こんにちは。弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
理不尽なクレーマー(モンスターカスタマー)への対応でお悩みではないでしょうか?
以下のようなクレームは理不尽なクレーマーの典型例です。
- 些細なミスに対して不合理な特別対応・過大な要求をするクレーマー
- 神経質で次々に要求を変え、いつまでも対応を求めるクレーマー
- 不合理な内容の「念書」や「一筆」を要求するクレーマー
- 些細な対応の悪さにいつまでもクレームをつけ「スタッフの教育」に言及するクレーマー
- クレームの内容をそのたびに変えて延々とクレームをいうクレーマー
- 「もしも~?」などの仮定質問をしつこく続けるクレーマー
このような理不尽なクレーマーに対しては一般のお客様からの苦情への対応とは違った対応が必要です。
間違った対応をしていると、クレームがいつまでもやまず、以下のような問題が起こります。
- クレーマーの対応に時間をとられ、本来の仕事に手がつかない
- 売上や利益が落ちてしまう
- 対応するスタッフが疲弊してやめてしまう
このようにならないためには、クレーマー対応についての重要なポイントを押さえておくことが必要です。
この記事では、理不尽なクレームの解決方法として、クレーマー対応の基本的な対応手順や、クレーマー対応の8つのポイントを解説しますので、確認して、クレーマーへの正しい対応法を身に着けてください。そして、この記事を最後まで読んでいただくことで、現在、自社で抱えている理不尽なクレーム対応の問題解決に向けて動き出すことができるようになります。
理不尽なクレームに対して、自社のみの判断で間違った対応をしたり、対応を現場の従業員に任せきりにしてしまうと、トラブルがこじれて長期化してしまったり、従業員が疲弊して離職してしまうといったリスクがあります。理不尽なクレームや悪質なクレーマーから自社や従業員を守るためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。お困りの際はぜひ咲くやこの花法律事務所にご相談ください。
理不尽なクレームや悪質なクレーマー対応でお困りの場合は、ぜひ咲くやこの花法律事務所の弁護士にご相談ください。なお、理不尽なクレームや悪質なクレーマー対応に関する咲くやこの花法律事務所のサポート内容は以下もご参照ください。
▶参考情報:クレーム対応や悪質クレーマーに関する弁護士へのサービスはこちら
また、実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士がクレームやクレーマー対応をサポートした解決事例もご紹介していますのであわせてご覧ください。
▶関連動画:この記事の著者 弁護士 西川暢春が、「理不尽なクレーマーへの対応7つのポイント」の動画でもクレーマー対応のポイントに関して詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
▼クレーマー対応について弁護士の相談を予約したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
今回の記事で書かれている要点(目次)
1,クレーマー対応とは?基本原則について
まず、クレーマー対応とは何か、クレーマー対応における基本的な対応手順について解説します。
(1)クレーマー対応とは?
クレーマー対応とは、明らかに理不尽な要求や過剰な要求をしてくる人に対して、要求を断り、自社や従業員を守るための行動をとることをいいます。一方、クレーム対応は顧客からの正当な苦情や意見を処理・改善し、顧客からの信頼を回復し、今後のサービス向上につなげるための行動を指します。クレーム対応の最終的なゴールが「お客様からの納得と信頼回復を得ること」であるのに対し、クレーマー対応においては「理不尽な要求を断り諦めさせること」がゴールになります。
(2)クレーマー対応の基本的な対応手順

クレーマー対応の基本的な対応手順は以下の通りです。
- 1,クレームの内容や態様から、正当なクレームかそうでないかを判断する
- 2,対応方針を決める
- 3,方針に従い対応する
順番に詳しく解説していきます。
1,クレームの内容や態様から、正当なクレームかそうでないかを判断する
暴力的な言動でない限り、どのようなクレームでもまずは真摯に対応したうえで、正当なクレームなのかそうでないのかを見極める必要があります。理由がないクレームでも、自社から適切な説明を行うことは必要です。それでも会社の立場から見て不当と思えるようなクレームが続く場合、クレームの内容やクレームの態様から、真摯に対応すべき正当なクレームか、それとも不当で理不尽なクレーマーなのかを判断します。この点については法的な判断も必要です。判断に困った際は早めに弁護士に相談することをおすすめします。
2,対応方針を決める
不当なクレームの場合、毅然とした態度で要求を断ることが必要になります。どのような方法でどの範囲まで断るかといった対応方針を決めます。この段階でも、法的な検討が必要になりますので、弁護士に対応方針を相談することが適切です。
3,方針に従い対応する
対応方針が決まったら、それに則った対応を行います。あらかじめ社内や担当部署に対応方針の詳細を共有し、組織として一貫した対応ができるようにすることが大切です。必要に応じて弁護士に対応を依頼してください。
▶参考情報:なお、咲くやこの花法律事務所の弁護士によるクレームや悪質なクレーマー対応に関するサポート内容は以下をご参照ください。
2,間違ったクレーマー対応の典型例
まず、最初に間違ったクレーマー対応の典型例は何かということをご説明します。
間違ったクレーマー対応の典型例は、クレーマーが不合理な要求をしている場面でも、謝罪し、なだめ、譲歩して、なんとか穏便に収めようと対応しようとするケースです。
このような対応方法は、クレーマーの納得・了解を得ることを目指すものです。
しかし、一般のお客様の苦情への対応であればともかく、理不尽なクレーマーの納得・了解を得ようとすれば、企業はクレーマーの言いなりになるしかありません。そのような対応方法が適切ではないことは明らかです。
3,正しいクレーマー対応の8つのポイントとは?

