にどのような場合が、この基準の「自由な退職意思の形成を妨げるに足りる不当な行為ないし言動」にあたり、違法になるのかということをご説明したいと思います。

     

    2,「合意に至らなければ解雇する」と言わない

    退職勧奨が違法になるケースの典型例の1つが、「合意に至らなければ解雇する」等と告げることによって、従業員に心理的な圧力をかけ、合意に持ち込もうとする退職勧奨のやり方です。

    退職勧奨があくまで対等の立場での「話し合い」であることを忘れてしまうと、このような強引な退職勧奨をやってしまいがちです。

    しかし、合意に至ろうが至るまいがどっちにしろやめさせられてしまうから、やむを得ず合意したというのでは、本当の意味の合意とはいえないことは明らかです。

    また、会社から見れば問題社員と思えるような従業員でも、会社が解雇した場合、裁判所は簡単には解雇を有効と認めず、不当解雇と判断することが少なくありません。

    不当解雇と判断されるケースなど、不当解雇についての詳しい解説は以下の記事も参考にご覧ください。

     

     

    それにもかかわらず、退職勧奨の場面で、あたかも、有効に解雇することができるかのように「合意に至らなければ解雇する」と告げるのでは、事実と違うことを会社から説明して退職の合意を取り付けたということになってしまいます。

    このようなケースでは、いったんは退職について合意に至った従業員が、あとで、退職の合意が強要によるもので無効だとして、訴訟を起こし、裁判トラブルに発展するケースもあります。

    裁判で退職の合意が無効だと判断されると、企業は従業員を復職させることを命じられるうえ、無効な退職合意の後、従業員を復職させるまでの間の期間の給与をさかのぼって支払うこともあわせて命じられます。

    例えば、以下の事案があります。

     

    判例1:
    富士ゼロックス事件 東京地方裁判所判決平成23年3月30日

    「職を辞して懲戒解雇を避けたいのか、手続を進めるのか。」、「自主退職であれば退職金は出る。」、「懲戒解雇は退職金は支払わない。」、「会社は必ず処置をする。一番重たい結論になる可能性が高い。」などと告げて、退職勧奨を行い、退職願を提出させたケースについて、退職の意思表示を無効と判断し、約1300万円の支払いと従業員の雇用の継続を命じました。

     

    このように「合意に至らなければ解雇する」と告げるような退職勧奨は、後で訴訟に発展し、企業として多額の支払いと、雇用の継続を命じられる危険があるため、絶対に避けるべきです。

     

    3,嫌がらせ的な配置転換や転勤命令、あるいは仕事のとりあげをしない

    嫌がらせ的な配置転換や転勤命令、あるいは仕事のとりあげをしない

    次に、「退職させることを目的とした嫌がらせ的な配置転換や転勤命令、仕事のとりあげ」も違法な退職勧奨の1つです。

    「配置転換」とは、同じ勤務場所で所属部署を変更することを指し、「転勤」とは勤務場所の変更を命じることを指します。

    そして、配置転換や転勤というのは、事業運営上、その従業員を新しい部署や新しい勤務場所に配置することが必要な場合に行うものであり、退職させることを目的として行うことは認められていません。

    また、従業員を退職させる目的で、仕事を取り上げて与えないということは、パワハラの1類型である「過小な要求」に該当するおそれがあります。

     

     

    例えば、以下の事案があります。

     

    判例2:
    東京地方裁判所判決令和2年9月28日

    勤務成績不良などを理由に退職勧奨を繰り返し、退職に応じない従業員に仕事を与えずに会議室で1人で簿記の学習をさせた事案について、「人格権を侵害する違法行為」と判断し、弁護士費用を含め55万円の損害賠償を命じました。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    このように、従業員を退職に追い込むことを目的として、配置転換や転勤、あるいは仕事の取り上げをしてはならないだけでなく、そういった誤解を与えないように注意することも必要です。

    特に、「仕事にミスが多い」、「上司と協調できない」というような理由で従業員に退職勧奨をする際は、業務に支障を生じさせないために、その従業員について、仕事内容や勤務場所の変更をしなければならないケースもあります。

    その際に、退職に追い込むための嫌がらせであると誤解を与えないように、なぜ仕事内容や勤務場所の変更を行うのかについて十分な説明を行うことが必要です。

    従業員に人事異動を命じる場合の注意点については以下で詳しく解説していますのでご参照ください。

     

