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正社員を解雇するには?条件や雇用継続が難しい場合の対応方法を解説

正社員を解雇するには?条件や雇用継続が難しい場合の対応方法を解説
  • 西川 暢春(にしかわ のぶはる)
  • この記事を書いた弁護士

    西川 暢春(にしかわ のぶはる)

    咲くやこの花法律事務所 代表弁護士
  • 出身地:奈良県。出身大学:東京大学法学部。主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。事務所全体で400社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。

問題のある正社員を解雇したいけれども、トラブルになるのが心配でどのように対応すべきかわからないとお困りではないでしょうか。

正社員の解雇については、解雇ができるかどうかの条件や正しい対応方法などをしっかり理解しておく必要があります。

日本では正社員の解雇は難しいと言われていますし、実際にも正社員の解雇は、トラブルが発生しやすい場面です。解雇した従業員から不当解雇であると訴えられ、労働審判や裁判などのトラブルに発展してしまうことも少なくありません。解雇が無効であると判断されると、雇用を継続しなければならないだけでなく、多額の金銭の支払いを命じられることも多くあり、会社にとって非常にリスクが大きいのです。

そこでこの記事では、企業が正社員を解雇するときのルールや条件、解雇の方法についてご説明します。

 

▶参考:なお、解雇についての全般的な解説は以下の参考記事をご参照ください。

解雇とは?わかりやすく弁護士が徹底解説【まとめ】

 

それでは見ていきましょう。

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」
会社を解雇された従業員が、解雇が不当であると主張して会社を訴えることが増えています。不当解雇かどうかは最終的に裁判所が判断しますが、日本では正社員の解雇は簡単には認められません。

問題社員だから当然解雇できるだろうと自己流の判断で解雇してしまうと、後日訴えられて敗訴し、多額の金銭の支払いを命じられることになる恐れがあります。解雇を検討している場合は、事前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

▶参考情報:従業員の解雇について会社が弁護士に相談する必要性と弁護士費用

 

筆者が代表を務める咲くやこの花法律事務所でもご相談をお受けしていますのでご利用ください。

 

▶参考情報:解雇トラブルに関する「咲くやこの花法律事務所の解決実績」はこちらをご覧ください。

 

▼正社員の解雇について今スグ弁護士に相談したい方は、以下よりお気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

※個人の方からの問い合わせは受付しておりませんので、ご了承下さい。

「咲くやこの花法律事務所」のお問い合わせページへ。

 

 

1,正社員を解雇するには?

正社員を解雇するには?

正社員を解雇するには、解雇が法律上できない場合にあたらないかどうかをまず確認したうえで、解雇が解雇権濫用法理により無効とされる場面でないかを検討する必要があります。そのうえで、30日前に解雇を予告するか、30日分の解雇予告手当の支払いが必要になることが原則です。

以下でこれらの点について詳細を見ていきたいと思います。

 

2,法律上解雇できない場合(解雇の制限)について

法律上解雇できない場合(解雇の制限)について

まず、法律上、解雇が禁止されている場面について確認しておきましょう。

正社員の解雇が難しいということがよく言われますが、実は、法律上解雇が禁止されている場面は必ずしも多くありません。

 

(1)労働基準法第19条により解雇が禁止される場合

法律上解雇が禁止される場面の代表例が労働基準法第19条が適用される場合です。労働基準法第19条は、会社が以下の期間に労働者を解雇することを禁止しています。

 

  • 業務上の怪我や病気の治療のために休業する期間とその後30日間
  • 女性社員の産前産後の休業期間とその後30日間

 

この期間中は、従業員に懲戒解雇事由にあたるような重大な非違行為があったとしても、解雇することができません。ただし、以下の場合は解雇制限の例外となり、解雇することができます。

 

  • 業務上の怪我や病気の治療のために休業中の従業員に会社が打切補償を支払った場合
  • 天災等のやむを得ない事情で事業が継続不可能になった場合

 

上記のうち打切補償とは、業務上の怪我や病気で3年以上治療中の従業員に対して、平均賃金の1200日分を会社が支払って補償を終了させる制度のことです。また、やむを得ない事情で事業が継続不可能になった場合については、労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。

 

▶参考:打切補償について詳しい解説は以下の参考記事をご参照ください。

打切補償とは?わかりやすく解説

 

