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カラ残業とは?残業代の不正受給における会社の対応について

カラ残業とは?残業代の不正受給における会社の対応について
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
  • この記事を書いた弁護士

    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

企業における残業代の支払いに関して、不正受給が問題になることがあります。残業代の不正受給はカラ残業などとも呼ばれて、公務員についてはしばしばニュースでもとりあげられています。

このような不正受給は場合によっては詐欺罪等の刑法上の犯罪になりうるものです。しかし、一方で、企業が残業代の不正受給やカラ残業について厳しい処分をした結果、それが重すぎるとして訴訟で争われ、処分が無効と判断されて企業が敗訴している例もあります。

そのため、従業員による残業代の不正受給が発生した際の対応方法や、カラ残業を防ぐための対策方法を正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、企業が残業代の不正受給などカラ残業の問題に対してどのように取り組めばよいのかについて詳しく解説したいと思います。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

この記事で詳しく説明しますが、残業代の不正受給について企業が誤った対応をしてしまい、その結果、労働者との裁判で企業側が敗訴してしまっている例もあります。不正受給が疑われる場合も、自己判断で対応せずに、弁護士に相談して慎重に対応することが重要です。

筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所でも、残業代の不正受給のトラブルについて企業側の立場でご相談をお受けしていますのでご利用ください。咲くやこの花法律事務所へのご相談は以下もご参照ください。

▶参考情報:労働問題に強い弁護士への相談サービス

 

▼【関連動画】この記事の著者 弁護士 西川 暢春が「残業代の不正受給!懲戒解雇の対象になる?弁護士が解説」を詳しく解説中!

 

▼残業代の不正受給について、今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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1,カラ残業とは?残業代の不正受給について

カラ残業とは?残業代の不正受給について

残業代の不正受給とは、タイムカードを本来の終業時刻よりも遅く打刻したり、あるいは従業員による自己申告で労働時間が管理されている場合に実際よりも長く残業したかのように虚偽の申告をしたりすることで、本来よりも多い額の残業代の支給を受ける行為をいいます。カラ残業とか、残業代の水増し請求などと呼ぶ例もあります。

 

(1)水増し請求は犯罪になるのか?

残業時間を水増しして申告し、残業代を不正に受給することは詐欺罪などの犯罪になる場合があります。詐欺罪については、10年以下の拘禁刑が科されます。

 

▶参考:刑法246条

(詐欺)
第246条
1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

・参照元:「刑法」の条文はこちら(e-Gov法令検索)

 

(2)水増し請求が会社にバレるきっかけ

残業代の水増し請求が会社にバレるきっかけは、様々です。同僚からの告発により発覚することも多いです。また、この記事でも述べた通り、不正受給を疑った企業や上司がタイムカードの打刻場所を撮影できる監視カメラを設置したり、PCのログを確認するなどして調査を行った結果、水増し請求が会社に発覚することもあります。

 

2,残業代の不正受給の具体例

残業代の不正受給の具体例として以下の例をあげることができます。

 

(1)部下や同僚にタイムカードの打刻を代行させるケース

自分のタイムカードを部下や同僚に打刻してもらうことで、実際の終業時刻よりも遅くまで働いたように見せかけたり、実際は出勤していない日に出勤していたように見せかける、あるいは遅刻や早退を会社に隠すといったケースです。

悪質なカラ残業のケースでは、店舗型の事業において、店長も関与して店舗全体で協力し合ってタイムカードの打刻をお互いに代行して残業時間を水増ししていたことが発覚する例もあります。

 

(2)タイムカードを打刻せずに後でうその時刻を補充するケース

一部の就業日についてタイムカードを打刻せずに、後で手書きやシステム入力等で時刻を補充する際に、実際の終業時刻よりも遅い時刻を補充するといったカラ残業のケースです。

 

(3)システム上で打刻できるタイムカードについて虚偽の時刻に打刻するケース

社外からもシステム上で打刻できるタイムカードについて、まだ就業を開始していないのに打刻したり、終業後すぐに打刻せずに時間が経過してから打刻することによって、残業代を不正受給するケースです。

