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労災(労働災害)とは?わかりやすい解説まとめ

労災(労働災害)とは?わかりやすく解説【まとめ】
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
  • この記事を書いた弁護士

    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

労災について以下のような悩みを抱えていませんか?

  • 労災保険制度について知りたい
  • 労災保険の補償内容について知りたい
  • 労災の申請方法を知りたい
  • どのような場合に労災と認められるのか認定基準を知りたい
  • 自社で労災が発生した場合に会社としてどう対応すべきかを知りたい

 

労災という言葉は知っているけど実際どういうものなのかいまいちわからない、どんな手続きが必要なのか知らないという方も少なくないのではないかと思います。

労災とは「労働災害」の略です。労働者が仕事や通勤が原因で、負傷したり、病気になったり、亡くなったりすることをいいます。労災が発生した場合、労働者は労災保険から補償を受けることができます。

一方、会社には、従業員が労災申請をする際の「手助け」と「証明」をすることが法律で義務付けられています。また、労災事故が発生したにも関わらず、労働基準監督署長への報告を怠ると、労災隠しとして処罰される可能性もあります。このような事態を防ぐためにも、労災が発生した時の正しい対応方法を知っておくことが重要です。

この記事では、労災の定義や労災保険の補償内容、申請方法などについてわかりやすく説明します。

労災はどんな企業でも発生する可能性があります。労働災害が発生した時に、どのような手続きが必要なのか、どのように対応するべきか知っておくことは企業経営において必要不可欠です。

いざ労災が起きてしまった時に慌てないためにも、ぜひこの記事を読んで、労災に関する知識を身につけていただければと思います。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

咲くやこの花法律事務所では、労災(労働災害)について、企業側の立場でのご相談を承っています。

労災の申請や会社の責任あるいは自宅療養期間中の賃金について、従業員と会社の間で意見の食い違いが生じる場面は、その後労使紛争に発展する危険があり、早期に弁護士に相談することが必要になります。

特に従業員から労災申請の希望が出てきた最初の段階や会社としての補償を求められた最初の段階で会社側の対応を誤ってしまうと、不信感から紛争が長期化するケースが多いです。労使間でトラブルになりやすい場面ですので、誤った対応をしないように、自社の判断で対応するのではなく、早い段階で弁護士に相談していただくことをおすすめします。

労災に強い弁護士にトラブル解決を依頼するメリットと費用の目安については以下をご参照ください。

 

▶参考情報:労災に強い弁護士にトラブル解決を依頼するメリットと費用の目安

 

労災トラブルに関する咲くやこの花法律事務所の解決実績の1つを以下で紹介していますのでご参照ください。

 

▶参考情報:労災事故の後遺障害の認定結果を覆し、請求約1930万円を1/7以下に減額した解決事例

 

▼労災(労働災害)に関して今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

 

1,労災(労働災害)とは?

労災(労働災害)とは?

労災とは「労働災害」の略です。労働者が仕事や通勤が原因で、負傷したり、病気になったり、亡くなったりすることをいいます。事故による身体的な怪我だけでなく、長時間労働やパワハラによる精神疾患、熱中症、長時間労働による過労死なども労災の1種です。労災が発生した場合、労働者は労災保険から補償を受けることができます。

労災(労働災害)には2つの種類があり、仕事が原因のものは業務災害、通勤が原因のものは通勤災害です。

 

(1)業務災害

労働者が、業務が原因で、負傷したり、病気になったり、亡くなったりすることを「業務災害」といいます。

仕事中に機械に巻き込まれて怪我をしたり、高所での作業中に転落したりする等の事例があります。

業務災害と認定されるためには、業務との間に相当因果関係があることが必要です。業務との因果関係は「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの要素で判断されます。

 

1,業務遂行性

業務遂行性とは、「負傷や死亡等が業務中に発生したものであること」です。

業務中とは、労働者が労働契約に基づいて事業者の支配・管理下にある状態のことをいいます。

 

2,業務起因性

業務起因性とは、「負傷や死亡等が業務が原因となって発生したものであること」をいいます。

 

この点についての詳しい判断基準については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

 

(2)通勤災害

労働者が、通勤が原因で、傷害を負ったり、亡くなったりすることを「通勤災害」といいます。

典型的な事例は、通勤中に交通事故に遭うケースです。

会社に届け出ているものとは違う通勤経路や通勤方法であっても、その経路や方法が、労働者が用いるものとして合理的であれば、労災保険上の通勤と認められます。

ただし、仕事と関係のない目的で通勤経路から外れて負傷をした場合等は、原則として労災保険の補償の対象になりません。

 

2,労災保険とは?