この労働基準法第19条による解雇の禁止は、当然、正社員にも適用されます。

 

▶参考:労働基準法第19条

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によって休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。
② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

・参照元:「労働基準法」の条文はこちら

 

(2)その他法律上解雇が禁止される場合

その他法律上解雇が禁止または制限される主な場合として以下の例があります。

 

  • 妊娠、出産・育児休業・介護休業に関連する解雇の禁止・制限
  • 組合員であることを理由とする解雇の禁止
  • 労働基準監督官等に法違反を申告したことを理由とする解雇の禁止

 

▶参考:これらの解雇制限については以下の参考記事で詳しく説明していますのでご参照ください。

解雇制限とは?法律上のルールについて詳しく解説します

 

3,解雇は禁止されないけれども法律上無効とされる場合が多い

2,法律上解雇できない場合(解雇の制限)について」でご説明した、法律上解雇が禁止される場面にあたらなければ、解雇すること自体が違法であるというわけではありません。ただし、正社員の解雇に関する重要なルールとして、解雇権濫用法理があります。解雇権濫用法理は、解雇自体は違法でないとしても、法律上、解雇の効力が否定される場面があることを定めています。

この解雇権濫用法理は、労働契約法第16条において以下の通り、定められています。

 

▶参考:労働契約法第16条

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

・参照元:「労働契約法」の条文はこちら

 

労働契約法第16条にいう「客観的に合理的な理由」とは、第三者が見ても解雇が妥当だと思えるような理由のことをいいます。他の会社で同じことをしても解雇されるであろうと多数の人が考えるようなケースは、客観的に合理的な理由があるということになります。

次に、労働契約法第16条にいう「社会通念上相当である」かどうかは、世間一般の常識で考えたときに、解雇がその理由に対して重すぎないかどうかという点で判断されます。

たとえば、1日無断欠勤したことを理由にすぐに解雇すると、処分が重すぎて社会通念上相当でないと判断されることがあります。

そして、実際に解雇権の濫用に当たるかどうかについては、個別の事案ごとに検討する必要があります。

日本で正社員の解雇が難しいと言われるのは、解雇自体が法律上禁止される場面でなくても、解雇権濫用法理により、解雇の効力が否定されるケースが多いことが理由になっています。

以下では、「能力不足を理由とする解雇」、「問題行動や勤務態度を理由とする解雇」、「無断欠勤を理由とする解雇」、「経営上の事情による解雇」について、それぞれ正社員を解雇するにはどのようなハードルがあるのかを説明していきたいと思います。

 

4,能力不足を理由とする正社員の解雇が有効と認められるための条件

能力不足を理由とする正社員の解雇についても、前述の解雇権濫用法理が適用されます。

仕事でミスを繰り返す、営業成績が悪い、業務上必要なスキルに達しないなどの能力不足を理由に正社員を解雇する場合、解雇が有効と判断されるためには、通常、まず以下の2点を満たすことが条件となります。

 

  • 会社が十分な指導を行っていること
  • 十分な指導を行っても問題が改善される見込みがないこと

 

また、これらの条件を満たしていても、裁判所に不当解雇と判断されてしまうリスクはあります。できるだけリスクを下げるために、解雇する前に以下の5つのポイントについて確認しておきましょう。

 

  • 1.解雇の理由とした従業員のミスが本人のものであることを立証できるか
  • 2.「従業員の能力不足は会社の教育不足が原因である」と判断されるリスクはないか
  • 3.「待遇改善の要望や労働組合への加入を理由に解雇した」と判断されるリスクはないか
  • 4.「解雇が性急すぎる」と判断されるリスクがないか
  • 5.「解雇の前に配置転換すべきだった」と判断されるリスクがないか

 

能力不足を理由とする正社員の解雇が有効と認められるための条件については、詳しくは以下の参考記事で解説していますので、ご参照ください。

 

 

5,問題行動や勤務態度を理由とする正社員の解雇が有効と認められる条件

問題行動や勤務態度不良を理由とする正社員の解雇についても、解雇権濫用法理が適用され、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、無効とされてしまいます。

勤務態度が悪いことを理由とする正社員の解雇が有効と認められるには、以下の2点を証拠により立証することが条件となっています。

 

