幼稚園や保育園の業務で弁護士への相談が必要になることがあります。その場合、どのようにして弁護士を選べばよいのでしょうか?
「どの弁護士に頼めばよいのか」、「費用はどのくらいかかるのか」、「どのようなサービスが受けられるのか」などわかりにくいことが多いのではなかと思います。
今回は、幼稚園や保育園、こども園における弁護士の役割と、最適な顧問契約のプランの選び方についてご説明します。
咲くやこの花法律事務所では、顧問弁護士をお探しの幼稚園・保育園の経営者・管理者の方のために、弁護士が無料で顧問契約の内容をご説明するサービスを行っています。事務所にお越しいただき実際に弁護士と会っていただく方法と、弁護士が電話やWeb会議ツール(ZoomやMicrosoft Teams等)で説明させていただく方法があります。お電話かメールによるお問い合わせフォームでご要望いただきましたら、担当者が日時を設定いたしますので、気軽にお問合せください。
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今回の記事で書かれている要点(目次)
1,幼稚園・保育園・こども園における弁護士の役割
幼稚園や保育園においては、保護者や近隣とのトラブル、職員との労務トラブル、園児のけがや安全面でのトラブルなど、さまざまなトラブルが発生します。
これらのトラブルの解決やトラブルの予防に顧問弁護士は重要な役割を果たします。以下で具体的に「幼稚園・保育園における弁護士の役割」を見ていきましょう。
(1)保護者とのトラブルの相談対応
モンスターペアレントなどと呼ばれる保護者からのクレームに悩まされる幼稚園も多いと思います。
顧問弁護士のアドバイスを受けながら対応し、また必要に応じて顧問弁護士に保護者へのクレーム対応を依頼することで、現場での対応のストレスを減らすことが可能になります。
▶参考情報:モンスターペアレントの対応については、以下の記事もご覧ください。
(2)近隣からのクレームの相談対応
幼稚園や保育園の騒音問題について近隣からクレームをうけることが増えています。また、近隣住民からの反対にあって、幼稚園や保育園の開設を断念するケースが相次いでいることが報道されています。
さらに、騒音問題が裁判に発展するケースもでてきました。幼稚園、保育園の経営には近隣との関係の円滑も重要な要素になりますので、近隣からのクレームについて丁寧に対応していくことが必要です。
顧問弁護士のサポートを受けながら近隣への対応を進めていくことをおすすめします。
▶参考情報:クレームの対応については、以下の記事もご覧ください。
保育園の騒音について裁判所で判断された事例として神戸地方裁判所平成29年2月9日判決があります。この判決では結論として保育園に損害賠償責任を認めませんでした。
しかし、この判例は、保育園の騒音について無条件で損害賠償責任の対象にならないとしたものではなく、むしろ、騒音の程度や保育園側の対応によっては損害賠償責任の対象になりうると判断している点が重要です。
損害賠償責任の有無の判断にあたっては、防音壁を設置するなど保育園側で対策をしてきたことや、近隣との話し合いを続けてきたことが考慮されており、園側が対応を誤ると損害賠償責任を負う可能性がありますので注意が必要です。
(3)職員との労務トラブルの相談対応
職員との労務トラブルは幼稚園・保育園から相談の多いテーマの1つです。
- 早期の離職によるトラブル
- セクハラ、パワハラなどハラスメントのトラブル
- 退職者からの未払い残業代請求のトラブル
- 問題のあるスタッフの指導をめぐるトラブル
- 問題のあるスタッフの解雇をめぐるトラブル
- 労働基準監督署の調査への対応
- 業務中の労災をめぐるトラブル
- 職員の休職や復職のトラブル
こういった場面で顧問弁護士がいれば、園の実情を踏まえた適切な解決策を助言してもらうことができます。その結果、初動対応を誤らずにすみ、トラブルがこじれたり長期化することを防ぐことができます。また、トラブルが重大な場合は顧問弁護士にトラブルの解決を依頼することで、幼稚園・保育園の運営に集中することが可能になります。
1,未払い残業代トラブルと解雇トラブルには特に注意が必要