    ▶参考情報:人事異動を拒否されたらどうすればいい?企業の対応を解説

     

    4,侮辱的発言をしない

    従業員を退職に向けて説得する際に、従業員を侮辱するような発言をすることは、前述の東京地方裁判所判決平成23年12月28日(日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件)が示した判断基準のうち、「名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりすること」に該当し、違法です。

    この点について判断された事例として、例えば、以下の事案があります。

     

    判例3:
    日立製作所(退職勧奨)事件 横浜地方裁判所判決令和2年3月24日

    課長職の従業員に対する退職勧奨の面談の場で、仕事ぶりが平従業員並みである、自分で仕事を見つけてくる必要があるなどと述べたうえ、他の部署にも退職勧奨の情報が共有されている旨述べ、能力がなく成果の出る仕事もしていないのに高額の賃金の支払を受けているのはおかしい旨の発言をした事案について、慰謝料50万円の支払いを命じました。

     

    判例4:
    兵庫県商工会連合会事件 神戸地方裁判所姫路支部判決平成24年10月29日

    繰り返し執拗に退職勧奨を行い、「ラーメン屋でもしたらどうや」、「管理者としても不適格である」、「異動先を自分で探せ」などと発言した事案について、慰謝料100万円の支払いを命じました。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説 」

    退職勧奨の場での侮辱的発言は、パワハラの1類型である「精神的な攻撃」にも該当します。

    厚生労働省のパワハラ防止指針では、「人格を否定するような言動 」や「能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を本人だけでなく他の従業員にも送信すること 」などが、パワハラに該当すると考えられる例としてあげられています。

    パワハラ防止指針(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針)は以下から御覧ください。

     

    ▶参考情報:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)」

     

    5,怒鳴る、机をたたくなどの威迫行為をしない

    怒鳴る、机をたたくなどの威迫行為をしない

    退職勧奨の際に、怒鳴る、あるいは机をたたくなどして威迫することは違法な退職勧奨にあたります。また、パワハラにも該当します。

    前述の東京地方裁判所判決平成23年12月28日(日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件)が示した判断基準のうち、「労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり、」に該当します。

    この点について判断した事例として以下のものがあります。

     

    判例5:
    全日空事件 大阪地方裁判所判決平成11年10月18日

    約4か月の間に30回以上の退職勧奨の面談を行い、退職勧奨の面談の際に、大声を出したり、机をたたいたりという不適切な言動があった事案について、慰謝料50万円の支払いを命じました。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    退職勧奨は対等な立場での話し合いであることを常に意識する必要があり、怒鳴ったり、机をたたいたりして、心理的圧力を加えて退職させようとするのは、退職勧奨のやり方として根本的に間違っているといわざるを得ません。

     

    6,法的な根拠のない賃金の減額を示唆する退職勧奨も違法

    法的な根拠のない賃金の減額を示唆したり、あるいは実際に賃金を減額することで圧力を加えて退職勧奨を行うことも、前述の東京地方裁判所判決平成23年12月28日(日本アイ・ビー・エム退職勧奨事件)の「不当な心理的圧迫を加える行為」に該当し、違法です。

    退職勧奨に応じない従業員に対して、一方的に賃金を減額しながら、退職勧奨を繰り返した事案について、違法な退職勧奨としての慰謝料の支払いに加え、不当な減額をした賃金についても減額分の支払いを命じられた事案として、東京地方裁判所判決平成30年7月10日等があります。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    能力不足等を理由とする賃金の減額など、労働条件の不利益変更は法律上の根拠を十分に確認して行うことが必要です。労働条件の不利益変更については以下で解説していますのでご参照ください。

     

    ▶参考情報:労働条件の不利益変更とは?5つの方法とそれぞれの注意点を解説

     

    7,妊娠を理由とする退職勧奨は社会的非難が大きい

    では、妊娠を理由とする退職勧奨についてはどのように考えるべきでしょうか?

