こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
コンプライアンス研修のテーマ選びに困っていませんか?
コンプライアンス研修といっても、内容があいまいで何をすればよいかわかりにくいのではないでしょうか?
ありきたりの研修を実施しても、参加者の本音の感想は以下のようなものになりがちです。
- 一般論、精神論にとどまり具体性がない
- 難しく高尚だが現場に生かせる内容ではない
では、どのようにすれば現場に生かせて、参加者も満足できるコンプライアンス研修を行うことができるのでしょうか?
この記事では、コンプライアンス研修を行う目的を確認し、具体的なテーマの選び方を解説したうえで、企業法務に強い咲くやこの花法律事務所の「企業向けコンプライアンス研修」のサービスについてもご案内します。
咲くやこの花法律事務所では弁護士が会社にうかがい、コンプライアンス研修を実施することについてのご依頼を承っています。弁護士が担当者とご相談のうえ、貴社にベストマッチするコンプライアンス研修を行います。
咲くやこの花法律事務所が過去に実施したコンプライアンス研修のいくつかを以下で紹介していますのでご参照ください。
▼企業のコンプライアンス研修について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
また企業法務に強い顧問弁護士をお探しの方は、以下を参考にご覧下さい。
・【全国対応可】顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら
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今回の記事で書かれている要点(目次)
1,コンプライアンス研修とは?
コンプライアンス研修は法令遵守についての研修です。
「法令違反やトラブルを未然に防ぐこと」、あるいは「トラブルが起こった際の行動を誤らないこと」を目的として実施する研修です。
一般従業員向け、新入社員向け、管理職向け、役員向けというように社内での地位で参加者を区分けして行うケースや、営業担当者向け、債権管理担当者向け、広告担当者向けというように特定の部署に在籍する従業員に対して行うケースがあります。
2,コンプライアンス研修の目的
コンプライアンス研修の目的をより詳しくみていくと以下の点があげられます。
(1)法令・ルールを再確認しコンプライアンスの問題を起こさない
会社の業種や担当業務について、「法令や官公庁の通達、あるいは業界団体のルールを再確認する機会を作る」ということがコンプライアンス研修の目的の1つにあげられます。
これらのルールは意識して振り返る機会がなければ、現場の必要性に引っ張られた独自の慣行が横行し、正しいルールが意識されなくなってしまいます。
毎年、法令やルールを再確認する機会をもつことで、現場の実情が社会のルールと乖離していないかを見直す機会をもつことが必要です。
現場独自の慣行が横行し、法令や社会のルールが意識されなくなってしまった例として、自動車会社での「燃費不正問題」や「無資格者による完成検査問題」があげられます。業種、業界を問わず、コンプライアンス研修を定期的に行い、現場の慣行を定期的に見直す意識をもつことが重要です。
(2)顧客対応担当者に必要な規律意識、責任感を身につけさせる
顧客対応を担当する従業員には、コンプライアンス研修により、必要な規律意識、責任感を身に着けさせることが必要です。
「顧客に対して誠実な対応をする、顧客に嘘をつかない」という観点と、「顧客に対するサービスが過剰になりすぎることによるルール違反を犯させない」という観点の双方を身に着けさせなければなりません。
顧客対応の規律意識に問題が生じて発生した不祥事事例として、以下のケースがあります。
- 融資申込者の年収の記載を改ざんしてまで融資を実行させたことが問題になった「スルガ銀行不正融資問題」
- 顧客に対して証券取引所の非公表の内部情報を提供した「野村証券情報漏洩問題」
顧客対応において求められる規律は年を追うごとに変化します。新人はもちろん、ベテランの担当者に対しても定期的に研修を行い規律を確認することが重要です。
(3)社内の規律や職場環境を守る
社内の規律や職場環境を守るために、各種労働法令の遵守やハラスメントの防止など法的なルールを確認することもコンプライアンス研修の目的の1つです。
また、就業規則や社内規程、内部通報制度、コンプライアンスマニュアル、債権管理についてのルールなど職場内のルールについても定期的に研修での確認、徹底をすることで、職場内の規律意識を高めることができます。
(4)トラブル時の正しい対応を確認する
トラブルの際にどう行動するべきかを事前に学び明確にしておくことも、コンプライアンス研修の目的の1つです。
実際にトラブルが発生する場面では、担当者が自分の立場を守るために隠ぺいしようとしたり、自社の利益を守るために平時なら考えられないような行動にでてしまうということがあります。
そのようなことを防ぐためには、トラブルの際にどう行動するべきかをあらかじめ学んでおくことが重要です。
例えば、「部下からパワハラの告発があったときにどう行動するべきなのか」、「顧客からのクレームが発生したときにどう行動するべきなのか」、「自社の製品が原因で事故が起きたときにどう行動するべきなのか」、「情報漏洩事故を起こしてしまったときにどう行動するべきか」などをあらかじめ明確にしておくことで、トラブルの際に誤った判断、誤った行動をとってしまうことを防ぐことができます。
3,コンプライアンス研修のテーマ例
では、具体的にどのようなテーマでコンプライアンス研修を開催するのがよいのでしょうか?