労務トラブルの中でも、未払い残業代トラブルと解雇のトラブルについては重大なリスクになることも多く、特に注意が必要です。
幼稚園や保育所では、昼間の時間子供から目を離せず、事務作業はどうしても子供が帰った後になります。さらに、行事ごとが多く、行事のたびに準備や片付けが発生します。こういった環境から労働時間が長くなりがちであり、退職者から未払い残業代の請求をされるトラブルが頻発しています。
残業代の問題については、顧問弁護士のサポート受けて就業規則や賃金規定を整備し未払い残業代問題を解消しておくことが必要です。
また、解雇についても、以下のような事件が起きています。
●平成28年7月1日東京地方裁判所判決
保育園が職員2名を「園児の尊厳を深く傷つけた」などの理由により解雇した事件です。裁判所は不当解雇と判断し、2名に対して合計約1550万円を支払ったうえで、両名を復職させることを命じました。
解雇の裁判で敗訴するとこの事例のように1000万円を超える支払いを命じられることが珍しくありません。
解雇を検討するような場面では、事前に必ず顧問弁護士に相談し、リスク面をチェックしておくことが重要です。
▶参考情報:未払い残業代や解雇のトラブルについては、以下の記事もご覧ください。
(4)離職防止のための就業環境の整備サポート
幼稚園・保育園・こども園の離職率が高くなってしまっている場合は、職員が定着する環境の整備が急務になります。
以下の点をチェックして、就業環境の整備を検討していきましょう。
- 上位者によるパワハラやセクハラが起きていないか
- 有給休暇がとれる職場環境か
- 残業代の未払いが発生していないか
- 長時間労働になっていないか
- 若い人が勤めやすい人間関係があるか
- 理不尽なクレームへの対応が現場任せになっていないか
- 問題のある職員が幅をきかせるような職場になっていないか
顧問弁護士のサポートを受けながら、パワハラやセクハラの防止策の実施、就業規則や賃金規定の整備、長時間労働の解消などに継続的に取り組み、働きやすい職場を作っていくことが必要です。
また、理不尽なクレームも職員の離職の原因になります。クレームを受けた時に顧問弁護士のサポートを受けられる体制を整備することが職場の安心感につながります。
さらに、問題のある職員がいる状況を放置していると、よい職員がやめていく原因になりますので、この点についても顧問弁護士に相談しながら対応していくことが必要です。
1,雇用契約書や就業規則の整備にも顧問弁護士の活用が有効
職場環境の整備と並行して、雇用契約書や就業規則の整備も進めていきましょう。
雇用契約書や就業規則は雇用関係の基本であり、労務トラブルが万が一起きたときは、トラブル解決の基準となるものです。雇用契約書や就業規則に不備があると労務トラブルの際に非常に不利な立場になってしまいますので、雇用契約書や就業規則は必ず顧問弁護士に相談しながら整備を進めてください。
▶参考情報:雇用契約書や就業規則の整備については以下の記事もあわせてご参照ください。
(5)安全管理委員会の設置
安全の確保は幼稚園、保育所、こども園の経営で最重要課題の1つです。
ただ、日々の忙しさもあって、職員個人が危険を感じたケースが幼稚園、保育所内で共有されていないケースが多くみられます。これではいつか大きな事故につながる危険があります。
重大な事故を未然に防ぐためには、日ごろ個々の職員が感じた危険事例を園内で共有し、その原因を取り除く仕組み作りが必要です。
顧問弁護士のサポートを受けながら、安全管理委員会などの会合を定期開催し、安全面の改善を継続的に続けていくことが効果的です。
また、安全管理委員会に顧問弁護士にも参加してもらい、安全管理上のアドバイスを受けることも非常に効果的です。
そのうえで、文書化して安全マニュアルにまとめ、その後も継続的に加筆修正をすすめて仕上げていくことで、安全管理を万全なものにしていきましょう。
(6)園児の事故の際の対応
幼稚園、保育園、こども園の経営は常に事故の危険と隣り合わせといえます。
- プールでの事故
- 園外離脱の事故
- 熱中症の事故
- 遊具使用中の事故
- うつぶせ寝による窒息
上記のような事故が万が一起こってしまった場合、裁判所でも幼稚園、保育園の責任には厳しい判断がされています。
