こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
従業員同士の仲が悪く、いざこざが絶えなかったり、嫌がらせや喧嘩が多いということで悩む会社からご相談をいただくケースは少なくありません。職場内の不仲やいざこざは、退職者が出る原因になるうえ、会社としての競争力の低下につながります。また、法的にも、会社の職場環境調整義務、職場環境配慮義務、使用者責任等が問われることがあります。
そのため、職場内の従業員同士のいざこざや喧嘩のトラブル、仲が悪いなどの問題については、会社としても放置したり、問題を先送りしたりせず、正しい対応方法を理解した上で、すぐに問題解決に向けて行動していくことが重要なのです。
会社として上手に人間関係を調整できればベストですが、それができない場合は、部署や勤務場所を分けるなどして、両者を隔離することが必要です。小さな職場であるなどの事情で、隔離も難しい場合は、仲が悪い当事者のうちどちらか一方が退職するまで問題が解決しない例も少なくありません。
以下では、社員同士のいざこざや喧嘩、不仲等の問題について、会社としてとるべき対応をご説明します。また、記事の最後で筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所による企業向けサポート内容もご紹介します。それでは見ていきましょう。
※この記事では、いざこざを起こしている社員同士に明確な上下関係がないケースについて解説します。上司・部下の関係など、職場での上下関係があり、パワハラが問題となる場合の対策については以下の記事をご参照ください。
いざこざや喧嘩で周囲とトラブルが続く従業員について解雇を検討しなければならない場面もあります。しかし、こういった事例で、解雇が紛争化した場合、裁判所で解雇が無効であると判断されて事業者が敗訴し、多額の支払いを命じられる例が少なくありません。
解雇の判断は特に慎重に行う必要があります。必ず事前に弁護士に相談し、適切な手順を踏んでください。必要に応じて解雇ではなく退職勧奨により問題を解決することも検討すべきです。
筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所でもご相談をお受けしていますのでご利用ください。
▶参考事例:咲くやこの花法律事務所の解決事例の1つを以下でご紹介していますのでご参照ください。
・社内で暴力をふるう社員について弁護士が調査して暴力行為を認定して退職させた解決事例
▶参考情報:また、裁判所で解雇が無効と判断されたらどうなるのかについてや、問題のある従業員の対応については、以下の記事などで具体的に解説していますので、あわせてご参照ください。
▼【関連動画】西川弁護士が「社員同士のいざこざ・喧嘩の対応!解決方法を企業の顧問弁護士が解説」を詳しく解説中!
▼社員同士のいざこざ・喧嘩などのトラブル対応について、弁護士の相談を予約したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。
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今回の記事で書かれている要点(目次)
1,従業員同士のトラブルのよくある例
従業員同士のトラブルについてよくご相談いただく例として以下のものがあります。
(1)パート社員同士のいざこざ
業務の分担や進め方をめぐるトラブル、人間関係のトラブルのほか、勤務シフトをめぐってパート社員同士がトラブルになる例がみられます。
(2)女性社員同士のトラブル
言い方がきつい、業務を教えてくれないといった先輩・後輩間のトラブルのほか、産休や育休、有給休暇の取得などをきっかけに女性社員同士でトラブルになる例があります。
(3)従業員同士で仲が悪い、口喧嘩が絶えない
従業員同士の不仲が原因で協調できずに業務に支障が生じたり、口喧嘩が絶えず職場環境を悪化させる例があります。
令和3年の厚生労働省の調査では、前職から転職した理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」ことをあげた転職者は、男性では8.1パーセント、女性では9.6パーセントとなっています。このように、職場の人間関係のいざこざは、毎年、転職理由の上位となっています。
▶参考データ:転職入職者が前職を辞めた理由別割合
▶参照元:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」(pdf)17ページ
このような結果からもわかるように社員同士のいざこざ、喧嘩、不仲があると、離職者が増え、人手不足に陥ったり、常に採用活動をしなければならない状態になったりすることで、事業にとって大きな支障になります。
2,社員同士の口喧嘩などのいざこざに会社としてどう対応すべきか?