 

(4)テレワークで虚偽の残業時間を申告するケース

テレワークにおいて、就業を開始していないのに打刻したり、終業後すぐに打刻せずに時間が経過してから打刻することによって、残業代を水増し請求するケースです。また、会社に報告せずに、就業時間中の時間を業務以外の私的な活動に費やし、その分遅くなった終業時刻を基準に残業代を不正受給する例もあります。

 

3,カラ残業や不正受給が疑われる場合の調査方法・証拠確保の方法

カラ残業など残業代の不正受給を調査する際は、各出勤日の本当の始業時刻、終業時刻を調査により把握することが目標になります。例えば、以下のような調査方法・証拠確保の方法があります。

 

(1)部下や同僚にタイムカードの打刻を代行させているケース

タイムカードの打刻場所を撮影できる監視カメラを設置して、誰がいつタイムカードを打刻しているかを特定します。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

打刻の代行をカメラで確認できたときもすぐに調査をやめるのではなく、少なくとも1か月程度の期間調査を続けて、打刻の代行にどの程度の常習性があるのかを確認し、証拠を確保することが必要です。

 

(2)虚偽の時刻を申告して水増し請求しているケース

以下のいずれかの方法で、本当の始業時刻、終業時刻を特定することが必要です。

 

  • 上司が目視により退勤を確認して、毎日退勤時刻を記録する。
  • 会社の出入り口に監視カメラを設置して退勤時刻を記録する。
  • PCのログを確認することにより、退勤時刻を確認する。
  • オフィスへの入退室カードの履歴により、退勤時刻を確認する。
  • 電車通勤者の場合は、乗車用ICカードから最寄駅の乗車時刻を確認する。
  • 車通勤者の場合は、駐車場の防犯カメラで退勤時刻を確認する。
  • 会社貸与のスマートフォンでタイムカードをシステム上打刻させている場合は、その位置情報を確認する。
  • テレワークの場合は、リモートワークアプリ等により、キーボードやマウスの動きを把握し、実際の就業時間を確認する

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

水増し打刻を確認できたときもすぐに調査をやめるのではなく、少なくとも1か月程度の期間調査を続けて、水増し打刻にどの程度の常習性があるのかを確認し、証拠を確保することが必要です。

 

4,カラ残業発覚時の返還請求は必ず行う

カラ残業など残業代の不正受給が発覚した場合は、従業員に対し、不正に受給した残業代の返還を求めるべきです。返還請求をせずに放置すると、勤怠管理があいまいな会社になってしまい、従業員のモラルが低下してしまいます。また、返還請求せずに放置すると、退職後に不正打刻されたタイムカードをもとに従業員から未払い残業代請求の訴訟を起こされることもあります。このようなことから、不正打刻分の返還請求は、従業員に懲戒処分をするかどうかにかかわらず、必ず行いましょう。

なお、返還すべき額を従業員に支払う給与と相殺するという処理をする場合は、労働基準法24条の「全額払い原則」との関係に注意が必要です。労働基準法24条は、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。 」と定めており、「全額払い原則」と呼ばれます。

この「全額払い原則」に違反しないためには、不正受給された残業代を賃金から差し引く場合、原則としてその従業員の同意を得ておくことが必要になります。書面で不正受給額を特定したうえで、これについて給与からの相殺処理することの同意を得ておくべきでしょう。

 

▶参考情報:労働基準法24条については、以下で解説していますのでご参照ください。

労働基準法第24条とは?賃金支払いの5原則について詳しく解説

 

5,懲戒処分や解雇については慎重な検討が必要

残業代の不正受給やカラ残業が、明らかに故意に不正の利益を得ようとしたもので、その金額も多額であるときは、解雇も認められることが原則です。

一方で、不正な受給ではあるものの過失とみる余地もあるケースなど、明らかに不正の利益を得ようとしたとはいえない場合にまで解雇を選択することは適切ではありません。解雇について訴訟トラブルに発展したときに、解雇が不当解雇 (無効)であるとして企業側が敗訴する危険があるためです。明らかに不正の利益を得ようとしたとまでいえないときは、解雇等を検討するのではなく、まずは、残業時間を適切に申告するように指導することから始めなければなりません。