    従業員が妊娠した場合に、事業主が、その従業員を重量物を取り扱う業務に就かせることは禁止されています(労働基準法第64条の3第1項)。また、妊娠中の従業員からより身体に負担の軽い業務(軽易業務)への変更を求められたときは会社はこれに応じなければならないとされています(労働基準法第65条3項)。

     

    ▶参考情報:労働基準法第65条3項の条文は以下をご参照ください。

    「労働基準法」の条文はこちら

     

    これらの点を考えると、事業の内容によっては、妊娠中の女性従業員にまかせる業務がないというケースも存在するでしょう。

    しかし、企業は従業員の妊娠、出産、育児を通じて雇用を継続する義務を負うことが基本であり、男女雇用機会均等法においても第9条3項で、妊娠を理由とする不利益な取扱いは違法とされています。

    そのため、妊娠を理由とする退職勧奨はそれ自体が違法になるものではないものの、社会的非難が大きいことに注意が必要です。

     

    ▶参考情報:男女雇用機会均等法の条文については以下をご参照ください。

    「男女雇用機会均等法」の条文はこちら

     

    裁判所も、妊娠中の退職勧奨については、仮に合意に至ったとしても、真の意味での合意があったかどうかを慎重に判断する姿勢をとっています。

    例えば、以下の裁判例があります。

     

    判例6:
    TRUST事件 東京地方裁判所立川支部判決平成29年1月31日

    「女性労働者につき,妊娠中の退職の合意があったか否かについては,特に当該労働者につき自由な意思に基づいてこれを合意したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか慎重に判断する必要がある」としたうえで、退職の合意があったと主張した事業主の主張を認めず、雇用の継続と慰謝料の支払いを命じました。

     

    妊娠を理由とする退職勧奨については、妊娠を理由とする解雇が法律上禁止されており、退職勧奨に応じる義務もないことを説明したうえで、対等な立場での話し合いを行い、真の意味での合意を得ることが必要です。

     

    8,退職勧奨中の自宅待機命令は適切ではない

    社内でトラブルを起こす従業員に対して、退職勧奨を行うにあたり、出勤してトラブルを起こすことを避けるために、自宅待機を命じることは、自宅待機中に賃金が支払われる限り、違法にはならないと考えることができます。

    そのように判断した裁判例として、東京地方裁判所判決平成22年1月28日などがあります。

    ただし、退職勧奨の対象となる従業員の立場から見れば、自宅待機が続く限り、出勤しなくても給与をもらえることになります。

    そのため、自宅待機させてしまうと、なかなか退職の合意に応じようとしなくなることが多く、退職に向けた合意を実現するべき場面で自宅待機を命じることは決して良い方法ではありません。

    自宅待機命令については以下で詳しく解説していますのでご参照ください。

     

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    前述の通り、自宅待機命令は賃金を支払いながら行うことが原則ですが、裁判例は、懲戒事由の調査のために必要な期間、懲戒対象者に無給での自宅待機を命じることも認めています(ナック事件 東京地方裁判所判決平成30年1月5日 )。

    このような無給の自宅待機命令は、退職勧奨の妨げにはなりません。懲戒事由の調査が必要な場面では、必要に応じて、このような無給での自宅待機命令が可能になるように就業規則を整備しておくことが必要です。

     

    9,退職を拒否された場合に繰り返し説得することの問題点

    では、退職勧奨を行っても、退職に応じない従業員に、繰り返し退職勧奨を行うことは問題ないのでしょうか?

    判例上は、会社からの退職勧奨については、従業員が一旦退職に応じない意向を示した場合も、さらに退職に向けた説得を続けること自体は、適切な方法で行われる限り、直ちに禁止されるものではないとされています(横浜地方裁判所判決令和2年3月24日等)。

    ただし、従業員が退職に応じない意向を示しているのに、ただただ同じ方法で退職勧奨を繰り返すだけでは、退職の合意を得られる見込みはないと言わざるを得ません。

    また、退職勧奨を複数回繰り返していると、従業員が外部の労働組合に加入し、外部の労働組合との団体交渉で、退職勧奨の中止を求められるなどの紛争に発展するケースもあります。

    その意味では、退職勧奨を拒否された場合に繰り返し退職勧奨をすることは、違法ではないにしても、決して良い方法とは言えません。

     

    「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

    退職勧奨をしても合意に至らないときは、そのやり方に問題があることがほとんどですので、弁護士に相談するなどして、退職勧奨の進め方を見直すことが必要です。

    企業が弁護士に退職勧奨を相談すべき理由やメリットについて、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

     

    ▶参考情報:企業が弁護士に退職勧奨を相談すべき4つの理由とサポート内容や費用について

     

    そして、従業員が拒否して退職勧奨に応じない場合の対応については、以下で詳しく解説していますので、ご参照ください。

     