以下でコンプライアンス研修のテーマ例をご紹介していきたいと思います。
(1)自社にとって重要な法令や通達を確認するコンプライアンス研修の例
例えば、自社にWebサイトや製品のデザインを担当する部門がある場合、著作権や意匠権などデザインにあたっておさえておくべき法的な知識は十分身についているでしょうか?
他社の著作権や意匠権を侵害してしまうと、損害賠償や商品の差し止めなどの法的な請求を受けるだけでなく、ユーザーの信頼を失ってしまいます。
そのようなケースでは、他社の知的財産権を侵害しないという観点からどのような点に注意するべきかということをテーマにコンプライアンス研修を行うことが想定されます。
【研修テーマ】著作権、意匠権、商標権の基礎知識
・参考1:システム開発やWebサイト制作を外注する際のおさえておくべき著作権の重要ポイント
・参考2:ホームページ制作で素材サイトのフリー素材を使う際の著作権上の注意点
また、消費者向けの広告宣伝を担当する部門がある場合、景品表示法などの広告宣伝にあたっておさえておくべき法的な知識をコンプライアンス研修のテーマとすることが想定されます。
【研修テーマ】景品表示法等広告に関するルールの基礎知識と最近の消費者庁処分事例
・参考1:景品表示法の不実証広告規制と15日ルール【通報制度あり!効果・性能の広告表現に注意】
・参考2:景品表示法違反の3つのペナルティとは?事例をもとに解説
さらに、自社の業種に適用される法律(業法)についてのコンプライアンス研修を行うことも重要です。
例えば派遣会社では、労働者派遣法のルールと改正動向について研修を行い、ルールを徹底しておくといったことが想定されます。
【研修テーマ】労働者派遣に関する法令遵守事項と2020年4月の改正内容
・参考1:派遣会社は対応が必要!派遣業でも同一労働同一賃金が義務化!
上記にあげたもの以外で咲くやこの花法律事務所において過去に担当させていただいたコンプライアンス研修の事例として以下のものがあります。
- 保険代理店のお客様向け:保険代理店におけるトラブル予防の必須知識
- 人材派遣業のお客様向け:労働者派遣業におけるトラブル予防の必須知識
- デザイン会社のお客様向け:デザイナーがおさえておくべき著作権の基本
(2)職場内のルールを確認するコンプライアンス研修の例
ハラスメントや労使トラブルで職場環境を悪くする事態を生じさせないために、職場内のルールを確認するためのコンプライアンス研修です。
ハラスメント防止の研修についてはセクハラ対策、パワハラ防止措置についての企業としての義務を果たすうえでも重要です。
また、就業規則に関する研修を行い、内容を周知することは、社内の規律を確立し、また就業規則の周知義務を果たす意味でも重要になります。
【研修テーマ】ハラスメント防止のテーマ例
・参考1:管理職向けセクハラ防止研修
・参考2:管理職向けパワハラ防止研修
・参考3:就業規則に関する研修
また、労務関連の法律は毎年のように改正され、管理者層が知っておくべき労務関連の知識も定期的にブラッシュアップしておく必要があります。
例えば、働き方改革関連法については、管理者層が「有給休暇の義務化」や「客観的な労働時間把握の義務付け」、「残業規制」などについて基礎知識を身に着けておくことが必要です。
【研修テーマ】働き方改革関連法のテーマ例
・参考1:働き方改革関連法を踏まえた労務コンプランスの基礎知識
さらに、社内の「内部通報制度」に関する研修を実施することも効果的です。
内部通報制度を周知し、利用を促すことで、自社で発生した不祥事を早く発見し問題を解決することが可能です。
【研修テーマ】内部通報制度のテーマ例
・参考1:内部通報制度に関する研修
その他、債権管理の担当者向けに債権管理のルールを確認するコンプライアンス研修を実施することも、未回収債権を放置せず、債権の確実な回収をするために重要になります。
上記にあげたもの以外で咲くやこの花法律事務所において過去に担当させていただいたコンプライアンス研修の事例として以下のものがありますので参考にしてください。
- 研修テーマ例1:実践的な債権管理、債権回収の方法に関する研修
- 研修テーマ例2:労働問題の事例と予防策
- 研修テーマ例3:雇用契約書の作成に関する研修
(3)トラブル時の正しい行動を確認するコンプライアンス研修の例
さらに、実際の現場で重要になるのが、トラブル時を想定して正しい行動を事前に確認しておくためのコンプライアンス研修です。
これは業種ごとに現場の業務に即した内容で実施することが必要になります。
咲くやこの花法律事務所で過去に担当させていただいた実施例としては以下のようなものがありますので、これらを参考に自社にマッチしたものを検討してみてください。
【研修テーマ】トラブル時を想定したテーマ例
・参考1:飲食店クレーム解決のための法律知識
・参考2:住宅瑕疵クレーム解決のための法律知識
・参考3:長期化しない不良入居者対策
・参考4:情報漏洩事故発生時の対応の基礎知識
・参考5:スーパーマーケットのクレーム解決のための法律知識
・参考6:コンビニエンスストアのクレーム対応
・参考7:労使トラブルの解決実務
4,企業のコンプライアンス研修に関して弁護士に相談したい方はこちら
咲くやこの花法律事務所では、企業のお客様から、各種コンプライアンス研修の実施についてのご相談を承っています。