同様に不正確な申告に対して懲戒処分をする場合も、明らかに不正の利益を得ようとしたとまではいえないときは、譴責戒告といった軽い懲戒処分にとどめるべきでしょう。また、不正確な残業時間の申告に対して懲戒処分をすることが認められるためには、企業において正しい労働時間の管理が行われ、残業代の支払いが1分単位でされていることが前提となります。この点が、あいまいになっており、例えば、以下のような事情がある場合、懲戒処分が無効になるリスクが高いと考えられます。

 

(1)実態として就業規則通りに休憩時間がとれていない場合

休憩時間が取れていないことを踏まえて、その分長い残業時間を申告したとしても強い非難はできず、懲戒は無効とされる危険があります。

 

(2)15分未満の残業代を切り捨てる処理をしている場合

残業代の切り捨て処理は違法であり、切り捨て処理がされていることを踏まえて、その分長い残業時間を申告したとしても強い非難はできず、懲戒は無効とされる危険があります。

 

(3)喫煙者について長時間の離席を認めている場合

喫煙者について長時間の離席が許容されていることを踏まえて、残業時間の申告について多少の誤差であれば許容されるものと考えたとしても強い非難はできず、重い懲戒処分は無効とされる危険があります。

 

▶参考情報:解雇や懲戒の基本的なルールについては、以下でご紹介していますのであわせてご参照ください。

解雇とは?わかりやすく弁護士が徹底解説【まとめ】

懲戒処分とは?種類や選択基準・進め方などを詳しく解説

 

6,残業代の不正請求に関する裁判例

カラ残業など残業代の不正請求についての懲戒処分や解雇を考えるにあたって参考になる裁判例として以下のものがあります。

 

(1)懲戒解雇や懲戒降格処分を有効とした例

まず、残業代の不正請求等を理由とする懲戒解雇懲戒降格処分が有効とされた例として以下のものがあります。

 

1,最高裁判所判決昭和42年3月2日(八戸鋼業懲戒解雇事件)

「出社せずして記録を同僚に依頼する如き不正ありし場合は依頼した者共に解雇する」との告示を掲示し、その旨を従業員全員に周知徹底させていた会社が、同僚が欠勤した日にタイム・レコーダーを代わりに打刻した従業員を懲戒解雇した事案です。最高裁判所は、この懲戒解雇を無効と判断した高裁判決を破棄しました。

 

2,大阪地方裁判所判決平成15年1月23日

タイムレコーダーの打刻をせずに、実際の退勤時間よりかなり遅い時刻を手書きで記入していたケースについて、懲戒解雇を有効と判断しました。

 

3,東京地方裁判所判決令和3年6月23日(ディーエイチシー事件)

タイムカードを部下に代行打刻させていた部長について、次長への懲戒降格処分を有効と判断しました。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

これらの裁判例からもわかるように、カラ残業が明らかに故意に不正の利益を得ようとしたものであるときは、懲戒解雇などの厳しい処分も認められています。

 

(2)普通解雇が無効とされた例

これに対し、残業代の不正請求等を理由とする普通解雇が無効とされた例として以下のものがあります。

 

1,奈良地方裁判所決定昭和55年10月6日(和幸会阪奈中央病院附属准看護学校事件)

出勤簿に欠勤日や公休日についても出勤したかのような虚偽の記載をした入職4か月目の病院職員を普通解雇した事案。まだ社会経験が乏しく、指導や懲戒を経ずに普通解雇したことは過酷すぎるとして、普通解雇が無効と判断されました。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

この裁判例からもわかるように、カラ残業が不正の内容自体が悪質であっても、従業員の地位や社会経験、年齢を考慮して解雇が無効と判断されることがあります。このようなケースでは、最初の不正請求が発覚した際に解雇するのではなく、指導や懲戒によって対応し、改善がない場合にはじめて解雇を検討する必要があります。もし、最初の不正が発覚した段階で信頼関係が失われているからやめてもらいたいという場合は、解雇ではなく、退職勧奨によって解決することが必要です。