万が一、事故が起こった場合は、初動として保護者に対してどう対応するのかが重要になりますが、事故が起こってから弁護士を探して相談するのでは対応できないのが現実です。
万が一の事故の際にも常に顧問弁護士に相談できる体制を整えておくことが必要です。
(7)都道府県による調査への立ち合い
幼稚園や保育園、こども園には都道府県による調査が定期的に行われます。行政の担当者によっては高圧的な調査が行われ、対応にストレスを感じるケースもあると思います。
そのようなケースでは、顧問弁護士に調査への立ち合いを依頼することで、担当者に対しても緊張感を与えることができ、調査に円滑に対応することが可能です。
咲くやこの花法律事務所でも、ご依頼があれば幼稚園に対する都道府県による調査への立ち合いを行っています。弁護士が立ちあった結果、いつもは高圧的に行われる調査がずいぶん丁寧な態度で行われたと喜んでいただいたケースがありました。
(8)その他法律相談への対応
上記でご説明した内容のほか、以下のような場面でも顧問弁護士に相談して対応することが適切です。
- 契約書のリーガルチェック
- 個人情報の取扱いに関する問題
- 不動産の売買
- 給食費その他の費用滞納への対応
2,相談しやすい顧問弁護士の選び方
ここまで幼稚園や保育園における顧問弁護士の役割についてご説明してきました。
では、実際に弁護士と顧問契約をするときにどのような点に注意すればよいのでしょうか?
まず、重要なのが弁護士の選び方です。顧問契約をする際は、以下の点をチェックしてください。
- クレームや万が一の事故など緊急の際にすぐに連絡が取れる弁護士かどうか
- 労務管理やクレーム対策、安全管理の相談に精通した弁護士かどうか
- わかりやすく親切に答えてくれるか
- 顧問契約後に弁護士の携帯電話の番号を教えてくれるかどうか
一方、以下のような弁護士は不適切です。
- メールの返信や電話の折り返しが遅い弁護士
- えらそうな弁護士
- 日ごろ、離婚や相続の仕事をしていて、事業者のサポートに精通していない弁護士
- 携帯電話の番号を教えることを嫌がる弁護士
- わかりやすく具体的な解決策を教えてくれない弁護士
顧問契約をする前に実際に弁護士と話をしてこれらの点を確かめることが必要です。
▶参考情報:また顧問弁護士の選び方については、以下の記事も参考にご覧下さい。
3,幼稚園・保育園・こども園に最適な顧問弁護士契約プラン
弁護士を選んだ後に自園に最適な顧問契約のプランを選ぶことも大切です。
各法律事務所が様々な顧問契約プランを準備していますが、サービス内容や料金は、法律事務所ごとに違います。内容をよく理解して最適なものを選択しましょう。
筆者が所属する咲くやこの花法律事務所では、顧問契約のニーズに応じて主に3つのプランを設けていますが、その中で幼稚園や保育園の方におすすめしているのが以下のプランです。
(1)スタンダードプラン(月額顧問料5万円 週に1~2回程度のご相談をご希望の方)
スタンダードプラン(月額顧問料5万円)は週に1~2回程度を目安にご相談をご希望の方向けのプランです。弁護士にいつでもメールや電話でご相談いただくことが可能です。
園のイベントや運動会が多い土日も弁護士の携帯電話に直接連絡していただくことができますので緊急時でもすぐに弁護士のサポートを受けることができます。
経営者や管理者の方はもちろん、職員の方からご相談いただくことも可能です。
そのほか、より相談頻度が少ない方向け(おおむね月に1~2回程度のご相談をご希望の方)に、月額顧問料が3万円になるリーズナブルなプラン(ミニマムプラン)なども用意があります。
咲くやこの花法律事務所のその他の顧問弁護士プランの詳細は以下のページをご参照ください。
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスについて詳しく解説した動画を公開中です。あわせてご参照くださ。
4,咲くやこの花法律事務所に顧問弁護士を依頼いただく方法
最後に、咲くやこの花法律事務所に顧問弁護士をご依頼いただく方法についてもご紹介しておきたいと思います。