それでは、理不尽なクレーマーに対して対応するためにはどうすればよいのでしょうか?
以下でご説明する8つのポイントをおさえて対応することが必要です。
- (1)理不尽な要求を断りあきらめさせる
- (2)要求内容を確認し、勇気をもって断る
- (3)「お客様」から「対等・公平」の関係に切り替える
- (4)落ち度がある場合も言いなりにならない
- (5)法律上の義務の範囲を正しく理解する
- (6)理不尽なクレームへの対応方針を社内で明確にする
- (7)弁護士に相談しながら対応する
- (8)自社で対応できないときは弁護士に依頼する
それぞれについて、順に詳しく解説していきます。
(1)理不尽な要求を断りあきらめさせる
まず、理不尽なクレーマー、モンスターカスタマーへの対応では、「納得・了解」を目指すのではなく、「要求を断りあきらめさせる」ことがゴールになります。クレーマーに譲歩するのではなく、クレーマーの要求が法律上通らないことを説明して、明確に断ることが必要です。
断られると、当然、クレーマーは怒ります。しかし、クレーマーが怒ってもひるまず、同じ説明を繰り返し、明確に断り続けます。特に悪質なクレーマーに対しては会社や会社の顧問弁護士から文書を出して要求を断ります。
このように明確に断られると、クレーマーは、そもそも法律上通らない要求をしているので、裁判で訴えるわけにもいかず、あきらめざるを得ないことになります。
万が一、裁判を起こされても、そもそも法律上通らない要求である以上、負けることもありません。粛々と裁判を進めればよいのです。悪質なクレーマー対応では、「納得・了解」ではなく、「要求を断りあきらめさせる」ことがゴールになることを理解することが最も重要なポイントです。
(2)要求内容を確認し、勇気をもって断る
クレーマーの要求を断りあきらめさせるために、重要なことは、まず、クレーマーの要求内容を確認し、次に、勇気をもって要求を断ることです。
まず、最初にクレーマーが何を求めているのかを確認することが必要です。お金(慰謝料や迷惑料)を求めているのか、謝罪を求めているのか、自宅に来いと言っているのか、一筆書けと言っているのか、それとも他のなんらかの特別対応を求めているのかを確認します。
そのうえで、そのような要求が通らないことを説明し、勇気をもって断ることが必要です。要求を断るのに勇気がいるのは、クレーマーは要求を断られてさらに怒ることが予想されるからです。
しかし、クレーマーをいったん怒らせることを覚悟して、要求を断らなければ、悪質なクレーマーを撃退することはできません。
(3)「お客様」から「対等・公平」の関係に切り替える
要求を断るのを難しくしている大きな原因は、相手が「お客様」だからということです。
しかし、不合理な要求をくり返して、会社に不利益を与える人は、本来、「お客様」ではありません。そのため、理不尽なクレーマーに対応する際は、「お客様」という意識を捨てて、「対等・公平」の関係で話をすることが必要です。
いままで、「お客様」「●●様」と呼んでいたとしても、悪質なクレーマーであるとわかった段階で「あなた」「●●さん」と呼び方を変えることが、自分の意識を変えるきっかけになります。
これにより、クレーマーの意識も変わります。「お客さんだから何を言っても大丈夫」と考えているクレーマーは、呼び方を変えることで、冷や水を浴びせられたような格好になります。場合によっては激昂するケースもあるでしょう。
しかし、それが理不尽なクレーマーに、要求が通らないことを理解させあきらめさせるための重要な第一歩になります。「対等・公平」の関係で話をすることを意識して、まずは呼び方を変え、「お客様扱いはしない」ことを相手に明確に示してください。
(4)落ち度がある場合も言いなりにならない