労災保険とは、仕事や通勤によって労働者が負傷したり、病気になったり、死亡したりした場合に、労働者やその遺族に対して、国が保険給付を行う制度です。

労働保険と混同されることがありますが、労働保険は労災保険と雇用保険の総称です。

 

(1)労災保険の加入条件

従業員を1人でも雇っている事業主は、労災保険に加入する義務があります。

農林水産業等の一部の事業では任意加入とされていますが(暫定任意適用事業場といいます)、ほとんどの事業で加入が義務づけられています。

 

(2)パートやアルバイトを含むすべての労働者が対象

雇用形態にかかわらず、パートやアルバイト、契約社員、派遣社員、日雇い労働者等のすべての労働者が労災保険の加入対象者です。

労災保険には年齢制限はないため、未成年者や65歳以上の高齢者も対象となります。

 

(3)労災保険料は全額事業主の負担

労災保険の保険料は、全額事業主が負担することになっています。

労働者が保険料を負担することはありません。

 

(4)事業主が未加入でも労災保険が使える

事業主が加入手続きをしていなかった場合や、労災保険料を滞納していた場合でも、労働者は、労災保険から補償を受けることが可能です。

ただし、事業主は、「追徴金の徴収」や「労災保険給付額の全額または一部の徴収」といったペナルティを科せられることになります。

 

(5)労災保険の特別加入制度とは?

労災保険の保険給付の対象となるのは、事業主に雇われた労働者であり、個人事業主や経営者は労災保険の対象にはなりません。

ただし、労働者以外でも例外的に、一定の条件を満たすことで労災保険に加入することができる制度があります。それが労災保険の特別加入制度です。

以下のような方が特別加入制度の対象者になります。

 

  • 中小企業の経営者
  • 中小企業の役員
  • 一人親方
  • 個人事業主
  • 農業従事者

 

労災保険への特別加入の申請書等の様式ダウンロードについては、以下をご参照ください。

 

 

(6)労災保険と健康保険の違い

労災保険は仕事や通勤が原因のけがや病気等が補償の対象です。それに対して、健康保険は業務外のけがや病気等が補償の対象です。

補償の対象が異なるため、労災保険と健康保険を併用することはできません。

 

1,健康保険を使ってしまった場合は?

仕事や通勤が原因のけがや病気の治療に健康保険を使うことはできないので、健康保険証を使ってしまった場合は、労災保険への切り替え手続きをする必要があります。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

労災保険の補償対象は人身損害のみです。単独事故でけがをした場合も労災保険による補償の対象になりますが、怪我のない物損事故の場合は労災保険では補償されません。

 

3,労災保険料について

労災保険の保険料率

労災保険料とは、企業が日頃から国に対して支払う保険料を言い、これが労災が発生したときに労働者に支給される補償の原資になります。

労災保険料は、企業が労働者に支払う賃金総額と厚生労働省が定める保険料率によって計算されます。

 

(1)労災保険料の計算式

労災保険料は、以下の通り事業主が支払った前年度の賃金総額に、労災保険料率を掛けて計算します。

 

労災保険料 = 賃金総額(前年度に全従業員に支払った賃金の総額)☓ 保険料率(事業ごとに定められた率)

 

わかりやすく計算式を以下で図にしてみました。

 

▶参考:労災保険料の計算式の図

労災保険料の計算式

(2)事業ごとの労災保険料率

労災保険の保険料率は業種によって異なり、労災(労働災害)が発生するリスクが高い業種ほど、保険料率が高く設定されています。

 

 

(3)労災保険料のメリット制とは?

通常、保険料率は事業ごとに一定の利率が決まっていますが、労災事故の発生件数に応じて保険料率を上下させる制度があります。これを労災保険料のメリット制といいます。

メリット制が適用されると、労災事故の発生件数が多い事業場は保険料が高く、労災事故の発生件数が少ない事業場は保険料が安くなります。

すべての事業場が対象となるわけではなく、以下の条件を満たす事業にメリット制が適用されます。

 

  • 1.労災保険に加入してから3年以上経過していること
  • 2.100人以上の労働者を雇用している、または、20人以上100人未満の労働者を雇用していて災害度係数が0.4以上であること

 

2,労災保険とは?」「3,労災保険料について」のそれぞれの段落で説明してきた労災の加入条件や保険料についてなど、労災保険制度の全般的な知識については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。

 

 

4,労災保険の補償の種類と金額

次に、労災保険の補償内容や、いくらもらえるのかについてご説明します。

 

(1)療養補償給付

療養補償給付は、仕事や通勤が原因のけがや病気で入院や通院が必要になった時に受けることができる補償です。

けがや病気が治ゆ(症状固定)するまでの治療費や薬代等が給付されます。一定の要件を満たせば通院にかかる交通費の給付も受けることができます。

 