咲くやこの花法律事務所では、顧問弁護士契約の申込み方法として2つの方法を用意しています。「事務所にお越しいただいて担当弁護士に会っていただく方法」と「担当弁護士から電話で顧問契約の内容をご説明する方法」です。いずれの方法も、実際に弁護士と話をして相性を確かめてから、顧問弁護士契約をしていただくことが可能です。料金もかかりません。具体的には以下の通りです。
(1)事務所にお越しいただいて担当弁護士に会っていただく方法
事務所にお電話またはメールでお問い合わせいただきましたら、担当弁護士と会っていただく日時を設定します。面談は平日の午前9時半から午後7時までの間でご都合のよい時間を選んでいただくことができます。
事務所の場所は大阪市営地下鉄四つ橋線あるいは中央線の本町駅から徒歩1分です。以下のページに事務所までの地図や相談室の写真を掲載していますのでご参照ください。
担当弁護士が現在の問題点やお困りごと、主なご相談事項などをヒアリングしたうえで最適な顧問契約のプランをご提案します。また、顧問契約をして整備を進めていくべきポイントについてもお話しします。お越しいただいた当日に顧問契約書をお渡ししますので、ご検討いただき、ご返送いただければ顧問弁護士サービスのスタートです。
(2)担当弁護士から電話やWeb会議ツールで顧問契約の内容をご説明する方法
咲くやこの花法律事務所では、遠方でお越しいただけない幼稚園・保育園の経営者や管理者の方のために電話での顧問契約のご説明も行っております。
全国からのご要望に対応しています。
事務所にお電話またはメールでお問い合わせいただきましたら、担当弁護士から電話でご説明させていただく日時を設定します。平日の午前9時半から午後7時までの間でご都合のよい時間を選んでいただくことができます。
また、実際に弁護士の顔を見て話したいという場合は、ご希望いただければ、テレビ電話による対応も可能です。ノートパソコンなどカメラのあるパソコンさえご用意いただければ簡単に顔を見ながら話を聴いていただくことが可能になります(特別な機械や事前の準備は不要です)。
また、もし、スカイプやチャットワーク、あるいはZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議ツールをお使いの場合は、お使いのツールによる対応も可能です。
お電話やWeb会議ツールでは、会社の現在の問題点やお困りごと、主なご相談事項などをヒアリングしたうえで最適な顧問契約のプランをご提案します。また、顧問契約をして整備を進めていくべきポイントについてもお話しします。お電話やWeb会議ツールでのご説明の後に顧問契約書を郵送しますので、これをご返送いただければ顧問弁護士サービスを開始することができます。
もちろん、お電話やWeb会議ツールでのご説明の後に、実際に事務所にお越しいただいて、弁護士にあってから契約していただくことも可能です。
お越しいただく方法、電話でご説明する方法のどちらも、顧問契約の説明は無料で行っていますので、気軽にお問い合わせください。
5,【補足】公益通報窓口の設置について
顧問弁護士のサービスとは異なりますが、公益通報窓口、内部通報窓口の設置を弁護士に依頼することも、幼稚園、保育園の安全性向上、コンプライアンス改善のために非常に有効です。
公益通報窓口、内部通報窓口の設置については、以下の記事で解説していますので、ご参照ください。
6,顧問弁護士サービスについて「咲くやこの花法律事務所」の弁護士と無料面談の予約方法
幼稚園・保育園に強い弁護士との顧問弁護士サービスに関する無料面談は、下記から気軽にお問い合わせください。また、今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
7,まとめ
今回は、まず、幼稚園や保育園の顧問弁護士の役割として以下の点をご説明しました。
- 保護者とのトラブルの相談対応
- 近隣からのクレームの相談対応
- 職員との労務トラブルの相談対応
- 離職防止のための就業環境の整備サポート
- 安全管理委員会の設置
- 園児の事故の際の対応
- 都道府県による調査への立ち合い
- 契約書のリーガルチェック
- 個人情報の取扱いに関する問題の相談対応
- 不動産の売買に関する相談対応
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記事更新日:2024年8月11日
記事作成弁護士:西川 暢春