 

(3)残業代の不正請求を理由とする退職勧奨について退職の意思表示が無効とされた例

また、残業代の不正請求を理由とする退職勧奨について退職の意思表示が無効とされた例として、以下のものがあります。

 

1,東京地方裁判所判決令和4年3月25日(テイケイ事件)

警備員が休憩終了時刻から1時間遅れて現場に戻ったが、勤怠システム上は遅刻がなかったものとして勤怠入力していた事案。会社は電子機器等詐欺罪という執行猶予のつかない犯罪であるなどと告げて退職届を提出させましたが、そのような説明は誤りであるとして、退職は錯誤によるものであり無効であると判断されました。

 

2,東京地方裁判所判決平成23年3月30日(富士ゼロックス事件)

フレックスタイムで出退勤時刻として不正確な時刻を入力していた従業員に対し、会社が自主退職しなければ懲戒解雇になるかのように告げて退職勧奨をした事案。過剰受給額が1万円程度であり、積極的に会社をだまして不正受給したとまで認められないことを踏まえると、懲戒解雇相当とはいえず、退職も錯誤によるものであり無効であると判断されました。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

これらの裁判例からもわかるように、カラ残業が積極的に会社をだまして不正受給したとまでいえない事例については懲戒解雇までは認められず、「退職しなければ懲戒解雇になる」などと告げて退職勧奨を行い、退職届を出させても、その退職の意思表示については錯誤による取消が認められます(民法95条)。

 

▶参考情報:退職勧奨の適切な進め方については以下で解説していますのでご参照ください。

退職勧奨(退職勧告)とは?適法な進め方や言い方・注意点を弁護士が解説

 

7,カラ残業や不正受給を防ぐために会社がとるべき対策

残業代の不正請求や水増し請求を防ぐために会社がとるべき対策としては、以下の点があげられます。

 

(1)タイムカード打刻や残業時間の申告のルールを明確にする

カラ残業などの不正請求や水増し請求を防ぐためには、まず、タイムカードの打刻や残業時間の申告について、ルールを明確化することに取り組むべきです。

例えば、作業前に作業服への着替えや朝礼等がある場合は、どの時点でタイムカードを打刻すべきかを就業規則等で明確にすることが重要です。また、普段は会社に出勤している従業員が客先に直行した場合等タイムカードの打刻ができない場合に、始業時刻や終業時刻の申告はどのように行うのかといった点もルールとして明確にしておく必要があります。タイムカードの打刻の代行を就業規則上明確に禁止しておくことも重要です。さらに、テレワークでは、業務からの離脱について何分以上のものは事前の承認を得たうえでタイムカードに記録するといったルールも明確にしておくべきでしょう。

 

(2)残業代の支払いや欠勤控除を正しく行う

残業代の不正受給やカラ残業に対して懲戒処分をすることが認められるためには、企業で正しい労働時間の管理が行われ、残業代の支払いが1分単位でされていることが前提となります。自社において休憩が正しくとられているか、残業代について違法な切り捨て処理がされていないか、欠勤や遅刻の際の給与からの控除が正しく行われているかといった点を確認しておく必要があります。

 

▶参考情報:労働時間の管理や残業代の支払いルールについては、以下の記事を参考にしてください。

労働時間とは?労働基準法など5つのルールをわかりやすく解説

残業代とは?労働基準法のルールや計算方法、未払いのリスクについて

 

(3)生体認証付きの勤怠管理システムを使用する

顔認証、指静脈認証、指紋認証など、生体認証付きの勤怠システムを使用することで、タイムカードの代行打刻を防ぐことが可能です。

 

(4)勤怠報告を毎日確認する

前日の勤怠報告を毎日上司が確認することは、不正な残業時間申請を防ぐための基本です。始業時刻・終業時刻として記録された時刻に不審点があれば、直接本人に確認したり、業務用PCのログや入退室カードのログと照合するなどして、不正を許さないことが重要です。

 

8,カラ残業問題による公務員の処分例

カラ残業など残業代の不正受給は公務員の世界でも頻繁に問題になる不正の1つです。最近の処分例として以下のものがあります。

 