▶参考:労災の療養補償給付については以下で解説していますのでご参照ください。

労災の療養補償給付とは?給付内容や申請の流れ、請求書について解説

 

(2)休業補償給付

休業補償給付は、仕事や通勤が原因のけがや病気で働くことができなくなった時に受けることができる補償です。

特別支給金とあわせて、休業4日目以降、1日につき平均賃金の80%が給付されます。

休業補償給付については、「12,休業補償の給付期間や計算方法」でも解説していますのであわせてご覧ください。

 

(3)障害補償給付

障害補償給付は、けがや病気が治ゆ(症状固定)した後も、身体に一定の障害が残っている場合に受けることができる補償です。

障害の程度に応じて1級から14級までの等級が定められており、等級ごとに給付金額が決められています。

障害補償給付については、「13,労災(労働災害)による後遺障害の等級や金額」でも解説していますのであわせてご覧ください。

 

(4)遺族補償給付

仕事や通勤が原因で労働者が亡くなった場合に、労働者の遺族が受けることができる補償です。

亡くなった労働者との生計維持関係の有無や続柄、遺族の数等によって給付金額が決められています。

受給権者である間は継続的に受け取ることができる遺族補償年金と、一度だけ受け取ることができる一時金の2種類があります。

遺族補償給付についての詳細は、この段落の最後に記載の「▶参考情報:労災の補償制度とは?補償内容や金額、支払われる期間を詳しく解説」で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

 

(5)介護補償給付

障害補償給付または傷病補償年金の1級または2級に該当する重い後遺障害があり、介護を受ける必要がある場合に受けることができる補償です。

支給額は、常時介護の場合は「月額73,090~171,650円」、随時介護の場合は「月額36,500~85,780円」です(令和4年3月1日時点)。

介護保障給付についての詳細は、この段落の最後に記載の「▶参考情報:労災の補償制度とは?補償内容や金額、支払われる期間を詳しく解説」で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

 

(6)傷病補償年金

治療開始後1年6ヶ月を経過しても治ゆ(症状固定)せず、重い症状が残っている場合に受けることができる補償です。

症状の程度に応じて1級から3級までの等級が定められており、等級ごとに給付金額が決められています。

傷病補償年金についての詳細は、この段落の最後に記載の「▶参考情報:労災の補償制度とは?補償内容や金額、支払われる期間を詳しく解説」で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

 

(7)葬祭料等給付

仕事や通勤が原因で労働者が亡くなり、遺族または会社が葬祭を行った場合に給付されます。

支給額は「315,000円+給付基礎日額の30日分」または「給付基礎日額の60日分」のいずれか高い方が支給されます。

 

(8)アフターケア制度

対象となる20の傷病について、傷病が治ゆ(症状固定)した後も、再発を予防したり、後遺障害にともなう新たな病気を防ぐための診察や検査等を無料で受けることができる制度です。

アフターケア制度の手続きや申請書の記載例についての詳細は以下をご参照ください。

 

 

(9)特別支給金

特別支給金とは、労働者の社会復帰の促進を目的として、保険給付に上乗せして支給されるものです(労働災害補償法保険法29条)。

例えば、休業補償給付の場合、1日あたり平均賃金の80%が給付されますが、このうち60%が保険給付で、20%が特別支給金です。

労災の補償内容や金額等については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

 

5,労災(労働災害)の認定基準について

労災(労働災害)の認定基準について

労災保険から給付を受けるためには、国が定める労災(労働災害)の基準を満たしている必要があります。

ここからは病気や怪我の種類ごとに労災の認定基準について解説します。

 

(1)怪我や死亡の場合

労災事故による怪我や死亡の場合は、「負傷や死亡が業務中に発生したもの(業務遂行性)であり、かつ、業務が原因となって発生したもの(業務起因性)」であれば、原則として労災(労働災害)に認定されます。

労災事故による怪我や死亡については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

(2)うつ病や精神疾患の場合

精神疾患での労災申請で特に多いのは、パワハラや長時間労働が原因でうつ病などの精神疾患を発症するケースです。

うつ病や適応障害といった精神疾患については、以下の3つの要件を満たす場合に労災が認定されます。

 

  • 要件1:発症前おおむね6か月以内に業務による強いストレスを受けたこと
  • 要件2:うつ病やストレス反応など労災認定の対象となる精神疾患と診断されたこと
  • 要件3:業務外のストレスや個体側要因により発症したとはいえないこと

 

精神疾患やうつ病の労災(労働災害)については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

また、精神疾患での労災申請で特に多いパワハラを原因とする労災認定については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご参照ください。