(1)咲くやこの花法律事務所のコンプライアンス研修の特徴
1,企業法務に精通した弁護士だから実現できる確かな内容
講師が弁護士だからこそ、法律、判例に基づき、信頼できる確かな内容の研修を実施します。
2,オーダーメイドだからできる実務に生かせる研修
事前に研修担当者のご要望や事業内容をお聴きし、ご要望にあった内容で研修を実施します。
これにより、一般論にとどまらない、実務に生かせる研修を実現します。
受講者の意欲を高めるため、受講者から事前に講師宛の質問を募り、研修の中でお答えすることも可能です。
3,充実した質疑応答
質疑応答では、経験豊富な弁護士から具体的な助言を得ることができます。
4,専門用語を極力控えたわかりやすい研修
法律用語を極力控えわかりやすい研修を実施します。
▶参考画像:実際のコンプライアンス研修の実施風景
(2)主な対応テーマ
分野 | テーマ例 |
契約書関連 | 契約書の基礎知識とリーガルチェックのポイント |
労務関連 | セクハラ防止研修 パワハラ防止研修 ハラスメント防止研修 就業規則に関する研修 医療機関で注意するべき労務トラブルに関する研修 |
知財関連 | 著作権、意匠権、商標権の基礎知識 デザイナーが注意するべき著作権の基礎知識 |
クレーム対応関連 | 飲食店クレーム解決のための法律知識 住宅瑕疵クレーム解決のための法律知識 スーパーマーケットのクレーム解決のための法律知識 コンビニエンスストアのクレーム対応 |
債権管理、債権回収 | 債権管理、債権回収の実務知識 少額債権の回収のための基礎知識 |
不動産 | 民法改正の伴う不動産取引の変更点と契約書の見直し方法 |
広告法関連 | 景品表示法等広告に関するルールの基礎知識と最近の消費者庁処分事例 |
各種業法関連 | 派遣会社実務担当者向け2020年4月派遣法改正対応研修 |
コンプライアンス全般 | 企業のガバナンス、リスクマネジメントに関する研修 内部通報制度に関する研修(一般従業員向け) 内部通報制度に関する研修(通報受付担当者向け) |
(4)研修プログラム例
例1:
パワーハラスメントの基礎知識
- 1,パワハラとはどういう行為をいうのか?
- 2,どこまでが指導で、どこまでがパワハラなのか?
- 3,パワハラについて会社はどのような責任を負うのか?
- 4,パワハラの相談を受けたらどのように対応すればよいのか
- 5,パワハラをした従業員は解雇できるのか?
- 6,パワハラが起こらないようにするためにはどうすればよいのか?
例2:
内部通報制度に関する研修(一般従業員向け)
- 1,内部通報制度の意義とは?
- 2,どのような場面で通報するべきか?
- 3,どのようにして通報すればよいのか?
- 4,秘密はどのように守られるのか?
- 5,通報を受けた場合に会社が行う調査
- 6,匿名での通報と顕名での通報の対応の違い
(5)コンプライアンス研修担当講師
コンプライアンス研修は、企業法務分野について豊富な経験を持つ咲くやこの花法律事務所の弁護士が担当します。
各弁護士のプロフィールは以下をご参照ください。
(6)コンプライアンス研修のお申込み方法
1,お問い合わせ
研修担当者から弊事務所宛にお電話または問い合わせフォームからお問い合わせください。以下の点をお伝えいただくとスムーズです。
- 研修場所
- 研修予定時間
- 研修日時、予定時間
- お考えの研修テーマ
2,お見積り
咲くやこの花法律事務所より費用の見積もりをさせていただきます。
3,セミナー準備
弁護士がレジュメを作成します。
4,コンプライアンス研修の実施
弁護士が会社に伺い、コンプライアンス研修を実施します。
(7)料金のご案内
料金のおよその目安は以下の通りです。
研修時間 | オリジナルの研修内容で、オーダーメイドのレジュメ作成が必要なもの | 一般的な研修内容で、事務所において既に作成済みのレジュメを使用できるもの(パワハラ防止研修など) |
2時間まで | 35万円+消費税+交通費実費 | 11万円+消費税+交通費実費 |
3時間まで | 40万円+消費税+交通費実費 | 16万円+消費税+交通費実費 |
4時間まで | 45万円+消費税+交通費実費 | 21万円+消費税+交通費実費 |
【備考】
注1:
顧問先についてはオリジナルのレジュメ作成が必要かどうかにかかわらず、原則としておおむね10万円程度で実施させていただきます。コンプライアンス研修ご希望のお客様は、顧問契約のご利用をおすすめします。
注2:
上記はおおむね大阪市内の企業で実施する場合の料金になります。遠方の企業にも対応しておりますが、上記のほかに出張費がかかることがあります。
5,「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
コンプライアンス研修に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。また、今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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記事作成弁護士:西川暢春
記事更新日:2022年8月29日