    ▶参考情報:従業員が拒否して退職勧奨に応じない場合の対応を解説

     

    10,違法と判断された場合の不利益

    違法な退職勧奨を行ってしまった場合、会社にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

     

    (1)従業員から訴訟を起こされる場合

    まず、従業員から訴訟等を起こされ、企業に慰謝料の支払いが命じられる可能性があります。

    この場合の、慰謝料は通常は100万円程度までですが、違法な退職勧奨によって従業員が精神疾患になるなどした場合は、多額の慰謝料の支払いを命じられることもあります。

    また、違法な退職勧奨の結果、退職の合意に至っても、従業員から復職を求める訴訟を起こされた場合に、裁判所の判断で、退職の合意の効力を否定されるおそれがあります。

    退職の合意の効力を裁判で否定された場合、会社は従業員を復職させる義務を負うことになります。また、その場合、従業員が退職したと扱って、給与を支払っていなかった期間についても、会社はさかのぼって給与を支払うことを命じられます。

    裁判が長引けば長引くほど、さかのぼって給与を支払わなければならない期間が長くなり、支払額が1000万円を超えることも珍しくありません。

     

    (2)労働審判や団体交渉に発展する場合

    また、通常の訴訟以外でも、違法な退職勧奨を受けた従業員から労働審判を起こされたり、あるいは、従業員が外部の労働組合に加入して、会社に対して団体交渉を申し入れ、違法な退職勧奨の中止を求めるといったトラブルが起こり得ます。

    労働審判や外部労働組合からの団体交渉申し入れについては、以下で対応方法などについて詳しく解説していますのでご参照ください。

     

     

    (3)パワハラとして社会的な非難を浴びる

    違法な退職勧奨は多くの場合、パワハラに該当します。労働組合からパワハラであると攻撃を受けたり、また、大企業の場合、パワハラ事例として報道され、社会的な非難を浴びることがあります。

     

    11,正しい退職勧奨のやり方

    ここまで、退職勧奨が違法になる場合についてご説明しました。違法な退職勧奨を行ってしまうと、紛争化するリスクが大きく、また、企業が多額の金銭の支払いを命じられることもあるため、違法な退職勧奨を行わないように十分注意することが必要です。

    適法に退職勧奨を進めるための進め方や、退職を説得する具体的な言い方の例、また解決金など退職金の相場などについては、以下の記事で解説していますので、ご参照ください。

     

     

    12,退職勧奨に関するおすすめ書籍紹介

    退職勧奨に関するおすすめの本

    退職勧奨を行う場面では、適法な退職勧奨をするという観点からだけでなく、どのようにすれば合意を得られるかという観点からも、知識も身に着けておくことが必要です。

    対象従業員とのこれまでの経緯からみれば、一見、合意を得ることなど到底できなさそうに思える場面でも、ポイントをおさえて正しいプロセスを踏めば、9割がたは合意による退職で問題を解決することができます。

    この点については、筆者の法律事務所で退職勧奨のご相談を受ける中で体得した「退職勧奨で合意を得るために必要な3つの要素と具体的な進め方のプロセス」について、筆者が執筆した以下の書籍で解説していますので、お悩みの方はぜひご一読ください。

    この本を読んでいただくことで、退職勧奨で合意を得るために必要なプロセスを詳しく理解し、自信をもって正しい方法で退職勧奨を進めていただくことが可能になります。

     

     

    13,違法な退職勧奨にならないためには弁護士への事前相談が重要

    咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

    最後に、「咲くやこの花法律事務所」における「退職勧奨に関する企業向けサポート内容」をご紹介したいと思います。

    「咲くやこの花法律事務所」の弁護士によるサポート内容は以下の通りです。

     

    • (1)退職勧奨の進め方、伝え方のご相談
    • (2)退職勧奨面談への弁護士の立ち合い
    • (3)退職勧奨後のトラブルについての交渉

     

    以下で順番に見ていきましょう。

     

    (1)退職勧奨の進め方、伝え方のご相談

    「咲くやこの花法律事務所」では、退職勧奨について、その進め方や伝え方のご相談を承っています。

    問題社員対応に精通した弁護士が退職勧奨が必要となっている事情をお伺いし、これまでの退職勧奨での解決経験も踏まえ、退職勧奨のタイミングや退職勧奨の進め方について具体的なアドバイスを行います。また、従業員が退職勧奨に応じない場合の解雇のリスク判断についても、退職勧奨前に必ず事前にご相談いただき、把握しておいていただくことが必要です。