 

 

(3)腰痛の場合

労災(労働災害)の認定基準では、腰痛を以下の2つの種類にわけて認定の要件を定めています。

 

1,突発的で急激な強い力が原因となって生じた腰痛

以下の2つの要件を満たす場合に労災が認定されます。

 

  • 要件1:原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること
  • 要件2:腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること

 

2,日々の業務による腰への負荷が徐々に作用して発症した腰痛

突発的な出来事が原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など腰に過度の負担のかかる仕事に従事する労働者に発症した腰痛で、作業の状態や作業期間などからみて、仕事が原因で発症したと認められるもの

なお、いわゆるぎっくり腰は、日常的な動作のなかで生じるため、たとえ仕事中に発症しても、原則として、労災補償の対象にはなりません。

 

腰痛における労災については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

(4)脳・心臓疾患の場合

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血等の脳疾患や、心筋梗塞、狭心症等の心臓疾患については、発症の原因が、「業務による明らかな過重負荷によるもの」である場合に、労災が認定されます。

「業務による明らかな荷重負荷」とは、以下の3つのケースのことをいいます。

 

  • ケース1:発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす時に過重な業務に就労した場合
  • ケース2:発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労した場合
  • ケース3:発症直前から前日までの間において、精神的または身体的に強い負荷のかかる事態や急激な作業環境の変化等の異常な出来事に遭遇した場合

 

(5)労災が認められない場合

業務や通勤に関連して怪我や病気になっても労災がおりないことがあります。

例えば、以下のようなケースです。

 

  • 自然災害によって被災した場合
  • 故意に災害を発生させた場合
  • 個人的な恨み等によって第三者から暴行を受けて被災した場合
  • 業務中に私用や業務とは無関係な行為をしたことによって事故が発生した場合
  • 休憩時間中や忘年会等で発生した場合
  • 通勤途中に私用で寄り道をした時に発生した場合

 

労災保険は業務上のケガや病気を対象にしていますが、上記のようなケースは、労災保険が定める「業務上」の定義にあてはまらないため、労災とは認められないのです。

また、通勤の途中に寄り道をした後は、「通勤」とは認められないのが原則です。

労災が認定されなかった場合は、労災保険からの給付を受けることができないため、医療費は労働者が負担することになります。

労災の認定基準については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

 

6,労災の申請手続きの流れ

労災保険から補償を受けるためには、労災保険への請求手続きが必要です。

ここからは、労災の申請手続きの方法について解説します。

 

(1)労災保険への申請方法

労災保険の補償にはいくつかの種類があり、一度の申請ですべての補償を受けられるわけではありません。

請求する補償ごとに所定の様式の請求書を作成し、労働基準監督署長に提出をする必要があります。

請求する補償の内容によって異なりますが、おおまかな流れは以下のとおりです。

 

1,申請の主な流れ

 

  • (1)保険給付の請求書を作成する(事業主や医師の証明が必要)
  • (2)労働基準監督署長に請求書を提出する
  • (3)労働基準監督署で調査が行われる
  • (4)保険給付の支給または不支給の決定

 

請求書を労働基準監督書へ提出した後、保険給付が決定するまでの期間は以下のとおりです。

 

  • 療養補償給付と休業補償給付の場合:おおむね1ヶ月
  • 障害補償給付の場合:おおむね3ヶ月
  • 遺族補償給付の場合:おおむね4ヵ月

 

労災の申請の手続きについては以下で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

(2)労災は後から申請できる

労災なのに健康保険を使ってしまった場合や申請を忘れていた場合でも、後から労災を申請することが可能です。また、退職後でも労災を申請することができます。

ただし、労災保険給付の申請には期限(時効)があるので注意が必要です。

時効は、請求する給付によって異なりますが、一部をご紹介すると以下のとおりです。

 

▶参考:労災保険給付の種類別の時効一覧

給付の種類 時効
療養補償給付(治療費等) 費用を支出した日の翌日から2年
休業補償給付 賃金が支払われない日の翌日から2年
障害補償給付 傷病が治ゆ(症状固定)した日の翌日から5年
遺族補償給付 労働者が亡くなった日の翌日から5年

 

(3)不支給の場合は審査請求ができる

労災の請求をして不支給となった場合や、給付の内容に不服がある場合は、不服申し立て(審査請求)をすることができます。

審査請求ができるのは、決定があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内です。

審査請求書の提出先は、決定を行った労働基準監督署を管轄する都道府県労働局の労働者災害補償保険審査官です。

手続きは書面または口頭で行います。

審査請求に必要な審査請求書の用紙は、労働基準監督署や労働局、または厚生労働省のホームページからもダウンロードすることができます。

 