では、社員同士のいざこざが絶えない、口喧嘩が絶えないという場合に会社としてどう対応すべきなのでしょうか。
(1)いざこざや口論が絶えない場合は2人を切り離すことが対応の基本
まず、配置転換や転勤により、いざこざがある2人を切り離すことが対応の基本になります。特に、単に仲が悪いというだけでなく、いじめや嫌がらせを受けているという訴えがある場合やハラスメントを受けているという訴えがある場合は、2人を切り離すことが法的な義務であると判断される例もあります。そのようなケースでは、2人を隔離しなかったことについて会社が損害賠償責任を負担することがあるので注意が必要です。
ただし、配置転換や転勤については裁判例で示されているルールをしっかり理解して行うことが大切です。
▶参考情報:配置転換や転勤のルールについては以下の記事で解説していますのでご参照ください。
(2)上司や経営者が人間関係を調整する
会社の規模が小さかったり、仲が悪い従業員同士の職種が同じでどうしても一緒に働く必要がある場合などは、2人を隔離することが難しいこともあります。そのような場合は、上司や経営者が人間関係を調整するほかありません。
それぞれの従業員について個別面談で話をききながら、職場という場所では、仲が悪い社員同士もお互いに自己主張や感情的な言動、攻撃的な言動を控え、効率的な業務遂行という共通の目的に向かって取り組む必要があることを粘り強く話していくことになります。
また、業務の進め方や業務の分担でいざこざが生じているケースもあります。そのようなケースでは、上司や経営者が業務の進め方や業務の分担方法を明確に決めることで、いざこざの原因を減らし、仲が悪いながらも業務には支障を生じさせないという状態を作ることを目指しましょう。
(3)先輩格の従業員に後輩を育てる役割を与える
先輩格の従業員が、新人に仕事を教えない、嫌がらせをするといったいざこざも少なくありません。こういったケースでは先輩格の従業員の役割として、「後輩を育てる役割」があることを明確にしていないことが、トラブルの背景になっていることがあります。新人に仕事を教える、新人が働きやすいように声をかける、気遣いをするといったことは、負担と手間がかかることも多く、明確に自分の役割だと定義されない限り、取り組む気になれないという人がいることも無理のないことです。
先輩格の従業員に対して、後輩を育てる役割があることを明確にし、できればそれについて手当を支給し、後輩の成長と定着についての目標を与えることが問題の解決につながる例があります。また、新人の定着は成功・新人の離職は失敗であり、先輩格の従業員はそれにより評価されることを伝えることが解決のきっかけとなることもあります。
(4)解雇や退職勧奨も検討する
冒頭でもご説明した通り、社員同士のいざこざや不仲、口喧嘩といったトラブルは、どちらか一方が退職しない限り解決しないことも少なくありません。その意味では、協調性がないことを理由に解雇することを検討しなければならない場面もあります。ただし、協調性がないことを理由とする解雇は容易には認められません。
協調性欠如を理由とする解雇を検討する場面では、「①協調性欠如を示す言動について証拠が確保できているか、②改善のない場合の解雇の可能性を明示したうえでの改善の指導をしたか、③協調性の欠如の程度が他の従業員との協働が困難になり業務に支障を生じさせる程度のものか、④解雇前に軽い懲戒処分をして改善の機会を与えたか」等の点がポイントになります。
▶参考情報:協調性がないことが解雇理由になるケースについては以下で詳しくご説明していますのでご参照ください。
解雇は紛争化するリスクも高いため、話し合いにより合意で雇用を終了する退職勧奨による解決も検討すべきです。
▶参考情報:解雇や退職勧奨については以下でご説明していますのでご参照ください。
咲くやこの花法律事務所でも、社員同士のいざこざや不仲、口喧嘩といったトラブルを解決するための本人に対する指導、懲戒処分、解雇、退職勧奨等を企業側の立場でサポートしていますのでご相談ください。
3,会社が責任を負う場合は?職場環境配慮義務と使用者責任について
ここまでご説明してきた社員同士のいざこざや不仲は基本的には、従業員同士の問題であり、それについて会社が法的な責任を負うわけではありません。しかし、単なる不仲にとどまらない、いじめや嫌がらせ、喧嘩等については、使用者は、事実関係を積極的に調査し、速やかに対策を講じる義務が生じるとされる例もあります。このような義務は職場環境配慮義務と呼ばれます。
また、民法715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と定めており、これに基づき、いじめや嫌がらせ、喧嘩等による被害について、会社に損害賠償責任が生じる例もあります。この責任は使用者責任と呼ばれます。
▶参考情報:職場環境配慮義務や使用者責任については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