  • 従業員の勤務態度に問題があったこと
  • 会社が繰り返し勤務態度の問題を指導したが改善されなかったこと

 

勤務態度が悪くても、それを立証できないと裁判では不当解雇と判断されてしまいます。そのため、問題行動があったときは、その都度、メールや文書などの記録が残る方法で注意指導をしていく必要があります。

また、問題のある従業員と面談を頻繁に行って繰り返し指導し、それでも勤務態度が改善されないときは、解雇の前に戒告や譴責・訓告などの懲戒処分を行うことも重要です。

 

 

勤務態度不良を理由とする正社員の解雇が有効と認められる条件については、詳しくは以下の参考記事で解説していますので、ご参照ください。

 

 

6,無断欠勤を理由とする正社員の解雇が有効と認められる条件

無断欠勤を理由とする正社員の解雇についても、解雇権濫用法理が適用されます。

無断欠勤を理由に正社員を解雇する場合、解雇が有効と認められるには以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 無断欠勤が相当期間(目安として2週間以上)続いていること
  • 無断欠勤の原因が従業員に対するセクハラやパワハラなど職場環境によるものではないこと
  • 無断欠勤の原因が従業員の精神疾患ではないこと
  • 無断欠勤の証拠があること

 

無断欠勤の期間が6日程度で正社員を解雇してしまった場合は、裁判で解雇が無効であると判断されているケースが大半です。2週間以上の長期間休んでいるかどうかが重要になります。

また、無断欠勤している原因が職場でのハラスメントやいじめ等であったり、従業員が精神疾患で出勤できない状態であったりする場合は、解雇は有効と認められません。

また、裁判では無断欠勤をしていたことを会社が立証しなければなりません。出勤簿やタイムカードなどでしっかり労務管理をしておくことも重要です。

無断欠勤を理由に正社員を解雇する時の注意点は以下の参考記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

7,閉店等の経営上の事情による正社員の解雇が有効と認められる条件

閉店や業績悪化など、会社の経営上の事情によって人員を削減するために行う解雇のことを「整理解雇」といいます。正社員の整理解雇についても、解雇権濫用法理が適用されます。

整理解雇の場合、能力不足や無断欠勤などによる解雇とは違って、基本的に解雇される従業員には落ち度がありません。また、正社員については、雇用期間を定めずに定年までの雇用を前提に雇い入れがされています。そのため、裁判で正社員の整理解雇が有効と認められるためには厳しい条件が課されています。

具体的には、以下の4つの要素を考慮して、正社員の整理解雇の有効性が判断されます。

 

  • 経営上、人員削減の必要性があること
  • 解雇以外の経費削減手段を講じて解雇回避努力をしたこと
  • 被解雇者選定の基準が合理的といえること
  • 被解雇者や組合に十分な説明や協議をする等、解雇の手続に相当性があること

 

正社員の整理解雇については、以下の参考記事で各要素の具体的内容について詳しく説明していますのでご参照ください。

 

 

8,その他の解雇が有効と認められる条件

その他にも、よく問題になる解雇理由として、病気やけがによる就業不能、協調性の欠如、転勤の拒否、横領や着服、私生活上の犯罪、セクハラ、パワハラ、機密情報漏洩、会社に対する誹謗中傷、経歴詐称などがあげられます。

これらの解雇理由による正社員の解雇についても解雇権濫用法理が適用されます。以下の参考記事で、解雇理由ごとに、正社員の解雇が有効と判断されるための条件について詳しく解説していますのでご覧ください。

 

 

9,試用期間中の正社員を解雇できるのか?

試用期間は、本採用の前に設けられた正社員としての適性を判断する期間であり、試用期間を経て本採用された正社員よりも緩やかな基準で解雇が認められます。

ただし、試用期間中だからといって、会社の判断で自由に従業員を解雇することはできるわけではありません。基本的には、客観的かつ合理的な理由があり社会通念上相当であると認められなければ、その解雇は不当解雇であると判断されてしまいます。

また、試用期間の途中での解雇は、従業員に対して十分な指導や仕事に慣れるための時間を与えずに解雇したとみなされやすく、不当解雇と判断されるリスクが高くなる傾向にあります。

そのため、よほどの事情がない限りは、試用期間終了後に本採用を拒否する「本採用拒否」の形式を取るべきです。

試用期間中の正社員の解雇については、以下の参考記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

 

 

10,不当解雇と判断されると会社はどうなるのか?