 

また、労災の審査請求については以下を参照してください。

 

▶参考:労働保険審査制度の仕組み

労働保険審査制度の仕組み

・引用元:厚生労働省「労働保険審査制度の仕組み」

 

7,労災請求の必要書類と様式

労災請求の必要書類と様式

次に、労災保険への請求の際に必要な書類や請求書の様式についてご説明します。

労災の申請に必要な書類には以下のようなものがあります。

 

▶労災給付の種類別の請求書類と様式一覧

労災給付の種類別の請求書類と様式一覧

 

状況によって上記以外の書類が必要となる場合がありますので、申請する前に、管轄の労働基準監督署へ確認されることをおすすめします。

労災指定病院受診の場合の療養補償給付請求書(様式第5号)の書き方や、休業補償給付の請求書(様式第8号)の書き方など、労災申請に必要な書類の書き方や記入例については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

 

 

申請に必要な請求書等の様式は、以下の厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。

 

 

8,申請に診断書が必要なケース

申請に診断書が必要なケース

以下の給付を請求する時は、請求書に医師の診断書を添付する必要があります。

 

  • 障害(補償)給付
  • 遺族(補償)給付
  • 介護(補償)給付
  • 療養(補償)給付(はり・きゅう、マッサージの施術を受けた場合)

 

なお、休業補償給付、療養補償給付(治療費等)については、診断書は必要ありませんが、給付請求書に医師の証明をしてもらう必要があります。

 

9,労災病院とは?

労災病院とは?

労災病院とは、厚生労働省が管轄する「独立行政法人労働者健康福祉機構」が設置・運営する病院で、全国に32施設あります。

労災指定病院とは、医療機関側の申請によって、都道府県の労働局が指定する医療機関のことで、正式名称は「労災保険指定医療機関」です。

労災病院や労災指定病院の大きな特徴は、仕事や通勤が原因でけがや病気になった場合に、自費負担なしで治療を受けることができることです。

労災保険から病院へ直接治療費が支払われるので、労働者は、窓口で治療費を支払う必要がありません。

一方で、労災指定病院以外で治療を受けた場合は、一旦病院の窓口で治療費を支払い、後日労災保険に立て替えた治療費を請求することになります。

労災病院、労災指定病院の探し方や労災病院に関する全般的な基礎知識については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

労災指定病院以外を受診した場合の療養補償給付請求書(様式第7号)や、労災病院を指定する際や変更する際の指定病院等(変更)届(様式第6号)の記入例については、以下の厚生労働省のパンフレットをご参照ください。

 

▶参考情報:厚生労働省「療養(補償)給付の請求手続」(pdf)

 

10,労災事故が発生した場合の会社の対応

労災事故が発生した場合に会社がやるべきことは、大きく分けると以下の3つの対応です。

 

  • 1.労働基準監督署や警察への対応
  • 2.被災した労働者や遺族への対応
  • 3.労災申請への対応

 

(1)労働基準監督署や警察への対応

死傷者が3人以上でるような重大な事故等の場合は、労働基準監督署や警察の現場検証や事情聴取等の調査が行われることがあります。

また、従業員が労災を申請した場合は、労働基準監督署が労災認定のための調査を行うことがあります。

労災事故によって労働者が死亡または休業した場合は、労働基準監督署長への届出(報告)が義務付けられていますので、忘れず報告するようにしましょう。

労基署からの聞き取り調査への対応については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

(2)被災した労働者や遺族への対応

労災事故が発生した場合に、何よりも優先するべきことは、被災者の救護です。

二次災害に注意し、速やかに救助活動や、消防・救急への連絡、被災者の搬送等を行いましょう。

事故の発生に関して会社に落ち度がある場合は、被災した労働者やその遺族から損害賠償を請求される可能性もあります。

以下では労災事故や死亡事故が発生した場合の対応について解説していますのでご参照ください。

 

 

(3)労災申請への対応

従業員が労災保険から補償を受けるためには、労災申請の手続きが必要になります。

会社には、「従業員が労災申請をする際の手助け」と「申請書の事業主証明欄への記入」をすることが法律で義務付けられています。

そのため、従業員から労災保険への請求をしたい旨の申し出があった場合、会社は従業員の労災申請に協力することが原則となります。ただし、会社として本当に労災なのかどうか疑問がある場合の対応は注意が必要です。

その場合は安易な事業主証明欄への記入はするべきではなく、会社としての見解を労働基準監督署長に伝えて、労働基準監督署による誤った労災認定がされないように活動していくことが必要です。

労災申請があった場合の会社の対応の注意点については、以下で解説していますのでご参照ください。

 