クレーマー対応を企業からご相談いただくケースの中には、ご相談いただく会社の側に何らかの落ち度があるケースも多いです。
悪質なクレーマーは会社の落ち度を上手に指摘して自分の要求をとおそうとします。また、悪気がなくても性質上非常に神経質だったり、自分の要求が通らないことにどうしても納得できないタイプのクレーマーもいます。
このようなクレーマーは些細な落ち度をいつまでも指摘して延々と要求を続けます。
1,落ち度のレベルにあった謝罪をする
自社に落ち度がある場合の対応で重要なことは、落ち度のレベルにあった合理的な対応をし、決してクレーマーの言いなりにならないことです。
自社に落ち度があれば謝罪が必要ですが、その謝罪の方法は、落ち度のレベルにあった合理的なものにしなければなりません。
謝罪の方法は、以下のように落ち度の程度に応じてさまざまです。
●落ち度が小さい場合
- 対面している場面で口頭でお詫びする
- 電話やメールでお詫びする
●落ち度が比較的大きい場合
- 上司からお詫びする
- お詫びしたうえでお詫び状と一緒にお詫びの品を送る
●落ち度が大きい場合
- 相手を訪問してお詫びする
- 上司と一緒に相手を訪問してお詫びする
- 社長が相手を訪問してお詫びする
本来、「電話やメールでお詫びする」にとどめるべきところを、相手が強いクレームを言っているからと言って、「相手を訪問してお詫びする」で対応することはするべきではありません。落ち度があっても「対等・公平」をつらぬき、落ち度の程度に応じた正しい謝罪をしたうえで、不合理な要求は明確に断ることが必要です。
(5)法律上の義務の範囲を正しく理解する
「法律上の義務の範囲を正しく理解する」ことも、理不尽なクレーマーへの対応での重要なポイントです。
理不尽なクレーマーは、「迷惑料」、「慰謝料」、「説明責任」、「個人情報」などさももっともらしい言葉を並べて要求を実現しようとします。
しかし、何か迷惑をかけたというだけでは、通常は法的な迷惑料や慰謝料の支払義務は発生しません。また、説明不足があったというだけでは、法的な説明責任は発生しません。
個人情報という言葉もマジックワードの1つです。個人情報を誤って漏えいしてしまったという場合は、法的な責任が発生しますが、住所や氏名の漏えいでは法的な賠償義務は5000円程度です。
法律上応じなければならない義務の範囲を正しく把握し、法律上の義務の範囲を超える要求は明確に断ることが必要です。
(6)理不尽なクレームへの対応方針を社内で明確にする
クレーマーの要求を断り断念させるためには、そのような対応が悪質クレーマーへの正しい対応方法であるということを社内で明確にしておくことも必要です。
社内で悪質なクレーマーに対しては毅然として断るという方針が明確になっていなければ、対応するスタッフが迷い、結局は「お客様至上主義」で対応してしまいます。クレーマーに譲歩を重ねることにもなりかねません。
小さな会社ではトップが、大きな会社では部門の長が、理不尽な要求をするクレーマーへの対応方針を明確に示し、従業員に理解させることが必要です。
(7)弁護士に相談しながら対応する
クレーマー対応の現場では、まず、一般のお客様の苦情として丁寧に対応するべき内容なのか、それとも、理不尽なクレーマーへの対応として毅然とした対応が必要なのかを切り分けることが必要です。
これを現場の判断で行うことは難しく、クレーマー対応に精通した弁護士に相談しながら対応することをおすすめします。
また、すでに述べた通り、理不尽なクレーマーに対して要求を断ることには勇気が必要です。対応するスタッフを勇気づけ、背中を押すという意味でも弁護士への相談が有効です。弁護士に相談して、正しい対応であることを確信できてはじめて、勇気をもった対応が可能になるのです。