ここまで正社員の解雇についてご説明してきた点をまとめると、法律上解雇が禁止され、違法となる場面は決して多くないものの、解雇権濫用法理により、正社員の解雇が無効と判断される場面は非常に幅広いということになります。

裁判で不当解雇にあたると判断されると、法律上、解雇は無効になります。この「無効」とは「はじめから解雇しなかった」のと同じ扱いです。そのため、解雇が不当解雇であると判断された場合、会社は従業員を復職させ、給与の支払いを再開させなくてはなりません。それだけではなく、解雇した従業員に給与を支払わなかった期間について、さかのぼって給与を支払わなければなりません。これを「バックペイ」と言います。

バックペイの金額は、基本的には「解雇時点における1日あたりの給与額」×「解雇後に給与を支払わなかった期間の日数分」で計算されます。さらにこれに賞与分が加わることもあります。そのため、解雇トラブルの裁判が長引けば長引くほど、バックペイは高額になってしまいます。

日本では解雇トラブルの裁判は1年以上かかることも少なくありません。その場合、不当解雇と判断されると、解雇から従業員を復帰させるまでの賃金をバックペイとして支払うことを命じられるため、その金額が1000万円を超えることも珍しくありません。

 

▶参考:不当解雇やバックペイについては以下の参考記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

不当解雇とは?正当な解雇との違いを事例付きで弁護士が解説

バックペイとは?意味や計算方法、目安となる相場を解説

 

11,正社員を解雇する方法

ここまでご説明してきたように、正社員を解雇する場合、解雇が法律上禁止されている場面ではないかどうか、解雇権濫用法理により不当解雇と判断されないかどうかを検討しなければなりません。

では、これらの点をクリアしたうえで、正社員を解雇する場合、どのような方法があるのでしょうか?

正社員の解雇には、主に「普通解雇」と「懲戒解雇」の2種類があります。

基本的には、従業員の問題行動や就業規則違反に対する制裁として解雇する場合は「懲戒解雇」を、従業員の能力不足や会社の経営状態悪化などを理由に解雇する場合は「普通解雇」を選択します。

 

(1)普通解雇の方法

普通解雇の基本の流れは以下のとおりです。

 

  • 1,解雇の方針を会社の幹部や本人の直属の上司に伝えて共有する。
  • 2,解雇通知書を作成する。
  • 3,解雇する従業員を別室に呼び出して解雇を伝える。

 

▶参考情報:普通解雇に関しては、以下の参考記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

・​​普通解雇とは?わかりやすく徹底解説

 

(2)懲戒解雇の方法

懲戒解雇の場合は、解雇の手続きを始める前に、まず就業規則で以下の点を確認します。

 

  • 解雇理由が就業規則上の懲戒解雇事由に該当するかどうか
  • 懲戒について就業規則上で特別な手続が定められていないかどうか

 

就業規則上の懲戒解雇事由に当てはまらない場合は、懲戒解雇はできません。また、懲戒処分にあたって就業規則上で懲戒委員会の開催等の手続きが定められている場合は、その手続きの通りに進める必要があります。

次に、本人に弁明の機会を与えます。本人に懲戒処分を検討していることを伝えて、言い分を聞いておくことが重要です。その後は、普通解雇と同様の流れになります。

 

▶参考情報:懲戒解雇に関しては、以下の参考記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

懲戒解雇とは?事例をもとに条件や進め方、手続き、注意点などを解説

 

解雇の方法について、より詳しくは以下の記事で解説していますのでご参照ください。

 

 

12,解雇の予告について

解雇にあたっては、解雇の予告義務にも注意する必要があります。

会社が従業員を解雇する場合は、少なくとも30日前に解雇の予告をすることが、労働基準法第20条1項で義務付けられています。解雇の予告をしない場合は、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(労働基準法第20条1項)。

また、解雇予告の日数は、平均賃金を支払った日数分を短縮することもできます(労働基準法第20条2項)。20日分の平均賃金を支払えば、解雇予告をするのは解雇日の10日前で足りるのです。