 

(4)【補足】本人が希望せず申請をしない場合の対応

労災申請の手続きがめんどくさい等の理由で、労働者本人が希望せず労災を申請しようとしないケースがあります。

しかし、本来であれば労災(労働災害)の治療に健康保険は使えないため、労災を申請しない場合、治療費は全額自己負担になります。また、会社が労災(労働災害)について従業員に損害賠償責任を負う場合、従業員が労災から給付を受けていればそれが損害賠償額から差し引かれますが、受けていなければ差し引かれず、結果として会社が負担する賠償額が多額になります。

このように、本人が労災を申請しないことにより会社にもデメリットが生じることがあります。

労災の申請手続きは基本的には労働者本人が行う手続きですが、会社が代理で行うことも可能です。まずは、労災申請をしないことのデメリットを伝えた上で本人に申請手続きをするように促し、それでも本人が申請をしようと希望しない場合は、会社が代理で手続きをすることも方法の1つです。

それでも本人が労災の申請を拒否する場合は、管轄の労働基準監督署へ対応を相談しましょう

また、労災(労働災害)が発生した場合、会社には労働基準監督署への報告義務があるため、本人が申請しないからといって労基署への報告を怠ると、いわゆる「労災隠し」に該当し、罰則を受ける可能性もあります。

労災の申請をするかしないかにかかわらず、労働基準監督署への報告は忘れずに行いましょう。

労災隠しについて罰則の内容などは、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて確認しておきましょう。

 

 

11,会社には労働基準監督署長への報告義務がある

会社には労働基準監督署長への報告義務がある

労災(労働災害)が発生した場合、会社は、労働基準監督署長へ報告することが法律で義務付けられています。

報告書を提出しなかったり、虚偽の届出をしたりすると、いわゆる労災隠しとして刑事罰を受けることがあるので、注意が必要です。

報告の内容については以下の通りです。

 

(1)労働者死傷病報告(労働基準法施行規則第57条、労働安全衛生規則第97条)

業務災害によって従業員が負傷、窒息または急性中毒によって死亡または休業した場合に提出します。

1日も休まなかった場合や、通勤災害の場合は、届出は不要です。

報告が遅れると遅延理由書の提出を求められることもありますので、できるだけ早く届出をしましょう。

 

(2)労災事故報告書(労働安全衛生規則96条)

事業場で火災や爆発、倒壊、破裂等の事故が発生した場合に提出します。

労災の報告についての詳しい内容や報告時の注意点等は以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

 

 

12,労災が認定されるとどうなる?会社への影響やデメリット

次に、労災が認定された場合に会社が受ける影響やデメリットについて説明します。

 

(1)従業員や遺族から損害賠償を請求される可能性がある

労災が認定されたということは、病気や怪我が業務に起因するものであると判断されたということを意味します。

それだけで企業の賠償責任が発生するわけではありませんが、企業の安全配慮義務違反が原因で病気や怪我になった場合は、企業にも損害賠償責任が発生します。

この場合、労災から支給される補償の一部は、企業が負担する損害賠償額から差し引かれることになりますが、慰謝料などは労災から支給されませんので企業が負担する必要があります。

企業が損害賠償を命じられた裁判例は極めて多数に上りますが、例えば以下のような例があります。

倉庫内での作業中に、フォークリフトで押し出されたパレットが従業員の足に接触し、骨折等の傷害を負ったことについて、企業に対し約560万円の支払いが命じられた事例(令和元年12月25日判決東京地方裁判所)

過重労働が原因で従業員が精神疾患を発症し、自殺したことについて、企業に対し約5500万円の支払いが命じられた事例(令和3年6月25日判決札幌地方裁判所)

労災によって会社が負担する慰謝料や損害賠償については以下で解説していますのでご参照ください。

 

 

(2)被災した従業員の解雇が制限される

業務上の病気や怪我で従業員が治療のために休職している期間及びその期間終了後30日間は、原則として、その従業員を解雇することができません(労働基準法第19条)。

ただし、治療開始後3年が経過しても治療が終わらないときは、企業はその従業員の平均賃金の1200日分を支払うことによって、その従業員を解雇することが認められています。これを打切補償といいます。

労災の場合の解雇の制限や打切補償については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

(3)その他の会社のデメリット

その他にも以下のようなデメリットがあります。

 

  • 入札において指名停止処分を受ける可能性がある
  • 行政処分や刑事罰を受ける可能性がある
  • 労災保険料が上がるケースがある
  • 労災事故がニュース等で報道されることによるイメージの低下

 