さらに、法律上の義務の範囲を正しく理解するという場面でも弁護士のサポートをうけることが有効です。弁護士に相談しながら対応することで、対応するスタッフに自信がつき、毅然とした適切な対応ができるようになります。
(8)自社で対応できないときは弁護士に依頼する
最後に、自社で対応できない難しいクレーマーについては弁護士に対応を依頼することも必要です。
弁護士が直接クレーマーに対して、弁護士名で通知を送り、あるいは電話を入れて対応することで、クレーマーの要求が法律上通らないことを説明し、要求を断念させることができます。
弁護士に対応を任せれば、自社は、クレーマー対応を離れて本来の仕事に集中することができます。
▶参考情報:クレーマー対応を弁護士に依頼するメリットや弁護士費用など、以下の記事や動画で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
・弁護士にクレームやクレーマー対応の代行を依頼する5つのメリット
▶参考動画:この記事の著者 弁護士 西川暢春が、「クレームやクレーマー対応を弁護士に依頼する5つのメリット」の動画でも詳しく解説しています。
4,電話やメールでクレーマーの対応をする場合の注意点

電話やメールでクレーマーの対応をする場合は、内容を変えていつまでもクレーマーが電話をしてきたり、メールを送ってくるというケースに注意が必要です。
いったん電話やメールで必要な説明をした後は、「すでにご説明した通りご要望には応じられません。」と伝えて、それ以上の対応を断ることが必要です。
電話であれば、「すでにご説明した通りご要望には応じられませんので、電話を切らせていただきます。失礼します。」といって電話を切ることも必要です。
また、メールであれば、「すでにご説明した通りご要望には応じられません。今後は、メールをいただいても返信は致しません。」と通知することも必要です。
さらに、自社の毅然とした態度を示すためには、電話やメールでの対応をやめて、文書で自社の態度を伝え要望には応じられないことを明確にすることも有効です。文書を弁護士の名前で送るとさらに効果的です。
電話やメールでの対応の場面では、このように一定のタイミングでクレーマー対応を切り上げ、クレーマー対応に長時間費やして疲弊するといったことがないようにする必要があります。
電話やメールでのクレーマー対応については、以下の解説記事も参考にご覧ください。
5,業種別の詳しいポイント一覧
今回、理不尽なクレーマーへの対応のポイントとして8つのポイントをご説明しました。クレーマーへの対応方法を社内で明確にし、確立することは、スタッフの安心感にもつながり、非常に重要ですので、この記事を参考にぜひ取り組んでみてください。また、業種ごとのクレーム対応のポイントについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。
あわせてご覧ください。
1,製造業・建設業・解体業向け
・製造業・建設業・解体業向け!工場や工事の騒音でクレームや苦情を受けたときの対応方法
2,化粧品・エステなど美容業向け
・化粧品、エステ・美容業界向け!消費者の肌荒れクレームに対する正しい対応方法
3,新築・中古住宅販売など不動産業、リフォーム業向け
・住宅業界(新築・中古住宅販売やリフォーム業)のクレーム・苦情の解決方法と対応を弁護士に相談するメリット
4,派遣業向け
・派遣会社必読!派遣先から損害賠償請求やクレームを受けたときの対応方法
5,飲食業向け
・飲食店のクレーム解決方法!異物混入、食中毒、腹痛等の対応事例も解説。
6,病院・クリニック向け
・病院・クリニックのクレームや苦情の対応。窓口や受付での患者とのトラブル対処法は?
・モンスターペイシェントとは?対策の基本5つを弁護士が解説!