     

    咲くやこの花法律事務所における退職勧奨に関するご相談の弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)

     

    (2)退職勧奨面談への弁護士の立ち会い

    「咲くやこの花法律事務所」では、従業員への退職勧奨の面談について弁護士の立ち会いによるサポートも実施しています。特にトラブルが予想される退職勧奨の場面では、弁護士の立ち会いによるサポートをおすすめします。

    退職勧奨について咲くやこの花法律事務所にご相談いただいた場合の解決までの流れを以下でご紹介していますので併せてご参照ください。

     

     

    咲くやこの花法律事務所における退職勧奨に関するご相談の弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
    ●着手金:35万円+税
    ●報酬金:35万円+税(退職合意に至った場合のみ発生)
    ●立ち会い費用:10万円+税~

     

    (3)退職勧奨後のトラブルについての交渉

    「咲くやこの花法律事務所」では、退職勧奨によりトラブルが発生してしまった場合の解決に向けての交渉のご相談、ご依頼もお受けしています。

    退職勧奨のトラブルは、解雇トラブルともつながるところがあり、対応を誤ると企業として大きな負担を裁判所から命じられることがあります。退職勧奨をめぐるトラブルについては早めにご相談いただくことをおすすめします。

     

    咲くやこの花法律事務所における退職勧奨に関するご相談の弁護士費用例

    ●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)
    ●トラブル対応費用:着手金15万円+税~

     

    14,退職勧奨に関する咲くやこの花法律事務所の解決実績

    咲くやこの花法律事務所では、退職勧奨に関して多くの企業からご相談を受け、サポートを行ってきました。

    咲くやこの花法律事務所の問題社員対応についての実績の一部を以下でご紹介していますのでご参照ください。

     

    遅刻を繰り返し、業務の指示に従わない問題社員を弁護士の退職勧奨により退職させた成功事例

    歯科医院の依頼で能力不足が顕著な職員の指導をサポートして問題解決した成功事例

    横領の疑いがある従業員に対して、弁護士が調査を行って横領行為を認めさせ、退職させた解決事例

    業務に支障を生じさせるようになった従業員について、弁護士が介入して規律をただし、退職をしてもらった事例

    不正をした従業員について、弁護士が責任追及をし、退職してもらった事案

    従業員に対する退職勧奨のトラブルで労働審判を起こされたが、会社側の支払いなしで解決した事例

     

    15,「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法

    退職勧奨に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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    「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

     

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    記事作成弁護士:西川 暢春
    記事作成日:2021年10月05日

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    西川 暢春 代表弁護士
    西川 暢春(にしかわ のぶはる)
    大阪弁護士会/東京大学法学部卒
    小田 学洋 弁護士
    小田 学洋(おだ たかひろ)
    大阪弁護士会/広島大学工学部工学研究科
    池内 康裕 弁護士
    池内 康裕(いけうち やすひろ)
    大阪弁護士会/大阪府立大学総合科学部
    片山 琢也 弁護士
    片山 琢也(かたやま たくや)
    大阪弁護士会/京都大学法学部
    堀野 健一 弁護士
    堀野 健一(ほりの けんいち)
    大阪弁護士会/大阪大学
    渕山 剛行 弁護士
    渕山 剛行(ふちやま よしゆき)
    大阪弁護士会/大阪大学法学部法学科
    渕山 剛行 弁護士
    木曽 綾汰(きそ りょうた)
    大阪弁護士会/大阪大学法学部法学科
    渕山 剛行 弁護士
    小林 允紀(こばやし みつき)
    大阪弁護士会/京都大学
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    メディア掲載情報

    メディア掲載情報/フジサンケイビジネスアイ 「わかりやすい・説明親切な対応・迅速なレスポンス」を徹底している弁護士として、フジサンケイビジネスアイに掲載されました。
    メディア掲載情報一覧へ

    書籍出版情報

    「問題社員トラブル円満解決の実践的手法」〜訴訟発展リスクを9割減らせる退職勧奨の進め方

    著者:弁護士 西川 暢春
    発売日:2021年10月19日
    出版社:株式会社日本法令
    ページ数:416ページ
    価格:3,080円

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