労災認定によって会社が受ける影響については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

上記では、労災認定されることによるデメリットということで解説しましたが、実際には、従業員からの損害賠償請求の問題や、解雇に対する制限は、従業員が労災保険に給付を請求するかどうかにかかわらず発生する問題です。

 

従業員が労災保険を使用することにより生じるデメリットというわけではありませんので、注意してください。

 

13,休業補償の給付期間や計算方法

休業補償の給付期間や計算方法

労災(労働災害)によるけがや病気によって働くことができなくなった時に、労災保険から支給されるのが休業補償給付です。

労災保険から休業補償給付を受け取るためには、以下の3つの支給要件を満たしている必要があります。

 

  • 1.業務や通勤によるけがや病気で療養中であること
  • 2.働くことができず休業していること
  • 3.会社から賃金が支払われていないこと

 

労災の休業補償給付については以下で解説していますのでご参照ください。

 

 

(1)休業補償はいつまでもらえる?

休業補償は、原則として、けがや病気が治り、仕事ができるようになるまで給付されます。

けがや病気が「治った」状態とは、ひととおりの治療を終えて、症状が安定し、これ以上治療をしてもよくならない状態(症状固定)のことをいいます。

労災の休業補償の給付期間については、以下の記事で詳しく解説していますので参照してください。

 

 

(2)休業補償はいくらもらえる?

休業補償給付は、特別支給金もあわせて、1日あたり平均賃金の80%が支給されます。

ここでいう平均賃金とは、「給付基礎日額」のことで、原則として当該従業員の事故直前3ヶ月間の賃金を暦日数で割ったもののことをいいます。

休業補償が支給されるのは休業4日目以降です。休業の初日から3日目までは、労災保険から休業補償は支給されません。

休業補償給付の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

 

 

(3)休業補償の会社負担分

前述の通り、休業の最初の3日間は、労災からの休業補償給付は支給されません。その期間は、会社の負担で休業補償をすることが義務づけられています(労働基準法76条1項)。

また、4日目以降についても、給与の金額と労災保険からの補償額の差額部分については、会社負担で対応しなければならないケースがあります。

労災の休業補償の会社負担分について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

 

(4)休業補償の待期期間とは?

休業補償給付は、休業4日目から支給されます。

休業開始から最初の3日間のことを「待期期間」といい、この期間は休業補償給付が支給されません。

「待機期間」と記載されることもありますが、「待期期間」が正しい表記です。

待期期間は、連続して3日間休んでいる必要はなく、通算で3日でよいとされています。また、欠勤した日や、公休日、有給休暇を取得した日も待期期間としてカウントします。

業務災害の場合は、待期期間中は、会社が給与の60%の休業補償を行うことが義務付けられています(労働基準法第76条)。

 

(5)休業補償と有給休暇の関係

労災の休業補償給付の対象となる期間について、有給休暇を利用することも可能です。

休業補償給付では、休業特別支給金とあわせて給与のおおむね80%相当額が支給されます。一方、有給休暇では給与の100%が支給されるため、有給使用の方がメリットがあることもあります。

ただし、有給休暇は日数の上限があるため、休業が長引く場合は、有給休暇消化後の休業期間のための休業補償給付の請求が必要になることになります。

 

(6)休業補償給付の手続きは誰がするのか?

労災保険への休業補償の請求手続きは、原則として被災した労働者本人が行う手続きです。

実務上は、会社が手続きをしているケースも数多くありますが、会社はあくまでも手続きを代行している、という立場になります。

ただし、会社には、従業員が労災保険を請求する際に、「手助け」をする義務がありますので、従業員本人と相談した上で、できるかぎり申請に協力することが必要です(労災保険法施行規則第23条1項)。

 

14,労災(労働災害)による後遺障害の等級や金額

労災事故によるけがや病気によって、症状固定後も、身体に一定の後遺障害が残ることがあります。

残ってしまった障害の程度によっては、労災保険から後遺障害についての補償を受けることが出来る場合があります。

後遺障害に対する労災保険の補償を障害補償給付といいます。

 

(1)後遺障害の等級とは?