なお、以下の場合に労働基準監督署長で「解雇予告除外認定」を受けると、解雇予告や解雇予告手当の支払の必要はなくなります(労働基準法第20条1項但書)。

 

  • 天災等のやむを得ない事情で事業の継続が不可能になった場合
  • 従業員の責に帰すべき理由によって解雇する場合

 

▶参考:労働基準法第20条

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
③ 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

・参照元:「労働基準法」の条文はこちら

 

▶参考:解雇予告や解雇予告手当については以下の参考記事で詳しく解説しています。こちらもご参照ください。

解雇予告とは?わかりやすく徹底解説

解雇予告手当の計算方法、支払日、所得税、源泉徴収票の処理について

 

13,解雇した正社員への退職金の支払は必要か?

会社は、就業規則に定めた退職金に関する規程に基づいて退職金を支給します。

解雇した正社員への退職金の支払いについても、各社の退職金規程により判断されることになりますが、多くの会社では、解雇された場合は会社都合退職扱いとして、自己都合退職の場合よりも退職金の支給額が増額される制度設計がされています。

一方で、懲戒解雇された正社員については、退職金を不支給とし、または減額する旨の規定を退職金規程に設ける例が多くなっています。ただし、実際の裁判では、正社員が懲戒解雇され、就業規則に定めた不支給事由に該当する場合でも、退職金の不支給が必ず認められるわけではありません。単に不支給事由に該当するだけでなく、退職者に著しい背信行為があったといえる場合に限り、退職金の不支給を認める裁判例が多くなっています。

いずれにせよ、不支給事由を就業規則に定めていない場合は、どんな背信行為があったとしても退職金を支給しないといけなくなりますので、就業規則に不支給事由を定めておくようにしましょう。

 

▶参考:懲戒解雇の場合の退職金の扱いについては詳しくは以下の参考記事でご説明していますのでご覧ください。

懲戒解雇の場合に退職金の不支給は違法か?詳しく解説します!

 

14,解雇の前に退職勧奨を検討すべき

ここまで正社員の解雇について説明してきましたが、実際に正社員の解雇を検討している場合は、解雇に進む前に、まずは問題の正社員に対して退職勧奨を行うべきです。

退職勧奨とは、会社側から従業員に退職してほしいと考えていることを伝え、従業員から退職届を提出してもらって雇用契約を終了することを目指すものです。

会社から一方的に雇用契約を終了させる解雇とは異なり、退職勧奨は従業員との合意による退職を目指す方法です。退職後に不当解雇だと訴えられるリスクをできるだけ抑えるために、まず解雇の前に退職勧奨を行うべきなのです。

実際に問題のある正社員を前にすると、退職に向けた説得など応じるはずがないと考えがちです。しかし、筆者が所属する咲くやこの花法律事務所にご相談いただいたケースでは、弁護士に相談しながら、工夫して退職勧奨を行うことにより、ほとんどのケースでは、解雇しなくても退職勧奨により問題を解決することができています。

 

▶参考:退職勧奨の適切な進め方などについてはこちらの記事をご参照ください。

・参考情報:退職勧奨(退職勧告)とは?適法な進め方や言い方・注意点を弁護士が解説

 

「弁護士西川暢春からのワンポイント解説」

咲くやこの花法律事務所における、退職勧奨による問題社員トラブルの解決事例の一部を以下でご紹介していますのでご参照ください。

 

▶参考情報:正当な指導をパワハラであると反抗する問題社員に対してメールで指導し退職させるに至った事例

▶参考情報:歯科医院の依頼で能力不足が顕著な職員の指導をサポートして問題解決した成功事例

 

15,正社員の解雇に関して弁護士に相談したい方はこちら(法人専用)

咲くやこの花法律事務の弁護士によるサポート内容

最後に、咲くやこの花法律事務所の弁護士による、正社員の解雇に関する企業向けサポート内容についてご説明したいと思います。

咲くやこの花法律事務所の弁護士による、正社員の解雇に関する企業向けサポート内容は以下の通りです。

 

  • (1)正社員の解雇、退職勧奨の進め方のご相談
  • (2)退職勧奨や解雇の際の面談への立会い
  • (3)解雇後のトラブルについての交渉、裁判
  • (4)顧問弁護士契約