(1)吹田市職員による時間外勤務手当の不正受給事例

吹田市職員が組合員である立場を利用して主に休日に職員会館内の部屋を私的に利用し、その時間を勤務したものとして時間外勤務手当の申請を行っていた事案です。不正受給額は200万円を超え、令和5年10月、吹田市はこの職員を停職6か月の処分としました。

 

(2)静岡市職員による時間外勤務手当の不正受給事例

静岡市職員が合計約8万円の時間外勤務手当を不正に受け取っていた事案です。令和6年5月、静岡市は職員を減給10分の1(1か月)の処分としました。

 

(3)札幌市職員による時間外勤務手当の不正受給事例

札幌市の係長が、勤務中に出会い系サイトを閲覧し、時間外勤務手当約213万円を不正受給していた事案です。令和4年12月、札幌市はこの職員を懲戒免職処分にしました。

 

9,従業員の残業代の不正受給に関して弁護士に相談したい方はこちら(法人専用)

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

ここまで、残業代の不正受給やカラ残業についてご説明しました。咲くやこの花法律事務所でも、従業員による残業代の不正受給や水増し請求について、企業からのご相談をお受けしています。咲くやこの花法律事務所のサポート内容は以下の通りです。

 

(1)残業代の不正受給やカラ残業問題についてのご相談

咲くやこの花法律事務所では、残業代の不正受給、水増し請求が発覚した際の対応について企業側の立場からのご相談をお受けしています。不正受給発覚時の具体的な調査方法、証拠の確保方法、企業としてとるべき方針についてのご相談に対応します。

 

咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士へのご相談費用

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(2)懲戒処分、解雇、退職勧奨についてのご相談

この記事でもご説明した通り、残業代の不正受給や水増し請求をめぐる懲戒処分や解雇、退職勧奨については、トラブルも多く慎重な検討が必要です。咲くやこの花法律事務所では、懲戒処分や解雇、退職勧奨といった対応をする場合の、企業側のリスク回避についてのアドバイスや弁護士による立ち合いも含む実際の進め方についてのサポートを提供して、企業を支援します。

 

咲くやこの花法律事務所の労務トラブルに強い弁護士へのご相談費用

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(3)顧問弁護士サービスによるサポート

咲くやこの花法律事務所では、企業の人事労務全般をサポートするための顧問弁護士サービスを提供しています。残業代の不正受給の問題に対応するためには、残業時間の申告のルールの明確化、労働時間管理の厳格化といった日頃の労務管理の整備が必須になります。顧問弁護士のサポートを受けながら、日頃から労務管理体制を整備していくことが重要です。また、顧問弁護士がいれば、トラブルが発生してしまったときも、初期段階で弁護士に相談して専門的な助言を受けることができます。

 

▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスに関するサポート内容やサービスの特徴、実積紹介などは、以下で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

【全国対応可】顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら

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(4)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士へのご相談はこちら

今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

※個人の方(労働者側)からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

10,まとめ

この記事では、残業代の不正受給について、具体例をご紹介したうえで、カラ残業発覚時の返還請求や懲戒処分、解雇について裁判例も交えてご説明しました。また、不正請求や水増し請求などのカラ残業を防ぐために会社がとるべき対策として、以下の4点をご説明しています。

 

  • タイムカード打刻や残業時間の申告のルールを明確にする
  • 残業代の支払いや欠勤控除を正しく行う
  • 生体認証付きの勤怠管理システムを使用する
  • 勤怠報告を毎日確認する

 

この記事でもご説明した通り、残業代の不正受給について企業が誤った対応をしてしまい、その結果、労働者との裁判で企業側が敗訴してしまっている例もあります。カラ残業などの不正受給が疑われる場合も、自己判断で対応せずに、弁護士に相談して慎重に対応することが必要な分野です。咲くやこの花法律事務所でも、企業側の立場でご相談をお受けしていますので、ご利用ください。

 

記事更新日:2024年9月6日
記事作成弁護士:西川 暢春

 

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    著者:弁護士 西川 暢春
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