障害補償給付は、身体に残った障害の程度が、労災保険における障害等級に該当する場合に支給されます。

障害等級は、障害の程度によって「1級~14級」までの14段階に分けられており、数字が小さいほど重い障害が残っているということになります。

各障害等級の認定基準についてはこの段落内で紹介する関連記事「▶参考情報:労災による後遺障害とは?等級認定や金額、手続きなどを解説」をご参照ください。

 

(2)後遺障害の金額

障害補償給付には、年金として継続的に支給される「障害補償年金」と、一度だけ支給される「障害補償一時金」があります。

重い後遺障害ほど補償が手厚くなっており、障害等級1級~7級に認定された場合は障害補償年金が、8級~14級に認定された場合は障害補償一時金が支給されます。

障害補償給付の支給金額は以下の計算式で決定されます。

 

  • 障害補償年金の年金額 = 給付基礎日額 × 等級ごとに定められた日数
  • 障害補償一時金の金額 = 給付基礎日額 × 等級ごとに定められた日数

 

労災の後遺障害の等級や金額については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

 

また、障害補償年金をはじめとする、年金形式の労災給付については、以下で詳しくまとめていますのでご参照ください。

 

 

15,労災保険と傷病手当の関係

傷病手当金とは、健康保険の制度の1つで、業務外のケガや病気で休業し十分な給与が得られない時に受け取ることができる給付です。

労災保険との大きな違いは、労災保険の対象は業務上のケガや病気であり、健康保険の対象は業務外のケガや病気である点です。
それぞれ給付の対象が違うため、基本的には併用することはできません。

なお、健康保険の傷病手当金については、以下で詳しく解説されていますので参考にご覧ください。

 

 

16,労災は使わない方がいい?

従業員から労災申請の申出があった場合に、労災申請を嫌がる会社や労災を認めない会社があります。

会社が労災の申請を嫌がるのは、手続きが面倒、会社としては労災とは思っていない、労災認定を避けたい等の理由が考えられます。

しかし、会社が労災申請を拒否したからといって、労災の申請ができなくなるわけではありません。

事業主の証明がなくても労災の申請書は受理されますし、従業員が労災の申請手続きを弁護士に依頼する、ということも考えられます。

労災の申請を拒否することは、従業員とのトラブルを招く結果となり、会社にとって良い結果をもたらしません。

会社として労災とは考えていないのであれば、労災申請の手続きを拒否するのではなく、従業員の主張する請求内容を把握した上で、労働基準監督署の調査の過程で、会社の意見を伝えていくことが必要です。

労災保険の仕組みとしても、会社側の意見申出制度(労災保険法施行規則23条の2)が設けられており、会社が労災ではないと考える場合は、弁護士に依頼して、会社の立場から、労災には該当しない旨の意見書を、労働基準監督署長に提出していくことが重要です。

 

17,退職すると労災保険からの給付は受けられなくなる?

労災保険の給付を受けられるのは、会社に在籍している間だけではありません。退職後も受け取ることができます。

退職の理由が、自己都合退職か、会社都合退職かで違いはありません。

労災保険を受給できるかどうかは、あくまで労災保険の各給付の受給要件を満たしているかを基準としているので、受給要件を満たしている限りは、退職後であっても、労災保険の給付を受け続けることが可能です。「労災保険法第12条の5第1項」でこの点が定められています。

 

18,労災(労働災害)に関して弁護士に相談したい方はこちら

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

咲くやこの花法律事務所では、企業側の立場から労災トラブルに関するご相談をお受けしています。

労災トラブルの対応を弁護士へ依頼するメリットは、弁護士の専門知識や経験を活かして、リスクを減らしたり、問題が大きくなることを避けることができたり、交渉や訴訟を有利に進めることができる点にあります。

初期対応を誤り、問題がこじれてしまったり、裁判等に発展したりすれば、会社の負担は、労力的にも金銭的にも大きくなります。

問題が発生した時点で弁護士にご相談いただき、専門的なアドバイスを受けながら対応していただくことで、問題をより早く、より有利に解決することにつながります。

 

(1)労災分野における咲くやこの花法律事務所のサポート内容

  • 従業員から労災申請があった場合の対応についての相談
  • 労災申請書類の記載方法や申請手続きに関する相談
  • 従業員や遺族からの損害賠償請求についての相談
  • 労働基準監督署の調査や労災に関連した刑事処分への対応に関する相談

 

(2)弁護士費用

  • 初回相談料:30分5000円+税(顧問弁護士サービスをご契約いただいた場合は無料)

 

また、咲くやこの花法律事務所では、労災トラブルの場面はもちろん、その他の場面においても、企業の労務管理全般をサポートするための、顧問弁護士サービスも提供しております。

トラブルが起こったときの正しい対応、迅速な解決はもちろんのことですが、平時からの労務管理の改善によりトラブルに強い会社を作っていくことがなによりも重要です。

日ごろから顧問弁護士の助言を受けながら、労務管理の改善を進めていきましょう。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご案内は以下をご参照ください。

 

 

(3)「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法

労災など労働問題に関するご相談は、下記から気軽にお問い合わせください。今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

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記事作成弁護士:西川 暢春
記事作成日:2024年10月6日

 

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    著者:弁護士 西川 暢春
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    出版社:株式会社日本法令
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