裁判例において、使用者の職場環境配慮義務の違反や使用者責任が認められた例として以下のものがあります。
(1)仲が悪い2人を分離する義務に違反したとした会社に賠償が命じられた事例
労働契約法5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」として、使用者の従業員に対する安全配慮義務を定めています。この安全配慮義務の内容の1つとして、使用者が従業員に対して職場環境配慮義務を負うとされることがあります。
▶参考情報:安全配慮義務については以下もご参照ください。
アンシス・ジャパン事件(東京地方裁判所判決平成27年3月27日)は、2人で行う作業について、作業者同士のトラブルを放置した会社の責任が認められた事案です。この事案では、2人作業のリーダーに対し、もう一方の作業者が、仕事を割り振られても自分の仕事ではないと言って応じないうえ、リーダーによるパワハラを受けたとして会社のコンプライアンス機関に訴え出るなどのトラブルがありました。会社はパワハラの訴えについて調査してパワハラなしと判断したものの、その後、リーダーからこの作業者とは一緒に作業ができないとして繰り返し体制変更を求められても十分な対応をしませんでした。
この点について、裁判所は、2人体制の業務で他方の作業者からパワハラで訴えられるという出来事は相当強い心理的負荷であるとしたうえで、リーダーがこの作業者と一緒に仕事をするのは精神的にも非常に苦痛である旨を繰り返し訴えているのであるから、会社は、配転等によりリーダーとこの作業者を業務上完全に分離するか、少なくとも業務上の関わりを極力少なくして、このリーダーに業務の負担が偏ることのない体制をとる必要があったと判示しました。そして、会社はこの義務に違反して十分な対応をしなかったとして、慰謝料50万円の支払いを命じられています。この事案は、仲が悪い社員同士のいざこざについて、繰り返し要望を受けたのに、会社が仕事でペアを組む状態を解消せず、2人を分離しなかった点について、会社の義務違反と評価された事例ということができるでしょう。
一方で、他の従業員との不和について使用者が相談を受けたことがあっても、いじめや嫌がらせを受けているといった申告まではなく、また、仲の悪い従業員同士が仕事のペアを組むことがないように配慮していたという事案においては、使用者が「さらに具体的に何らかの調査や指導・監督をすべき義務があったと認めることはできない。」と判示されています(東京地方裁判所判決平成28年11月16日)。
(2)職場内で孤立しないように配慮する義務に違反したとして会社に賠償が命じられた事例
千葉地方裁判所判決令和4年3月29日は、テーマパークを運営する会社において、ショーに出演する有期雇用者がうつ病・過呼吸等の症状のため、配役について希望を言うことが増え、これに同僚らが不満をもち、この従業員が職場内で孤立したと評価された事案です。裁判所はこの事案において、会社は、 「他の出演者に事情を説明するなどして職場の人間関係を調整し、原告が配役について希望を述べることで職場において孤立することがないようにすべき義務を負っていた」と判示しました。そのうえで、会社は、この義務に違反して、「職場環境を調整することがないまま放置し、それによって、原告は、周囲の厳しい目にさらされ、著しい精神的苦痛を被ったと認めることができる」として、この従業員に対する損害賠償を命じています(損害賠償額88万円)。
▶参考情報:千葉地方裁判所判決令和4年3月29日の判決全文は以下をご参照ください。
上記裁判例についてはその後控訴審で結論が変更されたことが報道されています。ただし、上記のように判断する裁判官もいるという意味において、注意を要するといえるでしょう。
(3)業務分担をめぐる認識の齟齬から生じた感情的な対立による暴行について使用者責任を認めた事例
民法715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と定めています。これは使用者責任と呼ばれます。特に従業員間の暴力を伴うトラブルの事案では、会社がこの使用者責任により、被害者に対する損害賠償を命じられる例が見られます。
例えば、東京地方裁判所判決平成22年10月29日は、先輩格の従業員と後輩従業員との間で業務の分担をめぐる認識の齟齬から頭突きなどの暴行事件に発展した事案です。民法上の使用者責任として、会社も加害者と連帯して、暴行により生じた結果について責任を負うとされ、賠償を命じられました。
ただし、この使用者責任は、社内で喧嘩があった場合に、必ず生じるわけではなく、「業務に関連する喧嘩」であることが、使用者責任の発生の要件です。例えば、東京地方裁判所判決平成30年11月1日は、被害社員が使用した傘を加害社員が干しておいたことに対して、被害社員が礼を言わなかったことに端を発して従業員間のトラブルになり暴行が行われた事案について、暴行が事業の執行についてされたものではないとして、会社の責任を否定していています。
4,社員同士の喧嘩で労災は適用される?
