遅刻常習者に対する制裁、対策について
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遅刻常習者に対する制裁、対策について

2014年11月12日

遅刻が常習化している社員に対して、会社としてはどのような対応ができるでしょうか。

遅刻が多いと、会社は実質的にその従業員を戦力としてとらえることができず、業務に重大な支障が生じます。

また、遅刻常習者に対してなにか制裁を加えなければ、組織としてしめしがつかないということもあります。

企業が遅刻常習者に対して、対応を考える場合に注意しなければならないのは、まず、重要なのは、「放置してはならない」ということです。

裁判例の中には、会社が遅刻に対して十分な注意をせずに放置していたことを理由に、遅刻常習者に対する解雇を不当と判断したものがあります。

注意しなければ放置したと言われてしまうのも疑問ですが、裁判の現実を踏まえて対応していく必要があります。

では、「放置していた」と裁判所から言われないために具体的にどうすればよいかというと、まずは、「遅刻届」の提出を義務付けることです。

「遅刻届」には「遅刻理由」も必ず記載させましょう。

そして、遅刻が続くときは、取締役あるいは本人の上司が本人を個室に呼んで、本人に遅刻が繰り返されていることを指摘して、事情を聴きます。

そのうえで、戒告などの懲戒処分を検討し、本人には始末書の提出を命じます。

このような懲戒手続はおおげさだというように思ってしまい、二の足を踏みがちですが、懲戒処分は、会社が遅刻に対して厳格な態度で臨むという会社の意思表示です。

そして、裁判所は、解雇する前に、解雇より軽い懲戒処分を会社がしていたかを注目しています。

きちんと懲戒処分と始末書を文書で残しておくことが必要です。

遅刻への対応で、次に重要なポイントは、「いきなり解雇してはならない」という点です。

裁判所は本人に反省の機会を与えることなく、解雇したというのを非常に嫌います。

たとえば、神田運送事件という事件で、東京地裁は、1年間に欠勤72日、遅刻早退99回の従業員が解雇された事案で、裁判所は、会社がそれまで欠勤や遅刻早退についてなんらの制裁や警告もしていないのに解雇したことは、「過酷」だとして、不当解雇だとして会社を敗訴させています。

このように、会社は遅刻常習者に対しても、解雇する前にまずは解雇より軽い制裁、警告をして、反省・改善の機会をあたえなければならないとされています。

その意味でも、前述のようにまずは「戒告」などの軽い懲戒処分をし、さらに遅刻が繰り返されるようであれば徐々に懲戒処分を重くし、最終的には解雇するという流れになります。

 

このように、かなり丁寧な対応をしていかなければ、従業員側から不当解雇であるとして訴えられた時に対応に困ることになりますので、注意が必要です。

 

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