7,保育園・幼稚園・学校向け
・ モンスターペアレントの対応の4つのポイントを弁護士が解説
8,ECサイト・ネット通販向け
・通販のクレーム対応方法!ECサイトなどのしつこい苦情はこれで解決
9,介護業界向け
・介護現場でのカスタマーハラスメントの事例と対策をわかりやすく解説
10,美容室・理容室向け
・美容室のクレームへの正しい対応とは?クレーマーの出入り禁止についても解説
6,実際に咲くやこの花法律事務所の弁護士がクレームやクレーマー対応をサポートした解決事例
咲くやこの花法律事務所では、クレーム対応について、企業のご相談者から多くのご依頼をいただき、実際に解決してきました。
以下で咲くやこの花法律事務所の実績の一部をご紹介していますのでご参照ください。
(1)水道工事の騒音等に対する近隣店舗からのクレームや金銭要求に対し、弁護士が交渉して要求を断念させた解決事例
1.事件の概要
本件は、水道局から給水管の入れ替え工事および路面舗装工事を請け負っていた建設会社が、近隣で居酒屋を営業する者から工事の中止や金銭の支払いを要求されたため、咲くやこの花法律事務所の弁護士が対応したところ、相手方が要求を断念し、解決に至った事例です。
建設会社が商店街における給水管の入れ替え等の夜間工事を行っていたところ、夜間工事中に営業していた近隣の居酒屋の経営者が、騒音で「客足が減る」などとして工事の中止や金銭の支払いを要求しました。これに応じなければ工事を妨害する旨の発言がなされたため、対応に困った建設会社から、咲くやこの花法律事務所にご相談いただきました。
2.問題の解決結果
弁護士は、本件工事の騒音が「社会生活上受忍すべき限度」を超えておらず、工事の中止義務や営業損害等の賠償義務は認められないと判断しました。
すなわち、本件の給水管工事は、周辺住民や店舗の生活・営業に不可欠なインフラ工事であり、水道局の指示に基づき、交通量の少ない夜間に実施されたものでした。一定の騒音が発生していた事実はあるものの、施工にあたっては低騒音型重機の使用や関係指針の遵守など、可能な限りの騒音対策が講じられていましたし、工事期間も短期間に限られていたことから、「社会生活上受忍すべき限度」を超えていないと判断しました。
そのうえで、弁護士から、相手方に工事の中止や金銭の支払いの要求には一切応じない姿勢を明確に示すとともに、工事妨害が行われた場合には法的措置を講じる旨を警告したところ、相手方は要求を断念し、トラブルは早期に解決しました。不合理なクレームに対しては、曖昧な対応を避け、法的根拠に基づき毅然とした姿勢で対応することが重要です。
▶参考情報:この事案については、以下で詳しく紹介していますので、併せてご参照ください。
(2)衣類の購入者からの色落ち、色移りに関するクレームトラブルに対して弁護士が対応し金銭賠償なしで解決した事例
1.事件の概要
本件は、アパレル会社が販売したカーディガンについて、購入者が他の衣類に色移りしたとして、会社に商品代金の返金および色移りした衣類の損害賠償等を求めてきたため、弁護士が対応したところ、購入者が請求を断念した事例です。
カーディガンの購入者は、購入から約2年経過後に「色落ちにより他の衣類へ色移りが生じた」として損害賠償を求めてきました。会社は顧客でもあることから、慎重に対応していたところ、購入者は金銭の他、社長の謝罪を求めるなど要求がエスカレートしていき、会社の業務にも支障が出るようになりました。そこで、困り果てて、咲くやこの花法律事務所にご相談いただきました。
2.問題の解決結果
本件では、①販売した衣類が原因で他の衣類に色移りが生じたか(因果関係)、②色落ちが本件カーディガンに通常備わるべき品質・性能を欠くといえるか(瑕疵(欠陥)該当性)が争点となりました。
弁護士は、因果関係については、購入から2年経過後に主張された色移りであり、他の衣類による可能性も否定できないことから、因果関係の立証責任は請求者側にあるところ、因果関係が立証されていないと反論しました。また、瑕疵(欠陥)該当性については、本件カーディガンが濃色の商品であり、洗濯等による色落ちは通常想定されることから、色落ちしないことが通常有すべき品質とはいえず、瑕疵には該当しないと主張しました。
その結果、購入者は会社に対する請求を断念し、金銭の支払いなく解決しました。
▶参考情報:この事案については、以下で詳しく紹介していますので、併せてご参照ください。
(3)化粧品の皮膚トラブルのクレームが発生!慰謝料等350万円を請求された事件が35万円の支払いによる和解で解決した事例
1.事件の概要
化粧品会社が、商品を購入した顧客から化粧品の使用により皮膚トラブルが生じたとして、350万円の支払いを請求されましたが、弁護士が対応した結果、解決金35万円の支払いで和解が成立した事例です。