では、社員同士の喧嘩により治療が必要になった場合、労災保険は適用されるのでしょうか。
労災保険が適用されるためには、単に仕事がきっかけで負傷等の結果が発生したというだけでは足りず、業務に内在する危険が現実化したことにより、負傷等の結果に至ったことが必要です。
そのため、社員同士の職場内での喧嘩であっても、その内容が、私的なものである場合は、労災保険の適用はありません。業務に関係しない私的なトラブルが喧嘩のきっかけとなっている場合や、職務とは無関係の挑発行為・侮辱的言動等によって喧嘩が生じた場合がこれにあたります。
過去の事例でも、私的な口論から喧嘩に発展して、その中で、転倒して死亡した事故について、業務と関連のない私的行為により生じたものであるとして労災保険の適用を認めなかったものがあります(東京高等裁判所判決昭和54年3月28日)。
一方、喧嘩が業務にかかわるものである場合は、労災保険の適用が肯定されることがあります。作業指示に立腹した従業員から暴行を受けたという事案について、加害従業員に対する指揮監督が被害従業員の職務であったことや、被害従業員がことさらに加害従業員を挑発したり侮辱したりといったことがなかったことを踏まえると、私的な怨恨や職務と無関係の挑発行為・侮辱行為による喧嘩とはいえないとして、労災保険の適用を認めた例があります(新潟地方裁判所判決平成15年7月25日)。
▶参考情報:なお、労災についての詳しい解説は以下をご参照ください。
5,人間関係が悪い職場の特徴
最後に人間関係が悪くなりやすい職場の特徴についてもご紹介しておきたいと思います。
(1)コミュニケーションの足りない職場
日頃からコミュニケーションがとれている相手であれば大きなストレスに感じないような出来事も、コミュニケーションのない相手にされると、大きなストレス、いざこざに発展するというのはよくあることです。従業員同士のコミュニケーションの足りない職場は、人間関係が悪くなりやすい傾向にあります。
また、従業員と管理者・経営者との上下のコミュニケーションも重要です。毎月の従業員面談や1on1ミーティングなどで上下のコミュニケーションがしっかりとれている職場は、従業員のいざこざや不仲を小さな段階で発見することができ、大きな問題になる前に手を打つことができます。
(2)評価制度がない職場
職場の人間関係を良好に保つための手段の1つは、職場における協調性が従業員としての評価の重要な要素になることを伝えていくことです。他の従業員と協調できない従業員については、それが低評価につながることを認識させる必要があります。また、評価制度を整備することは、評価する側と評価される側の上下関係をきっちりと作るということを意味し、従業員間のいざこざを管理者や経営者が調整する場面において、いざこざがある従業員に対して、管理者や経営者による調整に従わせるための背景としても必要なことです。
(3)新入社員教育が体系化されていない職場
新入社員教育の仕組みができていない会社では、さまざまないざこざが発生しやすい傾向にあります。例えば、先輩同士で指導内容が食い違う場合、その先輩間のいざこざに発展したり、指導される新人がそれに巻き込まれるなど、本来の業務ではない、「人間関係」のところで様々なストレスが生じます。
これに対して、業務について基本的なマニュアルが整備されていたり、新人に対する指導役が決まっていたり、新人についての研修プログラムが用意されている会社では、このような問題が生じにくい傾向にあります。
(4)トップの指導力に問題がある職場
トップに指導力がある会社では、従業員間でいざこざを起こして業務に支障を生じさせることは許されないことを皆が当然のこととして理解しています。そのような意識を従業員にもたせるだけの指導力がトップにない会社では、従業員間の人間関係のトラブルが起きやすい傾向にあります。
(5)就業規則が整備されていない職場
職場内のルールが、就業規則等により明確にされていないことも、従業員間のいざこざの原因になります。例えば、妊娠した女性従業員が負担の重い業務を避けようとして周囲の従業員の協力を得られずに孤立してしまったり、育児中の従業員が残業しないことについて周囲の従業員の協力を得られずに人間関係にストレスをかかえる例があります。
このような例では、妊娠した従業員は負担の軽い業務への変更を求める権利があること(労働基準法65条3項)や、育児中の従業員は残業の免除を求める権利があること(育児介護休業法16条の8)を、周囲の従業員が知らないことによって発生しているという側面があります。
このような職場内のルールを就業規則等により明確にすることは、人間関係上のトラブルの予防にもつながります。
(6)採用面接が機能していない職場