 

以下で順番に見ていきましょう。

 

(1)正社員の解雇、退職勧奨のご相談

咲くやこの花法律事務所では、正社員をはじめとする従業員の解雇や退職勧奨についてのご相談を、企業経営者や人事担当者から常時お受けしています。

この記事でもご説明したとおり、正社員の解雇は、企業にとってリスクが高い場面です。解雇前に必要な証拠収集や、解雇した場合のリスク、また退職勧奨や解雇の具体的な進め方などを、事前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

咲くやこの花法律事務所の解雇や退職勧奨に詳しい弁護士による対応費用

  • 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(2)退職勧奨や解雇の際の面談への立ち会い

咲くやこの花法律事務所では、従業員への退職勧奨や解雇の際の面談について弁護士の立ち会いによるサポートも実施しています。

退職勧奨や解雇の面談は、特にトラブルが予想される場面です。解雇トラブルに精通した弁護士が立ち会うことで、誤った対応によってトラブルが大きくなるリスクをおさえることができます。

 

咲くやこの花法律事務所の解雇や退職勧奨に詳しい弁護士による対応費用

  • 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)

 

(3)解雇後のトラブルについての交渉、裁判対応

咲くやこの花法律事務所では、解雇した従業員とのトラブルに関する交渉や裁判のご依頼も承っています。

解雇した従業員が不当解雇であるとして復職や金銭の支払いを求めてきた場面では、弁護士が従業員との交渉を会社に代わって行います。また、裁判においても豊富な経験を生かして解決に導きます。

咲くやこの花法律事務所には、従業員の解雇や解雇後のトラブル対応において、解決実績と経験が豊富な弁護士がそろっています。
解雇トラブルでお困りの方は、早めに咲くやこの花法律事務所までご相談下さい。

 

咲くやこの花法律事務所の解雇トラブルに強い弁護士による対応費用

  • 初回相談料:30分5000円+税(顧問契約締結の場合は無料)
  • 交渉着手金:30万円程度+税
  • 裁判時の対応着手金:45万円程度+税~

 

(4)顧問弁護士契約

咲くやこの花法律事務所では、人事労務のトラブル等を日ごろから弁護士に相談するための、顧問弁護士サービスを事業者向けに提供しています。

顧問弁護士サービスを利用することで、問題が小さいうちから気軽に相談することができ、問題の適切かつ迅速な解決につながります。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスは以下をご参照ください。

 

 

16,まとめ

この記事では正社員の解雇についてご説明しました。正社員の解雇は、解雇権の濫用にあたらない正当な解雇理由があり、適切な手順によって行われた場合でなければ、裁判になった場合に有効と認められません。

解雇した従業員とトラブルになって裁判で「不当解雇」であると判断されると、解雇ができないだけでなく、高額なバックペイを支払う義務を負うなど、会社にとっての負担は非常に大きいものになります。

トラブルになってからでは出来る対応も限られてしまいますので、解雇を検討している場合は、できるだけ早い段階で弁護士にご相談ください。

 

17,咲くやこの花法律事務所の解雇トラブルに関する解決実績

咲くやこの花法律事務所の正社員の解雇トラブルに関する解決実績の一部を以下でもご紹介していますのでご参照ください。

 

成績・協調性に問題がある従業員を解雇したところ、従業員側弁護士から不当解雇の主張があったが、交渉により金銭支払いなしで退職による解決をした事例

元従業員からの解雇予告手当、残業代の請求訴訟について全面勝訴した事案

解雇した従業員から不当解雇であるとして労働審判を起こされ、1か月分の給与相当額の金銭支払いで解決をした事例

下請業者に自宅の建築工事を格安で請け負わせるなどの不正をしていた社員を懲戒解雇処分とし、約200万円の支払をさせた事例

 

18,「咲くやこの花法律事務所」の弁護士に問い合わせる方法

問題社員の対応でお困りの企業様は、下記から気軽にお問い合わせください。咲くやこの花法律事務所の「労働問題に強い弁護士への相談サービス」がサポートさせていただきます。

今すぐのお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

【お問い合わせについて】

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記事更新日:2024年6月18日
記事作成弁護士:西川 暢春

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    出版社:株式会社日本法令
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