化粧品会社は、顧客から購入した化粧品の使用により「かゆみ・腫れ・痛み」などの皮膚トラブルが生じたとのクレームを寄せられ、対応していました。しかし、顧客との関係がこじれ、治療費および慰謝料等として350万円もの支払いを求める調停を起こされたため、咲くやこの花法律事務所にご相談いただきました。
2.問題の解決結果
弁護士が代理人として調停手続に対応しました。
調停においては、①化粧品の成分・品質に問題があったかどうか、②皮膚トラブル発生後の店舗側の対応に不適切な点があったかどうか、の2点が主な争点となりました。
弁護士は、検査結果に基づき化粧品の成分・品質に問題がないこと、容器や添付文書に使用上の注意の表示やリスク表示が適切にされていたことを主張しました。加えて、顧客から皮膚トラブルの相談を受けた店舗スタッフが、直ちに使用中止と医療機関の受診を勧め、店舗側の対応に問題がなかったことも具体的に立証しました。
その結果、裁判所に化粧品の品質および店舗側の対応に重大な問題はないことを認めてもらうことができ、最終的には、当初請求額350万円に対し、解決金35万円の支払いで和解が成立しました。
▶参考情報:この事案については、以下で詳しく紹介していますので併せてご参照ください。
・化粧品の皮膚トラブルのクレームが発生!慰謝料等350万円を請求された事件が35万円の支払いで和解に成功した事例
記の他にもクレームやクレーマー対応関連の事件についての解決事例をご紹介していますので、以下からご参照ください。
7,理不尽なクレームやクレーマー対応に関して弁護士に相談したい方はこちら

最後に、「咲くやこの花法律事務所」における企業のクレーム対応についてのサポート内容をご説明しておきたいと思います。
- (1)クレーマー対応に関するご相談
- (2)弁護士によるクレーマー対応
- (3)顧問契約
以下で順番に見ていきましょう。
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所のクレームや悪質クレーマー対応に強い弁護士への相談サービスについて詳しく解説した動画も公開中です。あわせてご参照ください。
(1)クレーマー対応に関するご相談
咲くやこの花法律事務所では、クレーマー対応にお困りの企業から、クレーマー対応に関するご相談をお受けしています。
その中でもよくこのようなケースのご相談をいただくことが多いです。
【よくあるご相談】
- 事業者側の落ち度に付け込んで法的には通らない過大な要求をするクレーマーへの対応についてのご相談
- 個人的な正義感から執拗に謝罪を求めるなど過剰な要求をするクレーマーへの対応についてのご相談
- 長時間の拘束、頻繁な電話など不当に担当者を拘束、攻撃するクレーマーへの対応についてのご相談
- 激昂して無理難題を言ったり、ネット上での書き込みを匂わせて威圧するクレーマーへの対応についてのご相談
理不尽なクレーマーにお困りの場合は、早期にご相談いただくことが、良い解決につながります。自社で対応すると対応を誤り、問題が複雑化してしまうケースも多いので早めにご相談ください。
咲くやこの花法律事務所の弁護士への相談料
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほか、オンライン相談、電話相談が可能
※各種弁護士費用保険の利用も可能です。
(2)弁護士によるクレーマー対応のサポート
咲くやこの花法律事務所では、解決が困難なクレームについて、事業者に代わり弁護士がクレーマーへの対応を担当し、クレームを解決するサービスも行っています。
クレーム対応に精通した弁護士が直接クレーマーに対応することにより、会社や会社担当者はクレーマー対応から解放されるというメリットがあります。
弁護士にクレーマー対応をご依頼いただく場合、具体的に以下のような対応を行います。
- 弁護士による電話や書面による相手との交渉
- 弁護士による内容証明郵便の送付
- 弁護士を通じた解決案の提示
- 悪質な場合は弁護士による出入り禁止措置の通知、損害賠償請求、刑事告訴等
例えば、工事内容に不備があったとして、休日・深夜問わず電話を執拗にかけてきたクレーム客についての事案では、弁護士から内容証明郵便を送付したところ、すぐに相手からこちらが提案した解決方法に従うとの連絡があり、早期に解決することができました。自社で対応していた時はとても手が付けられなかったようなクレーマーでも、弁護士から内容証明郵便を送ることにより、自身の言動の問題を理解し、途端にクレームが止むケースも少なくありません。また、自社に落ち度があったケースでも、弁護士が代理人となって合理的な解決案を示し、それ以上の対応は断る態度を明確にすることで、クレームを解決することが可能です。
クレーマーへの対応にお困りの事業者様は、早い段階で弁護士に相談いただくことをおすすめします。
咲くやこの花法律事務所の弁護士への相談料
- 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
- 相談方法:来所相談のほか、オンライン相談、電話相談が可能