採用はトラブルの入り口という側面があり、人間関係上のトラブルを起こしそうな人を採用面接でしっかり見極めて、不採用とすることも、人間関係のよい職場を作るために重要です。採用面接では、能力や経験のみに着目するのではなく、過去の職場で不合理と感じたことがないか、過去の職場で対人関係にストレスを感じたことはないか、過去の職場で自分はどのように評価されていたと思うか、といった質問を投げかけ、それに対する応募者の回答を深掘りしていくことで、応募者が職場内でトラブルを起こす危険がないかどうかを見極めることが必要です。
(7)相談窓口が整備されていない職場
職場内で相談窓口が整備されていることは、人間関係の問題・不仲・口喧嘩等がおきたときに、それを早い段階で把握することにつながります。一方で、相談窓口が整備されていない職場では、管理者や経営者が知らないうちに、人間関係上のトラブルが深刻化しやすい傾向にあります。厚生労働省もいわゆる「パワハラ防止指針」において、「ハラスメントに該当するか否か微妙な場合 であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。例えば、放置すれば就業環境を害するおそれがある場合や、労働者同士のコミュニケーションの希薄化などの職場環境の問題が原因や背景となってパワーハラスメントが生じるおそれがある場合等が考えられる。」としています。
ハラスメント相談窓口を職場内に整備し、必ずしもハラスメントに該当しないような人間関係上の問題についても幅広く相談を受け付けることが、職場内の不協和音の早期発見、早期解決につながります。
▶参考情報:ハラスメント相談窓口については以下もご参照ください。
6,社員同士のいざこざ、喧嘩、不仲のトラブルについて弁護士に相談したい方はこちら
咲くやこの花法律事務所では、社員同士のいざこざや喧嘩、不仲の問題についても、これに悩む事業者から多数のご相談をお受けし、解決してきました。労働問題に強い弁護士が、以下のサポートを提供します。
- 社員同士のいざこざ、喧嘩、不仲のトラブルについての解決方法のご相談
- いわゆる問題社員に対する指導、懲戒、解雇、退職勧奨のご相談・ご依頼
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▶参考情報:問題社員対応に関するサポート内容、弁護士費用例等については以下もご参照ください。
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7,まとめ
今回の記事では、社員同士のいざこざ、喧嘩、仲が悪いといった問題について取り上げました。
ご相談が多い例としては、パート社員同士のいざこざや、女性社員同士のトラブル、その他従業員同士の口喧嘩・不仲で職場環境を悪化させるトラブルなどが見られます。
これらの問題を解決する手段としては、まずは、いざこざが絶えない場合は2人を切り離すことが対応の基本となります。その他、上司や経営者が人間関係を調整したり、先輩格の従業員に後輩を育てる役割を与えることによって、改善に取り組む必要があります。それでも解決できないときは、退職勧奨や解雇も検討すべきでしょう。
さらに、社員同士のいざこざやいじめ、不仲の問題を放置すると、職場環境配慮義務違反や使用者責任を根拠に、会社が損害賠償責任を負う事例もあることをご紹介しました。また、労災認定の場面では、私的な喧嘩にすぎないのか、それとも業務に関連する喧嘩なのかで判断が異なり得ることをご説明しています。
社員同士のいざこざや喧嘩、不仲といった問題も人事労務に強い弁護士のサポートを受けることによって解決可能です。咲くやこの花法律事務所では、これらの問題について多くの事業者からご相談をお受けし、解決してきた実績があります。お困りの際は早めにご相談いただくことをおすすめします。
8,【関連情報】社員同士のトラブルなど問題社員に関する他のお役立ち記事一覧
この記事では、「社員同士のいざこざ、喧嘩、仲が悪い!会社としてどう対応すべき?」についてわかりやすく解説しました。社員同士のいざこざ・喧嘩・仲が悪いなどのトラブルを起こす問題社員対応を検討する場面では、前提として適切な方法で指導等を行っているかをはじめ、いざ辞めてもらいたい時に退職勧奨や解雇ができるかの判断など、幅広い知識を正しく理解しておかなければ重大なトラブルに発展してしまいます。以下ではこの記事に関連する問題社員対応に関するお役立ち記事を一覧でご紹介しますので、こちらもご参照ください。
・企業が弁護士に退職勧奨を相談すべき4つの理由とサポート内容や費用について
・モンスター社員のわがままの野放しは厳禁!問題社員の放置をしてはならない理由とは?
記事作成弁護士:西川 暢春
記事更新日:2024年11月1日
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