- クレーム対応代行費用:着手金15万円+税程度~
※各種弁護士費用保険の利用も可能です。
(3)顧問弁護士サービス
咲くやこの花法律事務所では、いつでも気軽に弁護士に相談ができる体制をつくるための顧問弁護士サービスをご用意しています。
顧問弁護士サービスを契約していただくと、日々、社長はもちろん、スタッフからも、クレームについての対処方法を顧問弁護士に電話で直接ご相談いただくことが可能です。また、契約書のチェック、労務問題などクレーマー対応以外のご相談も可能です。
顧問弁護士への相談によりクレーム対応にあたるスタッフの精神的な負担を大きく軽減することが可能になり、スタッフの定着、離職の防止につながります。また、クレーム対応マニュアルの整備など、日ごろのクレーム対応についてのバックアップ体制の整備も顧問弁護士のサポートを受けながら行うことができます。
咲くやこの花法律事務所のクレーム問題に強い弁護士の顧問契約費用例
- 月額顧問料:月5万円+税(スタンダードプラン)
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスについては、以下で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
(4)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法
クレーマー対応に関する相談は、下記から気軽にお問い合わせください。お問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
【お問い合わせについて】
※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。
8,まとめ
この記事では、クレーマー対応について、間違ったクレーマー対応の典型例や正しいクレーマー対応のポイント等を解説しました。
クレーマー対応とは、明らかに理不尽な要求や過剰な要求をしてくる人に対して、要求を断り、自社や従業員を守るための行動をとることです。クレーム対応の最終的なゴールが「お客様からの納得と信頼回復を得ること」であるのに対し、クレーマー対応においては「理不尽な要求を断り諦めさせること」がゴールになります。
クレーマー対応の基本的な対応手順は、①クレームの内容を確認し、正当なクレームかそうでないかを判断する、②対応方針を決める、③方針に従い対応するという流れです。
理不尽なクレーマーに対応する際は、以下の8つのポイントを踏まえた対応を取ることが必要です。
- (1)理不尽な要求を断りあきらめさせる
- (2)要求内容を確認し、勇気をもって断る
- (3)「お客様」から「対等・公平」の関係に切り替える
- (4)落ち度がある場合も言いなりにならない
- (5)法律上の義務の範囲を正しく理解する
- (6)理不尽なクレームへの対応方針を社内で明確にする
- (7)弁護士に相談しながら対応する
- (8)自社で対応できないときは弁護士に依頼する
また、電話やメールでクレーマーの対応をする場合、クレーマーが執拗に電話やメールを繰り返すようなケースでは、「すでにご説明した通りご要望には応じられません。」などと伝えて、それ以上の対応を断ることが必要です。
そして、理不尽なクレーマーへの対応については、弁護士が介入することで、円満に解決することが可能です。悪質なクレームでお困りの事業者様は、トラブルが複雑になってしまう前に、早い段階で弁護士にご相談ください。咲くやこの花法律事務所でも事業者側の立場に立ってご相談をお受けしていますのでご利用ください。
9,【関連】クレーマー対応に関するその他のお役立ち記事
この記事では、「クレーマー対応8つのポイントとは?理不尽なクレームを解決」などについて詳しく解説しました。理不尽なクレームや悪質なクレーマーに関するトラブル発生時の対応については、その他にも知っておくべき情報が幅広くあり、正しい知識を理解しておかなければ、要求がどんどんエスカレートしたりなど、被害が拡大してしまうリスクがあります。
以下ではこの記事に関連するクレームやクレーマー対応に関するお役立ち記事を一覧でご紹介しますので、こちらもご参照ください。
・クレーム対応とは?正しい対応方法や手順、ケース別に重要ポイントを解説
・自社に非がない場合のクレーム対応の重要ポイントと対応例文について
・カスハラ(カスタマーハラスメント)にあたる暴言とは?具体例と対策を解説
・カスハラの加害者を訴えるには?民事と刑事の方法や手順を詳しく解説
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記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2026年3月22日
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